1年2組・船越光男君の日記(3話) [戻る]
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 男女共学での学園生活がスタートして、しばらくして、僕は、物理の授業で、実験用の道具を職員室から教室まで運んで欲しいと言う依頼を先生から受けました。
 先生の依頼に従い、休み時間に職員室に行ってみると、いくつかの物理法則を実際に再現するための機材が机に置かれいました。
 そして、机の前には、先生の他に、君嶋さんもいました。
 先生によると、僕一人では荷物が多そうだったので席が、僕の隣だった君嶋さんにも依頼したようです。
 段ボール箱2つに、色んな機材が詰め込まれていて、僕らは箱を一つずつ抱えて教室に運ぶ事になりました。

 箱の軽い方を君嶋さんが持ち、僕が重い方を持つことになったのですが、よく考えたら、女子も、中身は同性ですから見た目の性別で、運ぶ重さを決める必要はないはずですよね。
 ですが、やはり見た目に女の子だと、重い物は男が持つと言うのが自然の流になる見たいです。
 それだけでも、ちょっと羨ましいのですが、荷物を持って歩く君嶋さんの様子を見て、さらに色々妄想してしまいました。
 荷物を抱えて、可愛らしくちょこちょこと歩く君嶋さんですが、時々、立ち止まって深呼吸したり、箱の持ち方を変えたりしてます。
 たいして重くない荷物なのに不思議だなぁと思っていたのですが、ある時、その理由を少し悟るんです。
 君嶋さんは、荷物を持ち直すような素振りを見せながら、同時に腰がクイクイっと切なそうに反応したんです。
 その反応はホントに一瞬で、君嶋さん自身も反応したことに気付いてないかもしれないぐらい、微妙な反応でした。
 ですが、僕は直ぐにその裏の状況を想像しました。
 胸の前で箱を抱えると言うことは、胸が箱に潰されると言うことです。歩く度に、軽いとは言え、箱の中の荷物が揺れて動き、胸への圧力は変化しているはずなのです。
 そんな状況で歩き続けたら、ちょっとした地獄が展開されそうですよね。
 ですから、時々立ち止まって箱を持ち直したりして、落ち着こうとしていたんじゃないかなと思うんです。

 可愛い姿をしながら、その中で恐らく相当に我慢しているんでしょう。
 それを想像するだけで僕はかなり辛くなりました。

「大丈夫?手伝おうか?」

 僕は心配そうに言います。
 手伝ってあげれば、彼女が気持ち良くなることもないので、僕が悔しい気持ちになる事も無い、と言う事です。

「え?あ、私?」

 突然の提案に驚く君嶋さん。

「う・・うん。重そうだから、ここで待っててくれたら、僕の分を運んだ後、君嶋さんの分も運んであげるよ。」
「ありがとう。でも大丈夫よ。このぐらい運べるわ。」

 そう言うと君嶋さんは、可愛らしく微笑みながらウンと一回頷いて、荷物を運び始めました。まぁ女子は絶えず微笑んでいるので、そう見えただけなんですけどね。
 そして、今度は一度も休むことなく、一気に教室まで運んでしまいました。

「これで、よしっと。」

 手の平をパンパンと払うように叩いて、荷物を運び終わった事をアピールする君嶋さん。

「ホントに平気だったの?」
「う。うん、平気よ。このぐらいの重さ、何でもないわ!」

 可愛らしく元気な感じでアピールする君嶋さんの態度を見ると、本当に何でもないのかも知れない、と言う気になりました。
 ですが、授業が終わり、この荷物を職員室に戻すと言う段階になり、僕の疑問は、ある程度確証に変わっていきます。

 帰りも荷物を運ぶ君嶋さん。一気に運ぶつもりのようで、休憩無く教室から廊下を移動し、階段を下りて行きます。
 先程ならきっと数回は休憩していた距離でも、休む気配がありません。
 僕は自分の想像が、単なる想像で、現実はそんなに大変じゃないのかも、と思い始めた瞬間でした。
 階段の最後の一段を下り切った直後、君嶋さんは、その場で立ち止まってしまうのです。

「だ・・・大丈夫?」

 僕が慌てて質問すると、君嶋さんはその場で笑顔のまま振り返って、ウン、と頷きました。
 ですが、その頷いた瞬間に、太ももをキュッと閉じるような動作をするのを、僕は見逃しませんでした。
 女子は笑顔を崩す事はありませんから、可愛らしくウンと頷けば、平気な素振りで誤魔化せる可能性は高いのですが、さすがに全身に気を遣い続ける事は難しいのでしょう。今回は、君嶋さんの中で、そのぐらい大変なことが起きていたと言うように見えました。

 そのまま直ぐに歩き出した君嶋さんを見ると、本当に大丈夫なのかも知れませんが、歩きながら、その裏では相当に悩ましい状況と闘っている男子生徒がいる気がしてなりませんでした。

 荷物を職員室まで運び終わると、2人で教室まで戻る事になりますが、その時間は、非常に気まずく感じました。
 何も悪いことをしている訳ではないのですが、なんだか知ってはいけない瞬間を知ってしまった気がしてたんです。
 すると、君嶋さんが、僕に話しかけてきました。

「ねぇ。船越君。」
「ん?何?」
「さっきの私が立ち止まった時、何を考えてたの?」
「え?ぼ・・僕?」
「うん。ちょっと気になっちゃって。」
「あの時は君嶋さんが平気って言ってたから、それ以上追求はしなかったけど・・・」
「けど?」
「けど・・・太ももがキュッてなってたから、もしかして・・」
「もしかして?」
「君嶋さんの中で、出しちゃってたのかなぁ・・って」
「・・そう・・足の動きが見えちゃったんだ・・・」
「うん。」
「なるべく不自然にならないようにしたつもりだったんだけど、やっぱりまだこの身体になれてないのよねぇ」
「そうなんだ・・」
「ええ。だから誤魔化せなかったみたい。みんなには内緒にしててくれる?ほら、校則で、女子は、周りに男の子の部分を見せてはいけないって言われてるでしょ?」
「あ・・うん・・確かに・・」
「内緒にしてくれたら正直に教えてあげる。」
「・・分かったよ・・内緒にする・・」
「そう。良かった。私、船越君を信用するね。」
「うん。」
「実は、船越君の想像通りよ。もう一段階段があると思って足を出したら階段が無くて、力が入りすぎて箱が胸の上で凄く押しつけられて、おかげで我慢出来なくなっちゃったの。下りは登りよりも力がかかるみたいで、階段下りながら凄く苦しかったの。で、最後に押しつけられて我慢できなくて・・・」
「そうなんだ・・・」
「・・・うん・・」
「でも・・そんなに階段下るの大変そうに見えなかったけど・・」
「だって・・・凄い我慢してたもん。女子は常に普通の女子として振る舞う必要があるから、どんなに感じてても平気な素振りを続けるのは、女子生徒のルールなのは知ってるわよね?」
「うん・・・・まぁ」
「だから女子はみんな楽しそうに振る舞ってるけど、ホントはみんな、絶えず襲ってくる悩ましい快感に耐え続けてるの。今だってそう・・」
「い・・・・今も?」
「制服着てるだけでも、締め付けられてフィットした布が擦れて、ムズムズ感じるの。それに下着とスカートに覆われて凄く苦しいし・・」
「・・・・」
「いつだったか、体育の授業で船越君にぶつかったとき、私の呼気を感じてくれたんでしょ?・・私、気付いてたけど、船越君がどうするか気になったから黙ってた。」
「気付いてたんだ・・・」
「顔色が急に変わったから。それに目線が下に落ちたのも分かったし。」
「そうなのか・・・」
「うん。ちょっと悪いと思ったわ。でも船越君の態度を見てみたかったの。」
「なんでまた、僕の態度を?」
「船越君が信じられる人かどうか、知りたかったから。」
「え?どういう意味??」
「ここの学園の男子は、みんな女子に興味津々でしょ?」
「ま・・まぁ」
「実際、私にも色々質問してくる男子は結構いるわ。隣に座ってる藤田君なんて、苦しくないのか?なんて直球で質問してきたこともあったし」
「そ・・そうなんだ・・」
「ええ。でも、船越君は違ったわ。多分凄く気になってるんだろうけど、あくまでも私のことを女子として扱ってくれるわよね」
「う・・うん。だって・・・そう言うルールだし。」
「校則ではそうなってるけど、実際、みんなあんまり守ってないのも、知ってるでしょ?加藤さんなんて、男子の前でわざと下着を重ね着してる話とかしてたり。」
「それは僕も聞こえちゃったよ。苦しいんだろうなぁと思ったけど、言うとルール違反かと思って言わなかった。」
「でも、他の男子の中には、その事を色々質問してたわよね?実際どのぐらい苦しいのか?とか、下着で感じたりしないのか?とか。」
「うん、してた・・」
「みんなが興味持ってるのは分かるし、私も男子の立場だったらきっとそうすると思う。でも、船越君はずっとルールを守ろうとしてくれた。凄く気になってるはずなのに、我慢してくれてた。」
「気になることを何でも聞けるならそれで少しは楽になる気もするけど、逆に知ってしまうとツライ気持ちになるかもしれないし。」
「それはあるかもしれないわ。でも、私から見れば、ちゃんと女子生徒として接してくれる人が隣に座ってるのは、凄く嬉しかったの。」
「確かに中は気になるけど、実際見た目は凄く可愛いし・・」
「ふふふ。ありがとうね。私もこの身体、とっても気に入ってる。」
「うん。」
「でも、船越君にだけは、その事をあんまり悟られたくなかったの。」
「なんで・・・僕も知識はあるから、君嶋さんの中で何が起こっているのか、想像ぐらい出来るし。」
「そう。だから嫌だったの。他の男子には私の身体を見せつけてあげたいと思った。だから、休み時間とか、男子に話しかけられたら、遠慮無くその男子が興奮しそうな話をしてあげたし、時々は態度でも見せてあげたわ。」
「うん、知ってる。僕には態度が素っ気なかったから、きっと嫌われてるって思ってたし。」
「違うわ。逆なの。」
「逆?」
「他の男子はどうでも良かったの。みんな私じゃなくて、私の中に対する興味しかないから。でも船越君は、きっと興味があるのにずっと我慢してくれた。私を君嶋エリカとして接してくれた。だから、そんな船越君に、私の中を知って欲しくなかったの。」
「僕も・・ちょっとは知りたいって思うこともあるのに・・」
「そうよね。男子はみんな興味があるって分かってる。でも、きっと船越君が私の中の真実を知ったら、船越君自身が興奮するでしょうし嫉妬もすると思ったの。他の男子に羨ましがられるのは悪い気分じゃないけど、船越君にそんな気持ちになって欲しくなかった。船越君には、私と同じ気分を味わうまで、私の中の真実を知って欲しくなかった。同じ立場で楽しんで欲しいと思ったの。だから、船越君には言いたくなかった。」
「そ・・そうなんだ・・・」
「でも、今、バレちゃったね。私は君嶋エレナ。でも中には男子生徒がいて、この身体の中を独り占めしてる。きっと真実を知ったら船越君も苦しむと思うけど、あなたに嘘はつきたくないから、言うなら本当のことを言うわ。」
「うん・・」
「いつもいつも、みんなの前でも、あなたの前でも、可愛い女の子として振る舞ってるけど、本当に中は苦しいの。下着に覆われただけでもの凄く外が遠く感じるぐらい苦しいの。その上でスカートを穿くから、もっと空気が篭もって苦しいわ。ただでさえ夏の蒸し暑い空気がスカートの中で篭もってるから、今すぐにでもスカートを脱いで下着を下ろしたいぐらい苦しい。でも、私は君嶋エレナ。女の子がスカートを脱いで下着を下ろして深呼吸なんて、絶対しないわよね。だからそんなこと出来ないの。それに、制服も下着も、私の身体に纏わりついて、締め付けて擦れて感じるわ。プリーツスカートのヒダヒダが、私の中の大事な物を優しく撫でるだけでゾクゾクする。常にそんな状態なのに、さっきの荷物を運ぶとき、箱が胸に押しつけられたせいで、私の中の大事な物が、我慢の限界を超えちゃったわ。立ちながら、船越君に返事しながら、出すの、とっても気持ち良かった。でも、それも態度には出せない。だって今の私は私は君嶋エレナだから。」
「・・・・・」
「これからもそう。毎日君嶋エレナとして過ごすけど、裏では、誰にも言えないような時間が待ってる。勉強に集中したくても、感じちゃって集中できないの。椅子に座って、ちょっとだけスカートを股に挟んで、太ももをすり寄せるだけで、トロける程気持ちいいし、凄く息苦しいんだけど、でも、一日に出せる回数ってだいたい決まってるわよね。」
「・・ぅん・・」
「だから・・我慢するの。目の前にいつでも出せる状況があるのに、我慢するの。苦しいわ。凄く。でも、その我慢もまた、後で出すときに凄い快感に繋がるから、必死で我慢するわ。もちろんみんなには、君嶋エレナの裏でそんな事が起こってるなんて絶対分からないようにしてるけど。」
「そ・・・そうなんだ・・」
「うん。私だけじゃない。女子はみんなそう。可愛い容姿で騙されてるけど、クラス中の女子は、みんないつどのタイミングで出すのが気持ちいいか、そんなことばかり考えてるわ。寮に戻ると、みんな、勉強もしないと、自分の成績に響くけど、気持ち良すぎて集中できないって言ってる。」
「し・・知らなかったよ。そんなに苦しんでたなんて・・」
「こんな事、他の男子にも言ったこと無い。今後も言わない。船越君が信じられる人だったから、今回だけ話したわ。」
「い・・・今も感じてる?」
「・・・うん・・・もう回復してる・・・今日はブラのフィットが良くて、締め付けがとても気持ちいいみたいで、朝からずっと苦しんでる。」
「そうなんだ・・・」
「うん。でもね。こんな話をするのは今回だけ。絶対よ。これ以降は私はまた君嶋エレナに戻る。」
「うん・・」
「で、船越君に一つ、提案があるの。」
「提案?」
「私と一緒に勉強しない?放課後。毎日。」
「勉強?」
「そう。女子が男子を教えるのは、ここの校則で認められているわ。」
「家庭教師システムの話?あれって成績が優秀な女子が一定ポイントを持っている場合に出来る事なんだよね?」
「ええ。こう見えても、私はその資格を持ってるの。結構優秀なのよ?」
「そうなんだ・・じゃあ、毎日男子寮に通うって事?あそこに君嶋さんが来たら、みんなから色んな目で見られちゃうと思うし、なんか嫌だなぁ」
「それって、他の男の子にエッチな目で見られて欲しくないって事?」
「・・そうかも」
「へへへ。ありがとうね。でも安心して。私が寮に行く必要はないと思ってる。学校で放課後にやればいいわ。」
「でも、なんで僕に家庭教師を?」
「早く船越君と一緒に遊びたいから。」
「僕と?僕だったら、今だって、君嶋さんと遊ぶのは嫌じゃないけど・・・」
「私が嫌なの。」
「なんで??やっぱり僕、嫌われちゃったの?」
「違うって言ってるでしょ!船越君に、私であんまり嫉妬して欲しくないの。私であんまり興奮して欲しくないの。だから船越君とは遊べない。」
「そうなんだ・・」
「だから一緒に勉強して、今から2学期には間に合わない気がするけど、3学期には、一緒に女子として友達になりたいの。2人とも女子なら、とっても素敵な遊びもいっぱい出来るわ。2人で男子を誘惑しましょうよ。船越君以外の男子の興奮する姿、一緒に楽しみたいの。」
「そ・・そんなこと言われても・・僕、女子になれる成績があるかどうか、分からないし・・・」
「確かに私も、あなたの成績を知ってる訳じゃないけど、普段の会話とか先生の態度を見てると何となく分かるわ。船越君は成績、そんなに悪くないと思うわ。」
「で・・・でも・・」
「私、こう見えて結構優秀なのよ?私が家庭教師してあげるから、頑張ろうよ。ね。」
「で・・でも、僕の勉強見てたら君嶋さんの勉強が遅れちゃうんじゃないかなぁって思うと・・」
「それは大丈夫。船越君の勉強を教えることは、私の勉強にもなるのよ。知ってる?人に教えるって、ホントに理解してないとなかなか出来ないことなのよ。」
「た・・確かにそうだけど・・・」
「うーーん。なんでそんなに嫌がるの?私が教えてあげるんじゃ不満?」
「不満?そんなわけ無いよ。君嶋さんに教えて貰えるとしたら、僕も嬉しいよ。けど・・」
「けど?」
「教えてくれるって事は、毎日放課後、君嶋さんと一緒にいることになるんでしょ?」
「そうね。毎日みっちり教えてあげるわ。」
「それ・・きっと気が散って勉強にならない気がするんだ・・・普段でも、君嶋さんのこと、気になってるし・・・」
「あ・・そう言うこと・・・」
「なるべく意識しないようにしているけど、近くに居続けられたら、僕だって色々我慢できない気がするんだ・・・」
「・・・そっか・・・そうよね。確かに、近くに私がいたら・・・」
「うん・・・・きっと気になる・・・」
「でも、誰かに教えて貰った方が、効率よく成績が上がるのも事実よ。男子に教わる方法もあると思うけど、男子は女子ほど成績が優秀じゃない人なんだもん。効率悪いし。」
「そうなんだよね・・・だから独学で頑張ろうと思ってるんだ。でも、やっぱり限界はあって、どうしたら勉強出来るようになるか、毎日悩んでる。」
「だったら・・・やっぱり私が教えるわ。多分、船越君には私が気になると思うけど、私もなるべく女子として頑張る。本当の事はなるべく隠す。もし船越君が大きくなっちゃっても、気にしない。あなたの気持ちは痛いほど分かってるから、私も頑張るから、船越君も頑張ろう?」
「い・・いや・・多分だけど・・我慢されると余計に気になる気がするんだ・・・」
「じ・・じゃあ、私、どうすればいい?船越君の希望に合わせて頑張る。だから、ね?」
「僕にもどうしたらいいか分からないんだ・・・でも、確かに君嶋さんの言うとおり、このままじゃ先に進めない気はする。」
「私、どうしよう。船越君には頑張って欲しいの。でも私が邪魔しちゃうなら・・・・」
「邪魔じゃないんだ。嬉しいんだ。協力してくれるって言う気持ちは凄く嬉しい。僕、君嶋さんには嫌われちゃってると思ってたから、今、凄く嬉しいんだ。」
「他の男子は知らないけど、私は船越君なら全力で協力してもいいと思ってるの。初めてちゃんと、私を女子として扱ってくれた友達だから。」
「女子として・・・」
「男子がみんな、女子生徒の中を気にしているのは、女子の中ではみんな分かってる事。そんな中で、女子をちゃんと女子扱いしてくれている男子って意外と少ないのよ。ここだけの話、船越君は女子には結構ターゲットにされてるわ。船越君と仲良くなったら、船越君を女子として誘惑してみたいって言う子もいたし。」
「誘惑?」
「男子はみんな、中にいる男の子の事ばっかり気にしてて、女子として扱ってくれないから、そう言う人と仲良くしたいんですって。でも、船越君が私のことを気にしているみたいだったから、他の女子は手を出しづらかったみたい。本当は私も仲良くしたかったけど、さっき言った通り、船越君には、私で辛い思いをして欲しくないって思ったの。船越君だって男子だから、きっと仲良くなれば、私の中を想像して苦しんじゃうだろうから。」
「そ・それは・・いまでも想像して羨ましく思っちゃうことは良くあるよ・・」
「だから、私は避けてた。けど、今日思ったの。船越君みたいな人こそ、仲良くして、早く女子になって貰う方がいいって。」
「女子になれればいいんだけど・・・」
「だから、私が教えるわ。もちろん色んな嫌な思いもすると思うけど、最後は、私と同じ、女子の中の世界を楽しんで欲しいから、ちょっとの間だけツライ気持ちになると思うけど頑張って欲しい。」
「僕、頑張れるかな・・・」
「私にも分からない。もし本当に駄目なら家庭教師は中止してもいい。だから、まず、やってみよう?あなたが嫌な気持ちにならないように、あなたがどうして欲しいのか、ちゃんと聞いて、合わせるように努力するから。」
「う・・・うん・・・じゃあ・・・頑張ってみる。」
「ホント?!」
「うん。」
「うれし~~~!!頑張ろう!!絶対女子になろう!!」

 こうして、僕は君嶋さんと、毎日居残りで勉強することになりました。
 君嶋さんは、毎日勉強の終わりに、今日の君嶋さんの態度で、僕にとって嫌だった事を聞いて、次の日以降はなるべくその態度を取らないように気を遣ってくれました。
 でも、やっぱり毎日顔をつきあわせて、居残って勉強していると、君嶋さんのことが気になるんですよ。
 顔は優しく微笑んでるけど、この中には、毎日毎日、来る日も来る日も、こんな可愛らしい女の子の中で、最高に気持ちのいい瞬間を体験し続けている男子がいるんです。僕も頑張って早く体験したくても、目の前で毎日そんな世界を見せつけられれば、どうしても気になります。
 ある日、僕はつい、言ってしまったんです。


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