「ある実験とその成果」(ある日の練習風景) [戻る]
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大学の先輩がホビー21というお店で女の子キャラクターの着ぐるみに入って演技するバイトをしてるのを聞いたのは、たしか1ヶ月前くらいだったかな。先輩は幼なじみで昔からタカ兄(にい)って呼んでるんだ。すごく尊敬してるから頑張って勉強して、同じ大学にも入ったくらいだ。

そんなタカ兄が、インターネットに上がってる写真を指差して、照れ臭そうに「この子なんだ」って言ったときは無茶苦茶びっくりしたよ。写真だけじゃピンとこなくて、実際お店までこっそり見にいったりもした。写真で見たのと同じ、茶色がかったショートカットの子が元気いっぱいに動き回ってた。いつも物静かなタカ兄があの中にいるなんて全く思えない。でもすごく可愛いくて、俺もなんだか着ぐるみに興味が湧いてきたんだ。

そしてある日、今日の授業も終わりというくらいにメールが来た。『今日うちに寄っていかない?』タカ兄は学校の近くに部屋を借りて独り暮らしだから、気軽に遊びへ行ける。向かう途中『鍵は開いてるから』のメールがあったから遠慮なくドアを開けて玄関へ。トイレやお風呂につながる、廊下を兼ねた小さなスペースがまずあって、その奥の部屋でタカ兄が「やあ、よく来たね」という具合だ。でも今日はそうじゃなかった。なんと着ぐるみの女の子が座ってる!スゲー驚いて心臓がバクバクしてきた。ん、でも前に教えてくれた子と違うな。いま目の前にいるのは例の元気娘じゃなくて、ロングヘアの大人しそうな子。おずおず「こんにちは」と言うと、ぺこりお辞儀してくれた。うわー可愛い。

おっと、つっ立ったままも変だよね。リビング、というかこの家唯一の部屋はフローリングの床にクッションが置いてある。俺らはいつも床に座ってダラダラたわいのない雑談なんかをするんだ。そういや前はこんな淡い水色の可愛いクッションじゃなかった気がするけど…まあいいか。ふたりはちゃぶ台というか、小さくて背の低いテーブルをはさんで向かい合わせになった。チラチラと女の子を観察する。全体的にムチムチしてて、細身のタカ兄がこんなに変身しちゃうんだって思った。オッパイも結構大きいなあ。そんなに詳しい訳じゃない俺だけど、造形の完成度からして例のお店で活躍しているのと同じタイプだって分かった。バイト先で使われているのを家に持って帰るなんて、普通は無理じゃないのかと思う。けど、こうやって間近にできるチャンスを逃すのも嫌だから黙っておくことにしよう。

女の子は冷蔵庫から冷たい麦茶のペットボトルとコップを持ってきてくれた。外は暑かったから正直ありがたい。彼女が身を乗り出して麦茶を注ごうとする。ピチッとしたTシャツの、大きく開いた襟元から谷間が覗いて、自然と視線が吸い寄せられる。いやいや、そんな会って間もないのに見まくったら失礼だよね。じゃなくて、あれは偽物のおっぱいだし、俺って何考えてんだろ。それにしても彼女、ボトルを持つ手がフルフル震えてなんか危なっかしいな。きっと、着てる状態で俺に会うのは初めてだから緊張してるんだねー、なんて微笑ましく思いながらエロい気持ちと一緒にお茶を飲み干す。

それにしても全くしゃべらない女の子とふたりきりって、地味に気まずいな。えーと、自己紹介でもしようか。俺の名前は…知ってるよね。頷く彼女。あなたの名前を教えてよ。タカ兄、じゃなくて彼女は、テーブルにあった小さめのスケッチブックに何か書いてこちらに向けた。『アオイといいます』なるほど筆談って訳か。アオイちゃんっていうんだね。よろしく!彼女はちょっと恥ずかしそうに、またペコリとしてくれた。タカ兄は普段すごく丁寧な字を書くけど、今はなんか、文字がヨロヨロしてるし、慌てて書いたって感じかするな。まあ、やたらに達筆なよりかは少し幼い字の方が可愛いし、もしかしてこれもキャラ作りというヤツなのか。すごいね。

俺はくつろいでいる風で、実はちんちんが勃起しそうだった。何せアオイちゃんってば、すごくそそる体つきをしてるんだ。ふんわりした、ちょっと短めのスカートから覗く健康的な太もも。サイズぴったりのTシャツはブラが薄っすら透けている。うーん、マジでヤバいよ。けどさあ、中身は男だっていうのに欲情しちゃうっておかしいよな。そんなモヤモヤしている俺の事情を知ってか知らずか、アオイちゃんがテレビの棚から何かを持ってきた。どうやらゲームのパッケージらしい。ちょっと自慢げに見せてくれたそれには「ゾンビワールド3」の文字。タカ兄が好きでやり込んでるシリーズもののホラーゲームで、「3」は最近発売されたばかりのやつだ。ディスクをゲーム機に入れてスイッチを入れると、彼女がコントローラーを渡してきた。俺がプレイしろってこと?うーん、タカ兄に比べたら全然下手だけど、ここは格好いいとこ見せないとね。

ふたりはテレビに向いて、並んで座っている。アオイちゃんは俺の肩へ頭を預けながらぴったりくっついて、ゲームの中で恐ろしい怪物が出てくるたびに俺の腕をぎゅっと掴むんだ。なんだか本物の女の子とおうちでデートしている気分になってくるよね。でもちょっと不思議なのは、全然怖くない普通の場面でもそれがあるってこと。試しにポーズをかけて、ゲームを動かさないままで様子をみてたら、やっぱり「ぎゅっ」されちゃった。変なの。

さあ続きを遊ぶことにしよう。可愛い子が見ているからか、普段ならあり得ないくらい順調にクリアしていった。しばらく夢中になっていたけど、ふと気づくと隣にいるアオイちゃんの様子が変だ。体全体がこわばっていて、たまにビクッと動いてる。しばらく気にしていたら、あぐらをかいている俺の股にめがけてガバッと顔をうずめてきた。そのまま伏せているから、どうしたの?って聞くけど反応がない。ただヒクヒク肩を引きつらせながら震えてる。あんまり怖すぎて泣いちゃったのかな。本当は散々このゲームをプレイしてるくせに、この怖がり方は演技とは思えないくらいリアルだよ。まったく上手だよなあ。

俺は彼女を慰めようと、おっかなびっくりしつつ頭を撫でた。乱れた髪の間にうなじが見える。思わずゴクリと喉を鳴らしてしまう。整えてあげるフリをしながら首筋に触れる。染みもホクロもない、ツルツルした偽物の肌。少しだけ見える背中にはファスナーどころかなんの境目もない。これじゃあロクに空気も通らないし、すごく暑くて蒸れるんじゃないの?もちろん、目の前の光景だけを素直に受け止めれば、ここにいるのは少女の人形そのものだ。けどそんな少女を密閉された内側にはタカ兄がいる。暑くて息苦しいはずなのに、現実の世界から隔絶された秘密の空間から作り出される「アオイ」はこんなにも可愛い。そう考えると何故だか無性に羨ましい。それでいて、その焦りに似た気持ちは俺を恐ろしく興奮させるんだ。

俺の頭の中はいかがわしい妄想でいっぱいになり、あそこがどんどん大きくなってきた。わ、ヤバい、ちょうど股の辺りに顔を押し付けているアオイちゃんに、タカ兄にバレてしまう。男にくっつかれて興奮してるなんて思われたら格好悪すぎる!いや待て、マスクで覆われてるんだから、感覚も伝わりづらいだろうし気付かないよな…そんな風に無理矢理自分を納得させて、気持ちを落ち着けていたら、ふいに彼女がこちらを向いた。

上品な笑顔は会ってから全く変化していないし、するはずもない。けれど今はものすごくいたずらっぽい笑みに見える。アオイちゃんは俺の肩をつかむと、ずいずい顔を近づけてきた。鼻と鼻がくっつくほどの距離。ドキドキ鼓動が速くなる。ドキドキしながら、どこから覗いてるんだろうなんて邪な気持ちで大きな瞳を見つめていた。クリっとしたプラスチックの目には穴ひとつなかった。「なあに?」と小首を傾げる彼女。俺はそうっと口づけする。唇どうしが触れて彼女の吐息を感じ、なかった。

口のところから呼吸してるんじゃないのか。この子は一般的なタイプと違って、頭の部分だけをヘルメットのように被る作りになっていないから、首周りにも隙間がない。そしてよく見れば、さっきから肩で息をしてる。それなのに空気の流れをまるで感じない。もしかして本当に生きた人形なんだろうか。ねえ、君の中に人間が入っていて動かしているんだよね?自分でも馬鹿げていると思うが尋ねずにいられなかった。彼女は質問の意味を分かりかねた風で、一瞬間をおいて首を振った。体をひねって、傍のテーブルの上にあるスケッチブックを取る。取ってから何故かブルブルっと軽く身震いして、何か書いている。

『わたしはお人形よ。でもあなたと一緒に過ごすには誰かに動くのを手伝ってもらわないといけないの。だから今はあなたのお友達を借してね。…でも』

彼女は俺の手首を掴むと、スカートの中へ導いてパンティーの少し上くらいに持っていった。掌が、ふにふに柔らかい下腹部を触る。彼女がさらに押し付けると何か硬い棒のようなものがお腹の内側にあった。位置と言い、大きさと言い、紛れもなくアレだろう。ビクビク脈打っていて、今まさに射精しているところのようだ。俺は驚いてアオイちゃんの顔を見る。彼女は恥ずかしそうに手首を離し、もう一度ペンを走らせる。

『この人ったら、わたしに体をあずけているとこんなになっちゃうの。おかげで思うように動けないし、本当に困ったわ』

頭がクラクラした。間近でもどこから呼吸しているかすら悟られないほど、本来の自分を隠して可愛い人形になりきれる。こんなにも変身願望を満たすものは他にないと思う。タカ兄はアオイちゃんという女の子を演じる立場に悦びを感じながら、ずっとアソコを破裂しそうにしてたんだろう。そこを俺の手で刺激させて、気持ち良く果てたに違いない。俺は羨ましくて仕方なかった。アオイちゃんがさらに寄りかかってきて、俺は座ったまま押されてゆっくり仰向けになる。人差し指が俺の口に当てられる。指はつつーっと胸、腹をなぞり、最後にアソコまでたどり着く。ズボンが脱がされ、大きくなりっぱなしのちんちんが丸出しになった。彼女は出てきたものに顔を近づけてスンスンとにおいを嗅いでいる。いやらしい仕草がたまらない。だけどやっぱり、そこに空気の流れはない。演技としてフリをしただけだ。

彼女は俺の顔を見つめながら、腰の上に座った。ちょうど騎乗位のような格好になり、アオイちゃんのおしりがちんちんに押し付けられる。なぜか触れたところがしっとりしている。どうなってるか気になるけど、スカートが被さっていて見えない。どうしても見たくて、だし抜けにめくり上げた。水色のパンティーの股下あたりがぐっしょり濡れて色が濃く変わっていた。一体どういう仕組みなんだろう。もっとよく見ていたかったけど、アオイちゃんはすぐにスカートを押さえてしまった。彼女はまだこちらを見つめたまま、ゆっくり体を前後させて、湿ったあそこを擦り付けてきた。

人形の少女が俺の上で腰を振っている。固定された笑顔。喘ぐ肩。俺はう、う、と情けない声を出してしまう。だけど彼女は黙ったまま。スカートの下からクチュクチュ、とエッチな音がする。あっという間にイッてしまった。彼女は首をかしげて、どうだった?と聞いてくる。悔しいけど気持ち良かった。アオイちゃんはまだ腰を動かしている。さっきよりもゆっくり、ねっとりと。精液を自分のパンティーで拭き取っているみたいだった。射精して、急に気恥ずかしくなってくる。「あの、もう大丈夫だから」と絞り出すように言うと、彼女はやっと降りて、俺のアソコをティッシュで綺麗にしてくれた。

起き上がってパンツとズボンを履く。何食わぬ顔でこの場にいるなんてとても出来そうになかった。だから「今日はありがとう。また会おうね」とだけ言ってそそくさと部屋を出た。彼女は座ったまま手を振って見送っていた。スッキリしたのに不完全燃焼のような、微妙な気持ちで駅までの道を歩く。途中でメールが来た。『今日はなんかごめんね』たぶんアオイちゃんだろう。『全然謝ることなんかないよ。ただちょっと、いやかなり羨ましいなって思っただけ(^_^;)』なんて返してみる。羨ましいなんて書いたら変態だと思われるかな。けどまたいつかアオイちゃんに会いたいな。


(続く)


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