お嬢様物語:大人な3人(1話) [戻る]
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『着ぐるみって、人前で話すことも出来ないし、お面を取っちゃいけないんでしょ?』
「うん。」

 マユの質問に答える着太郎

『でも、凄く苦しいなら人前でお面を取って、着ぐるみを脱いで楽になりたいなーって思うこととかは無いの?』
「あるよ。あるけど、そこは我慢するんだよ。」
『苦しくても我慢するのね。じゃあ、このホームページの写真の中にも、写真では全然苦しそうじゃないのに、ホントは凄く苦しかったのとかもあるの?』
「うん。」
『へーー。どれどれ?内緒?』
「い・・いや、内緒って事はないけど・・・これとこれとか・・あとこのOFFのとか・・」
『これかぁ。すごーく素敵なスーツじゃないですかー。オ・ト・ナ!って感じで。』
「でも、これ着るためにいつもよりウエスト絞ってたから。」

 そう言ってマユが見た画像は、確か浅川が先日撮ってあげた写真であった。
 新しい衣装が入ったからと言われ、撮影会をやったのだが、この日は5人でのOFFで、2体着ぐるみがいて浅川も含めて3人がカメラを担当していた。
 確か、この日は浅川以外の2人の鑑賞組は、初めて着ぐるみを見る2人であり、終始興奮していたのを覚えていた。しかも2体の着ぐるみはこの2人を更に楽しませるためなのか、3時間ぐらいずっと着ぐるみで居続けた。

 もし着太郎がいつも以上にウエストを補正してきていたのだとすれば、3時間は相当に長かったと思われた。

 考えてみると、確かにいつも以上にスタイルが良く感じたが、それはてっきりスーツのデザインだと思っていた浅川は、実は着太郎がそんな過酷な状況だったと知り、マオの中で興奮していた。

「あとタイトスカートだったから、股間を隠すのが・・」
『股間?』
「い・いや・・モッコリを・・」
『あ、そうか。男の人だから隠さないと膨らんじゃうのね!』
「う・・うん。。で・・でもそれだけじゃないんだ・・」
『それだけじゃないって?』
「実は・・その日は2人着ぐるみが居て・・」
『あ、分かった。相手の着ぐるみを見て興奮しちゃったんでしょ?』
「ち・・違うよ。実は、相手の着ぐるみの中の人と話し合って、着る前に自分たちの息子にリモコン式のローターを着けてたんだ」
『リモコン式ローター?それって女の人が気持ちよくなっちゃうヤツ??』
「僕らが着けたのは男性用って言うヤツ。息子に巻き付けるように固定するんだ。」
『ふーーん。そんなの着けてたんだー。でもそれを着けてどうするの?』
「僕ら2人はそのまま息子をガードルで固定して着ぐるみに入ったんだ。そしてお互いのリモコンを交換して操作しあった。」
『え?つまり着太郎さんと、もう1人の着ぐるみさんは、中でお互いに交換したリモコンを操作して、ローターに振動されながらこの写真を撮られたの?』
「う・・うん。。」

 マユと着太郎が話をしていると、突然マオが話に割り込む。

『それは本当ですか?』
「うん・・」
『で・でもこの写真からはそんなこと全く感じられないし・・・だいいち、そんな凄いことをしていたら、写真を撮っていた人が気づいて、写真なんか撮れなくなっちゃいませんか?』
「う・・うん・・」
『じゃあ、この写真はどうやって撮ったのです?』
「カメラマンさん達には知らせていなかったんだ。僕と、もう1人の着ぐるみとで内緒でやってた。」
『つまり。この写真を撮られている時、カメラマンさんには気づかれないように、ホントはローターで互いを責め合いながら、着ぐるみの中にいたって言うことなのです?』
「うん・・・だから苦しかったんだよ・・」

 マオは・・いや、浅川はマオの中で愕然としていた。
 なにしろこの日の着ぐるみは、いつもと変わらず至って普通だったのだ。
 可愛らしいポーズと苦しそうな呼吸に浅川自身も興奮気味ではあったが、あのピタピタのタイトスカートの中で、実は着太郎達は楽しんでいたのだ。そうだと分かると、今更ながら凄く嫉妬する。タイトスカートが膨らまなかった事を考えると、かなりがっちりガードしていたのだろうが、それで気持ちよくなると言うことは、中は相当苦しいに違いなかった。
 もちろん今のマオは、それ以上に苦しく気持ちいい事は事実だが、なんとなく、着太郎に今の自分よりも先に、似たような事をされていたことが悔しかった。
 そして、この時、浅川は、改めて着ぐるみが全てを隠してくれると言うことの意味を理解し、興奮していた。

『マオお嬢様も興味があるのです?』

 着太郎に質問を浴びせかけるマオに、マユが言う。

『い・・いえ。そんなことないのよ。ただちょっと、カメラマンさんに気づかれないように責め合ってたなんて、凄いなぁって思ったの。私ならきっと、ずっと責められ続けたら気持ちよくて我慢できなくなりそうだから』
『あー。もしかしてー。マオお嬢様もそう言うの好きなんでしょー』
『そんなこと無いわよ。自分だったら苦しいなぁーって思っただけ!』
『お嬢様の言うことですから、信用しますけど、もし本当に好きなら、ローターを付けてあげましょうか?』

 マユは楽しそうにマオに言う。
 マオは許してくれとばかりにプルプルと首を横に振る。

『ふふふ。冗談ですよ~。』

 マユが楽しそうに言う。
 この会話を聞いていた着太郎は顔が真っ赤である。

『それにしても、こんな大人な感じが着太郎さんの好みだなんて知らなかったなぁ。』

 マナとマオも同調するように頷く。

『そうだ。じゃあせっかくだし私たちで着太郎さん好みの大人な格好しましょうよ!』
『あ。それいいですね~』
『私も全然構わないわよ。』

 マユに追随するようにマナ、マオが答える。

『よし。じゃあきまり!着太郎さん、ちょっとまっててくださいね。今着替えてメイドさんから大人な女になりますから。』
「え・・いや・・そんな無理しなくてもいいよ・・」

 着替えるという3人に困惑する着太郎。
 今でも相当悶々としているのに、衣装まで着太郎好みになったら、かなり危険だと着太郎自身が認識しているからに他ならない。

 だが、着太郎の事などお構いなしに3人は着替えるために部屋を出て行ってしまう。

 1人取り残された着太郎は、テーブルに置かれたノートパソコンに表示された自らのページをなにげなく見つめる。
 自分で言うのもおかしな話だが、写真写りはかなり良く、マユ達の言うように、一見すると中が男性とは気づかない程スタイルもいい。
 それは全て、中にいる着太郎が苦しんだ結果なのだが、画像として表示された沙織には、その中の苦しさは全く見えない。
 あの時、一緒にいたもう一体の着ぐるみが操作するリモコンが、人知れず沙織の中を責め続け、カメラマン達の目の前で、気づかれることなく2度も果てていた。
 ポーズを取りながら沙織の中から目を潤ませて果てていたのだ。浅川達3人は一切気づくことなく、可愛らしい着ぐるみ達の写真を撮り続け、沙織達の取るポーズに見入っていた。この事がさらに着太郎を興奮させたのは言うまでもない。
 そして、マユ達3人は、もしかするとあの日の着太郎のように、着太郎から隠れた場所で悶々としているかもしれないのである。先程のマナの足の動きは、演技でないとすればかなりその裏側が苦しいのだろうと想像出来る。
 もし本当にマナの中でそういう事態が起きているとすれば、それは着太郎にとっては羨ましい事なのだが、もちろん外から眺めて想像することしかできない。

 そんな、自らの体験とマナの状況を照らし合わせての妄想を続けていると、ノートパソコンに、ブラウザ以外のソフトが動いていることに気づく。

 なんとなく気になった着太郎は、そのソフトのアイコンをクリックしてみると、不思議な画面が開いた。

 その画面は、まるで漢字変換ソフトの辞書メンテナンス画面のように、いろいろなワードが羅列され、画面下の文字入力エリアのような場所には、それらの単語が組み合わさった文章が沢山書かれていた。
 スクロールさせて過去を遡ると、いろいろな文章が書かれているのだが、その中り赤い文字で書かれている文章のいくつかに、着太郎も見覚えがあった。
 いや、正確に言うと聞き覚えである。

 つまり、この赤文字の文章は、マユの話していた言葉なのだ。

 よく見ると画面には3つタブがあり、そのタブをクリックすると、順番に、マユ、マナ、マオの会話が記録されている事が分かった。
 未だに彼女たちの会話がどうやって行われているのか、よく分かっていなかった着太郎だったが、この画面を見てピンと来た。何らかの方法でこの会話ソフトを利用して言葉を組み立てて、恐らくは着ぐるみの中にあるプロセッサを利用して言葉を発しているのだろう。そして、どうやらこのパソコンがその会話のデータベースも兼ねていたようであった。
 とすると、この赤で書かれた文章が最終的に発話された文章だとすると、他の文章は全て発話がキャンセルされた物と言うことになる。

 よく見ると、キャンセルされたと思わしき文章は、発話された文章とは全く異なり、かなりキワドイ言葉が並ぶ。

 時系列から見て、着太郎が身体検査をしている時と思わしき部分には、胸や股間だけでなく、身体を触られている時の苦しくも切ない快感と戦っている事がよく分かる文章が次々と書かれている。

『そ・・そこはダメ・・』
『この身体って・・感度が何倍も高いからお腹をさすられただけでも辛いのに・・・』
『あ~ん・・そこを弄ったら・・激しい呼吸が出来なくなっちゃうの・・・早く指をどけて~っ・・』
『ドレスがピチピチして苦しいの・・スカートの中の空気が苦しくて・・・』
『んっ・・気持ちいいよぉ・・』
『だ・・だめ・・我慢しないと・・お人形さんにならないと・・・』

 これが本当だとしたら、着太郎が考える以上に、その裏側が辛そうな事が伝わってくる内容である。
 だが、今現在もリアルタイムにこの文字列は更新されている。
 恐らく着替え中の彼女たちの本音なのだろうが、ブラやパンストを身につけているだけで、感度の高い身体が、実は相当締め付けを感じていることや、その状態で動き回っているだけで快感を感じてしまっていることもよく分かる。
 そして、下着とパンストに隠され、スカートに覆われた呼吸口からの空気は、着太郎が想像している以上に濃密に蒸れて苦しい事も理解できる。
 先程までの彼女たちの服装もさることながら、これから着替えて出てくる彼女たちが着ているてあろうタイトなスカートは、空間が少ない分、苦しさも増すようである。

 着太郎は、この刻々と更新される、彼女たちの本音と思われる文章に見入っていた。

 だが、実はこの文章は、3人に仕掛けられた罠である。
 着太郎は本音だと思って読みふけっているこの文章は、全てマユ達が事前に用意した物で、本音ではない。
 いや、厳密に言えばかなり本音に近い。ただし、本当は中身は男性なので全ての思考は男言葉で行われていた。
 発話する時だけ、女性言葉で思考しているのだ。
 ただ、この表示用ソフトは、最初から女性言葉への変換フィルターが組み込まれている。
 その為、本当の苦悩を女性言葉にして表示させているのである。もちろん「息子」は「あそこ」へ言葉を変更したり、と言うフィルターも組み込まれているので、男性の思考には全く見えないのだ。

 そして、あらかじめこのソフトを組み込んだPCを着太郎に見せるため、先程マユがわざわざブラウザを立ち上げる展開に持ち込んだのだ。

 着替えの最中に着太郎がPCを弄る事もある程度織り込み済みである。
 もしこれで見てくれなかったら、次のチャンスでもう少し露骨に着太郎に発見させる計画も備わっていた程であった。

 つまり、わざと着太郎にマユ達の中の一部を垣間見させることで、よりいっそう3人への興味と興奮を沸かせると言う巧みな作戦なのである。

 まさか作戦だとは知らぬ着太郎は、マユ達の予定通り会話のログを読みふける。
 あまりにも苦しく、あまりにも切なく、そしてあまりにも気持ちの良さそうなそのログを見ているだけで、下手なアダルトビデオやアダルト小説よりも興奮できた。
 着太郎としては、女性として生まれ、ああいった特別な着ぐるみに入れるチャンスがあった3人が羨ましくて仕方なかった。
 自分では絶対に辿り着くことが許されないであろうあの人形達の中に、当たり前のように入っている人物に対し、嫉妬しないはずがないのだ。

 そんな妄想を続けていると、廊下に足音が聞こえる。コツコツと言うヒールの高い靴の足音が、フローリングの床に響いているのだ。

 着太郎は慌ててパソコンのソフトを最小化し、何事もなかったように元の状態に戻すと、いかにも暇を持て余しているように装って足音を待った。

 ガチャリ。

 ドアを開ける音と共に、スーツ姿のマユが廊下から現れる。
 マユはメイド服とはうってかわり、薄いクリーム色の、かなりタイトなワンピースとジャケットを着て、足は細かいドットの柄ストッキングに、細身の真っ黒なハイヒールを履いている。手にはブレスレット、首はネックレス。
足にはアンクレットも見える。ただ、そのどれもが派手すぎず、まさしく有名会社の社長秘書といった雰囲気である。

 後ろから入ってきたのはマナである。
 マナもまた、スーツ姿に着替え、手にスーツバックを抱えながら入ってくる。
 マナの着ているスーツはスカートとブラウス、ベスト、ジャケットの構成で、まるで何処かのキャリアウーマンのようである。スーツのカラーがシックなグレーをベースにしている事もあり、先程までとは違い、ぐっと大人を感じる。
 足下の柄ストッキングは大きめのダイヤモンド柄で、ピッタリした筒の細いロングブーツがマナの足下を締め付けているのがよく分かる。

 最後に部屋に入ってきたのはマオである。だが、マオを見た着太郎は一瞬驚く。
 何故かマオは着替えていなかったのだ。


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