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着太郎はレオタードから露出している足先を見て驚く。
「え?!こ・・この足って・・」
着太郎の驚きにも動じない様子の彼女たちは、淡々と上半身を脱ぎにかかる。
胴体、胸、両手、と徐々に露わになるその姿は、レオタード越しとはいえ相変わらず完璧な女性のシルエットを保っている。手が露出された瞬間も、着太郎は足先と同じ姿に驚く事になる。
そして最後に首から顔が現れると、顔の部分も真っ白いフード状のレオタードで覆われている様子であった。
その様子を呆然と見守る着太郎。
口元が見えた瞬間、肌色が着太郎の目に飛び込む。
つまり、フードは顔の部分だけ丸く穴が空いているようである。
レオタードの作りは、手首や足の先、そして顔だけが露出しているようで、あとは全身タイツのように身体を覆っている。
そして、その露出した手、足、顔から出てきた物を見て、着太郎は愕然としてしまう。
マナの中から出てきた顔は、なんとマオであった。
同様に、マユからはマナ、マオからはマユが出てきた。
着太郎は、露出された手足を見て、それがマユ達の身体だと言うことに気づき呆然としていたのだ。
全てを脱ぎ終わった彼女たちは、その場で開放感を味わうかのように軽くストレッチをする。
そして、マユが部屋の片隅に置いてあったノートパソコンを操作して言う。
『あ・・あ・・テステス。うん。大丈夫ね。』
先程まで、マオだったマユは、すっかり元のマユの声で話し始めた。音声を切り替えたのである。
「え・・・これって・・・いったい・・」
『ふふふ。中を見てみたいって着太郎さんが言うから、中を見せてあげたんですよ。』
マオが冷静に説明する。
実は、この仕掛けこそが、梶原が準備した物であった。
それぞれのキャラクターが、別のキャラクターに扮して着太郎と楽しむ。そして、正体を見せてあげると言って、元のキャラクターに戻るのである。
だが、これをするのは実際に裏側にいる人間にとってもホントに大変なことなのである。
だからこそ、梶原は、あらかじめ2週間の練習を依頼し、各々がこの装備を着こなせるように頑張っていたのだ。
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およそ3週間前
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プロジェクトK第3段実行の為梶原が準備したその物体を見て浅川が言う。
「これって、僕らの入る着ぐるみじゃないの??」
ビニールにつつまれたその物体は、明らかに、マナ、マユ、マオの3体の着ぐるみの外側である。
「そうそう。これの何処が凄いのさ?普通じゃん。」
田端も梶原に説明を求める。
「まぁまぁ。そう焦らないで。今ビニールから出すから手にとって確認してみてくださいね。」
梶原は少しニヤニヤしながらビニールから着ぐるみを取り出し浅川と田端に手渡す。
「え?」
「なんでこれなの??」
梶原に手渡された着ぐるみを手に取った2人は、驚いたように梶原に言った。
梶原は、浅川にマナの着ぐるみを。田端にはマユの着ぐるみを手渡したのだ。
「ふっふっふ。よーく見て」
梶原がよく見ろと言うので、2人は食い入るように手渡された着ぐるみの皮を見る。
「あ・・これ。」
すると浅川はこの着ぐるみの何かに気づく。
「分かりました?」
梶原が嬉しそうに質問する。
「ちょっと顔、大きいですよね。いつものマナちゃんより」
浅川の答えを聞き田端も自分の手に取ったマユの顔をよく見る。
「あー。確かにちょっと大きいかも。一回り大きい?」
田端も気づいたようである。
「大正解。素材とかは全く一緒だけど、ちょっとだけサイズが大きめなんです。」
「でも、なんで少し大きいの?」
浅川は素朴な疑問をぶつける。
「何でだと思います?」
すると、梶原は逆に質問してきた。
「うーん・・何でだろう・・・」
浅川が困り果てていると、突然田端が何かに気づく。
「ま・・まさか・・・これを着るのは僕らじゃなくて・・・」
「ピンポーン。大正解。」
「え?何何?」
どうやら田端は気づいたようだが、浅川はまだ分かっていない。
「つまりこういう事です。私はいつものようにマユの中に入り、マユが、この僕の手元にあるマオの中に入る。そして、みなさんそれぞれが、担当の着ぐるみに入ってから、手元にある着ぐるみの中に入る。」
「え・・・・ま・・まじ??」
梶原の提案に浅川はたじろぐ。
「マジですよ。だから顔のサイズは着ぐるみの上から被せても平気なように少し大きめにしてあります。ただ、身体のサイズは、それぞれ、内側に入るキャラクターの身長に合ってます。」
「つまり・・役柄の交換をすると・・」
「そう言う事です。声は人工音声ですから、少々プログラムを変えれば対応可能です。皆さん、役柄を変えて着太郎さんの前で誘惑し、中を見せると見せかけて、本来のキャラクターが出てくる。こういう仕掛けです。」
「それは・・凄いなぁ」
浅川は感心する。
「凄いけど、あの身体の上からこの着ぐるみを被るってのはかなり大変そうだなぁ」
田端が素朴に言う。
「ですから、取り敢えず2週間、自宅で皆さんで練習してみて下さい。私もまだ未体験ですけど、きっと凄いと思うんですよ。だからお互い頑張りましょう。」
「気軽に言うよね。。」
「ほんとだよなぁ。。」
「でも、そう言うの好きだからやってるんでしょ?」
最後の梶原の一言に、言葉が無くなる2人。
こうして2週間の自主練習が各自で始まった。
浅川も仕事が終わると自宅で毎夜練習に励むことになる。
まずは慣れた手つきでマオに入り込み、呼吸を確認した後、アンダーショーツとサポート力の強いパンスト、そして凄く薄い素材で出来た真っ白いフード付きの全身レオタードを着込む。
このレオタードは、顔と手首足首から先が露出している以外は全ての身体を覆う構造となっていて、素材はスピードスケート選手が着るスーツのように非常に薄い素材で出来ている。ほぼ全身を覆う為、素材の関係から強いフィット感は無いのだが、その分細かいシワが全体に出来やすく、これが浅川を刺激してしまう。
そして、この状態で、マナの着ぐるみを着込んでいく事になる。
だが、この着ぐるみの皮膚の素材がくせ者である。基本的に、センサーが埋め込まれているのは内側に着込んでいる真っ白いスーツであり、皮膚となる素材はその感度を増感する為に存在している。つまり、そりを2枚重ねるという事は増感量も単純に2枚分となってしまうのである。
しかも、実際には、マナとマオの皮膚の間には薄いレオタード生地が挟まり、この素材が絶妙に感度を意地悪な方向に持って行ってくれる。
呼吸も楽ではなくなる上にこれほどまで敏感な肌になってしまうと、マナの上から服を着るという行為は、快感地獄としか言いようがく、以前中に入ったフローラ姫が子供だましに思えていた。
だがそれでも浅川はマナの中に入ってみたかった。
どれほど感じやすい身体になってしまっても、その快感に耐えてマナを演じたいと思っていた。
その好奇心が浅川をマナへと変身させていた。
マナの中に入り込んだ浅川は、やはり想像通りの快感に苦悩する。
はっきり言えば、中に入ったが最後、脱ぐ事すら快感との戦いであると思える程、常に気持ちいい。しかも相当に感度がチューニングされているようで普通にしていたら決してイク事はない所がまたつらかった。
最初にマナの中に入った時は、あまりの気持ちの良さから、服を着る前に胸や大事な場所を自ら弄って果ててしまうほどだった。マナにこんな恥ずかしい事をさせてしまう罪悪感と共に、我慢出来なかった自分に落ち込みながらも、その容赦のない快感に魅せられていく浅川。
練習2日目には、なんとか楽な服を着る事も出来るようになったが、それでもまだ僅か2時間あまりの間に3~4回は果ててしまうと言う、イキっぱなしに近い状態だった。
3日目には、マナの標準装備のメイド服(サイズ自体はマオの体格に合わせて作り直している物)を着る事に成功するが、イク回数は相変わらずで、これではとても着太郎の前で操演には耐えられない。
4日目は少し慣れて、メイド服のままイク回数を半分にまで出来たが、我慢する事に精一杯で、演技は殆ど出来なかった。
5日目になって、ようやくマナとして振る舞う練習を始めるが、その為に再びイク回数が元に戻り、2時間で精根尽き果ててしまう。
6日目と7日目は仕事が休みで、今まで以上に練習に励むのだが、6日目に関しては、丸一日あったのに、実際には3時間も持たずに体力を使い果たしてしまう。そして7日目に、ようやく自分なりの操演目標だった4時間を超える事に成功する。
それ以降の一週間は、衣装を変えてみたり、少し感じやすい行為を我慢してみたりと、着太郎に弄られても我慢する演技を続けられるレベルに持って行く努力をしていた。
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こうしてなんとか着こなせるようになり、今回の作戦に繋がっていったのである。
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だが、いくらこうして1人で着こなすことが出来るようになったとは言っても、実際にこの数時間は、浅川にとって地獄と言って良かった。
耐えられると言うだけで感じなくなったわけではないこの装備を着て、さらにあのパツパツのスーツを身につけているのだ。しかも、1人ではなく似たような状況の2人が目の前にいて、さらに着太郎という裏側の事情を知らない人物もいるのだ。
この状態で演技をすればツラく無いわけなど無かった。
本来なら自分が演じていたキャラクターを目の前で見る事になるわけで、それも興奮を煽る一因となっていた。
と、同時に、本来は自分が演じているはずのキャラクターを他人に演じられているという嫉妬もあった。
マユが着ているマオを見ながら、マオが気持ちよさそうな状態になっているのを見て、本来マオに責められる権利は自分にあるのに、マユの中にいる梶原がそれを楽しんでいるのが凄く悔しく思えた。
もちろん、浅川はマオの身体の上からマナを着ているわけで、実際の刺激はマオから受けているのだが、目の前で妖艶に振る舞うマオを見ると、嫉妬も強くなってしまうのである。
また、マナとして、着太郎からマッサージを受けている時も、まさしく快感地獄であった。
特に隠された息子を上から弄られている時は、頭が真っ白になっていたし、当然あっと言う間に果てていた。
感じていないフリをしなければ、と思えば思う程、実際に受ける刺激を感じてしまい、身体の反応を抑えるのが凄く辛かった。
以前梶原の家で、まだ正体を知らないマナの身体を調べた時、事情を知らなかった自分が、田端をこんなに気持ちよくしていたのかと改めて思うと、申し訳ない気持ちと共に、また新たな嫉妬心も生まれていた。
だがそんな嫉妬心すらも忘れる程、着太郎からの刺激は気持ちよく、自分をマナからマオに、そして浅川自身に引き戻してしまいそうな快感に、必死に耐えていた。
着ているスーツのスカートのすべすべの裏地や、ショーツ、パンスト、そしてスカートに固定されたショーツの刺激は、幾重にも重なった和音のように、複雑で奥が深くて予想も付かないハーモニーで浅川を苛め続けていた。
苦しくも切なく、気持ちよくなりながら、必死に「マナ」で居続けたが、やがて着太郎に「男性」を発見されるきっかけとなる崩壊を迎えてしまうのである。
もちろん、こんな気持ちは浅川だけではない。
立場は違えど、梶原も、田端も、それぞれの中で似たような思いで耐え続けていたのである。
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