お嬢様物語:大人な3人(4話) [戻る]
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 結局マナは10分足らずでゲームオーバーとなってしまう。
 確か富士五湖で浅川が見た時も同じぐらいのプレイ時間ではあったが、実はあれから何度かの練習会でも衣装こそメイド服だったが、練習を重ね。常に20分以上プレイできるぐらいの腕前になっていた。
 そのマナが10分でゲームオーバーになると言うことは、マナの中が相当過酷だと言うことである。

 確かに、マナの衣装はマオ程過酷ではない。マオの衣装を拷問とするなら、マナやマユは苛め程度である。
 だがそれでも、メイド衣装に比べ、着て動き回ることが遙かに大変なスーツ姿は、既にマナを着慣れているはずの田端にとってもハンパな気持ちよさではなかったのだ。
 しかも、田端は果てそうな自分を必死に理性で押さえ込んで、なんとか我慢していた。
 その我慢のせいで集中できず、ゲームオーバーを迎えたのだが、着太郎から見たマナは、ただ可愛らしく悔しがっているだけである。

 ジャケットを外して席に戻るマナ。

『あーーん。悔しいなぁ。私結構得意なのに~』
『だってマナちゃん全然人の話聞いてないんだもん。私が上に毒蛇が居るよ!って言ってるのに。』
『そんな事言ったって、一生懸命だったから聞こえなかったんだもん!』

 マユの突っ込みに言い訳するマナ。
 もちろん梶原はマナの事情をある程度分かっていて、敢えて突っ込んでいる。鋭い突っ込みを繰り出すマユの中で、梶原もまたその様子を想像し孤独に苦しみ続けているのだ。

『じゃあ次は誰にする?マユちゃん?お嬢様?』

 マナは次のプレイヤーを選ぼうとする。

「あ、じゃあ俺もやってみる」

 すると、着太郎が立候補してきた。
 着太郎もマナの真実こそ分かっていないが、着太郎なりの妄想により、かなりマナの中を想像して精神的に追いつめられていた。
 なんとか気分を紛らわすためにはゲームをするのが一番と考えての立候補だった。

『じゃあ、次、着太郎さんね。』

 マナに言われ、ジャケットを手にプレー準備をする着太郎。
 かなり華奢な身体に合わせてサイズが設定されたジャケットは、着太郎にはとても着ることが出来ず、サイズを緩めて装着し直す。
 準備が出来たらプレー開始だ。

 着太郎はこのゲームを何度かやったことがあり、意外にも上手にゲームを勧めていく。
 それに合わせて、3人の声援が飛び、非常ににぎやかで楽しげな雰囲気である。
 だが、当然であるがその3人の元気な姿は演技に他ならない。

 敢えて果てるのを我慢したマナの中にいる田端は、着太郎を応援しながら、自らの選んだ行動により猛烈に切ない快感の中にいた。
 椅子に座ったままなのであまり動くことも出来ず、そのくせ深く沈み込むようなソファーのため、股間は締め付けられ、お尻は食い込み、スカートの中の体積も減少して空気も籠もる。
 タイトスカートがピッチリと覆っている下腹部を上から手で弄れば、果てることは簡単であり、着太郎に声援を送りながら、何度もその衝動に駆られていた。
 マユやマオに気づかれないようにそっと手を押し当てて擦れば、ほんの10秒あれば果てられる。そう思えるほど気持ちよくなっていたのである。
 だが、それでも田端は頑張って、なんとか自然な形で果てることを模索する。
 お尻を巧みにずらして、タイトスカートをお尻で引っ張るようにして下腹部に張り詰めた布を動かしたり、足を動かしてスカートのシワを動かしたり、と涙ぐましい努力で自らを苛めるが、残念ながら最後の一撃に達しない。

 マユの内側にいる梶原もまた欲求不満の固まりである。
 自らがリーダーとして、この作戦を取るため、進行役になっていて、実際に着太郎を自分が誘惑する順番がなかなか回ってこない。
 マオ用に特注したスーツは、事情をある程度理解している着太郎が見て、興奮するようにと数々の仕掛けを施してあるが、それを自分ではなくマオが着ていることが凄く羨ましかった。
 浅川には内緒でマオの身体に合わせて、本来想定していたちょっと小さめ、よりもさらに小さく作ってある。
 その為、見た目のマオの裏側で、浅川がどれほどの快感と戦い続けているのかも想像できる。
 浅川が頑張って、マオをお嬢様として存在させ続けているから、梶原にも本当の苦しみは想像しか出来ないのだが、それがまたマオを想像させ、梶原を煽っていた。
 まさかこれほど見せつけられて興奮するとは思っていなかった梶原は、何で自分用にもいろいろな仕掛けを用意しなかったんだろうと、果てることが出来ない刺激の中で、後悔していた。

 その一方で、マオに密閉されている浅川は、梶原の作ったタイトなスーツのおかげで、地獄の中にいた。
 椅子に座って応援しているだけである。しかもお嬢様という性格上あまり激しい動きはしていない。
 にも関わらず、浅川は、スーツの仕掛けのせいで、絶え間なく襲ってくる快感に頭が真っ白になっていた。
 田端や梶原が寸止めされて苦悩しているのとは違い、浅川は、マオの身体が巧みに伝え続けるスーツの仕掛けの為、何度も果てそうになっていた。
 通常の着ぐるみに内蔵されたセンサーは、基本的に快感を寸止めする。ただし、本来女性が感じる部分に対して強い刺激や意図手な刺激を受けた場合は、寸止めせずそのまま刺激を続ける。
 この仕組みのおかげで女性のように弄られればイク事が出来る。本当なら人が弄るか自ら弄る事でこういう刺激を作るのだが、マオが着ているスーツは、そう言った直接的な刺激に匹敵する刺激を布のフィット感と擦れによって生み出している。
 その為に浅川は何度もマオに無理矢理イカされそうになり、その度に、マオに『お願いだからこれ以上責めないで』と心の中で嘆願していた。だが、もちろんマオは聞き入れてくれるわけがない。
 イカされそうになっているのであれば、イッてしまえば楽になるのだが、なにしろ長時間着る必要があり、浅川にも回数に限度がある。簡単にイッてしまっていたら、途中でスーツの放熱や通気が出来なくなって本当に大変なことになってしまう。
 そうならないためには、我慢する以外にないのである。

 椅子に深く腰をかけ、タイトスカートに足を縛られるように拘束され、上着とブラウスに上半身を弄ばれ、それでも耐えながらマオを演じる浅川。
 苦しくても呼吸はスカートの中。何層にも重なった布の隙間から僅かに入る空気が頼りである。女らしくピタリと閉じた股を少し開けば、多少空気は入ってくる。
 少しならお嬢様として恥ずかしいと言うこともない。
 だがそれでも浅川は敢えて足を閉じた。お嬢様として当然の身だしなみだという理由もあるが、実はそれ以上に、こんなに苦しく、こんなに気持ちいいのに、それ以上に苦しくて気持ちいい状態に耐えてみたいと言う願望があったからである。

 3人が3人、それぞれの状況で与えられたキャラクターを演じていた。

 ゲームを楽しんでいた着太郎は、その裏側の事実を全く知ること無くゲームを終える。
 これだけは着ぐるみの中にいる3人とは異なり、少し身体を動かし、遊びに集中できたことで、だいぶ楽になる着太郎。

「さあ、次は誰がやるの?」

 落ち着いた着太郎は多少積極的に次のプレーを催促する。

『じゃあ次は、お嬢様がやってみます?』

 本当は自らが動き回って楽になりたい梶原だが、マユはあくまでもマオを優先させようとする。

『え・・私は最後でいいわ。マユちゃん、やりなさいよ。』

 マオはマオで動き回るとかなり辛い事は分かっているので、出来れば先延ばしして時間を稼ぎたいと思っていた。

『えーー。お嬢様のプレイを見てみたいなー。』

 状況を知ってか知らずか、マナが追い打ちをかける。

「じゃあ、次はマオちゃんだ。」

 着太郎もマオを指名し、結局積極的に断る事が出来ないマオは、自らがプレイすることになる。

 なるべく刺激しないように、それでいて不自然にならないように椅子から立ち上がるマオ。
 それでも腰が引ける程の快感がマオの中を襲っているのだが、浅川の吐息は何層にも重なる布がかき消し、外から見た時の不自然さは全くない。

 振動を伝えるジャケットを着込む時も、サイズ調整で少し緩めれば楽になるのは間違いないのだが、マユ達も様子を伺っている状態でサイズを緩めると、自身の状況を悟られかねない。
 その為、マナが着ていた時と同様に一番キツイサイズに戻して着る。
 袖を通し、ファスナーを閉める時、浅川はこのファスナーを閉めた事で起こる地獄を想像していた。
 バンジージャンプを行う直前のような出来れば閉めたくないと言う願いと、ほかの3人が見ている中でマオにならなければいけないという役割の中で、葛藤するのだが、ファスナーを締め上げることぐらいで躊躇するわけにも行かない。
 また、どれほどの地獄が待っているかも分からないが、その地獄を体験する事への興味もあったのも事実である。

 マオは颯爽とファスナーを閉め、その場で着崩れを直す。
 たったこれだけの行為がマオの中にもたらす地獄など、外にいる人間には想像も付かないはずである。
 自分はマオだと言い聞かせ、どんな刺激も気のせいだと言い聞かせ、マオが取るであろう行動をとり続ける浅川。準備が整うと、躊躇することなくゲームを開始するマオではあるが、その中で聞く、ゲーム開始時になるオープニングのサウンドは、戦いのゴングも同然であった。

 ゲームが始まると自らその場で足踏みして歩く事でステージを進んでいく。
 一歩一歩、股に挟まった布達が、マオを苦しめていることなど全く知らない着太郎は、颯爽とあるくマオに見とれていた。
 蛇や虫、鳥などの攻撃をしゃがんだり、手で振り払ったりとダイナミックなアクションでかいくぐるマオ。
 だが、2ステージ目の最初の難所と言われる原住民のトラップゾーンで、マオはバランスを崩して足から倒れ込んでしまう。

「あっ。」
『お嬢様!?』
『マオお嬢様!』

 マオはその場でぺたんと座り込み、着太郎達の方を向き言う。

『あはは。ちょっと足を滑らせてしまったわ。ピンヒールのブーツでアクションは大変ね。』

 マオは大丈夫だとアピールするが、すぐに立ち上がるわけではなく、20秒ぐらいその場で座っていた。

『も~。いつものお嬢様らしくないですよ~。いつもならこんな場所でやられちゃうなんてあり得ませんから。』

 マユがフォローしている。
 マオはその後スッと立ち上がりゲームを開始するが、やはり調子が良くないのか、いつもの半分ぐらいの時間しか遊べていなかった。
 着太郎はマオの実力を知らないので、それを不審には思っていないのは救いである。

 やはり浅川はこの時、我慢に我慢を重ねていたがついに限界に達していた。敵のトラップで降り注ぐ網をかいくぐるため、しゃがんだ時、締め付けられた息子がマオの中で悲鳴を上げたのだ。
 散々我慢し続けた浅川にとって、この崩壊は、今まで味わったことのない程、気の遠くなるような快感であった。
 いつもなら立ったままでも、遊びながらでも、果てることは出来るぐらいになっていたのだが、さすがにこの快感の前では、そのままゲームをすることは難しかった。
 そこでとりあえず、立ったまま腰が動いてしまうことを防ぐため、倒れ込んでぺたりと座る事にしたのだ。
 だが、ぺたりと座ることで、締め付けは更に強くなり、イッている最中の息子を容赦なく締め上げてくれた。
 これがあまりにも切なく、動くことが出来なくなってしまったのだ。
 呼吸を整えようにも、もともとたいした空間のないスカートの中の空気では、満足に息を整えるまで時間を要する。
 この間、ずっと3人に見られているので、当然ながら挙動不審なことは出来ず、あくまでも「あーあ、やられちゃった」と残念がるマオで居続けなければならない。
 これは外から見ているだけでは考えられない程大変な事なのである。
 それでも浅川は、そんな大変な場所にいられる自分をとても嬉しく思った。今までに味わったことの無いような快感を堪能し、それでもなおマオを強要されている自分が嬉しくて仕方なかった。

 呼吸を整えた浅川は、地獄のような梶原デザインの特性スーツを脱ぎ捨てることも出来ないまま、再びゲームを開始する。
 イッた直後から早くも強烈な刺激に襲われ、あっと言う間に元のような状態に戻された浅川は、ここで2度も果てては絶対にマズイと考え、自ら自然な形でゲームオーバーになることを選んだのである。

『さ。じゃあ次はいよいよマユちゃんね。』

 マオが最後に残ったマユを指名する。
 コクリと頷いて颯爽と席を立つマユ。ようやく自分も思う存分楽しめると、やる気満々の梶原の演技である。

 既に、裏側で我慢と戦っているマオは、さっさとマユにジャケットを手渡すと、ソファーに腰を沈ませ観戦を始める。
 座った場所は着太郎の真横であり、美しい女性型の着ぐるみに近寄られて着太郎がドキドキしてるのがよく分かった。

 マユは手渡されたジャケットをサイズを直すことなく装着し、テレビモニターの前に立つ。

 黒いジャケットと、クリーム色のビシッとしたスーツがアンバランスだが、こういう大人の女性がゲームを楽しんでいるのを見るのもなかなか楽しいと着太郎は思った。
 だが、実は真横にいるマオも気になって仕方なかった。
 スタイルがいいマオをさらに無理矢理理想的な体型にするかのように締め付けているスーツが、もの凄くセクシーなのだ。また、至近距離のため、彼女の身体の動きに合わせてスーツの布が擦れる音が聞こえ、これもまた着太郎を興奮させる。
 マオの中がどれほど大変な状態なのか、と言う事までは、さすがに理解できていないが、それでも衣装の構造からいって、楽に呼吸が出来ているわけでもなく、また、股間が締め付けられているであろう事も分かっていた。
 タイトスカートの股間付近のシワが、マオの足の動きに合わせて動き、この裏側の空気を吸っているであろうマオの中の役者に同情すると共に、そんな状況を楽しんでいるはずのマオ役の女性に嫉妬もする。
 短いスカートからすらりと伸びた柄パンストに包まれた足も、着太郎をドキドキさせるのに十分である。

 自分も着ぐるみを着る着太郎は、ナイロンの甘く切ない締め付けの感触を知っていた。しかもマオに履かせた柄パンストは、かなりサポート力が強いことも分かっていた。
 着太郎は、自分に置き換えて、もし目の前にすらりと伸びたゴム製の足の上から、あのサポート力のパンストを穿いたとしたら、どれだけ気持ちいいのだろうかと想像していた。


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