お嬢様物語:マオ(1話) [戻る]
[前へ] [次へ]


「え・・・俺??」

 すっかり自分は着れないと諦めていた自分に、突然の提案をされ、驚く浅川。

「さっき言ったでしょ。外から堪能して貰って、そのあとは中からも堪能して貰うって。浅川さんぐらいこう言うのが好きだって事が分かる人なら、是非着て頂きたい。だから’友達’になって貰うんです。決して単に僕らの趣味に付き合わせるって意味ではないですから。」
「だってさっき『着太郎さんには着てもらう』って言ってたじゃない?」
「ええ。着太郎さんには着てもらいますよ。でも浅川さんの話はしてませんよね?ですから浅川さんにも着てもらうんです。」
「そ・・そんなこと急に言われても・・・」
「あれ?だってさっき見せつけられるのは辛いって言ってたじゃないですか。」
「まぁそりそうだけど。」
「でしょ?だったら決まりです。それに、実はもう浅川さんの着ぐるみ、出来ちゃってるんですよ。」

 梶原はそう言うと、マナに指示を出す。

「マナちゃん、あれ、ちょっと持ってきて。」

 マナはすっと起きあがると可愛らしく歩いて奥の部屋にいってしまう。
 プリプリと形のいいお尻が揺れながら歩き去る光景はかなり目の毒だった。

「ああやって太股をすり寄せて歩くのも結構大変なんですよ。」

 いちいち裏事情を説明する梶原。

 マナが何処かに行っている間に、梶原は部屋の片隅に裏向きにしまってあったキャスター付きの大きな鏡を持ってくる。縦1.7メートル。横1メートルあるかなり大きな鏡である。

 しばらくしてマナがボール箱を抱えて戻ってくる。ボール箱を抱えて歩いて戻ってくるため、座っている浅川の正面にはマナのパツパツの下半身がよけいに目に入る。
 マナは、ボール箱を床におき、その場で女の子座りで座る。

 どうと言うことは無いごく普通の行動である。普通の女性なら別に何も意識することのない、ただ歩いてボール箱を持ってくる、と言うたったこれだけの行動でも、先程の説明が正しいとすれば実はもの凄く大変な状況だと言える。

「こいつがブツです。マオちゃんて言います。」
「ま・・マオちゃん??」
「身長は155センチを想定してます。」
「そんなに小さいのか・・大丈夫かなぁ」
「このスーツを着れば嫌でも勝手に縮みますから安心して下さい。もちろん痛みとかは無いですし。」
「そうなんだ。。しかし155センチの女性になるってのは不思議な感じだなぁ・・」
「最初は不思議でもなれるとその変身感覚はクセになりますよ。」
「なるほど・・それにしてもこれに入ってメイド服着て動き回るって事かぁ。なんか照れるなぁ」
「いえ。設定では、マナとマユが仕えるお嬢様です。メイドではないですよ。」
「お嬢様!?」
「お嬢様と言っても年齢的には20代前半を設定してあるので、お姉様に近いですけどね。もっと若い方が好みです?」
「い・・いや、俺は、20代前半ぐらいが好きだけど・・」

 確かに、そもそも着太郎のサイトに惹かれたのも、着ている衣装がスタイリッシュで大人っぽかったと言う点もある。そう言う意味では年齢的には浅川のツボだった。

「それは良かった。もしダメなら一応外側だけは作り直して若くも出来るんですけど、出来たらこのぐらいがいいんですよ。」
「それは何故??」
「次のターゲットは着太郎さんですから、着太郎さんの好みというのを考えると、少し大人びたキャラがいた方がいいかと思いましてね。それに大人っぽいキャラの方が従属するメイドって言う雰囲気も出ますし。」
「従属・・・」
「そう言う事です。私とマナちゃんのお嬢様兼お姉様ですから、よろしくお願いしますね。」
「き・・急に言われても・・」

 浅川の戸惑いを気にすることなく、梶原は箱を開梱し、中からビニールに包まれた真新しい着ぐるみを取り出す。
 確かに真っ白なスーツと肌色のスーツ、2つがある。顔は型くずれしていないので、この状態でもよく分かった。
マユともマナとも違う、凄く優しそうで、育ちの言いお嬢様風の表情である。髪の毛は胸ぐらいまで長くマユのようなウェーブがかかり、表情と合わせると、マユやマナと比べるて確かに少し大人びている。
 目はくりくりと大きく、瞳は明るいブラウンで、どことなく寂しげにも見える。
 例えて言うなら、大企業で社長秘書をやっているお金持ちの令嬢、と言う感じか。

「あ・・あの・・凄く基本的なこと聞いていい?」
「ええ。」
「さっきの梶原さんの脱ぐところ見てたら、かなりサイズピチピチだったじゃない。最後は補正で小さくなるんだろうけど、これ、俺の体型に合うの??」
「合います。この前計ったから。」
「え?!計った?いつ??」
「富士五湖です。勝手に寝ちゃったから、遠慮無く隅々まで。息子さんのサイズも測らせて貰いましたよ。」

 富士五湖で浅川が寝たとき、そんなことをされていたとは、浅川にも驚きの事実だった。

「そんな事されてたのか。」
「だから言ったじゃないですか。寝ちゃって助かったって。で、こいつが完成したので今日はわざわざ来てもらったんです。」
「つまり、最初からこいつが目的だった、、と。」
「そうです。」

 すっかりハメられた気分の浅川だったが、目の前にある、自分用と言われたブツを見て内心かなり喜んでいた。
 容姿もかなり好みなのだが、なにしろその中に自分が入れると思うと、それだけで嬉しかった。

「じゃ、さっそく着てみましょうか。最初は立っていられないぐらい辛いかもしれませんが、多分浅川さんなら1ヶ月も練習すれば自由に動き回れると思いますよ。」
「そ・・そんなに辛いの?」
「多分。私が思うに、外から想像する倍ぐらい辛いと思います。」
「ば・・倍・・」

 その言葉にマナもウンウンと頷く。

「で、その倍ぐらいを堪能中なんだよね。マナちゃん。」

 梶原の突っ込みに、恥ずかしそうなマナ。
 もちろん浅川の目にもマナの苦悩など全く見て取れない。可愛らしく照れているマナがそこにいるだけである。

「とまぁ、余計な話はやめて、実際着ましょう。まず全裸になってくれます?下着も脱いで。」
「え・・ぜ・・全裸?!」

 着替えはこうして唐突に始まった。

「ええ。私が出てきたところを見て分かると思いますが、基本的には衣類は全て脱いで下さい。」
「でも、暑そうだからシャツとか下着ぐらい・・それに汗でスーツが汚れそうだし。」
「その点なら気にしないで下さい。実はこのスーツ。電子回路部分は防水設計になっているので、そのまま丸洗い出来るんです。しかも汗の成分をかなり吸いますし、通気性があるので湿気は多少外へ発散もします。暑いのは事実ですが、そんなに不快感はないですし、むしろこのスーツのフィット感をダイレクトに感じるには脱ぐ方がいいですよ。」

 結局、梶原の指示で服を全部脱ぐことになる浅川。風呂場でもない場所で全裸になるのは、男が相手でも結構恥ずかしかった。

「じゃあ次はこの白いスーツを着込んで下さい。両足を通して、次に裏側の股間の部分にある穴に自分の物を差し込むように入れて下さい。」

 そう言われまじまじとスーツの裏を見る。確かに浅川の息子が収まる場所には1つの穴が開いていた。
 言われるがままにスーツに足を通すのだがゴムの素材が身体に貼り付き、なかなか足を通すのに苦労する。ピチピチという音と共になんとか両足を穿くと、想像以上に足が締め付けられるのが分かる。
 立っているからなんとかなるが、このまましゃがんだら太股やふくらはぎを覆った部分が破れるのでは無いかと思う程ピッタリと締め付けるスーツ。だが、決して痛みはなくむしろ浅川には初めてのこの締め付けが、堪らないほど気持ち良かった。
 足の感触で思わず興奮し始めそうな息子を隠す為にも、そのまま腰まで引きずり上げたスーツの穴に息子を挿入する。
 すると、若干細まった穴にくくっと入り込んだ息子が上に向いて固定され、袋は足の付け根に上手に隠れるように収まった。

 いつもと違う息子の収まり具合と、この穴の細さ、そして下半身を包み込む締め付けが、早くも浅川の息子を反応させていた。

「ははは・・意外と恥ずかしいですね・・・」

 浅川は、見ている梶原やマナも、息子の大きくなり始めた自分に気づいたと思い照れ笑いを浮かべるが、2人は不思議そうな態度だ。

 ふと、大きな鏡を見ると股間は全く変化していない事に気づく。こいつも細胞補正なのだろう。
 なるほど。これならどれだけ興奮しても外からは分からないわけだ、と妙に納得するが、それは逆に言えば、興奮すればする程、内側を圧迫して、より気持ちが良くなると言う事でもあった。
 まるでターボチャージャーのように、興奮が興奮を加速させる作りなのである。

「腰まで穿いたらもう股間パッドは動き始めてますから慎重に着ましょう。両袖を通して、首まで着てしまいます。」
「っと。両袖ですね。・・・くっ・・」

 両袖を手にとって、ぱっくりと割れたスーツの背中から手を入れようと思った時、固定された息子が急に何かに揺さぶられるような刺激を受けた。

「ほら。だから慎重にって言ったじゃないですか。」
「何?これは?!」
「一気に引っ張ったからスーツに付いている胸が揺れたんです。慣れないうちはゆっくりやらないと着替える前にグロッキーになっちゃいますよ。」

 梶原の説明になんとなく恐怖を覚えた。
 なにしろほんのちょっと揺れただけに思えたのだ。それであの刺激である。
 もしこの感触がずっと続くというのなら、先程触ってしまったマナの胸は、これの何倍もの刺激を内部に伝えていたはずである。
 よく我慢出来たなと言う気持ちと共に、もし自分だったら耐えられたのだろうかと言う疑問も沸いていた。

 それでも何とか両袖を通すと、目の前の自分の手がキュッと締まって女性の手のように細く見える。
 もちろんスーツの締め付けだけではなく、細胞自体が縮むことで実際のサイズも女性の手として違和感が無い。スーツの締め付けの中でこれだけ華奢でか細い女の子の手を見せつけられると、それだけでもゾクゾクした。

「なんちゅうか、ホントにピチピチですね。」

 手を見つめ、手のひらを閉じたり開いたりさせながら浅川が言う。

「でも結構気持ちいいでしょ?」
「確かにこれだけ締められてるのに痛くないんだなぁ。」
「ええ。痛みは全くしないと思います。要するに点で締めるか面で締めるか、の差です。ベルトとかで縛る場合は所詮点で締めますから、力のかかる部分が痛い割には細くならないですが、これだと全体的に締めますので力が分散するんですよ。」
「なるほどねー。」

 確かに言われるとおり、かなりの圧力で締め付けられているが痛みはない。
 そして、この締め付けがとても心地いいのも確かだった。

「じゃあ背中のファスナー締めますよ?少しお腹を引っ込めて下さいね。」

 梶原にそう言われ、お腹をへこませる。
 すると梶原はタイミングを見て背中のファスナーを胸の高さまで一気に引き上げる。

「う・・・っ・・」
「ちょっと締め付けキツイですか?」
「い・・いや、ちょっとじゃなくて結構・・かも。」

 お腹はかなり締め付けられる。へこませたはずのお腹よりも更にもう一段階細く締め上げられる感じで、一瞬苦しく感じる。
 だが、落ち着くとやはり手足と同じで締め付けられているが痛くは無い事に気づく。

「あぁ・・でも何とかなるかも。」
「そうですか。だったら大丈夫ですね。ほら鏡見て下さいよ。」

 梶原に言われ鏡を見ると、そこには今まで見たこともないようにくびれた自分のウエストと、そこからなだらかに丸みを帯びて太股に繋がるヒップがあった。
 さらに、ファスナーを閉めると徐々に締め付けとは違う類の変化により、女性のウエストが形作られていく。まるでCGのモーフィングを見ているかのように、自然に女性の身体が作り出される。
 既に身長も160センチぐらいまで縮まり、それによって浅川の視界も少し低くなっていることに気づく。

「す・・すげぇ・・」
「でしょ?でもこれからもっと凄くなりますよ?浅川さんの身体を女性の身体に密閉するんですから。」

 その言葉に浅川はゴクリと息をのむ。

「じゃあこれからホントに密閉しますね。マスクの中を見てもらうと分かるように、口と鼻の所にチューブ状のパーツがありますよね?」

 今や自らの間近にある白いスーツのマスクの部分の奥を見ると、確かに梶原の言う通り、口の部分にはシュノーケルの口のようなパーツが付き、鼻には鼻に差し込むような形になっているパーツがついている。

「こ・・これ?もしかしてこれが股間から繋がってるの??」
「ええ。そうです。それを口にくわえて鼻に差し込んで下さい。それしちゃうと会話出来なくなるからここからは筆談とボディーランゲージで行きますよ?」
「わ・・かわった。」

 納得してマスクをかぶり、パーツを口と鼻に装着する。

 すーーーっ・・はーーーーっ・・・

「呼吸出来ます?」

 梶原の問いかけに頷きOKサインを出す浅川。
 これが股間から導かれている空気だとすると、想像していたよりは楽に呼吸出来る事に拍子抜けする。
 これなら確かに長時間でも耐えられそうだなと、納得すると共に少し残念でもあった。

「多分今は楽に呼吸出来ますよね?」

 浅川の気持ちを分かっていたかのように質問する梶原。
 ウンウンと頷き返事をする浅川。

「まだそれは序の口です。そもそもこの状態で苦しいと、服なんか着たらホントに窒息しますから、ここではまだ拍子抜けだと思いますよ。でも、今そんなこと考えていると、装備が終わったあとで考えが甘かったって後悔しますよ。」

 楽しそうに今後の見通しを告げる梶原。
 それを横で見ているマナは、やはり楽しそうにウンウンと頷く。自らもその後悔するという空間にいると言うのに、全く気にしていないのか、あるいは精一杯の演技なのかは分からないのだが。

「では最後までファスナー閉めますので、ファスナーが閉じたら視界を確認して下さいね。」

 浅川が頷くと、梶原は残りのファスナーを引き上げて、頭部まで完全に閉めきった。


[前へ] [戻る] [次へ]