サヤカの秘密(2章) [戻る]
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 翌日から、学校帰りにはサヤカの練習の為、美由紀の家に通う事が日常化していた。
 由美子と一緒に帰るのは怪しまれるからと、わざと別々の道を遠回りして由美子の家に向かい夕方4時から7~8時まで、練習が続けられた。
 最初の3~4日は、1人で着替える事はなかなか難しかったが、その後は時間はかかってもなんとか1人で脱着できるようになっていた。週末は自宅に持って帰るつもりだったが1人での脱着が出来なかったため、最初の週末はあきらめる事にした。
 慣れると共に、サヤカの身体が与える激しくも切ない刺激に耐えながら、美少女に成り切る事が、堪らなく楽しい行為へと変化していった。
 美由紀も、変身した自分をサヤカと呼び、完全に女の子扱いしていた。いっしょにトランプをやったり、テレビゲームをしたりと、友達のように楽しんでいた。もちろん、その間、刺激の方は容赦なく続き、弘幸は涙目になりながらその刺激に耐えていたのだが、美由紀は、その苦労など気にする事無く接してきた。
 最初にサヤカに入ってから10日程たった週末には、いよいよ自宅にスーツを持ち帰って自主練習も試すようになってみた。
 元々、家で遊ぶのが好きだった弘幸は、新たな楽しみとして、週末はサヤカとして過ごすようになっていった。こうして練習を続けていると、サヤカというキャラクターを演じる限り、どんな衣装を着ても、刺激に耐えながら演技を続けられるようになっていた。もちろん耐えているだけで、感じないわけでは無い為、それなりにイクのだが、恐らく外から見ていてイッた事に気づく人はいないと思えるレベルになっていた。
 練習開始から25日を過ぎると、今度は実践的な練習が始まった。
 サヤカを人形に見立てて、美由紀が人形でコスプレごっこを楽しむという設定の練習である。
 自分で動き、自分で着る状態だと、どんな快感でもある程度予測が効くようになり、その分、刺激にたいする心のゆとりが生まれていた。だが、この人形として振る舞う練習は、弘幸に取って、想像以上に辛い行為だった。
 ただ、その辛い空間に身を置き、サヤカという人形に扮している自分に、もの凄い興奮も覚えていた。自分ではどうする事も出来ない、もどかしい快感が、弘幸を虜にしていたのだ。
 そのころには、着ぐるみを被る練習も始めた。
 サヤカの上からレオタードを着て、その上から全身タイツを着、衣装を着けてマスクを被る。着ぐるみはデパートなどで使われるセーラー戦士だったが、この着ぐるみに初めて入ったときは、全身タイツの上から衣装を着る為の締め付けや、シワ、そして股間を覆われてしまう息苦しさに、30分でギブアップしてしまった。それでも、その後の練習で、長時間の着用にも耐えられるようになっていた。

 こうして1ヶ月以上、厳しい(弘幸にとってはある意味で嬉しい)訓練が続き、いよいよ作戦は決行日となった。
 作戦は土曜日の夜から日曜の朝までというスケジュールのため、夕方から準備を始める事になった。

「ふう。いよいよ今日決行ね。」
「う・・うん。なんかホントに大丈夫なのか、不安だよ・・」
「こっちの準備は万端よ。既に隆二には特別賞の話は行っているわ。多分今か今かと待ちわびてるはずよ。あとは弘幸君が人形になって隆二の家に行くだけ。」
「うん。」
「昨日、スーツの内部を改良した本番用スーツが出来たの。カメラとマイクを仕込んであるから、その操作方法を教えるわね。」
「そっか、その操作方法を覚えなきゃダメなのか。」
「簡単よ。カメラは口の中にくわえるチューブの所に、舌で操作できるスイッチを付けたわ。あとは舌でスイッチを押すとシャッターが下りる仕掛けよ。」
「舌で?」
「そう。歯とかアゴで操作すると、マスクが動いてばれちゃうかも知れないから、なるべくソフトな操作で動くようにしたの。シャッターが下りたら、一瞬だけ視界が遮られるから、それで写真が撮れた事が分かるはずよ。」
「そうなんだ?じゃあ、音は?」
「音は大容量の半導体メモリーで24時間分取れるようになってるから、スーツを着る前にスイッチを入れるわ。」
「音は自動なんだね。」
「そうよ。じゃあ、もうすぐ配送業者の人が家に来るから、そろそろ準備を始めましょう。まずは、初お目見えの着ぐるみについて説明するわね。」
「え?練習中に被っていたセーラー戦士の着ぐるみじゃないの?」
「あれは、あくまでショーで使う物を借りてきた練習用よ。本番用のはもっと作りがしっかりしているわ。」
「しっかり?」
「そうよ。美少女の着ぐるみだけど、着せ替えを目的にしているから、マスクも小さくて顔にピッタリフィットするように作ってあるの。衣装を着せ替えるたびに顔を外す着せ替え人形なんて変でしょ?」
「うん。」
「マスクは全身タイツと一体になっているから、衣装を脱がされている最中にマスクが取れちゃう事もないわ。それに、練習用に借りたヤツは、サヤカより少し大きめのサイズだったでしょ?」
「え?あれで大きめ??」
「タイツだからフィットして、着ている人は気づきにくいかもしれないわね。でも、結構胴体の部分のタイツが余ってたのよ。でも、今回のはサヤカのスタイルに合わせてあるから綺麗にフィットするはずなの。あと、長時間着用する事を考えて、股間の布は少し薄くしてあるからね。」
「薄くか・・」
「あれ~?薄くちゃ不満?」
「そ・・そんな事ないよ・・」
「ホントかなぁ?最後の方は、練習、結構楽しんでなかった?」
「ば・・馬鹿な事言うなよ。」
「まぁ、いいわ。その辺の話しは帰ってきてからゆっくりしましょう。じゃあ、話が長くなったけど、着ぐるみ、見せるわね。」

 美由紀はそう言うと、部屋の隅にあるダンボールからゴソゴソと何かを取り出した。

「これよ。」
「こ・・これかぁ」
「名前はサユリって言うの」
「サユリ・・・」

 それは、弘幸が想像していた物より、ずっとキメが細かいタイツで出来ていて、光沢は無いが、まるでレオタードのような肌触りだった。ただ、見た目とは裏腹に、着ている中が透けてしまうと言う事はない、不思議な素材で出来ていた。
 股間の部分も確かに薄く作られていて、空気が吸いやすそうになっていた。
 弘幸は、この薄い生地をみて少しがっかりしてしまったのだが、もちろん美由紀には内緒であった。
 マスクはウレタンのような物で内側から形が作ってあり、それを見る限り、これもなかなか可愛かった。サヤカのような美形ではなく、どちらかというと可愛らしい感じであるが、どんな衣装でも似合いそうで、コスプレ人形にはピッタリの顔である。

「じゃあ、最後のトイレをすませて、例の薬を飲んで、サヤカに変身してきてくれる?」
「う・・うん。」

 美由紀に言われ、いよいよサヤカに変身するために、準備を始めた。
 その間に、美由紀は、サユリを梱包するための特注の箱を準備していた。

 しばらくして、全裸のサヤカが現れる。

「あ、バッチリね?カメラの操作とかは分かった?」

 サヤカは手でOKサインを出す。

「音声スイッチは、リモコンで入れられるようになってるから、後でね。じゃあ、まずいつものようにレオタード着てくれる?」

 サヤカは頷くと、アンダーショーツ、パンスト、そしてレオタードを着ていく。
サヤカは人形でも、スーツアクトレスという設定なので、全裸でサユリに入れるのは変だと言う、ある意味無茶苦茶な、美由紀の理屈で着るハメになってしまったのだ。
 もちろん、弘幸は文句を言ってみたが、聞き入れて貰える事はなく、そして、弘幸自身、文句は、美由紀へのポーズとして言っただけで、心の底ではこのアイデアが気に入っていた。

 そして、いよいよサユリの中に入る。
 足からズボンを穿くように入ると、手慣れた手つきで腰まで引き上げ、下半身にしっかりとタイツをフィットさせた。

『あっ・・』

 その瞬間、態度には出さなかったが、股間にフィットしたタイツの感触に驚いていた。今までより薄くなった分、更にフィット感が増し、刺激に敏感になっているようなのだ。
 今まで以上に感度が増した着ぐるみの上で、いろんな衣装を着せ替えさせられるのかと思うと、早くも弘幸の興奮は高まっていった。

 タイツの両腕に、手を通すと、自然と胸にもタイツがフィットしてきた。もちろん想像通り、かなり敏感にタイツの状態が伝わってきた。

「じゃあ、マスクを被せるわ。少し顔を動かしてくれる?」

 美由紀の指示に従い、自ら顔を動かして、サユリのマスクに顔を埋めていった。
 
「おっ、可愛いわね。ファスナーも閉めるわね。」

 そう言って美由紀は背中のファスナーを引き下げた。このタイツは上から下に閉じるファスナーになっているのだ。

「ふふふ、ステキよ。どう、新しい着ぐるみの着心地は?」

 弘幸は、ファスナーの閉じたサユリの中で、そのフィット感に嬉しい悲鳴を上げていた。全身を締め付け、しっかりと股間にフィットした全身タイツの感触は、それだけで、クラクラするほど気持ち良かった。
 鏡を見ると、そこには、可愛らしくも清楚な少女が映っていた。ふわっとした髪型は、さながら気品のあるお嬢さんという雰囲気である。
 弘幸の視線は、自然と鏡に映るサユリの下半身に映っていた。スッキリと女性の下半身その物と言えるサユリの姿に、弘幸の息子は更に元気を増していく。それでもサユリはその変化を微塵も感じさせずにいるのだ。もちろん、サヤカがこの下半身を作り出しているからに他ならないが、本当の自分と鏡に映った姿とのギャップを見て、興奮するなというのは酷だった。しかも、サユリの中には、自分ではなく、更に別の女性がいるのだから。

「じゃあ、衣装を着ましょう。裸で渡すのも変だしね。」

 美由紀は、部屋の奥から持ってきた衣装をテーブルに並べた。
 鮮やかな水色のメイドドレスだった。

「ふふふ、素敵でしょ?こういう清楚な感じの娘には、やっぱりメイドドレスよね。」

 楽しそうに話しながら、サユリに下着を手渡した。
 真っ白なパンティーは、嫌らし過ぎないデザインで、そこがまた良かった。ゆっくり、しっかりフィットさせるように穿くと、下着の締め付けが伝わる。こんな柔らかそうな布でも包み込まれるような締め付けが加わるのだから、サユリの全身タイツは、非常に微妙な感触も伝える素材のようだ。
 当然のようにブラも着ける。背中に手を回そうとすると、美由紀が手伝ってくれたのだが、人に締め付けられる方が刺激が強いので、実は辛い。それでも散々練習してきた成果か、弘幸は、このぐらいの刺激なら態度に出さずに耐えられるようになっていた。

「清楚なお嬢さんには、やっぱりこれよね。」

 美由紀は、そう言うと真っ白なタイツを取り出した。

 既に弘幸の呼吸は、何層もの布で覆われ、かなり苦しくなっていた。その上あんなタイツを穿かされたら、さぞ苦しいだろう事は、容易に想像できた。普通なら本当に勘弁して欲しいとお願いしそうな物だが、不思議な事に弘幸は、あのタイツを穿かされた自分を想像して、更に興奮を高めていた。
 既に何度もパンストなどを穿いていた弘幸は、手慣れた手つきでタイツを穿く。下半身を覆ったタイツは、弘幸の想像通りの息苦しさと、それ以上の快感をもたらした。

「息苦しい?耐えられそう?」

 気を遣っているのか、美由紀が話しかけてきた。
 弘幸はOKサインで大丈夫な事をアピールすると、心なしか残念そうな表情をした。ただ、苦しく無いと答えて、美由紀が残念そうな表情をするとは思えないから、何かの思い過ごしのようにも感じた。
 それにしても、このタイツを穿いた事で、サヤカの中はむせ返るような息苦しさである。ムワッと言う何とも言えない空気がマスク内に流れ込むのが分かったが、タイツを脱がない限り逃れられないのは分かっていたので、弘幸はあきらめてこの空気を吸い続ける。

 その後、パニエを着け、ドレスを着て、背中のファスナーをしっかり上まで上げる。
 このドレス、見た目は可愛らしいフリフリした飾りが付いているが、ドレス本体はかなり身体にフィットするような構造になっていて、ウエストからバストまで、かなり窮屈な着心地だ。膝ぐらいまでの長さのスカートが、パニエと重なり更に呼吸を奪ううえ、息子の上を優しく擦るのも辛かった。もちろん弘幸に抵抗する術はない。
 最後にエプロンを前掛けのように被り、後ろのリボンを固定し、黒くて可愛い靴を穿いて完成である。

「じゃあ、梱包するよ。こっちに来て。」

 梱包??弘幸は聞いてないよと言うように首をかしげてみる。

「あ、言ってなかったわよね。でも、隆二の家に届けるのに、素の状態で渡すわけいかないから、パパの会社の資材部に頼んで用意して貰ったの。」

 何をされるのかと不安になりながら美由紀に付いていくと、いつもの部屋とは別の部屋に案内された。そこには見慣れないボール箱が蓋を開けて置かれていた。
箱は、中に人型にくりぬかれたスチロールが入っていた。もちろん弘幸は、自分がこれに梱包される事が理解できた。

「この箱は、ドレスを着て入れるようになってるから安心してね。あと、空気が吸えるようにスカートの中にスチロール材を入れて空間を作るようになってるの。実験ではスカートの中からでも呼吸できてたからその辺は安心してね。」

 安心してねと言われても、さすが弘幸の脳裏に若干の怖さがよぎった。

『息できなかったらどうしよう・・・箱の中からじゃ自力でも出られないし・・・』

 とは言え、ここまで来て後戻りは出来ない。美由紀に言われるまま、箱に身を沈めた。上半身は、完全にくりぬかれた部分に身体を合わせて仰向けに寝る。箱の形が上手に出来ていて、ドレスのヒラヒラやフワッとした部分、リボン、パフスリーブなどは形を崩さないようにしながら、身体はしっかり固定された。
 下半身は両足首は固定されたが、両足の間はスッポリと空間が開いていた。
 そこに、美由紀がビラッとスカートをめくりスチロールで内側から足を固定しながらスカートの中に空間を作っていく。

「スカートの丈より少し下の所に、空気を取り込む穴が開いてるの。ボール箱にそのまま貫通してるからこれで外と繋がってるわ。」

 確かに、弘幸が想像していたよりは苦しくなかった。とは言え、かなりゆっくりと呼吸しないと、途端にクラクラするような苦しさではある。生きては行けるが、楽ではないと言うのが正直な感想だった。

「わぁ、私、子供の頃パパに買って貰ったお人形を思い出すなぁ。こんな感じで箱に入ってたのよね。」

 美由紀はそう言いながら、やはりスチロールで出来たカバーを身体の上に載せるように被せ、完全に身体を固定した。これで、美由紀からは顔だけが見える状態になった。

「じゃあ蓋を閉めるわね。外が見えるように、顔の部分はセルロイドになってるから安心してね。」

 美由紀は上蓋を手に取り、ゆっくりと被せていく。足下から徐々に閉じるように頭側に蓋を被せ、最後に閉じる瞬間に、美由紀が小声でささやくように言った。

「実はね。サユリの穿いているタイツって、昨日家に帰ってから一日、私が穿いてたものなの。白いタイツは恥ずかしいから上から黒いタイツも穿いてたんだけどね。私、一緒に行けないからおまもり代わりよ。」

 そう言い残して蓋を閉じてしまった。
 弘幸は、今の一言を理解出来ずにいた。確か、昨日、美由紀はジーンズに黒い靴下を穿いていた様に見えた。もし美由紀の言う事が本当ならあの靴下は、タイツで、更に下に白いタイツを穿いていたという事になる。
 そして、今、サユリの穿いているタイツがそれだとすると、今吸っている空気の、むせ返るような臭いは・・・・と考えてしまう。
 もちろん、今更脱ぐ術もなく、生きるためには、この空気を吸い続けるしかないのだが、美由紀の臭いだと思えば思う程、興奮を抑えられなくなってくるのが分かる。
 刺激が欲しくて足や腰を動かそうにも、スチロールに固定された現状ではほとんど動かす事も出来ず、微妙な刺激がかえって辛くなる。
 箱の外から眺める美由紀は、そんな弘幸の状況を知ってか知らずか、箱の外から笑顔で見下ろしていた。

 その後4~5分待たされ、やがて箱の外が騒がしくなるのが分かった。
 どうやら業者が箱を取りに来たのだ。
 弘幸はいよいよ覚悟を決め、これから半日の大勝負に挑んだ。

 箱は、運び出されるとバンのような車に乗せられた。

 その後、10分程車で移動すると車は停車し、何処かの家に運び込まれるのが分かった。
 セルロイドの窓から見慣れた顔が覗く。
 隆二だ。

 がさごそと箱を開ける音と共に、視界が開ける。
 籠もっていた外界の音が聞こえてきた。

「おーっ、こいつかぁ。特別賞って言うからどんなのかと思ったけど、まさか着ぐるみコスプレ撮影セットだったとはなぁ。」

 そう言いながら、スチロール製の体を覆った蓋を取る。

「着ぐるみって言ってたから、あんまり期待してなかったけど、これ結構いいじゃん。割とリアルな人間の体型してるよな。」

 ぶつぶつ言いながらサユリのケースと一緒に付いてきたらしい説明書を読んでいるようだった。

「ふーん、サユリって言うのか。」

 説明書を一通り読み終えた隆二は、サユリの身体を眺めながら、腕に触れてみた。

「おっ、結構リアルな感触じゃん。人の肌に近いよ。と言う事は・・」

 そう言いながら、その手を離してサユリの胸に持っていく。軽く触れると摘むようにムニムニと弄ってみる。

「へぇ。柔らかいなぁ。」

 調子に乗って更に揉んでみる。
 もちろん、サユリは全く動いていない。いや、よく見ると足の先が一瞬ピクリと動いたのだが、胸に夢中の隆二はそのことに気づいていなかった。

「なんか服の上からってのもエッチかもな。ちょっと箱から出してみよっか。」

 隆二はそう言って、首と腰を抱え上半身を起こす。

「ん・・・重さまで妙にリアルだよな。」

 確かに、小柄とは言え人が入っているのだから、決して軽くない。でも、そんな事は想像もしていない隆二は、リアル、の一言で納得したようだ。
 サユリを座らせたような状態にして、スカートの中のスチロール材を取るため、ひらりとスカートをめくる。

 ガサゴソとスチロールを取り出した後、何故かスカートの中を覗いていた。

「おー、タイツ姿も妙にエッチだなぁ。」

 隆二は自然な動きで手を伸ばすと、股の間をツンツンと軽くつついてみた。
 その時間はホンの一瞬で、さわり方もそんなに嫌らしい物ではなかった。

「あ、結構ソフトだな・・でもさすがに穴はないのか・・」

 その頃、サユリの奥深くに息を殺して潜む弘幸は、いきなりの快感責めに苦しんでいた。
美由紀の最後の一言から、ずっと悶々としていた。そこに、隆二の胸揉み攻撃を受けた弘幸は、必死の形相で耐えていた。
 最後に、トドメで股間をつつかれ、ついに、一回目の崩壊を迎えてしまっていた。

 むろん、隆二はそのことに気づかないまま、裏には崩壊を迎えた息子があるというのにスカートの中を眺めている。
 弘幸は、箱の中にいた頃よりずっと楽なはずなのに、早くスカートを下ろして欲しくて仕方なかった。
 そんな弘幸の心を知るはずもない隆二は、ニヤニヤしながらサユリを抱え、箱から出す。

「ふぅ。ホントに重いな。この中、何が入ってるんだ??」

 素朴な疑問である。

「まぁいいや。とりあえず椅子に座らせてから考えよう。」

 今度は、隆二は後ろからサユリを抱えると「よいしょ」という感じで椅子に座らせた。
 抱えられたときは、隆二の腕がサユリ胴体に回り、そのまま胸を持ち上げるような格好になっていたが、椅子に座らせるために一生懸命の隆二は、そんな事は気にしていなかった。
 椅子は、木で出来た物で、肘掛けも付いたオシャレな物だった。

 椅子に座った弘幸は、ようやく部屋全体を眺める。
 初めて見る隆二の部屋は、思ったより広く、片づいていた。ただ、テーブルの上には美由紀の言っていたようなコスプレ雑誌なども見つける事が出来た。もちろんカメラも置いてあるのが分かった。
 さらに、自分の入っていた箱の奥に、衣装ケースの様な物も見えた。あれが付属の衣装セットのようだった。

「どうしようかなぁ。とりあえずこのメイド服で撮った後に他の衣装で行こうかな。」

 カメラを手に取った隆二は、そうつぶやきながらサユリに近づく。
 特に躊躇もなくサユリの身体に触れ、ポーズを作って行く。ポーズを作っては写真を撮る。この繰り返しを続けているが、次第にポーズがエスカレートし、サユリ自らがスカートをめくり上げたり、胸や股間を弄るようなポーズへと変化して行った。

「いいなぁ。モデルじゃこんなポーズでは絶対撮らせて貰えないからな。この人形が、もっと野暮ったかったら、全然萌えないけど、これなら本当のフィギュアっぽくていいよ。」

 椅子に座ったポーズだけではなく、立たせたり(説明書には、間接が自動的に固定されるから立たせる事も出来ると書いてある)寝かせたりと、かなり自由にポーズを作らせた。
 やがて、一通りのポーズが撮り終わると、今度は服を脱ぎながらのセクシーショットを撮るようになる。顔色一つ変えることなく、徐々にメイドドレスを脱がされていくサユリの姿に、人形とは言え、かなりそそる物があるようで、脱がせながら隆二は照れているようだった。

 背中のファスナーを下ろす時の様子は、おっかなびっくりと言った感じで、いつもの隆二からは想像できないほどだ。弘幸もサユリの奥深くで、快感に耐えながら、この様子を楽しんでいた。

「なんだよ・・着ぐるみを脱がせてるのに、なんでこんなにドキドキすんだ・・この着ぐるみって、絶対体型がリアルなんだよな。人形っぽくないからなんだよ・・・ったく、中に何が入ってるんだろうな。着ぐるみだから中も見えるんだよな。」

 隆二はそう言うと、パニエ、ブラも取って行く。もちろん、ブラを取って恥ずかしそうに胸を押さえるサユリの写真も撮っている。弘幸は自らの胸に当てられた自分の手を、気付かれ無いように少し握って、自らを刺激していた。

「あ、今気付いたけど、このファスナー、上下逆に付いてるのか・・・着ぐるみを脱がすには全部脱がす必要があるのか。」

 納得したようにタイツ、パンティーも脱がす。

「さすがに全裸だとイマイチかな。タイツの身体だとそんなに萌えないな。スタイルいいしもうちょっと肌の質がリアルだといいんだけどなぁ。」

 そのまま、サユリを床にごろんと寝かせ、うつ伏せにすると、お尻の割れ目にしまい込まれるように隠れたファスナーのつまみを取り出す。
 ただ、つまみの金属が、タイツ地の小さなポケットに入り込むように隠されていて、簡単にファスナーが開かなくなっていた。

「あれ・・こんなにしっかり隠れてたんだ。ツメで引っかけて引っ張り出さないとなぁ・・」

 うつ伏せのまま、お尻の割れ目で指をモゾモゾと動かして、ファスナーのつまみを取り出す。
 ゆっくりとファスナーを引き上げると、徐々に中からレオタードが姿を見せる。

「レオタード??」

 背中にそっと触れる。サワサワと撫でると、レオタードの感触が気持ちいい。

「なんでレオタードなんだ??」

 そう言いつつ、ファスナーを全開にする。
 中には、レオタードを着た女性の身体が入っていた。いや、正確に言うと、ゴムで出来た女性の身体の上にレオタードが着せてあるのだ。

「あ、これってスーツアクトレスって事か。」

 隆二はうなじ辺りまで開いた着ぐるみから、中の女性の顔を出そうとする。意外とファスナーの開く量が少なく、なかなか顔を出せない。サユリを仰向けにして、首の裏に手を回し、首を前に曲げ、ぐいっとマスクの中に手を突っ込むようにして引っ張り出した。

「えっ・・」

 隆二はその顔に、一瞬驚く。

「か・・可愛い・・」

 身体と同じ素材で作られた女性の顔は、サユリのようなお嬢様チックではなく、もう少し大人っぽい美少女である。正にフィギュア人形という表情と、サラサラのストレートヘアーに、とても興奮してしまった。

「こんなのが中に入っていたのか・・こっちの方が可愛いじゃん・・身体もリアルだし・・ダッチワイフってこんな感じなのかなぁ・・」

 隆二はサユリを脱がしながらブツブツとつぶやく。

「なんでしっかりレオタードまで着せてるんだろう・・別に人形だったら全裸でもいいのにな。」

 レオタードの感触を楽しむように、お腹をサワサワと撫でる。その手は次第に胸に向かい、胸の上からその感触を楽しむように弄る。

「タイツよりこっちの方が全然リアルじゃん。俺だってもう経験あるけど、こんなに大胆に楽しめるもんじゃねぇしな・・」

 ひとしきり胸の感触を楽しむと、その手は次第に下に下りる。スリスリさするように手を下ろし、おへそと股間の中間点辺りまでくる。

「なんか、人形とは言えこんなにリアルだと、触るの躊躇するよなぁ。でも興味あるしなぁ。どうなってんだろ?」

 なにやら隆二は葛藤しているがその間も無意識のうちに下腹部に置かれた手は微妙に動いている。
 やがて踏ん切りが付いたのか、隆二の手は股間に伸びた。穴を調べるように指を立てながら触っている。

「レオタード脱がせちゃうか・・・」

 今度はレオタードを脱がせ始める。写真を撮る事も忘れ、夢中でレオタード、ストッキング、そしてアンダーショーツを脱がせると、そこにはゴムで出来た全裸の美少女人形がいた。
 少し股を開いて股間を確認する。少し残念そうに指先で撫でるように股間を触る。

「ちぇっ、やっぱここは普通の人形なんだな。」

 諦めたように人形を床に放置すると、隆二は一端部屋から出て行ってしまう。

 弘幸は我慢していた。
 サヤカを調べる隆二の手は、的確に弘幸の息子を攻撃していた。特に下腹部に置かれた手をさすられたときは、頭が真っ白になる程気持ち良かった。でも隆二の手の下にある物を反応させるわけにはいかず、手がどかされるまでの何秒かは、目に涙を浮かべ、息を止めて耐えていた。
 ところが必死に我慢していたら、隆二が諦めて部屋を出て行ってしまった。
 散々我慢させられた挙げ句、トドメを刺さずに部屋を出て行ってしまったのだ。

 部屋には一体の美少女人形が残された。
 少なくとも見た目は可愛い人形だ。誰の目にも、この人形が意識を持ち、悶々とした気持ちを我慢しているようには見えないだろう。そもそも無機質な人形に意識があるなどと言うオカルトのような考えを抱く人などほとんどいないはずだから。

 弘幸は葛藤していた。見られていない今なら、手を動かしてもいいのではないかと言う衝動に駆られる。楽になりたい自分がいた。でも、この悶々とした状況に耐えてる事に興奮している自分もいた。
 誰もいない部屋の、動かない人形の中に、こんな感情があるとは隆二も予想していないはずだ。

 結局、先の長い今後を考え、ここでイク事は諦めて我慢する事を選ぶ。
 しばらくして隆二が戻ってくる。

「この人形で撮影会の方がいいよな。最後に元に戻しておけばいいか。」

 隆二はよほどサヤカが気に入ったのか、サヤカを使って撮影する事を選んだ。
 衣装の入った箱から衣装を取り出す。中には数々のコスプレ衣装がある。制服、ゲームやアニメのキャラ、水着、ドレス・・・20着近くある。

 最初はゲームのキャラクターの衣装を着せた。
 その後も、次々にいろんな衣装を着せ、隆二の気に入った衣装では、かなり際どいポーズも取らせて撮影を続けた。
 着替えさせるのが面倒なのもあり、レオタードやスクール水着は、着せたまま、上から別の衣装を着せたりもした。一番重ねて着せたときはスクール水着の上にブルマと体操着、そしてブレザーの制服と言う3重の、重ね着もさせた。さらに下半身には黒いタイツも穿かせてまじめな少女の恥ずかしい姿を写真に納めていった。

 レオタードのままチャイナドレスを着せられたり、有名ファミレス制服を着せられたりと、とにかく、とっかえひっかえ、いろいろな衣装を着せては、次々に写真を撮っていった。
 急いで衣装を着せるため、多少乱暴に人形を扱う事もあったが、隆二はそんな事気にしない。

「ふうっ、一通り写真は撮ったな。」

 結局、最後にウエディングドレスを着せて、写真を撮り終える。

 撮った写真をパソコンに格納するつもりなのか、カメラをケーブルで繋ぎ、机の上にあるパソコンの電源を入れる。
 しばらくしてパソコンが起動すると、画像管理ソフトを動かす。画面には、数々のコスプレ写真や、モデル撮影会で撮ったような写真がサムネイル形式で並ぶ。

 ピンポーン

 そんな風にして画像整理をしていると、玄関のベルが鳴った。

「ったく、誰だよ、今いい所なのに」

 そう言って隆二は部屋を出て行く。その後玄関でなにやら話し声が聞こえ、ドタバタと隆二が戻ってきた。

「なんで京子が来るんだよ。今日は別の用事があるって言ってたじゃねぇか」
「しようがないでしょ、友達が風邪引いちゃったんだから」
「だからって俺んちに来る事ねぇだろ。」
「なによそれ。可愛い彼女がわざわざ訪ねてきてあげたのに、ひどい言いぐさよね。」

 バタン

 ドアが開く。

「勝手に人の部屋に入るなっつーの」
「あ・・・何・・これ・・・」
「あー見付かっちゃったよ・・・くそっ。」
「隆二・・何これ?」
「う・・うるせぇなぁ。」
「あんたコスプレでも飽きたらず、今度は等身大人形??こーんな可愛い彼女がいるのにどう言うつもり?!」

 どうやら玄関でのやりとりから京子という名前で、隆二の彼女らしい。
 ジーパンとシャツというラフな出で立ちだが、かなり可愛い。

「それとこれとは別だっつーの。コスプレはファンタジーなんだよ。分かんねーかな、この良さが。」
「知らないわよ。この前だって私に無理矢理変な制服着せて写真撮ったじゃない。あれじゃ納得できないわけ?」
「変な制服っつーなよ。あれは有名なマンガのキャラクターが着てる制服なんだぞ。」
「そんな事どうでもいいのよ。私が言ってるのは、私がいるって言うのに、こんな事に夢中な隆二の態度の事よ。」
「バカ、だから、それとこれとは別だって言ってるだろ。だいたいお前だってこの前制服着て写真撮ってたら、まんざらでもない顔してたじゃねーか。」
「そ・・そりゃ、制服はそこそこ可愛かったし・・・」
「ほら見ろ。結構気にいってんじゃねーか。」
「と・・とにかく、ちょっとは、私の事も気にしてよね。」
「うるせーな。分かったって。あ、じゃあ、お前も一緒に写真撮ってやるよ。」
「え?何それ。随分都合良くない?」
「いいじゃん。ついでだし、衣装もいっぱいあるから好きなの着ろよ。」
「わっ、凄い。これ全部買ったの?」
「ちげーよ。レンタル。つーか景品だよ。明日の朝返すんだ。」
「そんな景品があるの?」
「よくわかんねーけど、なんか特別賞とか言われたよ。最初はそんな話聞いてなかったんだけどな。」
「ふーん。変な景品ね。」
「まぁ、当たったんだからいいじゃん。それより、マジで写真撮るからお前も何か着ろよ。」
「う~ん、急にいわれてもねぇ。」

 京子は一通り床やテーブルに散乱した衣装に目をやる。

「これは何?」

 床に転がった肌色のタイツ地の衣装を手にする。

「ん?あぁ、これ?元々この人形が被ってたんだよ。」
「人形が被ってた?」
「そうだよ。今椅子に座ってる人形は、こいつの中に入ってたんだ。」
「つまり、これ着ぐるみって事?」
「だな。」
「ふ~ん、着ぐるみって、もっと野暮ったい物のような気がしたけど、これって結構可愛いよね。」
「あぁ、最初はそれで写真撮ってたんだ。でも、ファスナー開けたら中からこいつが出てきたんだ。」
「そっかぁ。確かに布よりはこっちの方が皮膚の質感がリアルだもんね。」
「だろ?こいつは結構スタイルもいいから、何着ても似合うんだぜ。」
「もう。バカいってんじゃないわよ。私の方が似合うに決まってるでしょ。」
「人形は、何着せても、どんなポーズでも文句言わねーからな。お前はいろいろうるさいから人形の方がずっといいね。」
「失礼しちゃうわね。あっ、そうだいい事思いついた。」
「いいこと?」
「私、これ着る。」
「へ??」
「だってこれ、着ぐるみでしょ?私、着ぐるみって着た事無いし、こんなの入れるチャンスって滅多に無いじゃない。」
「ま、まぁ確かにあんまり着ぐるみに入った事あるヤツっていないよな。」
「ね。ね。着ぐるみ着たら私もお人形気分で、隆二の好きな服着て写真撮ってあげるよ。」
「あー、それはちょっといいかもな。」
「じゃあ決まりね。でも、この格好じゃ入れないよね・・いくら何でも下着じゃ恥ずかしいし。」
「それなら、この人形が着てたレオタードがあったから、それ着て中に入ればいいじゃん。」
「へぇ、そんなのがあるなら、それ着るね。」

 京子は、そう言うと、先ほどまでサヤカが着ていたレオタードとアンダーショーツを手にする。

「うわっ、結構ハイレグカットね。」
「しっかり食い込ませて入れよ。」
「バーカ。ホントにスケベだよね。」
「うるせぇなぁ・・」

 そのまま京子は奥の部屋に消え、しばらくしてレオタードをバッチリ着込んで戻ってきた。ご丁寧にパンストまで穿いている。ハイレグカットがまぶしい程セクシーである。

「ちよっと借りるわね。」

 京子はサヤカの前に立ち、軽くポーズを決めて言った。
 そのまま、サユリのスーツを手にすると、躊躇もなく背中から入っていく。

「うわっ。結構ピチピチ締め付けるのね。」
「お前より人形の方がスタイルがいいって事だろ。」
「違うわよ。人形にだってピッタリフィットしてたのよ。文句言わないだけでしょ。」
「はいはい。そう言う事にしときます。」
「うわっ、ムカツクー!」

 そう言いながらも楽しそうに袖を通し、マスクをがぶる。マスクは被りにくそうだが、首をすくめるようにして被っている。

「もう。なんでこのマスク、タイツと繋がっちゃってるのよ。被りにくいじゃない。」
「だから、多分人間用の着ぐるみじゃないんだって。」
「うーん、ホントにそうかも・・これ凄い息苦しいよ。」

 マスクで籠もった声で、息苦しさを訴えた。
 確かに、このマスクにはまともな空気穴はない。サヤカは口では呼吸しないので、サユリのマスクにもほとんど穴はないのだ。マスクの正面はシリコンによる型が裏側に埋まっていて、サユリの顔の形を作り出している。このシリコンのアゴの下あたりから、シリコンの上に張られたタイツを通して呼吸する事になるのだ。

「しょうがねーだろ。こういう着ぐるみなんだし。やめるか?」
「いや、いい。着る。」
「ったく。じゃあファスナー閉めるよ。」
「うん。」

 京子のOKを聞き、隆二は背中のファスナーを閉める。

「よしOK」
「これ・・ホントにピチピチで窮屈ね。着ぐるみショーの人っていつもこんなに締め付けられて演技し
てるのかなぁ・・」
「そんなに締め付ける?」
「うーん、私、胴体長いのかなぁ・・結構股が窮屈かも・・・あと、首もけっこう絞まる。」
「首?息できないのか?」
「そんなには辛くないけど、結構窮屈。あと、暑いかも。」
「暑い?そりゃ着ぐるみだもん、暑いのは仕方ねーだろ」
「そっか。まぁ自分で着たいって言ったんだし、もうちょっと頑張るわ。」
「よし、じゃあ衣装選ぼう。」
「うん。」
「あー、まてまて、着ぐるみって普通はしゃべんないだろ。お前もあんまり喋るなよな。」
「分かったわよ。」
「だから、喋るなって」
「・・・・」

 サユリはしばらく考えてから、ウンウンと頷いた。

「そう来なくちゃ」

 隆二とサユリは、椅子に座ったサヤカをほったらかしにして、衣装を選ぶ。

「うーん、これいいんじゃねぇか?」

 隆二は可愛らしいフリフリの洋服を手にする。
 サユリは大げさに手を振ってイヤイヤと合図する。

「いいじゃん。お前、普段絶対こんな可愛い服は着ないだろ。その格好なら似合うって。」

 サユリは抵抗したが、言葉巧みに言いくるめられ、自らは言葉を話せないハンデのおかげで着る事になってしまった。
 赤と白のチェック柄に花の模様がプリントされ、至る所がフリフリと飾られた、ロリータ風の洋服である。
 下着もある意味野暮ったいオーソドックスな物に、白のハイソックスという組み合わせで、京子の容姿でこの服を着たら、かなり幼く感じてしまう程可愛い物だ。
 ただ、サユリは清楚なお嬢様を狙ったデザインのため、意外な程似合っている。

「おー、似合う似合う」

 その言葉に、サユリは鏡を探す。

「あ、そっか、鏡か。待ってろ、今隣の部屋から持ってくるから。」

 隆二はそう言うと、隣の部屋からガラガラとキャスター付きの大きな鏡を持ち込んだ。
 サユリはその鏡をまじまじと見つめる。

「なっ、似合うだろ。」

 次の瞬間、サユリは顔を押さえて恥ずかしがる。恥ずかしくても表情は変わらないのだが、恥ずかしそうな態度が、中の京子の気持ちを代弁していた。

「へっへっ、いいねぇ、その恥ずかしがり方もなかなかいいじゃん。」

 隆二のバカにしたような態度に、サユリは隆二の頭をひっぱたく。

「いってーな。ジョークだろ。まぁいいや。写真撮るぞ。」

 隆二の一声で、サユリは次々ポーズを作って行く。やがてサユリは、サヤカに絡んで一緒に写真に収まり始めた。

「うーん、こっちの人形、ウエディングドレスはやめようか。なんか別の衣装がいい。なんにしようか・・う~ん、このフリフリに合わせてこのメイドドレスにしようか。」

 横で一緒にサユリも頷く。

「よし、じゃあ、お前が着替えさせてあげろ。着替えさせてるシーンを写真に撮りたいから。」

 カメラを構える隆二の指示に従って、サユリは、サヤカのドレスを徐々に脱がせる。その脱がせ方は、撮影のためか、かなりスローペースだった。
 ゆっくりと背中のファスナーを下ろし、背中が開いた状態で、手を服の中に入れる。
 実は、このとき、可愛いデザインのフロントホックブラがあり、それを着せられていたのだ。
 サユリは、ドレスとサヤカの胸の間に背中から手を回すと、もぞもぞと手を動かしてフロントのホックを外そうとする。

「うーん、なんかちょっとエッチでいいぞ!ドレスの胸が手で膨らんでる感じなんて最高じゃん。」

 このころ、サユリはすっかり人形気分で隆二の指示に従う事に、ある種の快感を覚えていた為、指示に逆らうつもりも無かった。

 ただ、なかなかホックが取れない。サユリの指先はタイツで、細かい物を摘むにはちょっと苦労するのだ。おかげで、しばらくの間、サユリの手は、胸とドレスの間でモゾモゾと動き続けた。

 実はこのとき、サヤカの足がピクピクと動いていたのだが、サユリはホックを外す事に夢中で、隆二もカメラを胸に向ける事に夢中で気付いていない。

 ようやくサユリのタイツの指先が、ブラのホックを外す事に成功する。

「よし、じゃあそのままドレスをそっと脱がせて。」

 言われるままに、サユリはそっとドレスを脱がせる。ガサゴソと身体を擦りながら脱がされるドレスは、かなりセクシーに見える。
 ドレスを脱がされ、下着も脱がされた人形に、元々部屋にやって来た時、自らが着ていたメイドドレスを着せている。もちろん純白の下着も、真っ白なタイツも、隆二の指示で、わざと股に食い込ませるように穿かせる。

 京子がサユリに入る辺りから、この部屋にいるもう1人の人物、弘幸は、大変な状態だった。それまでの撮影で、散々着替えさせられ、いろんなポーズを撮らされ、恥ずかしい状態で我慢を強いられ、挙げ句に2度程限界を迎えていた。
 3度も果てているにもかかわらず、可愛い京子の全身タイツ姿に欲情し、その京子のポーズに欲情し、さらに京子扮するサユリに攻められ続けているのだ。ブラを外す時など、声を出してしまいそうな程の快感を必死に堪え、結局イク事を我慢したのに、その後の衣装の擦れやタイツの食い込みに、最終的に4度目の限界を迎えていたのだ。
 美由紀との練習でもそれなりに苦しい快感に耐えて、何度も果てた事はあるが、人形だと思っている人たちの前で、人形のフリをしながら、攻撃に耐える事は、想像以上に辛かった。弘幸は、バレては計画がパーになると思い、一心不乱に耐え続けたのだ。

 メイドドレスを着せられたサヤカは、再びサユリと一緒に写真を撮られまくっていた。
 京子も、サユリの着ぐるみを着た事で恥ずかしさが飛び、かなり大胆にポーズを取り、時にはサヤカの胸を触ったり、スカートをめくったり、恥ずかしい場所を触ったりとやりたい放題だった。

 ゲーム、アニメの衣装。レオタード、体操服、制服、あらゆる衣装をとっかえひっかえ試して、結局深夜近くまでその撮影は続いた。

「おっ。もう11時過ぎだ、そろそろやめようか。」

 サユリはウンウンと頷く。

「じゃあ、全部服脱げよ。チャック開けてやるよ。」

 隆二の一言に、サユリは服を全部脱ぎ、背中を見せる。
 隆二はサユリのお尻の割れ目に食い込むようにしてしまってあるファスナーの金具を取り出し、ファスナーを開けた。

「ふ~~っ、暑~い」
「うわっ。お前、汗だくじゃんか」
「だって、この中ホントに暑いし苦しいし、何度も出たいって言おうと思ったんだよ」
「言えば良かったじゃん。」
「だって、喋るなって・・・」
「でも、出たいならそう言えばいいじゃん。お前、意外と気に入ってたんじゃねぇの?」
「・・うん・・だって、これ、結構可愛いし・・苦しくても、鏡見るととっても可愛いから、つい我慢しようって思っちゃった。」
「やっぱタイツでも人間入ってるとそそるよな。セクシーだったし。」
「そりゃ、中身が私だもん。セクシーに決まってるじゃない。」
「でも、どうせならこっちに入れればいいのにな。」

 そう言ってサヤカを指さす。

「これは無理よ。出入り口も見あたらないし、そもそも、タイツでもこんなに苦しいのに、 ゴムじゃ耐えられないわよ。」
「それもそうだな。確かにこれに人間は入れないよな。」
「そうよ。でも入れたら可愛いのにね。」
「だろ?でも、この胸とかの感触もリアルだし、お前が入ってればこいつと寝れるぞ」
「バカ言わないでよ。あ、いけなーい。私、もう帰らなくちゃ。」
「あ、そっか、お前の親、いろいろうるさいもんな」
「そうよ。箱入り娘なんだから。」
「バカ、箱入りってのはこの人形みたいに箱に入って来てから言えよ。」
「嫌よ。こんな狭い箱に入ってたら、苦しいでしょ。」
「そこがいいんじやん。」
「全然分かんないわ。とにかく帰るね。」

 京子はそう言うと、隣の部屋に行って着替え、さっさと帰ってしまった。

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