バスツアー(5話) [戻る]
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結局、梨狩りは15時近くまで続きました。アヤメは、途中で着替えに戻っていたとは言え、この残暑の厳しい野外で、実に2時間近くもアヤメとして存在していました。
僕が時折アヤメに協力してやると、アヤメの身体から放熱される火照った空気を感じました。アヤメから喜んで抱きついたりもしてきたのですが、その時に感じたメイド服の蒸した感じも忘れられません。
黒いメイド服が、アヤメの身体の放熱を遮り、湿気を閉じ込めているのです。

実はアヤメの身体には、脱水症状にならないように、女性の脂肪に相当する場所に大量の水分を含ませ、それを演者が飲むことが出来ます。これは野外操演の為に装備された物で、これによって、ホビー21製着ぐるみであっても、数時間は野外での操演が可能なようになっています。
そう言う意味では、見た目ほど辛くはない、と言う話は、この企画をやる時に、着ぐるみの制作担当者から聞いた事もあるのですが、実際に北野に以前話を聞いた時には、夏場は本当にキツイという話でした。制作担当の計算は、あくまでも、平常心で着ぐるみを操演している場合の話であって、気持ち良くて興奮して体温が上がってる状態では、計算通りには行かないのだそうです。
実際、意識がもうろうとしてしまう日もあるらしいのですが、それでも僕がツアーの引率をしている時に、アヤメを始めとする着ぐるみ達が、暑さバテをしている様子を見た事はありません。
つまり、中の人は必死に頑張ってるって事でしょう。

とすると、今頃北野は、狭く締め付けられ、息が猛烈に篭もる状態のまま、快感だけを与えられ、しかも蒸し風呂のような世界の中で、アヤメを演じているのです。

そんな地獄のような野外レクリエーションも、15時を過ぎ、そろそろ終了です。
広場に集まり、取った梨をおのおの持って帰ったり、その場で食べてみたりしています。
農園の人達が一通り挨拶し、僕がお客さんの代表に何人か感想を聞き、そろそろ僕が締めの言葉を言って終わり、となったその段階まで、アヤメは可愛らしいリアクションを僕の横で続けています。
そして、いよいよ僕が締めの言葉を言い始める、その時、農園の人が思い出したように僕の言葉を遮り、そう言えば梨で作ったタルトがあるので、みんなで食べていきませんか?と提案してきました。
僕はバスの時間があるからそんなに長居は出来ないという話をしたところ、直ぐにテーブルと椅子を持ってきてこの場で切り分けて渡せるから、と言います。

お客さんはそれを聞き、拍手喝采。バスの運転手さんも、時間なら大丈夫、と言います。

みんなが賛同しているのに僕だけ反対するわけにはいきません。しかもアヤメも横で喜んでいるんです。僕が反対するのはおかしいですよね。ですから僕も了承して、みんなでタルトをご馳走になって帰る事になりました。
ですが、僕が心配したのはアヤメです。
アヤメは、そりゃ嬉しいでしょう。みんなとまだ遊べるんですから。でもそれは「アヤメの立場」としての話。
中にいる北野はどうなんでしょうね。

タダでさえ蒸し暑いアヤメの中に入って2時間以上野外レクリエーションを続けていました。それも、保温性抜群、かつ非常に動きにくそうなメイド服を着て、です。

僕の挨拶が終われば、エアコンが効いたバスに戻れるのです。
あとちょっと。あとちょっとで少しは楽な空間に行ける、と思っていたはずなのです。

それが農園の人達の言葉によって、先延ばしです。
それなのにアヤメは喜ばなければならないんです。嬉しそうに。その時の気持ちを想像したら、きっと堪らないでしょうね。

農園の人は比較的テキパキと動いて、タルトを準備します。その間、アヤメは周りでお客さん達と一緒にその様子を見ているのですが、僕はそんなアヤメをずっと見ていました。
お客さんの輪より一歩引いたところから見ているからよく見えるのですが、アヤメは時々農園の皆さんの行為に小さくその場でリアクションをしていますが、他は殆どじっとしているようでした。
ただ、時々、肩で深呼吸するような動作をしていたのが、僕にとっては非常に見たくないシーンでした。
周りが農園の人達の行為に集中していることを、軽く右見て左見て確認して、その直後に肩で呼吸していたのです。

恐らくアヤメの中は相当に苦しいんでしょう。
あんなに可愛らしく、あんなにグラマラスな身体を持ち、あんなに狭くて窮屈そうなメイド服に包まれながら、その場で立っているだけでは、長いスカートに篭もった空気が循環することは殆ど無い。

僕がさっき経験したアヤメのスカートの中は、その直前までヒラヒラと空中を舞っていたスカートです。つまり僕が包まれる前に空気がある程度入れ替わっていた可能性があるのです。
それにもかかわらず、僅かな時間で一気に熱が篭もって、空気も埃っぽく、ナイロンとゴムと汗の独特の臭いに包まれていました。

あの短時間でそこまで篭もる空気です。今のアヤメのスカートの中は、あの時の比較にならないぐらいの濃密で蒸し風呂のような空気が充満しているはず。時々見せる深呼吸程度で間に合うのでしょうか?と疑問に思ってしまう反面、あの羨ましい場所を独り占めしているのだから、少しぐらいは苦しむのもいいかもしれないと思っている自分がいました。

尤も、あの状態ですら実はかなり羨ましい事なので、どちらかというと楽にしてあげたい気持ちの方が勝っています。

その為、僕は後ろからアヤメに近づき、肩をトントンと軽く叩きます。
アヤメは後ろを振り返り僕に気づくと、まるで何事もないように「何?」と言うポーズを取ります。

可愛い笑顔の中がどうなってるのか凄く気になるところですが、なるべくそう言う感情を押し殺して、周りに気づかれないようにアヤメを数歩後ろに誘導し、小声で大丈夫か、話しかけます。

するとアヤメは、大きく「ウン」と頷いてみせます。
僕が、さっき深呼吸していたみたいだぞ、と言うことを告げると、恥ずかしそうに顔を手で覆って照れて見せますが苦しいと訴えることは無さそうです。
僕も彼女の訴えが無いのに、心配を続けるのも無駄ですので、じゃあもし本当に苦しくなったら、他の人が分らないように、僕にサインとして、親指と小指を立てて、電話の合図を送るように伝えると、アヤメは分ったと頷きました。

これで一応アヤメが突然倒れてしまう事は防げるでしょう。と少し安心した反面、この後もアヤメはしばらく、その世界を楽しむことが出来ると言う事実に嫉妬も覚えてしまいます。まあそもそもこの着ぐるみの構造から言っても、その制御のシステムが優秀なので、演者が本当の意味で倒れると言うことはまずあり得ないのですけど、中にいる人間が苦しくてギブアップする可能性はあるわけです。尤も、そう言う人間がアヤメの中に入れる訳はないので、恐らくはそんな状態を楽しんでいるだろう、と言う前提で嫉妬しているんですけどね。

アヤメが了解したので、僕はその場からまた2~3歩下がって周りが見える場所に移動しようとしたところ、急にアヤメが僕の手を掴んで引き留めます。
アヤメは、その場で誰も見ていない事を確認すると、素早く自分のスカートの正面側の裾を掴んでめくり上げ、僕の手をスカートの中に導きます。
手はアヤメの大事な場所に触れる事は無く、膝ぐらいの位置に導かれたのですが、直ぐにその意味を理解しました。

アヤメのスカートの中は僕がビックリするほどの蒸し風呂だったのです。
おもわず小声で「え?」って言ってしまうぐらいの蒸し風呂。この空気を吸っているとしたら、それは苦しいに違いありません。
そんな僕を見て、直ぐに手を離したアヤメは、スカートを元に戻して、小首をかしげ「ね?」って言う問いかけにも似たポーズを取ります。

まるで「ね?凄いでしょ?」って言っているように。

僕がドギマギしている様子を確認するように、ウンウンと頷くと、くるっと向きを変えて2~3歩進み、元居た位置に戻って農園の人達の準備の見学を続けていました。

それからという物、ついついアヤメの後ろ姿を見ながら、あのスカートの中の空気を想像してしまい、非常にツライ気持ちになりました。
あんなに苦しそうな空気がアヤメのスカートの中に充満しているのです。そしてアヤメの中に導かれているのです。
あんなに小さく可愛らしくグラマラスな女の子のお人形は、その内側にいる人に、あんなにも苦しそうな空気をプレゼントし続けているのです。
何とも罪なお人形さんです。自分は全く苦しくないから、態度は至って普通なのに、その裏側でアヤメを動かしてくれる大切な人には、そんな空気しかプレゼントしてあげないんですから。

結局、農園の人達がタルトを配り、みんなで食べ終わるまでにかかった時間は約20分。確かに手際は良かったのですが、アヤメの中で過ごす20分の延長戦は、短い時間ではなかったはずです。

全てのレクリエーションが終了し、農園の人達にも丁寧に挨拶し、お客さんをバスに誘導し、僕とアヤメは、一番最後にバスに乗り込みます。アヤメがバスに乗り込む後ろ姿を見ながら、僕もバスに乗りますが、その後ろ姿の可愛らしいこと可愛らしいこと。
後ろから見たスタイルも抜群ですし、なにより小柄で可愛い。本当にこんなに可愛らしい着ぐるみに北野が入っているなんて、事情を知っている僕ですら信じられないのですが、実際に中には北野がいるはずです。

バスに乗り込むと、丁度いい具合に空調も効いていて快適だなとは思いました。少なくとも先ほどのような蒸し暑さは全くなく、今の僕の着ている服で丁度いいと感じる具合に調整されています。
ただ、僕の服で丁度いいと言うことは、冬服と言ってもいいぐらいの重装備なアヤメにとっては、快適な温度ではないだろうと言うことも直ぐに想像できてしまいました。
先ほどと比べれば大夫マシ、と言える空調ですが、アヤメは今まで数時間の間、野外でメイド服姿で存在していたのですから、その状態が続いた後に、今の程度に空調が効いていても、果たしてアヤメの中をどの程度回復させられるのか、疑問ですらあります。
時間が経てばそれなりに落ち着くでしょうが、今、僕らが感じているほどの快適感は、アヤメの中には全く伝わっていないはずなのですから。

それでもアヤメは至って普通に着席します。
運転手さんに合図してバスを出して貰うと、僕らは一路出発地に向かって行きました。

バスの中では、感想を言い合ったり、エピソードを話したりと盛り上がっています。中でも、僕がアヤメのスカートの中に潜り込んでしまった例の事件は、お客さんのネタとして大好評。僕は恥ずかしいのと羨ましいので真っ赤になり、アヤメも照れまくっている演技をしています。

そんな中で、お客さんの1人が、あの蒸し暑い野外で、このメイド服を着たアヤメは、本当に大丈夫なのか?と、結構ちゃんとした心配をしてくれました。
するとお客さん達は、それぞれ心配してくれているようで、すっかり『アヤメちゃん、無理しないでね』と言う展開になっています。アヤメは平気平気とサインを出していますが、やはりお客さんはアヤメの身体の構造から言って、見た目ほど楽ではないと言う事を理解しているようした。

確かに今のアヤメの中は、見た目とは全く異なった世界が存在しているはずです。
ただ、お客さんは本当に重要な事には全く気づいていません。

アヤメの中は辛くて苦しくて一刻も早く休憩したいような、劣悪な環境なのではなく、むしろアヤメの中にいる演者は、その環境を1人で楽しんでいるはずなのだと言う事実。そして、知ったら羨むぐらいの快感も同時に1人で楽しんでいるはずなのだという事実。

結局、せっかくだからアヤメには着替えて貰って、別の衣装で登場してはどうでしょうか?と言う事になりました。
それならメイド服ほど重装備じゃない衣装も選ばれるかもしれませんし、着替えと称して楽屋で休憩も出来ると言う配慮もあったようです。

お客さんが衣装リストを見て、アヤメに着て貰いたい衣装を選んでいます。
アヤメはその様子を見て一喜一憂している様子です。
でも、このシーンを見た僕は、またアヤメの中を想像してしまいました。

お客さん達は、アヤメの衣装を選ぶために衣装リストを見ているのです。つまり、お客さん達の頭の中では、アヤメが着せ替え人形のように次々と衣装を変更された状態で想像されているのです。
衣装の中には水着のような衣装もあります。つまりは裸に近いアヤメと、その身体を包む衣装を想像されているのです。

アヤメとしては、もちろん自ら着る衣装を選んで貰って一喜一憂と言ったところですし、露出の多そうな衣装なら照れて見せたりもしています。
当然中にいる北野は、アヤメとして、アヤメの目を通してその衣装を見ている事になります。

自分の身体を締め付け、密封し、絶え間なく予測の難しい快感を与えられ続けるアヤメという拘束着の中でです。

お客さんに選ばれる衣装は、衣装のタイプにより、様々に苦しみと快感が待っているのです。
どの衣装が選ばれたとしても、着心地がいいと言う事は、アヤメの身体の中にいる限りあり得ません。程度の差はあっても、呼吸口は覆われ、塞がれ、衣装の締め付けやシワ、擦れが身体を通して伝わり、衣装の保温性がアヤメの身体の放熱を妨げます。

こんな状況下で、アヤメとして衣装選びを楽しんでいる演技を続けるのです。

恐らく頭の中では、これを着たらどうなる、アレを着たら何処が感じそうだ、こっちならこの部分が辛そうだ、
と色々な想像が渦巻いているはずです。それでもアヤメは全くそんに事を感じさせず、可愛らしい女の子として、衣装選びにリアクションを続けています。

そして、付け加えるなら、お客さんには、自らが中に入るアヤメの身体を想像されている。
自らの入る「女の子の身体」を想像されているんです。

目の前のお客さん達の頭の中に映るアヤメの身体は、どんな状態なのでしょう。
そして、お客さん達は頭の中でどんな衣装をフィッティングしているのでしょう。

目の前のお客さん達が想像しているその身体は、今はメイド服に包まれ、お客さん達の目には届きません。
その隠れた部分の全ては、その中にいる北野だけが知る世界。
生身の身体よりも感じやすいアヤメの身体を通して知る世界ですから、それはそれは正確に、衣装と身体の状態を把握しているはずです。下着のどの辺がどのぐらい締め付けられて、何処にどんなシワが出来、何処の布と身体が擦れて、その結果どれ程の甘く切ない感覚に変換されているか。その全てをリアルタイムで知りながら、その全ては外にいる全員には伏せられた秘密の世界なのです。
着崩れた衣装の状態に気づきやすいと言うメリットはある物の、絶えず予測が難しい刺激をされる身体の中にいるのですから、それは想像以上に苦しい事のはずです。
実際、僕自身の経験から言っても、衣装を着た後、自然な動作をしようとしても、気持ち良くて下半身が言うことを聞かなくなるのです。
北野は優秀でしたから、実際にその快感に耐えて、目の前でアヤメに入り続けています。その動作に不自然さや苦しそうな様子は微塵も感じることはありません。が、きっとアヤメの中の呼吸音を聞いたら、相当に切なくて嫌らしそうな呼吸音になっているはずです。

お客さんに衣装を選んで貰いながら、可愛らしくリアクションをとり続けるアヤメ。
そんな状況が5分ぐらいは続いたのでしょうか?しばらくしてお客さん達の意見がまとまり、衣装が決まります。

衣装のリストからみんなが選び出したのは、とあるゲームソフトのキャラクターで魔法使が着る衣装でした。
見た目にシースルーな感じもあり、また可愛らしく、かつ、結構スタイルもよく見えると言う事で、色んな要素からこれが選ばれたようです。

さっそく楽屋に戻って着替えを開始するアヤメ。

ですがアヤメが着る事になるこの衣装は、かなり複雑なデザインでした。
アニメやゲームのキャラクターの衣装は、比較的奇抜で複雑な物が多いのですが、この魔法使いの衣装はその中でもかなりの複雑さを持っています。
その為、アヤメ1人での脱ぎ着だと大変手間と時間がかかるので、僕はその手伝いをすることになります。

衣装の構造は、見た目にはメイド服程に全身を覆ってしまう感じは無いのですが、ワンピースを2枚重ねたような構造の上に、さらにローブを羽織り、胸や腰に色々な飾りが付きます。
そして、最大のポイントは、これらの衣装が単に着重ねればいい物ではなく、アンダー側の衣類の一部が一番アウター側になるなど、立体的に飾られているのです。このため一定の手順通りでないと脱ぎ着が出来なかったりします。

アヤメは既にそれまで着ていた下着を全て脱ぎ、この衣装用の下着類を着込んでいます。
下着は、白い綿のショーツと、オレンジ色に白いサイドのラインが鮮やかなタイツ。そして寄せ上げるタイプのしっかりしたブラを着けていました。

僕がアヤメに最初に手渡すのは見せ下着となるアンダースコートでした。
これはヒラヒラした飾りがいっぱい付いているタイプの下着で、少しふっくらさせるために、わざわざ内側にもヒラヒラがついています。このヒラヒラがクッションになって、アンダースコートが身体に密着せず、身体とアンダースコートに、僅かに隙間が出来るのです。
僕はこのタイプの衣装は着たことがありませんが、実際に着た人から聞いた話では、このアンダースコートは、実はかなり地獄らしいです。身体とアンダースコートの間に僅かな隙間を作るために、ヒラヒラが付いていると言う事は、身体はヒラヒラに触れています。このヒラヒラが、足や腰の動きに合わせて微妙にチロチロと刺激するのだそうです。
もっとしっかりフィットしていれば楽なのですが、可愛らしい雰囲気を出すために作られたこの僅かな隙間のおかげで、穿き心地は最悪に近いぐらい苦しいそうです。
また下着と言いつつも結構厚手な生地を使っている為、空気の篭もり方が凄く、印象としてはショートパンツを穿くのと変わらないぐらいの苦しさだそうです。
パンツ類はホビー21の着ぐるみ操演者の中では、皆が口にするほど苦しい衣装の一つなので、見た目の可愛らしさに騙されてしまいそうですが、このアンダースコートは、それに近い苦しい衣装の一つと言えます。息が苦しいのに裏側のヒラヒラのせいで気持ちも良くなってしまいがち、と言うのは、確かに想像しただけで大変そうですね。

ですがアヤメは嫌な顔一つせずこのアンダースコートを穿いてしまいます。

そして次に内側に着るワンピースです。これは超ミニスカーとと言っていいぐらいスカートが短く、タイトなボディーコンシャスで、ノースリーブのハイネックワンピース。ストレッチするレオタード素材で色は濃いめのオレンジ。
超ミニスカートがめくれ上がらないように、ワンピースのスカートの左右の腰の裏側に2本の長いリボンがついていて、それを先ほど穿いたアンダースコートに開けられたベルト通しの穴を利用して通し、再びワンピース側に引っ張り、サイドから引っ張ったヒモをワンピースのおへその辺りから胸の辺りまで、ひも靴の要領で交差させながら結んでいって、胸元でリボン結びで固定します。
可愛いらしいリボンで飾っていますが、これによりアンダースコートとワンピースが連結されてしまうことになりますので、少なくともアンダースコートを脱ぐには、この長いリボンを解く必要が出てくるのです。
脱ぐのも大変ですが、着せる僕は、アヤメの身体をヒモで引っ張って結んでいくわけです。その時間、アヤメはじっとしててくれますが、ヒモが締まって来ると、徐々にアヤメの呼吸が荒くなってくるのを感じます。
ウエスト付近も結構敏感ですし、最後に胸元でリボン結びするときなどは、緩くヒモを結ぶと垂れ下がって格好が悪いので、しっかり引っ張って結ぶ必要がありますが、そうするとアヤメの胸を寄せる効果も出てくるので、アヤメが更に苦しそうにじっとしているのです。
悔しいですが、失敗して何度もやり直すのは嫌なので、心を鬼にして冷静に一発で決めました。


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