お嬢様物語:大人な3人(3話) [戻る]
[前へ] [次へ]


 ブラウスとスカートを着せて貰ったマオは、着太郎の心配を全く気にしていない様子である。
 だが、ほんの1度だけ、ふ~っ、と肩で息をするような動きを見せたマオを、着太郎は見逃さなかった。

 このマオの動きを見て、着太郎は、やはり股間が食い込み、身体を締め付けられ、空気が遮られたマオの中は、見た目とは裏腹に相当大変なのだと想像していた。
 ブラウスの生地はそんなに厚手ではないといっても、スカートの中のアンダーショーツと組み合わせると、かなり厚手の生地となる。そう考えると、ほとんど生地に通気性は無いように見えるのだ。ハイレグだから少し隙間があればそこから空気が出入りするのだろうが、想像する限り、決して楽には見えない。

 そして、その着太郎の推理は、それほど間違いではなかった。
 実はこの特注のスカートは、見た目よりショーツ部分の生地は通気性がある薄い素材を使っている。一見すると生地の目が詰まっているが、ピッタリとフィットさせると生地がストレッチして目に隙間が出来るのだ。
 その為、ストレッチさせる必要があるのでわざとキツめに作られている。
 呼吸を取るか、フィットして気持ちよくなるのを我慢する方を取るか、の2択なので、どうしても我慢するしかないのだ。
 しかし、いくらストレッチすることで呼吸可能とはいえ、生地の厚さからしても決して楽なはずはない。
 浅川も練習で初めて着た時は、股間の締め付けられ擦られる快感と、息苦しさの中で、しかもかなりしっかりフィットしているので逃れる術がない状況のため、僅か3分で果ててしまった程だった。
 その上、ブラウスの布も重なっているので、ブラウスの布がシワを作ってマオの中を刺激してくれる。
 ピタピタのタイトスカートの動きにくさも相まって、その拘束感と苦しさは、あっと言う間に浅川の頭を真っ白にするのだ。
 もちろんこれは下半身で起きていることに過ぎない。
 実際にはこれに上半身からの刺激が加わるのだから、マオの中の苦悩はハンパな物ではないのだ。

 それでもマオは平然とお嬢様でいる。
 マオとして振る舞わなければいけないという義務感もあるが、それ以上に浅川は、そんな大変な状況の中でお嬢様になっていると言う自分に、より興奮しているのだ。

 だが浅川の本音は包み隠し、マオは上着を催促する。

 着太郎は上着を手に取ると、背中からマオに着せてあげ、前に回ってボタンを留める。
 このボタンも嫌という程マオを締め付けるようにキツイ。
 何故こんなに小さな服を着ようとするのか、着太郎にも分からないほど窮屈そうだが、そのおかげでマオの身体が非常に艶めかしく浮き立っている。

 さらに、マオにブーツを履かせてファスナーを閉めると、やはり細身でキツイが、マオは満足そうにしている。

 最後にネックレスを着けるため、背中に回って長い髪をかき分け、ネックレスのホックを留め、着替えが完了する。

「こ・・これでいいかな。」

 着太郎の言葉にマオが自らを見ようと鏡を探す。

『あら、鏡がないわね。』
『あら、嫌だ。いますぐ持ってきますね!』

 マオのつぶやきにマユがすかさず反応して、隣の部屋からキャスター付きの鏡を持ってきた。
 その鏡に自らを映し、腰に手を当てて軽くポーズを取ると、満足そうに頷くマオ。

『うん。いいわ。素敵ね。』

 そう言いながらもう一度別のポーズを取ってみる。

 颯爽と鏡の前に立ちポーズを決めるマオは、実にスタイリッシュで大人な感じであり、まさしく着太郎好みの着ぐるみと衣装なのだ。
 その為、着替え終わったマオに、着太郎の目が釘付けになっていた。

 だが、実はマオの裏側の浅川は、そんな着太郎を気にする余裕が無くなっていた。
 自らを密封し、ガチガチに締め付ける衣装を着せられ、マオを演じ続けた為、その快感で息子が悲鳴を上げつつあったのだ。
 歩くたびに扱かれ、腰を動かすたびに撫でられ、腕を動かすたびに擦られ、胸が締め付けられるたびに絞られ、スタイリッシュなマオが、いつ淫乱な雌になってもおかしくないと思えるほど、浅川は興奮状態にあった。
 このスカートの中の切なくもどかしい快感と、タイトスカートがフィットしたことで息子の隠された下腹部への圧迫が重なり、気を抜くと腰が動いてしまいそうな程に気持ちいい。
 そんななかで気丈にマオを演じているのだから、呼吸もかなり辛いのだが、その呼吸もやはりスカートの中の何層もの布が遮り、相当に籠もった濃密な空気しか吸うことが出来ない。

 さらに言うと、上半身を締め付けるブラウスやジャケットも、腕の動きに合わせて大きな胸を締め付け、意地悪に動かしてくれる。この胸の動きは、見た目にもかなりセクシーに映るのだが、中にいる浅川には、見た目よりずっと大変な快感を与えられているのだ。

 この状態で、鏡に映ったマオを見た浅川は、そのあまりのセクシーなスタイルに、嫌らしい妄想しか出来ない程だ。自らが入っているにもかかわらず、純粋に、このセクシーなマオに興奮しているのだ。
 そして、自らが受ける苦悩と快感を実感し、このセクシーなマオの中に自分がいるという事実を再認識する。
 こんな嫌らしい着ぐるみの中に自分が居て、あり得ない程意地悪な快感を我慢させられ、興奮するなと言う方が無理な話である。

 そして、誰にも気づかれること無く鏡の前でポーズを取りながら、浅川は果てていた。いや、厳密に言えば果てる為にポーズを取り直したと言った方がいいのかも知れない。

 基本的にこの特殊な身体の通気性を維持するためには、中のにいる人物は、絶えず興奮を覚える必要がある。
 その為、スーツの制御機構が、責めの強度を絶妙に調整し、長時間我慢を強いるようになっている。
 その上、中にいる人物も、簡単に果ててしまうと長時間着ることが出来なくなると分かっているので(男性の場合、回数にも限度があると言う事である)、本人も必死に我慢を繰り返す。

 特に長期戦となる場合、もう少しで果てる状態で、しかも足の動かし方や手の動かし方で果てる程の刺激を生み出す方法を知っていたとしても、自らその動きを避け我慢するはずなのだ。
 後一歩で満足できると分かっていても、自ら寸止めをして我慢する物なのだ。
 だが、この時の浅川はその我慢すら出来ない程、頭の中が快感で埋め尽くされていた。その為、理性より本能を優先させてしまったのである。

 最後に残った僅かな理性が、浅川をマオで居させた。

 そのおかげで、着太郎や、他の2人から、中の人間が果てていた事は気づかれずに済んだのだが、さすがに数秒間ポーズを取りながら放心状態になっていた。

 ポーズを取りながら呼吸を整え、なんとか平静を取り戻した浅川は、再びマオになった。

『うんうん。やっぱりこのスーツ、デザインが素敵ね。』

 マオはそう言って頷くと、鏡の前を離れ、ソファーに腰をかける。
 マオにつられるように、マユとマナもソファーに座り、着太郎も元の位置に座る。

 スーツ姿の3人の大人な女性に囲まれ、着太郎のドキドキ感はかなり高まっている。
 また、先程ノートパソコンで見た会話のログを思い出し、このスーツ姿の着ぐるみには、ピチピチの胸や締め付けられた身体が生み出す快感と、タイトスカートの中の小さな空間に溜まっている空気を呼吸する3人がいるのだと思うと、平静を装うことも大変だった。
 呼吸と言えば、他の2人のスカートの中の状況は知らないが、マオのスカートの中は厳重に布に覆われていると言うことも理解していた。
 ソファーに深く腰掛け足を組んでいるマオは、スカートの股間付近にシワを作り、くびれたウエストと丸いヒップを強調し、着太郎を誘惑しているようにすら見える。
 あの体制では、外から見る限り、スカートの中にどの程度空間が確保できているのかさえ疑問に思う。
 その上、深く腰をかけた状態で背筋を伸ばしているおかげで、上半身もかなり窮屈そうに見える。
 厚手の生地で作られた下手の良さそうなジャケットが、マオの身体の凹凸を見せびらかすように強調している。しかもスーツのデザインがシンプルなこともあり、水商売の女性のスーツと言うよりは、仕事もバリバリこなす社長秘書のような雰囲気なのだ。

 マオだけでもこんな状態である。マユやマナも見た目は似たような物で、自らを大人の女だと強調するかのように凹凸をアピールしている。
 それを見せつけられている着太郎は堪った物ではない。

『さて、着替えも済んだことだし、何かして遊びましょうよ!』
「何かって??」

 マユが遊びを提案するが、遊びを思いつく程の余裕のない着太郎。

『じゃああれやろうよ!』

 マナが元気よく手を上げて提案する。
 大人なスーツ姿とは全く似合わない、元気いっぱいの行動だが、そのアンバランスさもまたそそる。

「あれって?」

 着太郎が聞き返す。

『ちょっとまっててね!』

 マナはそう言うと席を立ち、部屋の片隅にあった袋の中から、何か機械を取り出して持ってきた。
 機械は「ファミリーBOX-7」。そして一緒に「アクションプレイ」というソフトを持ってくる。

 そう。富士五湖で浅川がマユ達と遊んだあのソフトである。
 事情をよく知らなかった浅川には、あの時のマユやマナの不思議な言動や行動に疑問もあったが、今になって考えると、彼女たちの中が、どれだけ大変な状態だったのかはよく分かる。
 今考えても悔しくて嫉妬してしまうのだが、梶原も田端も、あの時、浅川の目の前で、自分たちだけは散々気持ちよくなっていたのだ。

「あ、それってアクションプレイ?」

 どうやら着太郎はこのゲームのことを知っているようである。

『うん!これ結構面白いから私、好きなの。ね。これみんなでやろうよ!』
『私は、お嬢様がいいって言うなら、やるわ。』

 マナの催促にマユが答え、マオに振る。

『わ・・私?私も別に構わないわ』

 浅川は、今の状態であのゲームをすると言うことがどういう事なのか、よく分かっている。だがそれでも役柄上、特に断る理由もなく、また、ほんの少しだがこういう状況であのゲームをやってみたいという願望もあり、了解した。

『じゃあ決まり!やりましょーね。』

 マナは嬉しそうに言うと、パツパツの身体を動かしてゲーム機をセットし、専用ジャケットとカメラの準備をする。
 彼女の身体が艶めかしく動く様子が、フィットしたスーツのシワにより浮き立ち、それだけでも着太郎の想像力を掻き立てる。あんなに窮屈そうなスーツと、ゴム製の身体に包まれながら動き回る感触が、どんな物なのかと想像しただけで、着太郎も熱くなってくる。

 だかそんな着太郎のことなど無視して淡々と準備をするマナ。

『これでよしっと!』

 最後にソフトをセットして、ポンポンと手を叩いて準備完了したことをアピールするマナ。

『じゃあ、早速遊びましょう。まずはマナちゃんがやってみる?』

 マユが質問するように訪ねると、マナは可愛らしく頷き、ゲームを遊ぶ準備にかかる。
 例によって少し小さめのサイズに調整されたジャケットを着込み、ジャケットから伸びるケーブルをゲームと接続する。
 かなり胸が締め付けられているのが見ただけでもよく分かる。

 マオもそれを見て楽しそうにしているが、今の浅川には、あのマナの着ているジャケットの窮屈そうな様子が、もの凄く切ない。あんなに胸が窮屈そうだと言うことは、当然田端の息子も同様に締め付けられている最中なのだから。

 それでもマナは元気よくゲームを開始する。

 メイド服よりずっと動きにくそうなスーツ姿で、敵の攻撃をかいくぐり、なんとか先のステージを目指してプレーを続けるマナ。
 ゲーム中のマナのスカートの中に響く呼吸音を着太郎に聞かせたら、さぞかし興奮を煽るだろうと言う程大変なのだが、見た目には全く分からないところがさすがである。

『それ!マナちゃん下下!』
『あー、上から蛇が~』
『きゃー!右にワニがいるよ~~っ』

 マユとマオがマナに声援を送っている。
 その姿に苦悩の様子は全く見て取れないのだが、マナはもちろん、マユもマオも、着太郎が最初にここを訪れてから1時間以上の間、ずっとあの姿のままなのだ。
 着太郎の観察力をもってすれば、この着ぐるみの脱ぎ着が、簡単に可能な物ではないことも容易に分かった。
 とすると、着太郎が来るだいぶ前から、3人は、中の人ではなく3人として、ここにいたのである。

 2時間前なのか5時間前なのかは分からないが、とにかく長時間、ゴム製の身体を身に纏い、人形としてここで遊んでいたことになる。

 しかも、さっき見た会話ログが事実であるなら、相当に感じやすい身体を持っていることになる。
 とすれば、そう言う状況で長時間3人であり続けるだけでも過酷なのに、こうしてゲームをプレイし、それぞれのキャラクターとして声援を送っているのが、どれだけ大変なことなのか、と想像するのは簡単なことなのだ。

 それなのに、3人は全く気にしないようにそれぞれの状況を演じている。
 それを真横で見せつけられる事は、着太郎には拷問のようだった。


[前へ] [戻る] [次へ]