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『でもね。』
浅川は、渋々納得しかけたが、その時、話の続きが出てくる。
「でも?」
『うん。でも、もしホントにそんな場所に人がいるとして、そんなに辛い中でメイド人形を演じちゃってるとしたらどう思う?もしかすると私たちの中にいる人は、こんな可愛いお人形の中で全身を縛られて、息も絶え絶え頑張ってるかもしれないの。さっきあなたが穿かせてくれたタイツを、空気が遮られるのを我慢してじっと待っていたかもしれないの。ホントはこのロングスカートをめくって、新鮮な空気を思いっきり吸いたいかもしれないの。でもメイド人形の私たちはそんなこと出来ないから、じっと我慢してるかもしれないのよ?そうだとしたらどう思う?』
「ど・・・どう思うって・・・言われても」
浅川は正直言って驚いた。ほぼ浅川の思っていた事をそのまま書かれたのだ。
『それに・・・もしかすると、私たちの身体の締め付けと、衣装のフィット感で、中の人が気持ちよくなっちゃってて、それをじっと我慢しているとしたら、どう思う?さっきクローゼットで私たちを触ったとき、すっごく気持ちいいのを押し殺してじっとしてたとしたらどう思う?』
追い打ちをかけるように、浅川が想像もしていないことを言ってきた。
このメイド達の中は、締め付けにより恍惚としながら、辛く苦しい空間でマユとマナを演じている誰かがいると言うのだろうか・・・
『なーんちゃって。そんなわけないでしょ?私たちは見てのとおりのお人形よ。そんな大変な人がこんなに可愛いメイドさんになっていられるわけ無いじゃない!』
「・・・・・」
最後は冗談だ、と言う事で締めくくったが、浅川は明らかに動揺していた。
挑発の為にしては話が具体的すぎた。彼女らは、浅川を挑発しているはずが、自ら我慢出来なくなり、本音を漏らしたのだろうか。
真意のほどは定かではないが、目の前のメイド達のその裏側には、色々な事を我慢している誰かがいるのだろうか。
可愛らしくメイド人形になりきりながら、外界から遮断され、締め付けられながら動き回り、気持ちよくなっているのに、自慰すら許されず頑張っている誰かがいるのだろうか。
もちろん違う可能性だって十分にある。何かトリックがあって、多少大変でも着ぐるみに入り続ける事は可能なのかもしれないし、興奮なんて全然していないのかもしれない。
普通に考えると、その方が自然だ。なにしろそんな過酷な中、好きこのんで何時間も我慢している人がいるとは思えない。
そうだとすると、今までの話は単なる挑発で、マユが最後に書いた冗談という話が真実なのかもしれない。
だが、今の浅川には、そんな冷静な判断は無理だった。
実際はどうであろうが、心の何処かでずっと想像していた事を、彼女ら本人達に告げられ、その上、実は感じてしまっていると言うリップサービスまで言われ、浅川の心は、すっかり苦しさと快感の中で悶々としながら、メイドになっている誰かを想像していた。
そうじゃない可能性を頭では理解していても、心の何処かで、そう言う誰かがいて欲しいと願っていた。
マユもマナも、浅川の困惑した表情を見て、楽しげにしている。
それはまるで、『自分たちを想像して楽しんでね』と言いたげですらあった。
浅川は彼女らに心を見透かされているようで、かなりドキドキしていた。
そんなことを知ってか知らずか、マユはまた何かを書いて浅川に手渡す。
『さて、ではご主人様、何をして遊びます?』
マユの言うとおり、確かにこのまま悶々と悩んでいても時間だけが無駄に過ぎる。
そう思った浅川は、彼女の提案に乗り、何か時間をつぶして気を紛らわせる事の出来る遊びを考えることにした。
「うーん。遊び。何がいいかなぁ。。。」
腕組みをして考える浅川。
それを真似して、マユとマナも腕組みをして考える演技をする。
小首をかしげ、うーんうーんと考えるその姿はホントに可愛らしいのだが、彼女らの組んだ腕が自分たちのバストをより強調し、浅川をドキドキさせていることなど気にする様子もない。
もし彼女らの中で、全身を締め付けられながら感じている女性がいるとすれば、自らより一層バストを締め付けるようなポーズを取る事は、かなり辛いはずだ。
彼女らの行為が、自分を押し殺して演技に徹している行為なのか、ごくごく自然に考えるポーズを取っているだけなのか、それは目の前のゴムで出来たメイド人形の裏側にいる人物にしか分からない事実だった。
だが既に半分興奮状態の浅川にしてみれば、ついつい、中で快感を押し殺す女性の姿を想像してしまって、遊びを考えるどころじゃなくなっていた。
恐らくは5~6分、無言で考えていた3人。その間ずっとマナとマユは腕を組みうんうんと考えていたが、次の瞬間、マユが組んだ腕を離しポンと手を叩く。
そして何かをスケッチブックに書き、浅川に手渡す。
『いい事考えた。かくれんぼしよ?』
その紙をのぞき見たマナも楽しそうにウンウンと頷く。
「か・・かくれんぼ?」
浅川は何を言い出すのかとびっくりした。かくれんぼなど子供の遊びだと考えていたのでいい歳した自分がそんなことして楽しいのだろうかと。
するとマユは続きの話を書いて手渡す。
『そう。かくれんぼ。範囲は家の中。浅川さんは普通の人だから普通に見つかったら負け。』
「え?俺は普通って・・・君らは違うの?」
『うん。私たちはお人形だから、隠れられる場所にも限界があるでしょ?だからハンデつけて貰って、見つかっても動かなかったらセーフ。もともとお人形は動かない物だしね!このルールじゃだめ?』
「ハンデって・・・君らを見つけて動かせばいいの?」
『あ、でも力尽くはダメよ?例えば腕を掴んで無理矢理持ち上げて「動いた!」って言うのはダメ』
「え・・・じ・・じゃあどうすれば」
『そうねえ。人形とは言っても私たち結構敏感なの。そこまで言えばなんとなく分かるでしょ?男の人ならそう言う遊びがあるのも楽しいかなと思うんだけど。どう?やってみますか?』
突拍子もないルールに、浅川もよく理解していなかったが、とにかく彼女らを見つけて動かすと言うのが条件らしかった。無茶苦茶なルールではあるが、そもそも彼女らの存在自体無茶苦茶でもあるし、実は彼女たちに興味津々の浅川にとり、このルールはかなり魅力的でもあった。
このルール自体、彼女らの挑発なのだろうとは分かっていたが、なんにしても彼女たちを見つけられれば、触って動かすことぐらいは出来るだろうと考えた浅川はOKすることにした。
「ま、まぁ良くわかんないけど、そのルールでいいよ。」
浅川の一言でとりあえずゲームを行うことが決まった。
早速3人でジャンケンをして、まずはマユが鬼となる。
1分数えるのが難しいので、1分後にセットしためざましをシグナルにして、ゲーム開始となった。
浅川もマナも、とりあえず居間を出て家の中の隠れられそうな場所を物色し始める。
2階に上がり、寝室と、もう一つ別の部屋も物色していると、マナが何かを抱えて浅川の前に来た。
それは比較的大きめのボストンバックだった。
マナはボストンバックを部屋の片隅に置いて、指を指し、ここに入るからファスナーを閉めてくれと言っている。
「え?!そんなところに入れるの?」
マナはウンウンと頷く。
確かに大きめのバッグではあるが、人が入るには少し小さい気すらする。そんな場所に、あんなに布の量の多い衣装と共に入り込むつもりなのだろうか。
だが人の心配を気にする様子もなく、さっさと自ら袋の中に潜り込み、手でファスナーを閉めろと合図している。
浅川はヤレヤレと言う感じでボストンバッグからはみ出たスカートを手で押さえ(当然呼吸口のある
であろう場所も覆われる)バッグのファスナーを閉めると、案の定かなりパツパツで見ているだけで窮屈そうだ。
しかもバッグはナイロン繊維で出来ているようで、非常に通気性も低そうである。
もちろんかくれんぼしている間に酸欠になる程密閉されるとは思えないが、少なくとも楽な場所では無いことは確かだった。
「痛かったり苦しかったら身体を左右に揺すってね。」
そう言って完全にファスナーを閉じきると、マナは全く動かない。どうやら何とか我慢出来るようだ。
それにしても、ファスナーを閉じきったことでかなりパツパツになっているこのバッグは、その浮き出たシルエットから、どう見ても中にマナが入っている事がバレバレである。
身体を丸めているので背中が上になって、頭とお尻がバッグの前後になっているのがしっかり分かる。
あれほど厚手のドレスを着て、ここまでラインが浮き出ると言うことが、バッグのフィット度を如実に表していた。
それにしても、このバッグのお尻のラインは、丁度いい感じでファスナーに沿って割れ目があり、ついつい触りたくなってしまう。
だが、今はそんな事する時間もない。早く自分も隠れないとすぐにマユがやってくる。
あれこれ考えて、寝室のベッドの下に潜り込むことにした。
ジリリリリリリ・・・
浅川が隠れると、丁度下でベルが鳴る。
いよいよマユの捜索が始まると思い、ちょっと童心に返ってドキドキする。
ふと、隙間から廊下を見ると、丁度廊下を挟んで反対側の部屋の隅に、マナの入ったバッグが浅川の視界に入った。
狙ったわけでは無いが、こうしてマナ入りバッグを眺めていると、バッグの中のマナを想像して、少し興奮している自分に気づく。
トントントントントン・・・
しばらくすると、マユが階段を駆け上がる音が聞こえ、廊下にその姿が現れる。
浅川たちは隠れているわけだから、マユは他の誰かから見られているとは限らない。にも関わらず完璧にマユを演じている。探す仕草はもの凄く可愛らしく、マナとは違い長いスカートのため中は見えないがそのスカートで覆われた場所が、浅川には気になって仕方がなかった。
あんな場所から呼吸しているのだろうか。
あんな場所が締め付けられて感じているのだろうか。
浅川はそんな事ばかり想像しながらマユの様子を伺う。
そうしているうちに、マユはマナ入りバッグを発見する。いや、あれでは簡単に分かってしまうのは仕方ない。そのぐらいマナの体型が浮き出ているのだから。
マユはそっと近づく。ルールでマナを見つけて動かしたら勝ちだ。
マユはボストンバッグのファスナーに手をかけると、ゆっくりとファスナーを開ける。だが、どうしてか、全てを開けず、半分ぐらい開けてマナが入っていることを確認すると、ファスナーを閉じてしまう。
そして、今度はバッグの上からマナを触り始めた。背中やお尻を執拗に撫で回す。
なるほど。
この手の動きに耐えかねてマナが動けば負け、と言う事なのだろう。
しかし、マナはじっと動じない。
もし自分がマナの立場なら、多分着ぐるみじゃなくても感じて動いてしまいそうな程、見ているだけで気持ちよくなってくる触り方でマナを攻撃するマユ。
マユだって、マナの状況は分かっているはずなのだ。
にもかかわらず、そんなこと全く気にしないかのように楽しそうにマナを責めている。
マナの事を想像しながら、マナを責め続けると言う行為は、マユにとって苦ではないのだろうか?もし浅川がマユの中にいたら、きっといたたまれなくてマナを責めきれない気すらした。
そんな想像をしている浅川を尻目に、マユは数分頑張って責めたが、全く動く気配を見せないマナにしびれを切らす。マユは、閉じたファスナーを少しだけ開け、そこに手を突っ込んでごそごそとまさぐり始めた。
手の位置からすると、恐らくは彼女のお尻の割れ目を責めているのだろう。厚手の衣装の上からでは責めるにしても限度はあるだろうが、ピンと張ったボストンバッグの生地越しよりはずっとダイレクトに割れ目を責められるはずだ。
その光景は、今までの想像と相まって、下手なアダルトビデオやストリップ劇場より、ずっとイヤらしい。
浅川ベッドの下ですっかり股間を腫らしながら、状況を見守っていた。
さらにそのまま数分が経過して、いよいよ我慢が限界に達したのか、マナがぴくぴく身体を動かして観念した。
満足そうなマユはマナをバッグから出して助けてあげる。すると、当然のように”笑顔”のマナが何事もなかったかのように現れた。
もちろんあの笑顔の中がどんな表情なのかは浅川には知る術はない。
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