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まぅるさんが想像するエミリアのサインの意味が、実際のエミリアの態度とあまりに一致するのは不思議で仕方ありませんでした。
それ以降もまぅるさんは、エミリアが握手してる時の胸の揺れが中の人に伝わって握手しながらイッてた、とか、お客さんの女性に抱き着かれて胸を押しつぶされてその時イッてたとか、実際のその場にいないと分からないような状況を説明する事がしばしばありました。
もちろん、その場にまぅるさんらしき人物はいません。
散々通ってますから常連さんはみんな顔見知りに近い。
新たな人が来てても誰かが気付くし、メッセージにある程頻繁に観察に来てるなら、とっくに僕はまぅるさんに気付いてるはずです。
どうしてまぅるさんは僕の行動やエミリアの態度を知ってるんだろう。
そういう疑問がずっと続いたのですが、その理由はある時、衝撃的理由で判明しました。
もうみなさんも想像していると思うのですが、その時の展開を説明しますね。
あの時も、まぅるさんはグリーティング中のエミリアについて書いていました。
その日もエミリアは手のサインを出してたんです。
割とこのサインにいつてもブログに書いてたので、仲間内でも何となく有名になってました。
ただ不思議な事に、このサインは何故か僕がいる日にしか見られないと言うのです。
僕のいる日はちょくちょく見せていたサインですが、てっきり毎回やってるのかと思ったら、他の人しかいない日にこのサインを見る事は無かったのだそうです。
その日も僕はたまたまそのサインを見たんですよ。
そして、そのサインは以前まぅるさんの推測していたサインとは全く違うものでした。
そのサインは、中指と人差し指をクロスさせながら立たせ、他の指は握られてる状態と言えます。
このサインは初めて見たサインなのですが、実は僕、知ってるんです。
まぅるさんがこのグリーティングの直前に見たと言うサインだったんです。
でも不思議です。
他の仲間が言うには、サインが出るのは何故か決まって僕がいる時。
仲間内は常に何人かが見に行ってますから、サインを見落とすことは考えにくいんです。特に最近は僕のブログからサインの話題が仲間内で有名になってましたから観察してる人は増えてる。
なのに、まぅるさんから説明があったサインは、僕がいないときに見たと言うサイン。
最初はそういうタイミングもあるのかな、と思ったんですけど凄く冷静に考えると、このサインは僕だけでなく、この場にいるほとんどの人が初めて見るサインだった訳です。
後で仲間内に確認したけど、みんな初めて見たと言っていました。
つまり、まぅるさんはどこでこのサインを見たの?と言う話になる訳です。
まぅるさんの事は仲間内には言えませんから、直接まぅるさんにメッセージで聞いてみた訳です。
そうしたら、まぅるさんから何だか重々しい返信が来たわけです。
もうメッセージをやり取りし始めて7ヶ月ぐらいになりますかね。
コン太さんにお話ししたい事があるのですが、その前にお約束があります
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こう言った書き出しで始まるメッセージは、僕に対する絶対的な守秘義務の依頼でした。
まぅるさんの知っているホビー21の美少女着ぐるみに関する秘密を教えるので、その事は絶対に秘密にすると言う確約を結んでほしい、と。
守秘義務に違反すると様々な罰則が課せられるらしく、その意味でも秘密は厳守してほしい、と。
そうすれば今自分が知っている秘密は極力教える、とも書かれていました。
まぅるさんは単にホビー21のファンの1人であり、美少女達の秘密、のサイトのファンだと思っていたのですが、どうやら僕の知らない何らかの事実を知っているようでした。
実は僕、この手のサイトをやっている関係から、着ぐるみフェチの仲間は多少いました。
彼らの中には、オープンに出来ない情報なんかもリークしてくれる人もいて、彼らの秘密は今でも守り続けているんです。
そういう自分からしたら、今更秘密の一つや二つ抱えたところで、リークしない自信はありました。
むしろまぅるさんが知るホビー21の秘密に凄く興味があったので、その契約書にサインをする事にしました。
契約書はPDFで送付され、サインを書いたものをスキャンして送り返したのですが、その契約先はなんとホビー21だったのです。
いや、厳密に言えばホビー21ではなくその別会社でした。ですが会社名を調べると、当然筆頭株主が分かります。
そしてその会社はホビー21の完全子会社だったのです。
まぅるさんはホビー21の関係者だったと言う事でしょうか?だとしたらあの想像は、想像として正しいのでしょうか?
そんな事を思いながらまぅるさんからの返信を待つと、ついに時間と場所を指定して「直接会って知ってほしい事がある」との返信が来たのです。
いくつか候補日があり、僕はその中で自分が都合のいい日時を返信。その日に会う事が決まりました。
当日。僕は指定された時間に指定した場所に行きました。
ずっと会う事の出来なかったまぅるさんと会える喜びと不安。いったいどんな人で、何の目的でこんなことをするんだろう、と言う疑問。
色々な感情を持ちながらその建物に到着すると、正面玄関に見知らぬ男性が立っていて、僕を発見するとこちらに寄ってきました。
男性「えーと。あなたがコン太さん?」
僕の名前を知ってると言う事はつまりこの人がまぅるさんでしょうか?
僕「ええ。コン太です。もしかしてまぅるさんですか?初めまして!お会いしたいと常々思っていたんです!」
僕は、ようやくまぅるさんに会えた喜びを伝えたのですが、意外な返事が返ってきたのです。
男性「いえ。私は菊池と言います」
男性はそう言って名刺を渡してきました。
僕「あ、僕名刺持ってないです・・・」
菊池「いえいえ、大丈夫ですよ」
そんな会話をしつつ名刺を見ると、そこには「ホビー21キャラクター操演部 技術リーダー」と言う肩書が書かれていました。
僕「えっ・・ホビー21・・・」
菊池「ええ。ここのビルもホビー21の所有ビルなんですよ。早速中に入りましょう」
僕「あっ・・はい・・」
菊池さんの案内で僕はビルの中のとある部屋に案内されます。
エレベータで3Fに上がり、通路を通って通されたその部屋は、応接室と言った感じの部屋でした。
テーブルとソファーがあり、全部で10人ぐらいは座れる感じですね。
奥にもドアがあって、恐らくその先にも部屋があるのかな、と言う感じでした。
僕は言われるがままにソファーに腰掛けると、菊地さんはテーブルを挟んで向かいに座ります。
僕「あ・・あの・・」
菊池「あはは。色々困ってますよね」
菊池さんは僕の言葉にならない疑問に気付いてるらしく、面白そうに笑いながら言いました。
僕「まぅるさんは・・」
菊池「まぅるさんは後で来ますから大丈夫です。それより色々困ってるようなので他にも質問していいですよ?」
僕「あ・・はい・・えと・・では、菊地さんはホビー21の人なのですか?」
菊池「あー、そこからですね。まぁ名刺にある通りです。キャラクターの技術担当です」
僕「技術、と言うと・・・」
菊池「主に着ぐるみ作ってるんです。ホビー21の」
僕「えっ!?あそこの着ぐるみ作ってる人なんですか?」
菊池「まぁ僕一人で作ってる訳では無いですけどね。僕の部門だけでも20人からのスタッフがいます。他にも様々な部署があるので結構な人数が作ってますよ」
僕「なるほど。。。まぅるさんもその部署の人なのですか?」
菊池「いえいえ。近い部署ですかがちょっと違うかな。まぁそこは後から本人に聞いてみてください」
僕「はぁ」
菊池「他に聞きたい事とかあります?」
僕「え・・ぇえ・・そもそも今日は何で呼ばれたのでしょう・・・」
菊池「あれ?聞いてません?まぅるさんが知ってるホビー21の着ぐるみに関する情報をコン太さんに開示するって話だったけど」
僕「ま、まぁそういう話ではあるんですが、そこにホビー21の方が出てくるとは聞いてなかったので・・・」
菊池「びっくりするのは理解してます。でも、まぁ情報開示ですからホビー21のスタッフがするのが正しいでしょ?って事です」
僕「そうなんですが・・・何故僕に・・・着ぐるみの情報は絶対にリークされないと聞いてましたから」
菊池「本来はその通りなんです。門外不出と言うか、リークされてしまうと色々と不利益が生まれるので、着ぐるみの構造や中身については秘密なんです」
僕「では何で・・・」
菊池「木の葉を隠すなら森の中、と言う言葉をご存知です?」
僕「は・・はあ。まぁ」
菊池「何かを隠すなら似たような種類の中に紛れ込ませる方が見つかりにくい、と言う事ですよね?つまりそういう事なんです」
僕「すみません・・さっぱり意味が分からず・・・」
菊池「ですよね」
菊池さんは少し楽しそうに笑いながら言いました。
そして説明を続けました。
菊池「元々ホビー21の着ぐるみの構造とか中身は、特定の人たちの興味の対象だったんです。特に着ぐるみフェチと呼ばれる人たちが一定数存在して、彼らは様々な方法で探りを入れてくる。最初の頃はまだ対応できていたのですが、これだけネットが発達している現在、もしもリークされたら簡単に鎮静化は出来ない」
僕「ええ。何となくわかります」
菊池「コン太さんは着ぐるみフェチであることも、ホビー21のキャラクターショーの常連さんである事も、スタッフの間では割と有名です」
僕「そ・・そうなんだ・・」
菊池「ええ。でもその評判はかなり良好です。決して迷惑はかけず、でも適度にキャラクターとのコミュニケーションも取り、大きなおともだち集団の中でもだいぶいい印象のファンだとされています」
僕「それは良かったです・・」
菊池「ですが、まぁファンの中には楽屋の方に入ってこようとしたり、着ぐるみに発信器とかワイヤレスマイクをつけたりする人もいる。そうすると楽屋情報が漏れる可能性がある」
僕「そんなひどい事をする人が・・・」
実は僕、そういう事をしてる集団を知っていました。
彼らとは全く嗜好が異なるので会話はしてませんが、確かに彼らはちょっと無茶をするなぁと言う印象はありました。
菊池「ええ。で、どうすれば情報が漏れにくく出来るか。あるいは、もし情報が洩れたらどうするか、と言った話がホビー21でも度々議論になったんです」
僕「なるほど」
菊池「そんな時、たまたままぅるさんがコン太さんのサイトを良く見てる話が出てきて、ここのサイトのオーナーさんなら時々ショーを見に来てるから知ってるよ、と言う話になったんです」
僕「まぅるさんてスタッフの方だったんですね。だから僕の事を知っていた。でも不思議なのはスタッフの方って毎回同じじゃないのに、何故かまぅるさんは僕の事を良く見ているようでした」
菊池「ですね。まぅるさんは良く知る立場にいたので。で、話を戻しますが、まぅるさんからサイトを紹介され、熟読しました。何ならSNSとかの発言も読ませてもらいました。正直相当に重傷なフェチさんだとは思いました」
僕「す・・すみません・・・変な妄想してご迷惑かけて・・・」
菊池「いえいえ。全然怒ってません。むしろそういう価値観の人はありがたいと思ったので」
僕「ありがたい?」
菊池「ええ。つまり、コン太さんには申し訳ないと思いつつ、ちょっとだけコン太さんのサイトを利用させてもらう作戦を思いついた訳です」
僕「作戦?」
菊池「先程言ったように、木の葉を隠すなら森の中、と言う事です」
僕「ど・・どう言う事?」
菊池「まぁまぁ落ち着いてください。今から種明かししますから。それよりちょっと喉が渇いたので、今お茶持ってきますね。何か飲みたいものありますか?コーヒー、紅茶、お茶、水辺りがありますが」
僕「では・・コーヒーで」
菊池「分かりました。コーヒーですね。今持ってこさせますから」
菊池さんはそういうと席を立ち、部屋の奥のドアを開けて部屋の中に向かって何か説明をしているようでした。
どうやら部屋の奥に待機してる人にお茶を持ってくるように指示してたみたいです。
直ぐに戻ってくると着席して、お茶の到着を待ちます。
2~3分後でしょうか。
部屋の奥の扉がガチャリと開いて、奥から綺麗な女性がお茶を運んできました。
その女性は、おおよそお茶を運ぶには似つかわしくない真っ赤なドレスを纏っていました。
その女性は金髪で、とても美しい顔とスタイルを持っていました。
そう。エミリアです。エミリアがお茶をお盆に載せて部屋に持ってきたのです。
僕「え・・・」
菊池「少し驚かせてしまいましたね。今日はエミリアにお手伝いして貰ってます」
僕「で・・ですか・・」
エミリアは、菊地さんと僕の前にコーヒーを置きます。
自分の近くにコーヒーを置いた時、エミリアの髪の毛から漂うにいい匂いが何とも綺麗な女の子の匂いでした。
ただ、多分この中の人はこの香りは嗅げないんですよね。
まぅるさんの妄想だと、彼女の呼吸はスカートの中の籠った空気ですから。
でもつい想像してしまいます。この中に入って苦しんでる自分を。そして実際に目の前にいるエミリアには誰かが入ってると言う事実に嫉妬も覚えるんです。
お茶を配り終えると、エミリアは一旦奥の部屋に戻り、直ぐに戻ってきます。お盆を置いて来たようでした。
そしてエミリアは何の躊躇もなく僕の横に座りました。
ソファー特有の深い着座位置からなのかふわっと広がったスカートの裾から空気が漏れて来ます。
その空気は自分が想像する以上に蒸し暑い湿気の含まれた物でした。
確かにこんな身体に密閉され、こんな布の重そうな衣装に殆ど肌を塞がれているのですから、熱気は相当に籠る気がします。
菊池「どうです?スカートから結構な熱気が漏れたでしょ?」
菊池さんは僕の感情に気付いているかのように問いかけてきます。
僕「え・・まぁ・・」
そう言いながらついエミリアを見ると、可愛らしい顔がこちらを向いて「どうしたの?」と言う様子で小首をかしげています。
菊池「じゃあまぁエミリアには話に参加してもらうとして、さっきの続きです。つまり我々は、情報リークの対策としてコン太さんのサイトを利用する作戦を思いついたんです」
そう言われてふと我に返りました。そうです。今僕は、何故かホビー21の情報リーク対策の話を聞いていたのです。
僕「そこが良く分からないんです。どうして僕のサイトが利用できるんですか?」
菊池「もう一度思い返してみてください。木の葉を隠すなら森の中、の意味を」
僕「似たようなものの中に隠す事で見つけにくいって事ですよね」
菊池「そうなんです。つまりコン太さんのやっている『美少女達の秘密』と言うサイトは、妄想美少女着ぐるみ小説の中ではそれなりに歴史も古い。しかもかなりのボリュームで更新が続いている」
僕「まぁ確かに古い事は古いですけど・・」
菊池「いやいや、実際この手の小説では数少ない更新が続いているサイトですです。我々はリサーチした結果として言ってます。そもそも他の美少女着ぐるみ小説を扱うサイトは殆ど存在すらしていませんし、存在していた時期があってもすぐに無くなっています。長い間更新を続けると言うのはそれだけで人の目に触れやすくなるんですよ。そしてここからが重要なのですが、多くの人が目にしているその小説サイトの妄想は、ほぼすべての人間がフィクションであることを認識している」
僕「まぁそうですね。僕もそう書いてますから。誤解なきよう、って」
菊池「そうなんです。だからこそ、ここにもしも真実を混ぜても、恐らくはみんなが妄想だと認識する、と考えた訳です」
僕「は・・はぁ・・・まぁ確かにちょっと真実を書いてても多分みんなは信じない気がしますが・・・」
菊池「ですので、コン太さんのファンであったまぅるさんに頼んでメッセージのやり取りをしてもらい、徐々に情報をリークして小説化してもらったんです」
僕「はい???? 情報をリークって????」
僕はあまりにも衝撃的な話に、思わず聞き返してしまいました。
菊池「ですから、まぅるさんがコン太さんにメッセージした妄想は、実は真実なのです」
僕「真実って・・・どこら辺が・・です?出入り口?呼吸の話?」
菊池「ほぼ全部です。コン太さんが去年から書いていた『真実』と言うタイトルのお話に書かれている内容はほぼ真実です」
僕「だって・・あれ、僕ぐらいの男性が身体が縮んで、しかも中で身体と衣装の生み出す快感に耐え続けながら何度も隠れてイキながら、しかも呼吸も股間の穴からしてて、、、って言うむちゃくちゃ変態的な話ですよ?」
菊池「ええ。もしも本当にホビー21の着ぐるみがそうだとしたらどう感じます?人前で性的な処理が密かに行われている、と知ったらどう思います?」
僕「それは相当に問題になる気がする・・」
菊池「ですよね?なので絶対に人に知られる訳にはいかないのです。ですからコン太さんにはフィクションとして書いて貰った。これで、仮に真実がリークされても『妄想小説のコピペを書くなよ』って言えてしまう」
僕「そ・・それはそうですけど・・・そもそもその内容って・・」
菊池「ですから真実なんです」
僕「エミリア・・も?」
菊池「エミリアさん、どうなんでしょう?小説の内容は真実ですか?」
菊池さんがエミリアにそう質問すると、エミリアは恥ずかしそうに両手で顔を覆いながらコクンと頷きました。
まさか・・僕が勝手に妄想をしていた内容が真実だと言うのでしょうか?
この中では僕とそう変わらない男性が、衣装と身体の生み出す快楽に耐え続け、股間にあいた呼吸経路からスカートの中に呼気を籠らせ苦しんでいる、と言うのでしょうか?
彼女は全く苦しそうな態度も感じてどうにもならない態度も取ってません。まるで本当にお姫様であるかのような破たんの無い態度で存在を続けています。
その様子からは裏側にあると言う真実なんて到底想像できないのです。
菊池「と言うわけで、エミリアも認める通り、ほぼ真実なんです」
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