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『じゃあそろそろ、総仕上げね。』
マユは、浅川の様子に納得したようにそう言った。
「総仕上げ?」
ここまで来て、まだマユ達は浅川に何かをしようと言うのか。
浅川にしてみれば、もういい加減許してくれと言う状況である。
『まぁ見てて。』
マユはそう言うと立ち上がる。それを見ていたマナも立ち上がろうとするが、それはマユが静止し、マユだけが自ら着ている服を脱ぎ始めた。
「な・・」
今度はストリップでも見せる気なのか。
ニットのセーターの中にはブラも付けている。形の良いバストに密着した真っ白なブラがまぶしい。
セーターの上からでもよく分かったが、こうして見せつけられるとマユが如何に良いスタイルを持っているがが分かる。本当に男性が入っているのだろうかと疑ってしまう程である。
セーターを脱いだマユは、次にジーンズを脱ぐ。
ジーンズはボタンをはずすのが大変な程ウエストが密着しているようだが、それでもボタンを身体に食い込ませるように押し込んでずらして、何とかはずすと、やはりかなりパツパツのファスナーを開き、下半身を密着していたジーンズから身体を解放する。
太股もパツパツなのだが、一生懸命脱ぐ姿がまた悩ましい。
そして、ジーンズも脱ぎ終えると、ブラをはずし、いよいよ下着を脱ぐ。
よくよく考えると、下着の中がどうなっているのかを肉眼で見るのは、今回が初めてであり、凝視するようにマユの股間を見る浅川。
確かに本来毛が生えている付近や、食い込みの存在する辺りは、2~3ミリ幅のスリットが縦に入り、よく見ると身体と同色になったメッシュ状の布地が見える。この部分が呼吸口なのだろうと思われ、その周りには、うっすらと湿り気が見て取れる。明らかな水滴は下着に吸い取られているのだろうが、僅かな湿り気が、この空間で必死に外気とのやりとりをしていた事を伺わせていた。
それにしても、シルエットだけを見たら、完全に女性である。
股間の膨らみもだが、骨盤の横に広がった感じや、太股から腰、ウエストのくびれにかけてのラインは、単なる補正では絶対に作れそうにないほど見事である。
マユの容姿に見とれている浅川など無視するように、マユは自らの手を股間に持って行き、割れ目に手を突っ込むようにして何かを引っ張り出す。それは皮膚の一部で、そのままその部分を引っ張って、片足ずつ、脱皮するように脱いでいく。
そして、その光景を見た浅川は再び息をのむ。
マユの中にはマユを演じる誰かがいると思っていたのだが、出てきた足は、まるで真っ白なウエットスーツのようにゴムの質感の足なのだ。
つまり、マユの身体は、表面から見える皮以外に、中に本体といえる白い身体が存在していて、演者はずっとその内側にいたと言うことだ。ゴムのような素材を2重に着ていたと言うことなのだろう。
両足を脱ぎきったマユは、腰から両足をぶら下げる格好になる。
白いウエットスーツのような下半身は、やはり女性の体型をしていて、股間にはスリットがある。そして、この股間の周りには、先程の皮に当たるゴムの股間に比べ、ずっと沢山湿っているのがわかる。噴き出した汗のように細かい水滴がスリットの周りに点在し、この本体から、皮を通して外に出られなかった空気の水分が溜まっていたのだろうと言うことを想像させる。
そして、浅川はふと思う。
マユがこんな状態だったとすれば、恐らく横で寝ころんでいるマナも、対して変わらない状況に違いない。マナの下半身を覆ったパンツの裏側で展開されている戦いを想像すると、再び浅川は熱い物を感じた。
マユは、まだ腰から上を覆っている自分の皮を、まるでセーターを脱ぐように脱いでいく。
胸を脱がす時は、その大きな胸が引っかかり、プルンと弾けるように揺れる。無機質な白いゴムで出来た胸だが、揺れる感じはまさしく胸だった。
やがで、皮を袖まで脱いだマユは、残すところ顔を脱ぐだけと言う状態になった。
そこからぐっと力を入れて引っ張るように皮を脱いでいくマユ。細くなった首から、膨らんだ顔を脱がせるのは結構大変そうであるが、慣れているのだろう、徐々にその顔の下から、真っ白な顔があらわれる。
内側に着ている白い本体は身体だけであろうと想像していた浅川は、まるで真っ白なラバー製ヒーローのようなその姿に圧倒される。ただ、ラバー製ヒーローのようなプラスティックの顔ではなく、あくまでも身体と同じ素材のまま、顔を覆っていて、目の部分にだけ銀色のプラスティック状のカバーが付けられている。
完全に皮を脱いだ元マユだった本体は、マユの皮を床におく。
身体は柔らかそうなゴムだが顔は型くずれがほとんど無いので、かなりしっかり作られているようだった。
これが自らの顔にまとわりついていたとしたら、さぞかし圧迫感があっただろうと言う気がした。
そして、元マユだった本体は、自らの手を頭の後ろに回し、背中のファスナーを引き下ろす。身体がゴムで突っ張る為、非常に大変そうだが、なんとか引き下ろすことに成功したようだ。
背中側の為、浅川からは目視出来ないが、背中が解放されたと言うのがよく分かった。なぜなら、その時背中からムワッと水蒸気のような湯気が立ったのだ。
また、かなり体中を締め付けていたのか、腰からウエスト、バストの下辺りまでのスタイルが、若干太さを増しているような気がした。
再び手を頭に持って行った元マユの身体は、そのマスクから内側の顔を引きずり出した。
真っ白なマスクから顔を出したのは、見事に髪の短いハンサムな男性であった。一見すると浅川と同じか、少し若いぐらいの雰囲気である。
「ぷはぁぁぁっ。久々の外気~っ」
男性は開口一番、深呼吸して久々の新鮮な空気を味わっているようである。顔中が汗と興奮で真っ赤になり、髪の毛もばさばさだ。
そのままスーツを上半身だけ外に出すと、浅川は、その男性のスタイルを見て驚く。
背丈もマユに入っていたぐらいだから小柄なのだが、なにしろそのスタイルが、見事に女性なのだ。胸こそ無いが不思議な事に上半身から腰までのなだらかな体つきは惚れ惚れするぐらい綺麗だった。
苦しそうなスーツを脱ぎ、かなり息も荒いが、一生懸命呼吸を整えている様子である。
すると浅川は不思議なことに気づく。その男性の背丈が徐々に伸びていく気がしたのだ。
10秒間に1センチぐらいの割合で身長が伸び、それと共に腰のくびれも消え、約2分後には身長175センチで見事に普通体型の男性に戻ってしまった。
浅川はその光景に唖然としながら、なんとか言葉を絞り出す。
「あ・・あの・・・マユちゃんの・・?」
「どうも!私がマユやってる梶原です。」
「は・・はぁ・・」
いきなりテンションの高い男性が現れ、浅川はちょっと引く。
「あ・・引いてます?いやぁ。私も普段はこんなテンションじゃないんですが、やっぱりちょっと恥ずかしいってのも有るんですよね。それに興奮気味でもあるし。」
かなり楽しそうに会話する梶原という男性は、身長は浅川と変わらない雰囲気で、顔を見る限りごく普通の男性に見えた。また、体型もそれほど違わないように見える。
そんな男性に今まで弄ばれ、見せつけられていたことが少し恥ずかしくも、悔しくもあった。
「じゃ、ちょっとこれ、脱いじゃいますね。」
梶原はそう言って白いスーツを脱いでいく。ただ、股間だけは、パッドが厳重に息子を固定しているらしく、そっと引き抜くように取り出す。
すると、立派な物が立っていた。
「あ゛・・あはははは・・ま、まぁこの中にいると、こんなもんすよ。」
照れ笑いをする梶原を見て言葉に困る浅川。
「まぁしばらくすれば収まりますって。」
そのまま全てを脱ぎ捨てると裸のままタオルと着替えを取りに、部屋の奥に行ってしまう。
床に脱ぎ捨てられたマユの抜け殻を見て、あの男が今まで入っていたとはとても思えないが、少しだけ彼が入れたのなら自分も入れそうだし、中に入ってみたいと思う衝動に駆られていた。
数分の後、とりあえずタオルを手に持ち、スエットに着替えて戻ってくる梶原。
しかし、股間は相変わらず腫れている。
「あの・・」
浅川は思いきって質問する。
「身長伸びました??」
すると梶原はニヤッと笑って答える。
「へへぇ。ビックリしたでしょう。このスーツが凄いのは、自分の体格に対して20%ぐらいのサイズであれば身体のサイズを小さくできる機能が組み込んであるんですよ。」
「え・・・・体格が変わる??それってウエストニッパーとかで補正するとかではなくて??」
「もちろん、普通に補正もしてくれます。このスーツ自体、見た目の通り、パツパツですから。」
そう言って脱ぎたての白いスーツを指さす梶原。
「でも、それ以上に凄いのはこのスーツの持つ、細胞補正という特殊機能です。」
「細胞補正?」
「その辺の話は、この後じっくりやりましょう。これからが総仕上げの話ですから。」
「そう言えば、さっき言ってた総仕上げって何ですか?そもそも何でマユを脱いで姿を見せたんですか?」
その言葉に梶原の顔つきが一瞬真剣な表情に変わる。
「つまりそれは、私がマユとしてではなく直接説明した方がいい事についての話です。」
「直接?」
「ええ。マユの中から会話するとどうしてもニュアンスが伝えにくかったりしますし、気持ちよすぎて本当に伝えなきゃいけないことを忘れちゃいそうですし。それに実際に姿を見せないと、半信半疑なこともあるでしょうし。」
「半信半疑・・確かに今まで、どこかで信じられないって気持ちはありましたし。」
「ですよね。ですから、友達になってもらうにはそう言う疑問も払拭してもらって、納得して貰う必要があるでしょう。いつまでも秘密があるとなかなか信用して貰えないでしょうし。」
「友達って言われてもなぁ・・・俺は所詮見せつけられてただけだし・・・」
「まぁまぁ。そう言わないで。楽しむためには多少の我慢も必要ですからね。我々と遊べない事と、遊べる事の2択なら、どっちを選ぶか考えれば答えは出てくるでしょう。」
「足下見ますね・・・」
浅川は、本気で足下を見られていると思った。自分の欲求として、やはりこんな着ぐるみに入れなくとも、一緒に戯れることが出来るとしたら、それはそれで楽しいと思ったのである。
「まぁとりあえず、もうちょっとちゃんと、この着ぐるみの仕組みを説明しますね。」
浅川の心など気にしていない梶原は、淡々と説明を始める。
「まず、さっき見て貰ったとおり、この着ぐるみは2重構造になっていまして、この白いインナースーツを着て体型を矯正し、その上からこの皮膚に当たるスーツを着ます。呼吸はこの前お話ししたとおり、この股間の部分のスリットがメインです。」
そう言って自ら脱いだスーツの股間部分を指さす梶原。
「メインと言ったのは、万が一ホントに空気が不足した場合、スーツの持つ通気性を利用して、呼吸チューブ内に必要な空気を取り込むことが出来るんです。だから普通の人間が大丈夫な状態では窒息はほとんど無いと言えます。ただし、その通気性を生むためには、先程伝えたように中の人が感じている必要があるんです。」
「とすると、さっきの梶原さんも、今のマナちゃんも、感じてはいるけど、皮膚から空気が入るからそんなに苦しくはないって事です?」
その説明を聞き、少し疑問をなげる浅川。
「いや。それは無いです。供給量はあくまで最低限なので、逆に酸欠とかで倒れることがないので常に苦しいわけです。マナの着ているパンツは、ほとんど空気を通しませんから、この股間の中は凄く苦しいはずですよ。それに興奮すると呼吸も荒くなるので、普通にしているよりもっと苦しいです。もちろんマナは人形なので苦しい素振りは見せませんけどね。」
と言いながら大胆にもマナの股間をつんつんと弄る梶原。
マナは切なそうに足を動かす。
「あはは。気持ちよがっちゃってる。でも、こういうのってかなり感じますから、ホントはこんなモジモジする程度じゃないんですよ。」
「もっと感じてるって事?」
「ええ。この割れ目に沿った部分のセンサーは、実際に中にいる人のこの辺りを刺激すると同時に、上向きに固定した股間パッドも刺激するわけです。ここはちょうど息子の裏側を刺激しますからね。割れ目に沿って撫で上げるように弄ると、それだけで息子を撫で上げてる事になります。」
そう言いながら再び説明通り、縦に撫で上げる。
その手の動きに合わせてマナは少し腰を浮かしてしまう。
「いやぁ中は大変そうですよね」
笑いながら言う梶原。
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