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僕がホビー21に入社して約1年半。着ぐるみのサポートスタッフになって半年が経過したある日の事。
成田さんに呼ばれ、僕がティアナのサポートを卒業し、新キャラクターの担当になる事が告げられました。
ティアナからは色々な事を学びましたが、フロアのキャラクター入れ替え時期になり、ティアナが別のキャラクターになってしまうらしく、そのタイミングで僕もティアナ担当から外れたのです。
次に僕が担当するキャラクターですが、現在とても人気のある恋愛シミュレーションゲームの続編、が作られる事になり、その販売促進にホビー21が協力する事が決まったのです。
そして、ホビー21でそのヒロインキャラクター達の着ぐるみを作って店内で販促活動をする事になりました。
その恋愛シミュレーションゲームは、実は僕も最初のバージョンを持っていました。
中でもお気に入りの「白石沙織」と言うキャラクターは、僕が実際に趣味で着ぐるみを発注して自宅に存在するキャラクターです。
もちろん続編にもメインヒロインの1人として登場する事は決まっていました。
黒髪のロングヘアと、凄く濃い、吸い込まれるような青い瞳。可愛いと言うよりは美しいと言う方がしっくりくる美人。
その上スタイルは良く、最初は取っ付きにくいのに仲良くなると無茶苦茶デレるキャラと言うのがいい。
手の届かない高嶺の花的な設定なのに、実は無茶苦茶可愛くてデレデレなキャラなんです。
自宅の着ぐるみの沙織もかなりのお気に入りで、中に入って何度も気持ちいい事をして過ごしましたし、他にもこのキャラクターのファンがいますので、そういう人達の家にオフでお邪魔すると、沙織を登場させて、その人達の前で沙織で過ごす事は多いんです。
そのぐらい好きな沙織ですが、それがホビー21によって着ぐるみにされる。
それ以外にもメインのヒロインが2人いるので、沙織も含めて合計3人のヒロインが再現される訳です。
そして、その沙織をサポートするのが僕、と言う事になったのでした。
僕が沙織を好きだと言う事はホビー21の人達は知らないはずですから、これは偶然ではあるのですが、よりにもよって沙織をサポートする、と言う話を聞いた時、僕はかなりショックを受けました。
だって、ホビー21製の沙織の中に、見知らぬ男性が入って、沙織として振る舞い続けるって事を目の前でずっと見ている事になるのですから。
こうして、沙織をはじめとするキャラクターと対面する日がやって来ます。
成田さんに言われて楽屋に行くと、そこには既にキャラクターが待っていました。
キャラクターは、沙織の他に、松島京子、佐藤リオ、の3人。
松島京子は元気キャラ。スポーツ万能ないかにもヒロインと言う設定で、実は主人公の幼馴染。
佐藤リオはハーフ設定で、金髪ツインテールとエメラルドグリーンの瞳が特徴。
スタイルは沙織が一番良くて、リオが次に良く、京子は割とバストが無い事を気にしてるキャラです。
みんなゲーム中に登場する学園の制服を着ています。
僕も沙織の制服は持っていますが、新しいゲーム用の制服はデザインが微妙に変更されて、より性的にアピールが強いデザインといえました。
紺色のブレザー型の制服ですが、ゲームのキャラの制服らしく、本物の学生用の制服と比べ身体にフィットして凹凸を出すデザインですね。
ブレザーは丈が短く殆どバストの下ぐらいまでしかありません。バスト部分は乳袋とまではいかなくても、かなり胸を強調する丸みを持った縫製をされているようです。
また、内側にベストを着ているのですが、それは実際にはベストと言うより胸を寄せ上げする形状のコルセットに近く、かなりウエストを絞るんです。
スカートは、タイトスカートとプリーツスカートの両方のデザインを上手く融合させたもので、ウエストラインから腰の一番膨らんだ部分までは身体にピッタリとタイトに吸い付き、そこから下はプリーツになっている感じでした。
ゲーム中のデザインなのですが、タイトスカートの部分の腰の丸みが凄くエッチっぽく見えるのは、このスカートの特徴と言えました。
制服の生地ですから殆どストレッチしないはずで、ピッタリと腰に巻きつくようにフィットするスカートのエッチっぽさは、アダルトゲームではないこのゲームでも中々の欲情を誘っている気がしました。
もちろん、僕も同じキャラの着ぐるみを僕も持っていて、制服も多少デザインが異なるコスプレ衣装用の物があるのですが、実際に着ると腰のタイトさとプリーツスカートのヒダヒダが優しく膝の周辺を撫でる感じはちょっと興奮できますし、上半身の制服のタイトさも中々の物です。
バスト周りもデザインによって丸みを持っていますが、その布で作り物の胸を覆うと凄くタイトに感じますし、腕を動かすと生地が引っ張られて胸周りの締め付けが変化するんですよね。
内側に着ているベストの絞り具合も結構苦しく、いつもボタンを留めるのに苦労するわけですが、着用するとその苦しさはむしろ興奮を呼んだりします。
僕の着ぐるみでは、単にタイトさが変化する、と言うだけなのですが、ホビー21の着ぐるみだとそうは行かないはずです。
つまり、彼女達の中の人はあの制服の着心地を、彼女達ヒロインの身体を通して性的に体感し続けている、と言う事になります。
特に自分が好きだからなのか、沙織は凄く良く出来ているように見えました。
設定どおりの155センチの小柄な身体とは思えないぐらい、胸が大きくウエストは細く、ヒップ周りも適度な大きさ。
手足は細く、制服のプリーツスカートから延びるタイツに包まれた足は実に綺麗です。
タイツを履いてるのは彼女だけで、あとは2人とも白いニーソなのもポイントでした。
僕は結構タイツが好きで、だから元々好きな沙織と言うキャラにタイツが組合わせられるので、とても好きなキャラだったのです。
ですが、ホビー21の場合、タイツを履くと言う事は、呼吸用の穴を塞ぐ布が一枚増えると言う事。
それに、タイツのタイトでムチムチした締め付け感も中に伝わっていると言う事。
中に入る人がどんな人かは知らないですが、それを体感し続けている人が目の前にいる事が実に羨ましかったです。
初日はイベントが盛りだくさんで、開発者さんを交えてのトークショーなんかも企画されていました。
また、ゲーム中のエピソードをネタバレにならない程度にアレンジを加えてのショーなんかもあるとの事でした。
成田さんが中心になって今日の段取りを説明する中、僕が一つ注意されたのは、今回沙織に抜擢された役者さんは、将来新店舗開店時にメインのキャラクターを演じる為にこっちで訓練を受けている新人さんだそうで、一般の人前でキャラクターを演じるのは今日が初めてなのだと言う事実。
その成田さんの言葉に僕は衝撃を受けていました。
だって、あの沙織の、しかもホビー21製の沙織の中に入るのが、僕と同じく新店舗で稼働する為にこっちで訓練を受けた新人さんだと言うのです。
どういう経緯で中に入れる仕事に就いたのかは全く知りませんが、恐らく僕とそう違わない時期に雇われて、僕の知らない所で訓練を積んでこうして人前で着ぐるみに入ってるんです。
出来る事なら僕だってあの中に入る側にいたいですけど、僕の仕事はサポートで、僕とは違う選ばれた人があの中に入ってる。
その事実に、物凄い羨ましさを感じていました。
沙織はペコリと可愛らしく挨拶をしました。
他のキャラたちも僕らサポートスタッフにそれぞれのキャラの雰囲気であいさつをするのですが、沙織は本当に可愛くて、近くで直視するのがツラかった。
うちにも同じキャラクターの着ぐるみがあり、その沙織もとても可愛い訳ですが、この沙織はそれとは次元が異なっていました。
表情の可愛らしさ、と言うだけなら工房さんで作ってもらった自分の沙織も負けていないと思ったわけですが、何しろ身長が155センチでありながら、外からハッキリ分かる凹凸を持った身体と、その体型に対して違和感ない頭のバランスのせいで、無茶苦茶に可愛いのです。
この着ぐるみが自分のモノなら物凄く興奮するはずだと言うぐらいに良く出来た着ぐるみに、自分以外の誰かが入ってる。
しかもその中身がベテランならともかく、今日が初めてと言う新人が、こんなにも羨ましいキャラクターに入ってる。
その事実がツラかった。
それでも、仕事ですからサポートはしなければいけません。
僕は覚悟を決めて、仕事を開始したのです。
最初はお披露目イベント。
みんなの前に立って写真に納まったりするだけなのですが、その場所までの移動の最中、沙織の後ろに着いて僕も移動する事になります。
小柄なスタイルのいい女の子の後ろ姿を見ながら、あの中に密閉され、スカートの中に籠った空気を吸ってるその新人が羨ましくて仕方ありませんでした。
歩き方も、他のベテランさんが入ってると言うキャラクターと比べたら多少緊張気味に歩いている気がします。
訓練を受けているとは言え、初めて人前にキャラクターとして立つのですから、当然緊張もするはずです。
しかも、かなりの確率でこの中には男性が入ってるんです。
周囲から異性と見られるように存在する、と言うのは緊張もする気がするんです。
楽屋通路からいよいよ表のフロアに出て行く所で、3人のキャラクターは一旦円陣を組むように集まって、お互いの手を握ってウンウンと頷くようにしています。
これから行くよ!と言う気合を入れる感じなのかもしれませんが、その仲良さそうに頷きあう3人が凄く可愛かったです。
ただ、あの中には蒸し暑さと息苦しさと、止まることなく続く快感に耐えている人たちが入ってるんですよね。
しかもそのうち沙織役の人は新人で。
ああやって仲良しを演じているけれど、手を繋いだ先のそれぞれの着ぐるみの中身は、自分と同様に過酷な状況が隠されていて、それでもお互い、見えているのは可愛らしい美少女としての容姿だけ。
そして、その可愛い容姿すらも、あの着ぐるみ達の瞳の何処かにある、外からは分からない視界越しに見ているのです。裸眼では無くそれぞれのキャラクターの視界越しに、お互いのキャラクターを見ている中の人の気持ちを思うと、物凄く悶々としてしまいます。
ああして仲良しを演じながら、お互い性的な興奮との戦いを続けている。
その状況を想像しただけでも倒錯的なのに、その仲良しの1人は沙織であり、中には新人が入ってる。
そんな倒錯的状態を味わっている新人に嫉妬するなと言っても、僕には無理でした。
ゲートを抜け、明るい店内の照明の元にキャラクター達が出て行く事になります。
外にもステージへの誘導をする人たちがいますが、キャラクターサポートのスタッフはステージ脇までキャラクターと一緒に移動するんです。
その時、既にお客さん達はそのキャラクター達に注目し、パチパチと写真を撮られている様子がすごく良くわかりました。
まるで旅行から帰ってきた有名芸能人が空港内を徒歩で移動しながら周囲のファンに手を振って答えているシーンのように、キャラクター達はファンの人達のカメラに手を振って答えながら移動していました。
それを見て思ったのは、彼女達は主役なんだ、と言う事。
僕らサポートスタッフとは異なり、彼女達はみんなから注目される存在としてステージに上がると言う事。
あの中で、どんな世界を隠しているのかは誰も知らず、見えている表面上の世界だけを見ているお客さん達の前でそのキャラクターとして存在する。
ただでさえ羨ましいその空間が、自分たちから凄く遠くに行ってしまったような錯覚を覚えた瞬間でした。
沙織の中に入ってるのは僕と同じ新店舗の初期スタッフであり、要するに新人なのに、僕はこうして脇役にもなれないお手伝い係で、彼女はああやって主役としてステージに上がるのです。
ステージでは、ゲームの紹介や販売キャンペーンイベントが始まり、司会進行をする人や開発スタッフによるトークショーもありました。
その間はキャラクター達はステージ上で賑やかしですね。
ゲーム開発のスタッフ達も、着ぐるみの出来に感動しているらしく、着ぐるみをネタに会話を進ませ、それに合わせるかのようにキャラクター達もリアクションを取っています。
スタッフの1人が「みんな凄くスタイルいいけど中はどんな人が入ってるんですか?」って質問をしたら、司会の人が「中に人なんかいませんよ!」って返して笑いを取り、それに合わせてキャラクター達はウンウンと頷いていました。
「中に人はいない」と言う言葉と、それに頷くキャラクター達を見た僕は猛烈な羨ましさを覚えました。
中身がどんな状態なのかなんて外には無視され、そのキャラクターとしての存在を強要された瞬間です。
そして、それを肯定した中の人。この瞬間、この場から公式に「中の人の存在」を消す事に成功した人達があの中にいるのです。
もしも自分があの中にいて、あの質問に肯定したなら、それだけでも興奮してしまいそうな場面ですが、残念ながら僕からは可愛らしく頷く彼女達にしか見えません。
中身の興奮は、実際に中に入ってる本人にしか分からない真実なのでした。
ステージは、1時間を超えて盛り上がり、ようやく次のプログラムへ。
キャラクター達は一旦ステージ脇に移動し、この後撮影会が待っています。
僕はまず、沙織に、体調等問題無いかを確認します。
すると沙織は手先でOKサインを作って、問題無い事をアピール。
つまり、沙織の中にいる新人は、まだまだ沙織の中に密閉され続ける事を選択したと言う事になります。
新人と言えど、このぐらい平気で頑張れると言う事は、もしかすると僕が想像するよりは中の環境は楽なのかもしれません。
結局、中の環境については、僕は知識として知っているだけですし、実際に体験していないので想像が先行しているだけなのかもしれません。
ですが、この沙織の着ぐるみを見ていると、どうしても中の環境が楽な状態には見えないんですよね。
僕の希望としては、思ったほど大変ではなく、だからみんなこんなに長時間、こんな密閉性の高そうな着ぐるみに入り続けていられる、と言う事だと思いたい。
思いたいけど、どうしてもそうではない、過酷で、僕が羨ましく感じるような環境が隠されている気がしてなりませんでした。
そして、その環境を、新人の役者さんが味わっているんだと思っていました。
撮影会が始まると、彼女達はスターです。
撮影待ちの人達の列を作って順に誘導するのは僕の役目で、彼女達はカメラマンさん達が向けるカメラのレンズに向かって、思い思いのポーズを取るのがお仕事。
10分ぐらい置きに沙織達に大丈夫か聞きに行くのですが、彼女達はOKサインしか返してくれませんでした。
時にはお客さんのカメラを僕が使って、お客さんとキャラクターのツーショットを撮影する事も。
着ぐるみ撮影は、自宅やオフ会で慣れている僕は、お客さんの為にも色々ポージングを考えてあげて撮影してあげるのですが、ファインダー越しの沙織を見てはそのポーズの可愛らしさと、裏に隠された性的な環境を想像し、下半身を熱くしているのでした。
沙織はキャラクター的にはそんになにフレンドリーな感じではなく、清楚でちょっと高嶺の花ですからお客さんとそれほど馴れ馴れしくベタベタしている訳ではないのが唯一、自分にとっては救いでした。
他のキャラクターはどちらかと言うとベタベタで、お客さんにギュッと抱きついたり、腰に手を回してみたり、と、相手が本物の彼氏でも中々やらない気がするポーズを取ったりしていました。
もちろんお客さんはデレデレに照れているのが分かるのですが、僕は、あのキャラクター達の中にいる人が、そのポーズによって受けているであろう世界を想像してしまうんですよね。
その点沙織は、そこまでスキンシップをしていないから、安心だったのです。
撮影会の列は非常に長く繋がり、結局1時間近くかかってしまいましたが、もちろん彼女達は嫌な顔一つすることなく、可愛らしいままでした。
続いては20分程度のミニショーです。
三人が学園で恋バナをしているだけの他愛もないショーなのですが、セリフに合わせて動く彼女達の可愛らしい演技は、ゲーム中の彼女達を思い起こさせて、見入ってしまいました。
教室のセットで20分座りっぱなしの沙織と、それを囲むように残りの2人が集まって、ショーが進行するのですが、沙織のスタイルの良さを羨む京子が沙織の胸を鷲掴みにして揉むシーンは、ショーのハイライトと言えました。
恥ずかしそうに手で顔を覆ってイヤイヤをする沙織と、楽しげに胸を揉む京子。
そしてそれを茶化すリオ。
いやらしさは殆ど無い、楽しげなシーンではあるのですが、僕はどうしても沙織の中にいる新人の役者さんが気になってしまいます。
何しろあの胸は、中の人の性器に繋がっているのです。
役者さんが男性であるか女性であるかは分かっていませんが、僕はかなりの確率で男性が入ってると想像していますので、つまり、あの胸への悪戯は、沙織の中の人にとっては、イヤイヤと恥ずかしがる程度では済まないぐらい、刺激的な状態にある気がするのです。
それがどれだけ気持ち良くて耐え難い物なのかは全く想像できませんが、あんなに可愛らしくイヤイヤと恥ずかしがることしか許されていない沙織の中で、中の人はその、抵抗を許されない快楽と戦っている可能性が高いんです。
あんな可愛い沙織の中で、もしもそんな事を体感している人が本当にいるのだとしたら、その人物が羨ましくて仕方ありません。
それがベテランの役者さんであるなら、まだ諦められもするのですが、あの中には新人が入っていると言うのですから、余計に羨ましさが増していました。
ショーの後は、握手会があり、再び行列を捌く僕。
握手する度に、沙織は大きなバストをわざと挟み込むようなポーズで両手を伸ばして相手の手を握っているのですが、これは実はゲーム中の沙織のポーズなんですよね。
ですからそのポーズを再現していて、実に魅力的になっていると言うのは分かるんです。
分かるんですけど、それってつまり、中の人はその度に、大きなバストを軽く締め付けるような感覚を味わう事になる気がするんです。
しかも、そのまま握手すると言う事は締め付けたバストがその腕から伝わる振動を受けると言う事。
あの手の制服の生地は、普通殆ど伸縮しない素材なので腕を動かすだけでバスト周りの締め付け力が変化するのは、実は自分の着ぐるみでも体験済みなんです。
もちろんホビー21の着ぐるみのように、その締め付け力の変化を快感に変えるような仕組みはありませんが、胸を作っているパッドを押し付ける圧力が変化する事は良くわかるんですね。
ホビー21の着ぐるみが着る衣装は、僕らがコスプレ用衣装として作っている物と比べても良く出来ている為、恐らく本物の制服と同レベルの生地で作られている気がするんですよね。
つまり、ああやって握手をする度に、沙織の大きなバストが受ける衣装と腕から発生する感覚は、きっと中の人に伝わっているはずなんです。
沙織はもちろん優しい微笑を浮かべたまま、可愛らしく握手を続けている訳ですが、あの中に入っている新人は、この延々に続く行列を見て、何を思っているんでしょう。
それを想像するだけで、とても切なくなってしまいます。
もちろん、合図をくれれば途中で止めることは可能です。
僕はそう言う役目もあって沙織のサポートをしているのですから。でも、恐らくこの延々に続く行列の途中で、沙織が握手会を中止する事は無い気がしています。
僕は想像する事しかできませんが、もしも僕があの中に入っていて、僕が想像するような感覚を体感出来ているのだとしたら、この延々続く行列にめちゃくちゃ興奮しながら、やむことなく続く快感に歯をくいしばって耐える時間を過ごす事を選ぶ気がします。
その快感や苦しみは全く想像の域を出ない訳ですが、それでもそう言う選択がしたいと思えるのですから、きっと中に入ってる新人が味わっている世界は、僕が想像するような世界である気がするんです。
それって本当に羨ましい状況だと思うんです。
何しろあの沙織の中で、その感覚を独り占めしていられるんですから。
列は捌かれつつも時々人が流入もしてきます。
沙織はそれにも気づいているでしょう。
減って来た列に、人が加わってまた少し伸びる。すると伸びた分だけ握手する回数が増える。
それを横目に見ながら、可愛らしく握手を続ける沙織の中の人の気持ちって、想像しただけで羨ましくなってしまいます。
結局、握手会の列は40分近く続き、ようやく列が途切れる事になりました。
そして次は、休憩を少し挟んでグリーティングです。
休憩中も沙織に問題無いかを確認したところ、まるで余裕だと言わんばかりにOKサインをしてみせました。
つまり、沙織の中の人は、自らの意思で、まだまだ沙織の中の環境を独り占めする選択をし、それを僕に見せつけたと言う事になります。
大好きなキャラクターだからこそ、そののキャラクターのサポートがこんなにも苦しいとは夢にも思っていませんでした。
早く時間が過ぎてくれればいいのに、と思いながら、仕事に集中して、嫌な感情を忘れようと努力していました。
グリーティングは3人のキャラクターがバラバラに店内を移動するので、僕は純粋に沙織の後をついて行きながら、何かあれば先回りしてサポートしたり、その都度問題に対処します。
この辺りの技術は、ティアナや他のキャラクターをサポートしている時にある程度身についているので、特に戸惑う事は無かったのですが、何しろ沙織の中身は新人だと言う事を聞いていますので、お客さんに絡まれたりした場合に、多分対処する技術が無いと思いますので、その分は気を使って注意していました。
キャラクター達は喋れないと言うのを分かってて、ちょっと絡み方が馴れ馴れしいお客さんや、写真撮影時に身体に触ってくるお客さんにも、それとなく注意したりしているのですが、何度かそう言う事をしているうちに、対処を終えた僕の正面に回った沙織が、両手で僕の手をギュッと握って少ししゃがむように前かがみになって、ぺこりと頭を下げ「ありがとう」と言いたげなポーズを作ります。
その時、沙織が握手する時の定番ポーズでもある、わざと少し胸を挟むようにして腕を差し出すのも忘れていないようで、ついそこに目が行ってしまいます。
また、少ししゃがんで前かがみ気味になるせいで、スカートのタイトな辺りの前側にシワが寄るのも分かりました。
内股気味にしゃがんでるから余計にそのシワが目立つと言うか、そこにもつい目が行くんです。
もしも中の人が男性だとしたら、このタイトなスカートのシワの裏辺りには、快感に晒されながら抵抗する事も許されない状態の固くなったおちんちんが存在するはずで、そんなモノを隠しているかもしれない中の人に物凄い羨ましさを感じました。
握られた手は暖かく、沙織の内部から放熱されている熱気である事が分かります。
ただ、この身体の中には、ここから放熱されている熱気よりずっと強い熱気が籠っている可能性は高いとも思っていました。
お辞儀をしたあとにこちらを向いて、軽く小首をかしげる沙織の可愛らしい笑顔は、まさにゲーム中の沙織そのものなのですが、完全に密閉された沙織の中には、こんな笑顔とはかけ離れた表情を浮かべているであろう中の人が隠されているはずなんです。
中がどんなに苦しくても、その笑顔の外にたっぷりと存在する酸素を、沙織の中に入っている人が吸う事は出来ません。
中の人が吸える空気は、あくまでもスカートに覆われ、タイツとパンティーによって塞がれている呼吸用の穴から、スカートの中に籠った、恐らくは新鮮とは程遠い熱気と湿気に満ちた空気を吸っているはずでした。
普通ならそれは凄く大変そうな事だ、と中に入ってる人に同情もするのでしょうが、僕は、そんな条件下に置かれながら今でもこうして僕の目の前で、沙織として存在している新人さんに、心底嫉妬していました。
グリーティングは時々沙織に体調の問題を聞きながら、結構広い範囲を何度も歩き回り、僕はそれに着いて行くわけですが、後ろ姿を眺めているだけでも、この中に密閉されている人がいる事実に切なさと羨ましさを感じていました。
中の人は今どんな気持ちでいるんだろうか。
こんなに小柄で可愛い女の子型の密閉容器とも言える沙織の身体に封印された新人は、淡々と自ら与えられた「沙織になり続ける」と言う仕事をこなしています。
ですが、その時間が長ければ長いほど、その裏に隠された世界は、どんどん僕から見たら羨ましい世界に変わって行くんです。
役者さんは、その快感からこの中で、操演中に人知れず何度かイク事になるのだそうです。
と言う事は、稼働開始から数時間が経過している今、もう、沙織の中には、役者さんが果てた痕跡が隠されている可能性は高いのです。
役者さんの男女比から考えても、この中が男性である可能性は高く、つまり沙織のタイトなスカートの裏で、何度かは僕にもわからないように白濁の液体が放出されていたはずなのです。
それがどれ程気持ちいい物なのか、体験した事の無い僕には想像しかできませんが、こんな可愛い女の子の中で人知れずイク行為が、気持ち良くないはずがない、と思えてしまいます。
だからこそ、それを体験しているであろう中の人が羨ましくなるわけです。
店内をうろうろしていると他のキャラクター達ともすれ違う事になります。
すると当然、仲良しな彼女達のスキンシップが始まるのです。
そのちょっとだけエッチで、でも決して18禁ではない程度のスキンシップは、このゲームのファンの男性達にはとても楽しめるシーンなのですが、彼女達の人は、当然そのスキンシップも、それなりの感覚として味わってるはずでした。
可愛らしく照れたり、ふざけ合ったりしてるその裏で、お互いがお互いを性的に攻め合ってる状況と言う事実。
それを知ってる僕には、そのスキンシップを見るのはあまりにも苦しかった。
でも、僕の仕事は、彼女達が何か問題を抱えたら速やかに対応する事。つまり目を離す訳には行かないのです。
こうして、最初のステージから4時間ぐらいが経過し、ようやく本日のスケジュールはすべて消化できました。
楽屋に戻る時もファンがズルズル着いてくるのですが、彼女達はそのファンに愛想よく振る舞い続けます。
既に4時間と言う長い時間が経過し、ベテランさんでも結構大変な時間帯になりつつあるのに、沙織を含めて元気よく可愛らしく振る舞い続けている様子。
早く楽屋に戻ればいいのに、沙織まで一緒になってファンサービスを続けているんです。
確かにファンは大切ですし、役者さんはあくまでも沙織を演じるのですから、早く引き上げたいと言う素振りは見せないのかもしれません。
ですが、みんな体力が厳しい状況にあって、早く楽屋に戻って楽になりたい、と考えてるかもしれないのに、わざわざお客さんの相手をしているんですね。
僕はどうにか誘導しようと、声をかけてお客さんを着ぐるみ達から引き離し、なんとか楽屋の通路に戻ったのはそれから10分後ぐらいでした。
楽屋の通路を歩く彼女達にも疲れている様子は無く、キャラクターとして全く破綻する事無く存在していました。
通路から大部屋に戻り、スタッフミーティングをするのですが、僕が提案で、キャラクター達は問題無ければ先に帰してあげよう、と言いました。
するとスタッフ達はみんな、僕の考えに同調してくれて、各キャラクターに、何か伝えたい事が無ければ、先に戻っていいよ、と告げます。
ですが、キャラクター達は、3人寄り集まって、首を横に振り、まだここにいる、と言う選択をしたんですね。
それはつまり、自らまだ彼女達の密閉を味わい続ける、と言う選択です。
中身がベテランの人なら、それぐらい余裕なのかもしれませんが、少なくとも沙織は新人だと言うのですから、その中でどういう気持ちだったのか、想像するだけで、心の中にモヤモヤした感情が芽生えてきます。
ミーティングは結局20分近くかかり、ようやく今日の業務は完了でした。
彼女達はそれぞれ着ぐるみ専用の通路に向かって消えていき、僕らは業務日誌をつけて、この日の勤務が終わりました。
家に帰宅したのは19時過ぎ。
部屋の片隅には、ほこりがかからないように大きめのビニールでカバーした状態で、三脚の上に据え付けた、沙織の頭があるんです。
僕がとても大切にしている沙織。
確かにこの沙織には思い入れたっぷりです。
彼女の中で、気持ちいい事をした回数も数知れず、見ているだけで疼くぐらいに気に入っていました。
今でもこの沙織を見ると、実際とても疼くし、彼女の中はとてもエッチで素敵なんです。
でも、今日見た沙織は、この沙織を遥かに上に行くはずの、羨む世界を隠し持っていた。
その事実に猛烈に嫉妬しながらも、僕はこの日、我が家の沙織で、この疼いたモノをなだめよう、と考えたんです。
沙織に変身するのに必要な時間は手慣れたもので、10分ちょっと。
沙織の中の息苦しさや蒸し暑さが、自分の気持ちを高めるのにかかるのはあっという間でした。
いつもならここですぐに疼いたモノを弄り始める事になるんですけど、今日は違いました。
もしもこの沙織がホビー21の沙織だったら、を想像しながら、自慰をしてみたんです。
全て想像の世界ですが、様々な場面を思い出し、その時、どういう感覚が伝わり、それでも態度を変える事無く沙織として存在した、その沙織を思い出しながら、自分もどんなに気持ち良くても声も漏らさず、態度もなるべく変えないようにしながら、沙織の中で過ごしていました。
実際には、もっともっと苦しいはずですし、もっともっと感じるはずですが、それでも擬似的に沙織の中を体験した気持ちになって、その興奮はかなりのものでした。
そんな次の瞬間です。
僕のパソコンに1通のメールが届いたと言う通知があったんです。
せっかく盛り上がってるので無視しようかと思ったのですが、何故か気になってしまい、ちっょとだけ中断してメールを開いてみることに。
すると、そのメールの差出人は「白石沙織」となっていたのです。
そう。ティアナの時と同様、その日の出来事がメールで送られて来たのです。
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