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『わぁ、すてき~。まるでお姫様みたい~』
『お姫様みたいじゃなく、フローラ姫って言うのよ。』
『フローラ姫?』
『そう。本当のお姫様なの。』
マユが紹介したフローラと呼ばれるこの着ぐるみは、完全にマオを包み込み、優しく笑っていた。
だが、一方で、フローラに包み込まれたマオの中にいる浅川は、前回のスーツに勝るとも劣らぬ苦悩と激しい戦いを繰り広げていた。
元々タイツと言うにはサポート力が強いこの肌タイツに包まれているだけでも、全身がマッサージされるように刺激される。しかもタイツの生地が厚手なので、呼吸も籠もりかなり息苦しい。もちろん肌タイツの裏側にはレオタードをしっかり着込んでいるので、その籠もった空気のむせ返るような感覚はかなりの物だ。
その上でフローラ姫としての衣装を身に纏い、本来ドレスであれば唯一楽になれるはずの下半身すら、特殊なパニエの為に収まることのない快感の中にいる。
もちろんこのパニエが輪をかけて呼吸を奪う事も浅川にとっては地獄であった。
密閉度の高い首周りも、マオの場合、口から呼吸していないのでたいした問題では無いはずなのだが、実は首周りがかなりフィットする布のムズムズとした感覚に襲われている。
痒くてもかけない地獄とでも言うのだろうか。
そんな状況でも、マオは、フローラを演じてみせる。
着太郎もそんなマオの様子に興奮を覚える。
彼女がかなり敏感な身体を持ち、しかも股間から空気を吸っている事は、既に分かっている。
とすれば、マオの中にいる人物が今この瞬間も相当に大変な状態を堪能していることは、簡単に想像が出来た。
着太郎自身、着ぐるみの持つ快楽を知っていた。
だからこそ、この特別な着ぐるみの上から、着ぐるみを着せられる事の意味を理解できていた。
フローラの笑顔の中には、人の顔はない。
それまでの着太郎は、着ぐるみを鑑賞する時には、その作られた顔の中に存在するであろう”中の人”の表情や感情を想像して楽しんでいた。
だが、今目の前にいるフローラの中には、生身の人間はいない。
その裏側に存在するのは、やはり人によって作られた、等身大の人型の人形。しかもその人形は確実に誰かが入り、その姿を頑ななまでに隠している。
元々遠かった”マオの中”が、更に遠くに行ってしまった寂しさと共に、目の前にいるはずなのに、姿は見えず、自分の知らないマオの中を楽しんでいる人物が確実にいることが、羨ましくて仕方がなかった。
ゴージャスな飾りの付いたドレスだが、お腹の部分だけはタイトなので、フローラの呼吸がよく分かる。
凄く深くゆっくりと呼吸を繰り返し、時折激しくなる。
その動きを見ているだけでも、このお姫様の裏側で起こっていることが想像できる。
着太郎の想像は膨らむばかりだが、マユ、マナはフローラを席に座らせて自己紹介をする。
『フローラ姫。はじめまして。私がマユです。』
『わたし、マナでーす。』
『で、こっちが着太郎さん。』
マユが最後に着太郎を紹介すると、着太郎はポリポリと恥ずかしそうに頭を掻く。
『ねぇ。これ凄く暑くて苦しいの。。もう脱いでいい?』
やっと着替えて座ったところなのに、籠もった声ですぐに音を上げるマオ。
『あー、お嬢様。今はフローラ姫なんですから、喋っちゃダメですよ!。着ぐるみは喋らないのが鉄則なんです!ね。着太郎さん!』
「え・・あ、まぁそうだけど・・」
『ほらほら。お嬢様もフローラ姫なんですから、少しぐらい苦しくても我慢してくださいね。』
マユはそう言ってマオに着ぐるみを着続けるように言う。
フローラはウンウンと頷いて納得したようだが、もちろん着太郎はその様子にさらなる興奮を覚える。
『でも、私がアルバイトしてた時も、このフローラ姫って凄くきつかったんですよね。』
「そ・・そんなにキツイの?これ。」
『凄いですよー。密閉度が違うって言うんですかねー。ヒーロー物のゴムのスーツよりはマシですけど、厚手のタイツでグルグル巻きにされた後、この重装備の衣装ですから、真夏なんて地獄ですよ。着太郎さんなら実際に着ぐるみやってらっしゃるから想像ぐらい出来ますよね?』
「まぁ確かに想像は出来るけど。」
『首の回りも空気が抜けないから、面の中に空気が凄く籠もるんですよ。』
着太郎とマユの話に割り込むマナ。
『へー。マユちゃん。そんな凄いバイトしてたんだー。着ぐるみって大変なのねー。』
マナの言葉を聞いた着太郎は、もっと大変な着ぐるみを目の前で着続けている人間が3人いるだろう、と突っ込みを入れたかった。
『大変だけど楽しかったわよ。』
「楽しい?」
着太郎はマユの言葉を聞き質問した。
『だって着ぐるみを着ると、周りから見て私はお姫様になれるんですもの。みんながフローラ姫って言ってくれて、子供達と戯れて。』
「なるほど。」
『でも、中にはマニアなお客さんとかもいるんですよ。』
「マニア?」
『そうそう。着太郎さんみたいな人。』
「え・・僕なの・・・」
『だって、着太郎さんは女の子の着ぐるみを着て楽しんだり、そう言うの見て楽しんだりするんでしょ?』
「ま・・まぁ。」
『そう言う人って見ていると分かるんです。あーこの人きっと、中で奮闘している私たちの事、想像してるなーって。』
「そりゃまぁそうだけど・・」
『そう言うお客さんも楽しませてあげられるように、一生懸命頑張っていたのよ。』
着太郎とマユの話に聞き入る、マナとフローラ。
『さて、じゃあ次は何します?』
話題を変えようとするマユ。
「何って言われてもなぁ。アイデアなんて特に無いし。。。」
着太郎が遊びのアイデアに困っていると、マナが割り込む。
『じゃー、あれやる?』
『あれ??』
「あれ??」
マナの”あれ”に反応する2人。フローラも身を乗り出す。
『あれってテレビゲームのこと?』
マユは前回楽しんだゲームのことかと尋ねる。
『違う違う。脱出ゲーム。』
『脱出ゲーム??』
「なに?それ・・」
マナにより突然提案された脱出ゲーム。
マナは自信満々にそのゲームの道具を取りに行く。
どうやら隣の部屋にある鞄の中から何かを持ってきたようだ。
テーブルに道具を広げるマナ。
そこには変わった飾りが付いた2着のレオタードと、長いロープが2本用意された。
『これを使いまーす!』
「ど・・どう使うの??」
着太郎が質問する。
『まず、このレオタードを私とマユちゃんが着ます。』
『え?!私も?』
突然マナに指名されて驚くマユ。
『うん。だって着太郎さんは男の子だからこのレオタードは着れないでしょ?フローラ姫もドレスがあるから着れないから、私とマユちゃんが着るの。』
『確かにそうだけど・・』
渋々納得するマユ。
『で、このレオタードにいっぱい付いているベルトの穴みたいな飾り。これはロープを通すための穴です。』
「ロープを??」
『うん。この穴にロープを通して、身体をグルグルに巻くの。私がマユちゃんの身体に巻いて、マユちゃんが私に巻くの。』
「それで??」
『今度はそのロープをほどくの。私は着太郎さん。マユちゃんはフローラ姫にほどいて貰うの。早くほどけた方が勝ちなの。』
「そ・・そんな・・」
『ダメ??』
「ダメって事はないけど・・・マユちゃんだって嫌だろうし。」
着太郎がそう言ってマユを見る。
『わ・私?私は別に構わないわ。やってみる?』
『わーい、やろうやろう。』
マユのOKに、ノリノリのマナ。
「で・・でも、マオちゃんも困るだろうし」
『マオちゃんじゃなくてフローラ姫!』
マナの突っ込みが入る。
『大丈夫よね!フローラ姫!』
マナのごり押しに、フローラも頷いてOKする。
『じゃあ決まりね。』
マナはそう言い残すと、マユと共にレオタードに着替えるために部屋を出る。
部屋に取り残されたフローラと着太郎。
着太郎はフローラの様子が気になり、チラチラと見る。
お腹の辺りの動きから、やはりかなり苦しそうである。
着太郎の想像が間違っていなければ、フローラのパニエがマオの中にいる人物の呼吸を確実に遮ってパニエの中の空気がかなり籠もっているはずだ。なにしろ相当に窮屈そうなショートパンツが付いているのだから、その息苦しさを想像しただけでもクラクラする。
そして、そのフローラの奥深くに実際に密閉されている浅川は、着太郎が想像している以上に大変な状況にあった。
苦しいのは事実だが、これ自体は酸素補給のシステムがあるのでまだまだ頑張れる。だが、それ以上に大変だったのは、何しろ気持ちが良すぎる事であった。
全身を覆うタイツと、その上から幾重にも重ねられた衣装が織りなす快楽は、じっとしているようでも僅かに呼吸などで動く身体に敏感に反応して、息をするだけでも気持ちが良くなってしまっているのだ。
呼吸をするとどうしてもお腹は動く。ピタリと貼り付いたドレスのウエストも突っ張り、ピーンと張った布がムッチリと息子を締め付ける。
まるでドレスがウエストではなく、息子に巻き付いているような錯覚を覚える。
この甘い締め付けから逃れようと、太股に力が入ると、今度は股間が締め付けられるように刺激される。
更に、パニエのフワフワの布の感触と、中に仕込まれたショートパンツの締め付けが加わり、浅川の理性をそぎ落とそうとする。
気が遠くなる快感を堪えるため、理性を振り絞って太股の力を抜くと、今度はあまりの切なさに涙目になる。
姿勢を直すために座りながら動けば、ボレロ風の上着が胸を締め付け、さらに内側に着ているワンピースの締め付けも加わり、その快感を増長する。
フローラの衣装からだけでもこれだけの刺激が続いている。これに加えて肌タイツ、さらに裏側に着込んだレオタードの作り出すシワや締め付けもダイレクトに伝わるのだ。
着太郎には気づかれないでいるが、もしこの事実を知られたら、着太郎は冷静ではいられなくなるはずだ。
だからこそ、目の前の着太郎に知られないように、浅川1人でこの快楽と戦っていた。
着太郎に見つめられながら、浅川が気づかれないように必死に戦っていると、着替えたマユとマナが戻って来た。
『おまたせ~』
『お待たせしました。』
2人は真っ白なレオタードを着込んで戻ってきた。レオタードはかなりハイレグでノースリーブ、ハイネックというスタイルだ。
『じゃあ早速、私がマユちゃんにロープを巻きますねー。』
マナはそう言うと、テーブルの上のロープを一本手にとって、着太郎とフローラの目の前で、マユの身体にロープを巻き付け始める。
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