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計算通り、彼はこの蒸し風呂のような空気を知り、色々想像しちゃってるみたいです。
ちょっと意地悪だった気もしますが、この素敵な場所に充満する空気を、ちょっとだけお裾分けしてあげたんですから、少しは感謝して貰いたいぐらいですよね。
僕の方もしゃがんだことで、股間辺りの締め付けの力が変化して、凄く気持ち良くなってしまうのですが、それも我慢です。
丁度しゃがんだ時に、股の間に空いた空間に吸い付くように入り込んだパニエの布が、由佳里の敏感な場所をソフトに撫でる感じも伝わり、僕の固くなったモノの裏スジがそれをしっかり感じていました。
余りに気持ち良くて、しゃがんだまんま、思わず太ももを摺り合わせてしまったぐらいなのですが、多分成田君には、可愛らしく謝ってる由佳里しか見えていなくて、重装備のスカートの中の足が、どんな様子なのかは全く見えてないはずです。
太ももを摺り合わせると、股の間に吸い込まれるように挟まったパニエの布が一緒に擦れて、更に気持ち良くなる悪循環なのですが、僕は目の前にいる成田君に、可愛らしく謝る由佳里を演じて見せます。
目の前の成田君が、由佳里の中のそんな事実にまで気付いているとは思えませんが、それを知るには、着ぐるみの中に入れる立場にならないといけないんですよね。
彼は、その場で落ちた花を拾って、再び花をバラして、最後にバラバラになった状態を纏めて由佳里に手渡してくれます。
僕はその花束を、由佳里っぽく受け取ると、花の香りを嗅ぐふりをします。
もちろん僕には花の香りは全く伝わってこないのですが、由佳里は素敵なお花の香りに満足しているんですね。
ウンウンと納得したように花を見てる様子を再現すると、首周りのドレスの生地とか腕を多うグローブに出来るシワが、もの凄くこそばゆいのですが、そこは我慢し続けて、由佳里を存在させてあげることになります。
何をやっても苦しいのですが、それが由佳里の中にいると言う事ですから、僕はこの快感に耐え続けるんです。
由佳里と、会場側の全ての準備が整ったことを確認すると、ドアが開いて、由佳里は再び部屋に入室します。
既に司会者達により、希望する人間は部屋の前の方に集まっていて、その中で由佳里が入室すると、殆ど全員が前に集まっていることに気付きます。
そんなに由佳里とキスがしたいんですね。
僕なんてキスより濃厚な行為をずっとされ続けているのに、彼らお客さんはキスだけでも満足だなんて、ちょっと可哀想な気もしますが、その分、権利を獲得した人には素敵なキスをしてあげることにしましょうね。
司会者の合図によって、由佳里は一本一本、成田君がバラバラにしてくれた花をお客さんの方向に投げる事になります。
投げる時は結構全身を使うんです。
手首を使って投げただけだと、花が軽すぎて遠くには飛ばないので、少しだけですが身体全体を使って投げるんです。
ただ、本気で投げると、由佳里っぽくないので、可愛らしく投げつつ、身体のバネを利かせるように投げます。
すると、騒然ですが、投げる前には上半身がかなり窮屈に突っ張り、僕の大事なモノは、投げるモーションに入る度に、悩ましいシワと締め付けに襲われ、投げた後は、スカートの揺れに合わせてパニエが由佳里の下半身を優しくサワサワと擦るんです。
これを20本。自分のタイミングではなく、司会者の言うタイミングで投げることになるので、一投一投がとっても苦しいんです。
スカートの空気ががらりと入れ替わるほどにスカートが揺れるならいいのですが、そこまで思い切り投げる訳ではなく、あくまでも自然に、可愛らしく、なので、殆どスカートの中の空気が入れ替わることは無く、それなのに、毎回、モノは締め付けられ、シワになぞられ、そして最後にパニエがサワサワと撫でる。
その度にスカートの中に悩ましい吐息を漏らし、充満した空気を吸って、一生懸命に呼吸を整え、次の一投の心づもりをするんです。
司会者のタイミングによっては、まだ僕の心が準備出来てない時もあります。
それでも、司会のタイミングに合わせて投げるので、その時の悩ましい感覚は、言葉で説明できない程です。
投げなきゃ、と言う義務感と、そのせいで襲ってくる耐え難い快感との狭間で、由佳里を由佳里として存在させる為に、目を潤ませて必死に可愛らしく花を投げるんです。
由佳里が可愛らしく花を投げている裏側に、そんな世界があるなんて、いったい誰が想像するんでしょうね。
少なくともお客さんは、可愛い由佳里の投げる花を取ることに一生懸命で、裏側のことなんか気にしてない様子。
お客さんにとってはそのぐらい完璧に由佳里なんです。
ただ、この場にいるメイドさん達と、成田君だけは、きっと僕の苦しみを理解しているはずです。
メイドさんは相変わらず可愛く由佳里を眺めていますが、きっとあのメイド服の中に充満する空気は、由佳里の姿を見つめて、かなり悩ましい世界になっているはずです。
彼女たちは、あまり人に注目されない時間が結構あるので、もしかするとそんな由佳里を見ながら、上手に裏で処理している可能性すらあります。
なにしろ彼女たちの仕事は1時間交替です。
仕事中に何度か出しても全く問題にならない時間なので、人知れず出している可能性が高いのです。
そんなメイドさんを、正直、ちょっと羨ましいと思うこともありました。
だって、僕は、イベントだけでもまだ3時間以上の長期戦ですし、ホビー21の更衣室に戻るまでを考えると、きっとまだまだ相当先まで、この由佳里から逃げる事は出来ません。
もちろん着ぐるみの演者に与えられた権限によって、本当に演技続行が無理と判断したらいつでも中止には出来ますし、なにより、今日は最悪でももう一人、加藤君の入った由佳里がいるので、イリュージョンの所だけ上手く誤魔化せれば、イベント自体も成立出来る事になります。
そう言う意味では、通常よりも中止にしても困らないと言えました。
ですが、僕は最初から、このイベントを中止にするつもりはありません。
こんなに悩ましくて切なくて苦しいのに、それを与えられながら、由佳里に覆われ、由佳里を演じられる事が、もの凄く興奮できるからなんです。
真実を知っている人からすれば、こんなに羨ましい場所にいられるのです。
その場所をわざわざ放棄するなんて、僕には絶対に考えられないことでした。
ですから、僕は、一生懸命由佳里を演じ、由佳里が与える寸止めに耐え、出したい衝動をじっと堪えているんです。
当然、メイドさん達の中にいる人も、そのことは理解しているはずです。
僕が長期戦なので簡単に出すわけには行かない事も理解していて、だからこそ、こんなに素敵で、真実を知るとこんなに嫌らしい由佳里の中で、きっと僕が我慢を続けていることを理解しているはずなんです。
そしてもう一人、真実を知っているはずなのが、成田君。
彼はメイドさんと違って自分は普通の人です。
想像は出来ても、全くそう言う体験は出来ない立場。
そんな人の目の前で、僕は、こんな苦しげで可愛らしい由佳里を演じているのですから、それはそれは興奮できるんです。
彼が想像しかできない世界を独り占めする嬉しさや、彼にとって今の僕は、憧れのヒロインであると言う事実が、凄い興奮を産むんですよね。
そんな彼に見せつけるように、可愛らしい由佳里が花を投げるイベントが終了します。
もの凄く興奮している為、猛烈に息苦しいのですが、もちろんスカートを捲ったり、不自然な動きはしません。
目の前にある新鮮な空気をぐっとこらえて、僕は由佳里のスカートの中の空気を吸い続けます。
シルクとタイツの香りに、吐息や汗やゴムの香りが混ざり、それが熱で蒸されて凄い臭いなのですが、その空気を吸って、なんとか由佳里を存在させています。
苦しいですけど、周りから見た由佳里はきっと可愛いんだろうなと想像すると、この苦しさの中に身を置ける事が凄く嬉しいんですよね。
この後、由佳里は衣装替えをする事になっていますので、僕はみんなに手を振って、楽屋に向かって移動を開始します。
入れ替わりで先程休憩に向かった彼氏役の男の子が戻ってきます。
彼がしばらく場を繋いでくれることになっているんです。
僕は、成田君に付き添われて、楽屋へ戻って行くことになります。
楽屋までも歩く度に悩ましい世界がずっと続いていますが、さすがに歩く程度の刺激ではイクことは出来ず、むしろ固い状態をキープし続ける事になり、更に苦しさが増して行きます。
一歩一歩、苦しくなる一方ですが、それは由佳里の中にいる以上仕方のないことなんでじっと我慢です。
一緒に歩いている成田君が、その裏に気付いているかどうかは分りませんが、既に成田君は色んなことを想像しちゃっているはずなので、歩くことぐらいではもうこれ以上興奮しないかもしれませんね。
彼もパッドは付けているはずなので股間は目立ちませんが、きっと触れたら相当に固くなっている気がします。
まぁそれでも僕の固さには敵わないと思うんですけどね。
頭の中で想像するだけの興奮で得る固さと、色々な想像以外に、実際に衣装と身体によって物理的に刺激を受けて得る固さでは、物理的刺激の方が苦しいに決まってますから。
こうして悶々としながら楽屋に到着します。
楽屋に入ると部屋の真ん中に由佳里用の椅子があり、部屋は誰もいない様子。
一部の人達は、今、もう一人の由佳里にかかりっきりで着付けをしているはずですが、その他の人達も、忙しいのか、部屋には誰もいませんね。
「お疲れ様ー」
成田君が由佳里を誘導して、真ん中の椅子に座らせてくれます。
僕は可愛らしくお礼をして、椅子に座ります。
座ると余計にスカートの裾と床がくっつきますから、さらに空気は篭もるのですが、歩いてさんざん気持ち良くなったモノをなだめるのには、じっとしている方がいいとも言えるので、座って呼吸を整えることになります。
すると、成田君が、床に落ちているゴミを見つけたようで、スッとしゃがみ込みます。
たまたまそのゴミは、由佳里のスカートの裾に近い位置にあり、もしかすると、スカートがゴミを一緒に引きずっていたのかも知れません。
そして、そのゴミを拾おうとした成田君が、一瞬だけ手を止めたんです。
僕はその瞬間を見逃しませんでした。
多分、僅かにスカートの裾から漏れ出る空気を感じたんでしょう。
その、成田君の様子は、本当に何とも言えない物でした。
それは、事実を知った驚きの表情。
そして、その空気を吸い続けている由佳里の中に対する羨望や嫉妬。
そう言った物を全て含んだ、何とも言えない表情をしていました。
もちろん、それでも彼は至って冷静を装っていますが、生身の人間は、どんなにポーカーフェースを決めても、僅かに顔に出てしまうんですよね。
その点、僕は全て由佳里によって遮られていますから、由佳里の中でどんな卑猥で苦しげで情けない表情を浮かべていても、成田君にその顔を見られる心配は無いんです。
僕からは彼が丸見えですが、彼からは、僕は全く見えない存在なんですよ。
何しろ、顔を見られないどころか、成田君は僕が北野であることすら分っていないんですから。
「あ……あのさ」
そんな時、不意に成田君が話しかけてきました。
僕は、可愛らしく、何? とポーズを作って返してあげます。
もちろんそのポーズが、僕のモノに優しく意地悪な刺激を送ってくれます。
軽く首をかしげた勢いで、ネックレスが胸元を優しく擦り、ゾクゾクしたりもするんですが、由佳里の態度に不自然な所は無いはずです。
「も……もしね。もし苦しかったら、スカートめくってもいいんだよ? 今、誰もいないし」
スカートを捲って空気を入れ替えてはどうか? と言う話を持ちかけてきました。
確かに苦しいし、捲れば新鮮な空気に入れ替わって楽になるのは分ってます。
そして、今は誰もいないので、それをすることも可能だと分ってます。
が、ここで色々考えました。
多分、成田君は、スカートから漏れる空気を感じて、色んな思いを抱いたのでしょう。
こんな苦しそうな空気を独り占めしている由佳里の中の人に、ちょっと嫉妬もあったのかもしれません。
そこで、空気を入れ換える提案をする。
これは、由佳里の中を心配しての配慮と取れますが、実は、彼の嫉妬の対象である、この空気を新鮮な物に入れ替えることで、彼自身、少しだけ羨ましさから逃れることが出来るんです。
つまり、彼は僕のためではなく、自分のためにも空気を入れ換えて欲しいと思っているんです。
では、僕はどうか。
とっても苦しいし、喉から手が出る程新鮮な空気が欲しい。
今にも出そうなモノを必死でなだめているので、今や呼吸は本当にマラソンでもしているかのような荒さです。
でも、そこで彼の提案に乗るのはどうなんだろう? と考えてみます。
彼の提案に乗って空気を入れ換えるより、このまま理由を付けて空気を維持した方が、彼の嫉妬心は高まるはずだと思うんです。
しかも、僕が、由佳里として拒否するなら不自然ではありません。
だって女の子がスカートを自分のめくり上げたいなんて思うはずがありませんから。
そして、僕は今、由佳里であることを要求されている立場です。
拒否することは、実は自然なんです。
そして、自然に拒否することで、彼は、今以上に由佳里の中に嫉妬を覚えるはずなんです。
そんな楽しそうな状況を目の前にしているのに、僕がわざわざ空気を入れ換える提案に乗るはずないですよね。
苦しいけどこうして我慢を続けていますし、これからも我慢出来るとは思ってますし。
なので、ちょっと成田君にアピールするように、可愛らしくイヤイヤと拒否してみます。
すると、彼はやはり何とも言えない、残念そうな表情で由佳里を見つめているんです。
意地悪な気もしますが、わざと、少し苦しそうな態度を取ってみたり、スカートの裾を押さえてみたりもします。
もちろんそうすることで、僕自身がかなり苦しくなり、しかも衣装の産み出す快感を感じてしまうことになるのですが、それ以上に、彼が由佳里の中を想像して、とても羨ましそうな顔をしているのが、凄く興奮するんですよね。
スカートの裾を押さえる為に椅子に座ったまま前屈みになると、ドレスのピチピチ感も急に増して、とくにウエスト周りがピッチリとフィットして、僕のモノを締め付けますし、膝の上に由佳里の大きな胸が乗って、その感触によって、更にモノが締め付けられるんですが、その胸に彼の視線が集中しているのが、とても楽しかったりします。
僕もこのまま押さえ続けて胸が締められ続けると、どんどん気持ちが良くなって、再び寸止めされそうだったので、適当なところで切り上げるんですが、それにしても、本当に嫌らしい快感を一身に浴びながら、彼の視線を集めると言うのは、とても興奮できることでした。
「んー。じゃーもういいよ。好きにしてて。」
彼は少しふてくされたように言って、部屋の隅にある横長のソファーに腰を掛けてしまいます。
少し意地悪しすぎたかな? とも思ったのですが、丁度いい機会なので、もうちょっと意地悪してみようかと思いました。
僕は席を立って、彼のソファーの前にいってしゃがみ、ごめんなさいのポーズを取ります。
もちろん両手を合わせる時は、肘で両胸を軽く挟むことも忘れませんし、そうすると彼の目が胸に集まることも見逃しません。
僕の演じる由佳里を見て、ますます興奮している様子の成田君。
そりゃそうでしょう。
目の前で、自分の憧れのヒロインが可愛らしく振る舞っているのに、その裏には友達がいて、しかもそのヒロインの身体と、纏った衣装が作り出している羨ましい世界を一人で独占しているんです。
そのことを想像したら、普通、興奮もしますし嫉妬もするでしょうからね。
「いいよ。もう。別に気にしてないし。」
彼は、そう言ってますが、明らかに気にしてます。
もう、由佳里の中が気になって気になって仕方がないのに、実際には知ることが出来ないと言うもどかしさに、ちょっと腹が立っているのです。
でももう一押しです。
僕は彼の横にくっつくように座ります。
スカートの裾が彼の足下に絡むように座ることで、彼も足から、スカートの空気を感じるはずだと言う計算も入っています。
そして、ゆっくり彼に身体を預けるようにもたれかかります。
身長差があるので、由佳里の頭は、彼の胸ぐらいの位置になっています。
普段なら殆ど背丈は変わらないのですが、こうして着ぐるみに入ると、自分の背が小さくなっていることを実感して、それもまた興奮できるんですよね。
「え?」
彼は驚いたように由佳里を見ます。
僕も彼を見上げてあげます。
可愛らしい由佳里の顔が、彼に向けられ、彼はドキドキしているのが良く分ります。
こんなに間近で由佳里の顔を見つめられる人なんて、そうそういませんが、僕の友達なので特別サービスですね。
彼は明らかにドキドキしてて、由佳里の可愛らしい表情と、華奢な身体が、相当に愛おしい女の子に見えているはずです。
唯一、体重だけが由佳里の中身を想像させる可能性はありますが、やはり可愛い女の子に寄り添われて、ちょっと照れたようなドキドキしたような様子が伝わっています。
そして、身体をくっつけたまま、僕は一生懸命に呼吸を整えはじめます。
ずっと苦しいのは事実なので、こうして身体を預けて呼吸を整えると、スカートを捲る程劇的に変わる訳ではないですが、多少は落ち着くのも事実。
そして、苦しい空気を一生懸命に呼吸している様子が、成田君に伝わるのも計算しています。
もっと中を想像して、もっと興奮して、もっと悶々として、もっと中に嫉妬して欲しい。
凄く意地悪な考えだけど、僕は成田君にそうなって貰うように、し向けていました。
もちろん、彼とは仲のいい友達ですから、ただ意地悪するだけでこんな失礼なことはしません。
これは、僕から彼への本気のプレゼントでもあるのです。
彼には、今までも何度も僕で興奮して、僕に嫉妬して貰っていました。
が、それでもまだ役者になれずにいます。
やっと基準となる30分に耐えられるようになって、もう少し頑張れば彼も僕や加藤君のいる世界に来れるんです。
なのに、最近の彼の言動は、ちょっと諦めが入ってるんですね。
なんとなく、惰性で研修を受けてるし、運が良ければ役者になれるかも知れないけど、元々の才能が僕や加藤君とは違うって、諦めちゃってる気がするんです。
もちろん、もしかすると少しは才能の差はあったかもしれません。
けど、30分耐えられると言うことは、実際あとちょっと頑張れば、立派な役者になれる資質はあるってことなんです。
それと、僕は、講師として、彼の研修を見たことがあるんですが、彼、そこいら辺の役者より、余程演技力は高いんです。
それこそ操演に耐えている時間に関して言えば、加藤君より才能はある。
だから、絶対に役者になるべきだし、そんなところで僕をサポートしている場合じゃないんです。
僕は、それを強く思っています。
恐らく彼自身よりも。
だから、僕はこの機会に、彼の憧れる由佳里の中で、僕が独り占めしている世界を羨ましく思って貰って、そこで彼が頑張る原動力になって欲しいと思ってます。
そう言う、ちょっと維持が悪いけどショック療法的な行為は、絶対必要だと思っていますからね。
あ、もちろん、そう言う理由以外に、彼が僕に興奮している姿を見るのが純粋に楽しいって言うのもあるんですけどね。
これは着ぐるみの中にいる人の特権ですから、その特権は有効に使わせて貰いたいですしね。
「くるしい?」
彼が心配そうに由佳里に尋ねてきます。
実際、慣れてない人なら逃げ出したいぐらい苦しい状態です。
外の空気を吸えない苦しさは、慣れていない人なら過呼吸からパニックにだってなり兼ねないぐらいなんです。
ですが、僕らは訓練を受けていますし、着ぐるみは絶対に演者を窒息させない呼吸システムを備えていることを、練習中に色々と実体験しますので、この苦しい呼吸も安心して受け入れられるんです。
信頼しているから、苦しくても我慢し続けるというのでしょうか。
それに、こんな苦しい空気がスカートの中の空気だなんて、ちょっと素敵ですからね。
ですが、今は、彼に少し苦しげな所を見せてあげる為に、か弱く頷いてみます。
「スカートは、平気?」
やはりスカートが気になるんでしょうね。
ですが、ここでは平気だと言ってあげます。
こんなに苦しいのに、平気と言うのもまた興奮するんですが、それ以上に、彼は由佳里の返事に興奮を覚えているはずです。
「苦しかったら、こうして寄りかかってていいよ?」
彼は、由佳里がスカートを捲る気がないことを悟ったのか、心配して、身体を預けてもいいよ、と提案してきます。
僕は由佳里に可愛らしく頷いて貰い、彼の提案に同意することにします。
そして、彼の手のひらに、ツヤツヤのグローブに包まれた指先で、
「また、くるしくなったら、おねがい」
と書いてあげます。
これで、今日は一日彼に、苦しげな由佳里を想像して貰う口実が出来ました。
実際、こうして身体を預けるとかなり楽なのも事実なので、上手く彼の身体を利用させてもらうことにしましょうね。
「分った……苦しいときにはそっと教えてね」
彼の言葉にそっと頷いてあげます。
彼も、由佳里に寄り添われるなんて、ファンならかなり幸せなはずですしね。
僕も由佳里のファンですが、僕は由佳里に寄り添って貰ったことも、間近で見つめて貰ったこともありません。
そう言う意味では、成田君は、こんなに近くに由佳里を見れるんですから、それはそれで特権と言って良さそうです。
まぁ、僕の場合、由佳里を間近で見られることよりも、もっと素敵な由佳里を独り占めしてる事実があるんですけどね。
こうしてしばらく彼の身体で休憩していると、他のスタッフが部屋に戻ってきました。
「おっ。と、これはお楽しみ中ですか?」
由佳里に寄り添われてるんですから、それは言われますよね。
成田君は照れながら言い訳してますが、そのシドロモドロな感じもまた可愛いです。
女の子が男に対して小悪魔になる時って、きっとこんな気分なんですね。
一応成田君は着ぐるみが大変な装備なので、疲れたら休ませてあげるんだと言ってますし、スタッフもそれで納得してます。
僕も成田君に同調するように、ちょっとだけ身を起こしてウンウンと頷いてあげると、今まで落ち着いていたので、余計に身体を起こして頷く動作によって、少しだけ落ち着きを取り戻していた僕のモノが、再び固さを取り戻してしまいます。
(んっ……くっ……)
身を起こした瞬間の切ない感触に思わず息をのんで、その後頷いた時に首周りのシワがモノをなぞる感触に、身悶えるような快感が襲ってきます。
直ぐに身体を戻して呼吸を整えるのですが、多分成田君にも、急に呼吸が荒くなっていることは伝わったはずです。
たったあれだけの動作で、こんなにも気持ち良くなってしまう身体の中にいる僕を、色々と想像してくれているといいのですが。
「じゃ、そろそろ着替えますかね」
スタッフに言われて、成田君が由佳里の肩をトントンと叩きます。
「そろそろ時間だってさ。着替えに行ける?」
成田君に言われて、目一杯可愛く、身体を預けたまま顔だけ彼に向けてウンと頷いてあげます。
そして、スッと立ち上がって、姿勢を正し、綺麗で可愛い由佳里に戻ります。
立ち上がった瞬間の体中のセンサーの反応は、それはそれは素敵なもので、思わずまた彼に身体を預けて休憩したくなりますが、彼にそう言う姿をことで、彼があれこれ想像してくれる楽しみを考えると、ここは僕もじっと我慢です。
僕がスタッフに誘導されて、着替えをはじめようかなと思う直前に、
「空気、逃がさないと着替えるときに熱気がバレるよ?」
と、彼が僕に提案してきました。
スカートの中の充満した熱気は、確かに間近で衣装を脱がされたら驚く人もいるかもしれません。
それに、一連の動作のせいで、せっかく落ち着いていた呼吸が荒くなって、また息苦しくなっているのも事実です。
そこで、またちょっと意地悪を思い付くんです。
彼の前で軽くターンをしてスカートの空気を逃がすんです。
僕は、由佳里を軽く二回転させ、スカートがふわっと広がった勢いで、スカートの中の空気を逃がします。
ですが、二回転させて身体の動きを止めた次の瞬間、予想通りスカートが身体に巻き付いて来て、スカートの中のパニエが僕のモノを優しく締め上げます。
また、回転するときにドレスの生地が突っ張って、そのシワや締め付けも僕を襲ってきます。
実は、このイベントには社交ダンスのシーンもあり、その時の練習でドレスを着て回転するとどうなるかはよく知っているので、こうなることは予想できたのですが、実際、覚悟を決めて回っても、回転を止めると猛烈に気持ち良くなってしまいます。
これを何回転か繰り返すと、きっと出せると言うぐらい気持ちいい行為なのですが、もちろん由佳里は平然としていなければいけません。
ですが、やはり、分る人には分るんです。
由佳里が回転を止めた瞬間に、裏側に起こる真実が。
もちろんその人とは成田君。
「今の、平気? 苦しいなら理由考えてスカート捲り上げて入れ替えるけど……」
予想通り質問してきます。
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