|
アヤメの手の気持ちの良さから僕は思わず腰を引いてしまいます。
するとアヤメは、逃げた腰を追いかけるように、更に一歩僕に迫って来きます。
狭いバスの車内では、あっという間に背中が壁になって、これ以上下がれなくなってしまいます。
僕の付けているパッドには、快感の伝達能力はありませんので、パッドの上から触れられる場合少し感度が落ちているはずなのですがそれでもアヤメの指先が、僕の裏側を的確に責めてくるため、トロけるような快感が僕の下半身を包みます。
明らかに、同性にしか分らないようなツボを責めるアヤメ。本当にアヤメが現実に存在していたとしたら、まずこんなテクニックなんて知っているはずがないと言えるような、嫌らしいツボを的確に攻撃してくるのです。
悔しいですが、その事実が、アヤメの中に入っている人間の性別を益々認識させてしまいました。
アヤメの的確な攻撃は、単に男のツボを知っていると言うことに留まりませんでした。
パッドと言う壁を越えて刺激する場合、何処をどうすればいいのかも分っているのです。もちろん僕の装備しているパッドは、アヤメのそれとは感度の特性が全く異なり、アヤメのそれが外の刺激を何倍にも増感するとしたら、僕のそれは何分の一にも減感してしまうのです。
ですから、普通なら感じにくくなるのですが、パッドの基本的な構造は変わっていない為、何処をどうすれば、より的確に裏側に刺激を伝えられるかを熟知しているのです。
恐らくアヤメは、1人で相当に自分の身体を試したのでしょう。羨ましいぐらい色々なところを色々な触れ方で試していたのでしよう。
そうやってこのパッドの特性を理解しているからこそ、減感されているはずの僕のパッドの上から、直接触られているのではないかと錯覚を覚える程の快感が伝わってくるのです。
もちろん僕も防戦一方ではありません。
アヤメの身体をある程度理解していますから、僕なりにアヤメの胸を弄って、中にいるはずの北野を責め続けます。
柔らかい胸が衣装によってパツパツに締め付けられ、その上でリボンやヒモによって胸が強調されるように寄せ上げされています。
この状態が中にそのまま伝わるのですから、北野の息子は、衣装によって締め付けられ、さらにリボンが揺れたりヒモが引っ張られたり緩んだりする事で中の息子は絶えず刺激を受け続けているはずです。苦しくても自分の意志とは無関係に、しかも衣装の動きはリズムがある物ではないので、ランダムに刺激されているのです。
その上から僕の手が彼女の大きな胸を揉んでいます。胸を息子に見立てて、自分がこうされたら堪らないだろうと思うような弄り方を想像しながら触ってあげます。
アヤメの態度は、そんな胸からの刺激を全く気にしていないように、僕の責め手を止める事なく続けています。
その態度を見て、僕はちょっとした焦りも感じました。僕だったらきっと立ってられないぐらいの気持ちの良さそうな事をしているはずなのに、アヤメは平気な顔で僕を責めているのですから。
いくら僕が気持ちいいと言っても、それはアヤメの手先による刺激のみですが、アヤメは体中からの刺激を北野の大事な場所に伝えているのですから、その快感は僕の受けている物とは比較にならないはずなんです。
やっぱり、僕程度の人間では、こう言う着ぐるみに入って演技を続けるのは無理と言うことなんでしょうか?北野の我慢強さと、僕の弱さを改めて実感して、劣等感を感じてしまった気がします。
しかし、その劣等感は直ぐに消えます。
じっくりアヤメの胸の感触を感じると、中にいる北野の呼吸が伝わってくる事に気づいたのです。着ぐるみは、中の人の激しい呼吸も、ある程度吸収してくれる特性を持っています。その為、中でかなり呼吸が荒くても、見た目は殆ど分らないことが多いのです。
ですが、このように直接触れていれば別。中の荒い呼吸が非常に良く伝わってくるのです。
僕の手の動きに合わせるように、呼吸が荒くなったり、息が止まったり、凄く長い吐息を漏らしたり、アヤメの見た目とは裏腹に、その裏側は僕の手に翻弄されながら、逃れられない快感と必死に戦い、その上で、何も感じていないフリを続けているのです。
それを知った僕は、少しだけ自信を持ってアヤメの胸を弄り続けます。
もちろんそれでもアヤメが態度を変える事はなく、つまり、僕はアヤメからの責めを受け続けてると言う事でもあります。
アヤメの場合、どう感じているのか、どのぐらい感じているのかは、せいぜい僕の手に伝わる中の呼吸の様子と、時折身体がピクピクと反応する事ぐらいで、目の前には可愛らしいアヤメが優しく微笑み続けています。
一方で、僕はアヤメに対して表情も態度も全て見られているので、アヤメは僕の様子を見ながら自在に責めることが出来るのです。
圧倒的な立場の差は、今の僕にはどうすることも出来ないので、悔しいですがアヤメにやられ放題と言う状況が続きます。
そんな時、アヤメのあまりにも気持ちの良い攻撃に耐えきれなくなり、思わず腰が落ちそうになります。
するとアヤメはすかさず足を僕の股の間に割り込ませ、腰が落ちるのを止めます。
そして、僕に向かって首を横に振ります。
まるで「ダメダメ、我慢しなきゃね」って言ってきているようです。
「だ・・ダメだ・・もうホントに限界だって・・」
僕は快感で膝ががくがくして自分の身体を足で支えているのが本当に辛くなってきています。
それでもアヤメは容赦無く、僕の腰を支え、パッドの上から息子を弄んできます。
僕の手を自分の胸に導いたアヤメの手ですが、僕が自主的に胸を弄っている事を確認するように僕の手を離し、空いたその手をそっと僕の口に当ててきます。手は少しだけ隙間を作っていて、かなり苦しいけど何とか呼吸が出来る状態になってしまいました。
僕は思わず顔を反らそうとするのですが、後ろは壁で、逃げ道が無く、しかもアヤメは結構な力で僕を押さえている上に、僕自身、快感から思考力と力を奪われてしまい、抵抗することが出来ませんでした。
気持ちいいのに苦しくて、しかも逃げられないようにされている状況。
そう。頭が真っ白になる中、僕は思いました。アヤメは僕に、着ぐるみの中を再現しようとしているのです。
もちろん実際のアヤメの中はこんなレベルではありません。が、恐らくアヤメは少しでも中の様子を体験させようとしているのでしょう。
僕が普通の人間なら、そんな事を想像すらしないでしょうが、僕は着ぐるみの中を何度か体験しているのです。
だから直感的にアヤメが何をしているのかが分ってしまいました。
腰を落とさせないように足を割り込ませ、呼吸も制限し、そんな中で快感を与えられ、息苦しさも興奮に変わっている。非常に特殊な環境ですし、本当の着ぐるみの中の環境は、こんな生やさしい物ではないのですが、確かにこう言う、虐げられた世界の中で否応なしに快感を与えられ、その中で我慢をするのが着ぐるみの中に入る人の仕事です。
実際、目の前のアヤメの中では、北野がずっとそんな環境にいるのです。
北野がどういうつもりで僕にそんな事をするのかは分りません。
もしかしたら、同情してくれているのかも知れません。
もしかしたら、自慢しているのかも知れません。
いずれにしても、アヤメを通して、僕に着ぐるみの世界を疑似体験させようとしているようです。
ですが、僕にはそれがとても悔しく感じました。今にも出そうな刺激をアヤメが僕に加え、その刺激に耐えかねて逃げたいのに、アヤメに全てをコントロールされているのが悔しくて悔しくて仕方ありませんでした。
目の前にいるアヤメの裏側には、もっともっと素敵な世界が存在しているはずなのに、それは一切見せて貰えず、僕だけがアヤメの行為に翻弄され続けている。もちろん僕が我慢すればいいのでしょうが、僕の場合は、態度を我慢できたとしても、表情が丸見えですから、苦しげだったり、切なげだったりするその顔は全部アヤメの瞳を通して、中にいる北野に丸見えなのです。
ただ、どんなに悔しがっていても、僕の身体は正直でした。アヤメのする行為があまりにも気持ち良くて、既にこの魔の手から逃れようとする気力は無くなっていたのです。
込み上げてくる快感を、アヤメが上手に寸止めし、僕はその度に気持ち良くて頭が真っ白になります。
アヤメの中でも僕以上の快感が続いているはずなのに、アヤメは至って普通にしていますので、ここで乱れているのは僕だけって事になります。
アヤメのテクニックは相当にハイレベルで、パッドの上からであっても、僕の敏感な場所を的確に捉えていますから、僕はもう、アヤメのなすがままとなっています。
次第に僕の力が抜け、アヤメを責める手が徐々に止まりそうになっています。
最後の力でアヤメを責める為、僕はもうろうとする意識の中で、少し意地悪な方法を考えます。アヤメのリボンを固定するヒモを片方だけ外して、そのヒモをアヤメの腕に絡めるように結びつけたのです。
僕の息子を責めるアヤメの手に向かってピーンと伸びるヒモは、アヤメの胸を経由して最終的にはスカートの中の敏感な場所を動かす訳です。アヤメが僕を責めれば、アヤメ自身にも返ってくるのです。
もちろん今までだって衣装にがんじがらめにされているアヤメですから、僕を責めている間、衣装からの責め苦は受け続けているはずなのですが、ここまでダイレクトにフィードバックされると、さすがのアヤメも我慢できなくなるだろう、と思ったのです。
ですが、アヤメは平然と僕を責めます。
一生懸命アヤメの胸を揉んでいる手で感じる、中の呼吸は、明らかにさっきよりも苦しそう。確実にこのヒモの作戦は効果があるはずなのですが、アヤメの態度からそれを感じ取ることは全く出来ません。
最後の手段だと思って頑張って実行したヒモ作戦は、アヤメの態度を変えるほどの効果は無かったようです。
ホントは僕が想像する程、アヤメの中は苦しくないのでしょうか?そう言う可能性もゼロとは言えない、とも思うのですが、呼吸だけは相当に頑張っている。つまり実際は相当に苦しいのに、態度に出さないという、着ぐるみの操演者に取って最も基本的な態度を守り続けていると言うことです。
僕も、そう言う我慢が出来るのであれば、こんな可愛い着ぐるみの中で、恐らくは何度も何度も込み上げているであろう快感と、それを虐げるように中の人を苦しめる呼吸や締め付け、蒸し暑さなどを体験してみたい。
そう思うのですが、僕にはその力がないので、僕は外からアヤメに責められるだけの立場にしかなれないんです。
悔しいけど、これが現実なんですね。
僕の気持ちなんて全く気にしてない様子のアヤメは、最後まで僕を翻弄し続けて、恥ずかしい表情をアヤメに見られたまま、ついに僕の限界を越えてしまいます。
パッドをしているから見た目では、分らないとは言っても、こうやってしっかり弄られていれば、急激にしぼんで行くのは分るはずです。それに僕も果てた直後は身体に全く力が入らず、明らかにイッてしまった態度になったので、アヤメから見たら僕が果てた事は直ぐに分ったはずです。
僕はしばらく放心状態でしたが、イッた直後はかなり呼吸が荒くなる為、アヤメの手の隙間から呼吸しているのが苦しくて、思わず手を振り払ってしまいます。
アヤメは、今度は抵抗することもなく素直に手を離してくれました。僕が最後まで達した事が分ったからなのでしょうかね。
顔から手が離れて、大きく深呼吸をし、少し落ち着いた所で、ふと思い出してしまいます。
アヤメの中は、僕以上に苦しいのに、僕のように直ぐに手を振り払って深呼吸、なんて出来ないんですよね。
僕はアヤメの中の実情を知らないですが、今日一度も果てていないと言うことは考えにくい事です。これだけ長時間、色んな衣装で色んな状況でアヤメを演じていれば、それはそれは気持ちいい時間が続くはずです。
ずっと我慢しているとしたら、それこそアヤメの中で冷静さを保てるとは思えません。少なくとも何度かは、僕も知らないうちに果てているはずなのです。
その時、アヤメの中では新鮮な空気が、それまで以上に欲しかったはずです。苦しくて、マスクを取りたい、とか呼吸口を解放したい、とか思ったかも知れません。
ですが、アヤメは態度を変えることなく、至って普通に可愛らしい女の子としての振るまいを続けていたのです。
そう言う事が冷静に考えられるぐらい落ち着いているのに、そんな苦しそうなアヤメの中が羨ましいという気持ちは、それまで以上に強く感じられました。この可愛らしい笑顔の裏側は、本当にどのような世界なんでしょう。
どんなにそれが羨ましくても、僕は真実を知ることが出来ない立場なんですね。
悔しさを紛らわす意味でも、僕はさっさと着替えて貰うことにします。
着せた手順と逆の手順で、アヤメを覆っている衣装を脱がせていくのですが、アヤメが動き回っている為、ヒモが当初より固く結ばれてしまっている場所もあります。
その場合、指で結び目をほぐすようにして解くのですが、その微妙な締め付けの変化は、当然アヤメに伝わっているのです。
さっきまで大胆に触っていた時はアヤメは全く変化を見せなかったのに、こう言うときは、時折手がヒクヒクっと反応したり、非常に切なそうに太ももがキュッと閉じるように動いたり、モジモジ動いたり、と、苦しそう。
さっきまでの状況が我慢できるのであれば、こんな程度の刺激は我慢出来ると思うのですが、どうもその反応は演技とは思えません。
確かに、着ぐるみの中に伝えられる刺激は、しっかりハッキリした物も苦しいけど、チロチロの微妙にフェザータッチされるようなもどかしい刺激も苦しいと言う話は聞きます。
アヤメの中では今日散々我慢を繰り返していた訳ですから、もうそろそろ本当に限界に近いと言うことなのかもしれません。アヤメの身体から熱は感じますので、放熱機能がまだ働いていると言うことです。つまり、中の人が果て過ぎてもう興奮していないと言う訳では無く、あくまでもまだ固い物がアヤメの下半身に存在していると言うこと。
そうであるなら、アヤメの中の苦しさは、先程の強い責めとは異なる、触れるか触れないか分らないような、ムズ痒いような意地の悪い責めに包まれていると言うことなんでしよう。
特に股間の部分に通したヒモを抜く作業は、見ているこっちがまた固くなってしまうぐらいに切なそうでした。
アンダースコート越しに漏れる呼吸音も、かなり苦しそうで、早くこのアンダースコートを脱ぐためには、このヒモを早く抜かないといけない、と言う試練が待っている訳です。
僕はその光景も非常に羨ましく、僕の手でヒモを抜く過程で、裏側にはどんな快感が伝えられているのかを想像してしまっていました。
アンダースコートも脱がせると、そこから先は順調に脱衣が完了し、ようやく一段落。
普通の人が見たら、相当に嫌らしく見えるかも知れない、全裸のアヤメが立っています。ですが、僕にとっては全裸のアヤメは魅力半減です。ホビー21の着ぐるみ達は、衣装を纏うことで、裏側への絶え間なく切ない快感が作られるのですから、今のアヤメは、演者にとっては楽な姿なのですから。
ここから先はアヤメは自力で着替えが出来ます。
本当の楽屋に戻る為に、今日、出発前に着ていたレオタードを着るのです。
早速、先程僕が手にしていた下着を手に取るアヤメ。直ぐに穿くのかと思ったら、わざわざアヤメは僕の前に立ち、自らの鼻に下着を当てて臭いを嗅ぐ仕草をします。
もちろんアヤメの鼻は臭いなど感じないのですが、さっき僕がやった事を真似て、僕をからかっているのです。
悔しいけど、僕は何も言い返せずにいると、その態度に満足したのか、さっさと下着を穿くアヤメ。
下着が下半身にフィットした瞬間、アヤメの中には、あの下着の臭いが伝わり始めます。先程アヤメの鼻は臭いを感じないと言いましたが、アヤメの下半身は別です。アヤメの下半身は、その裏側に臭いを届けるのです。
あの鼻につく臭いは、これからアヤメが下着を脱ぐまで、アヤメの裏側に届き続けることでしょう。
でもアヤメは全く気にしていない様子。
直ぐにダンス用のてかてかのタイツも穿いてしまいます。僕は臭ってませんが、先程の下着を考えると、これも結構な臭いになっている気はします。
そして、スポーツブラを装着します。このブラは今までのタイプのようにカップを使ってしっかり寄せ上げするタイプではないので、締め付けの感覚はそれ程強くないはずです。ただ、動き回ったときに必要以上に胸を固定しない訳ですから、つまり胸はそれなりに揺れることになるんですね。
下着類の一通りの装備が済むと、手早くレオタードを着込みます。長袖ハイネックと言う、着にくそうなレオタードも、手慣れた手つきであっという間にアヤメの身体にピッタリとフィットします。
さすがにレオタードがピッタリ張り付いたアヤメの身体は、非常にセクシーです。可愛らしい顔と、この身体のギャップがたまらずファンになる人もいるのですが、確かにそれだけの魅力があると思います。
ただ、この見事な女性の身体の中には、僕と同性の人間が存在しているんです。なだらかに内股に向かって吸い込まれていく股間には、本当は僕のと同様に固い物が存在しているんです。こんなに狭そうな場所に固定されながら、中の意志とは無関係に全身からの刺激を受け続けるのです。
衣装に隠れているうちはまだ想像の世界ですが、レオタードみたいにしっかりとこの部分の形が見える衣装だと、嫌でも裏側とのギャップを想像してしまいますよね。
この裏側がどれ程羨ましい状態になっていたとしても、着ぐるみを演じる人達にとっては、絶対に真実を知られないようにすべき場所。中にいる人だけがアヤメの全てを知っているのです。
そんな羨ましい下半身を隠すこともなく堂々としているアヤメ。
最後に靴を履いて、着替えはすっかり終了していました。
僕は、アヤメの脱いだ衣装を纏めて袋に詰め、その袋をもってアヤメの後ろからバスを出ます。
僕の手の中には、アヤメの身体を通して、中にいる北野を責め続けていた布が沢山詰まっています。この布に、どれだけ苦しめられていたのでしょうか?どの衣装も、アヤメの身体を通せば、普通では体験できないような快感に変化していたはずです。そんな衣装を袋に持ち、アヤメの後ろ姿を見ながらバスを出る僕は、本当に最後まで、アヤメの中にいる北野の事が羨ましい気持ちでいっぱいでした。
アヤメはバスを出ると、僕に向かって可愛らしく挨拶をして、楽しそうに楽屋に向かっていきました。
アヤメの手には、私物が入っていたバッグが握られているようです。来るときは手ぶらで、事前にバス内に持ち込んであったバッグですが、帰りは持ち帰るようです。
そう言えば、さっき最後の確認をしていたときに、いつの間にか、僕がセットしたローターも片付けられていた様子。多分僕が衣装を袋に詰めている間にやってしまったのでしょうね。
当然あのバッグにはローターも入っているのでしょう。この後アヤメが楽屋で何をする気なのかは分りませんが、きっと見た目は普段と変わらない楽屋でくつろぐアヤメがいるのでしょう。ただ、あのレオタードのまま楽屋にいるのであれば、股間だけはローターの膨らみを隠せないかも知れませんね。
羨ましくても、僕にはその光景は、見ることすら出来ず、頭の中で想像するしかないのです。
でも北野は、この後その行為を見るどころか、きっとアヤメの中で思う存分に体験するんでしょう。
いいなぁ。
バスの鍵を閉め、返却し、衣装をクリーニングセンターに持ち込んだあと、しばらくは関係者の出入りする通用口の辺りで暇つぶしをしていたのですが、1時間経っても北野が戻ってくることはありませんでした。結局手持ち無沙汰になった僕はそのまま帰宅し、悶々と夜を過ごします。
電話でもして、一緒に遊ぶ機会でも作れば、会うことはそう難しいことではないはずなのですが、なんかもの凄く悔しかったので、僕は自分から連絡することなく、向こうから連絡があるのを待っている感じでした。しかし北野側も僕に連絡を取ってまで会おうとは思っていないようで、結局僕はなかなか北野に直接会うことはありませんでした。
本当に北野の姿を見られたのはそれから1ヶ月以上も経ったある日の、店内で行われるイベントの会議の時でした。
3人組の着ぐるみの1人が北野だったのです。
残る2人のうち1人は北野以上にベテランの人で、僕自身はあんまり知らない人でしたが、もう1人は北野の後輩で、僕の後輩でもある加藤君と言う若い男の子です。
彼は僕より後から研修生になったのですが、研修を上手くパスして今ではすっかり中の人です。
彼も操演は上手で、実際演じるキャラクターは猛烈に可愛いのですが、僕は一応年代的に先輩なので、彼自身は僕に色々気を遣ってくれているようです。
そんな状況で、北野とで会議を受け、僕はあの時のバスでの話を聞きたいと思っていたのですが、北野はまるでそんな事を気にしていないという態度で僕と会話しています。
結局会議が終わるまでに、北野はバスでの話を持ち出すことはありませんでした。
そして、別れ際に、僕に紙切れを渡して、さっさと立ち去ってしまいました。
北野と別れた後、紙切れを見ると、そこにはこう書かれていました。
「バス旅行、楽しかったみたいじゃん。実はさ、あの時、俺、体調不良で急遽中を変わって貰ったんだわ。変わってくれたのは加藤君。彼、相当楽しかったみたいだよ。お前が、中を俺だ思って興奮したり嫉妬してるのを見て、猛烈に興奮したらしい。確かに中身を知られてない状況ってのは結構興奮するんだよな。最後のバスの中は、さすがに独り占めしてるみたいで申し訳ないと思ったらしく、ちょっとお前にも気持ち良くなって貰ったみたいだけど、ホントは途中で何度も別人ですって言いたかったらしいぞ。ただ、キャラクターを演じるときは、中に人がいない事になっているから、言い出せなかったんだってさ。なので悪く思わないであげてくれよ。な。そうそう、次に機会があったら、俺の入ってるアヤメのサポートもよろしくお願いするよ。」
会議中に紙の切れ端に書いたんでしょう。
なんと、僕が北野だと思っていたアヤメの中は、当日は加藤君が入っていたのだそうです。
同期の北野だからまだ我慢も出来たけど、あの羨ましいアヤメの中には、後輩の加藤君が入り、その世界を独り占めしてたというのです。
僕はつい、今日のアヤメを思い返してしまいます。
朝から長袖レオタードを纏って現れたアヤメ。そのレオタードのピッタリとまとわりついたソフトな締め付けの中で、可愛らしい女の子として存在を続けたアヤメの中にいたのも加藤君。
そのままバスに乗り込み、振動の強く出る椅子に座って、レオタードに包まれた胸をプルプルと揺らしながらみんなの注目を浴びるアヤメの中にいたのも加藤君。
ロングチャイナに着替えたとき、僕が衣装の胸を閉じてあげたとき、その胸の締め付けをアヤメの中で独り占めしていたのも加藤君。僕はその時、2度も締め付ける事になり、裏側にいるであろう北野が、その胸の締め付けを感じ続けていることに嫉妬したのに、実は全て加藤君が感じていたわけです。
バスを降り、蒸し暑い空気の中で、チャイナ服のままレストハウスに移動したアヤメの中にいたのも加藤君。その時の蒸した空気がどんな世界なのかも加藤君ただ1人が知る事。
レストハウスでの給仕では、アヤメの可愛らしい動作の中で、わざと胸を強調して注目を浴びるような事もしていたけれど、その時、副作用でアヤメの裏側に伝わる素敵な締め付けを感じていたのも加藤君。僕にお代わりを要求する可愛いアヤメの仕草の裏でも、加藤君は僕が想像出来る範囲でも、かなり羨ましい感覚を独り占めしていたはずです。
メイド服へ着替えに戻った時、そのバスの中の蒸し暑さにも気にする素振りを見せずにいたアヤメですが、サテンのチャイナドレスにピッタリと覆われたアヤメの身体の中で、その蒸し風呂のような世界を楽しんでいたのも加藤君。
チャイナドレスと比べても、更に厚手で締め付けが強く、熱も息も篭もりそうなメイド服を着たアヤメの中にいたのも加藤君。加藤君だけが、アヤメが纏ったあのメイド服の着心地がどんなものだったのかを唯一知っているんですね。
そんなメイド服で日中の蒸し風呂の農園で、可愛らしく梨狩りをするアヤメを演じていたのももちろん加藤君。あの衣装に包まれて、可愛らしく野外活動をすると言うことが、どういう事なのかを想像するだけで、あの時のアヤメに激しい嫉妬を覚えるのですが、そのアヤメを動かしていたのも北野ではなく加藤君なのです。
肩車したとき、アヤメの腰が僕の頭に押し当てられていたのを感じ、裏の世界を想像してしまいましたが、北野ではなく、加藤君が、僕の頭に押し当てた感触を楽しんでいたことになります。
そして、その後にバランスを崩して倒れ込んだ時、アヤメのスカートの中に潜り込んでしまった僕は、あまりの蒸し風呂の世界と苦しそうな呼吸音を知り、裏にいる北野に激しい嫉妬を覚えると共に、悔しくてちょっと股間を弄ったりしてしまったのですが、あの僕の指先が産み出したであろう悩ましい感覚を楽しんでいたのも実は加藤君。
僕がおんぶしてあげたら、胸を背中に軽く当てて来たアヤメ。北野が楽しんでいることを悔しがっていたら、その感触は加藤君が楽しんでいたわけです。
タルトを食べるときもそう。みんなの目を盗んで、少しだけスカートの中の世界を垣間見せてくれたアヤメ。僕はその世界に存在できる北野をとても羨ましく思っていたのに、実際そこには加藤君がいたんです。
バスの中での衣装チェンジで、あの独特の衣装をアヤメに着せてあげた時、身体にまとわりつくヒモの感触に、さぞ悩ましい時間を過ごしたであろうアヤメの中の人も、もちろん加藤君。
羨ましかったので意地悪しようと、椅子の下に装備した震動装置を一身に浴びながら、アヤメを存在させ続けたのも加藤君です。あの、想像するだけで、苦しそうで切なそうで、そして、病みつきになりそうな快感を与えられながら、可愛らしい態度を崩すことなくアヤメとして存在していたのは、僕の後輩の加藤君なのです。
そして、もちろん最後のバスで、僕は、友達の北野だと思っていたから悔しいけどされるがままになっていた、最後の行為も、実は後輩にして貰った事になるんです。加藤君は、あのアヤメの中から僕を、どんな気持ちで見つめていたんでしょうね。
自分は、可愛らしいアヤメの中で、その身体と衣装が産み出す世界を独り占めしながら、その羨ましい身体を使って、先輩である僕を翻弄してくれたんです。加藤君は僕の快感と苦悩に満ちた姿を見ていますが、僕はアヤメの姿を見ているだけで、本当の悩ましい裏側の世界はアヤメの中に厳重に隠されていたのです。
その事実を知り、加藤君が羨ましいやら悔しいやら、後輩に対して激しく嫉妬してしまう自分がいました。
そんな時、後ろから加藤君がやってきます。
「先輩~。お疲れ様ですー。」
彼はいつでも明るく接してくれるので嫌みが無いのですが、それが今日に限っては凄く嫌みに感じてしまいます。
あのバス旅行で、アヤメの中で、一人で楽しんでいたのが彼かと思うと、非常に悔しく感じてしまう訳です。
ですが、アヤメの中が誰であろうと、僕の仕事はアヤメのサポートでしかなく、アヤメの中は別の人の仕事。どんなに悔しくても、仕事を全うしただけなんですね。
ですから、僕は、その件については、何も言わずに、彼といつも通り、普通に会話をしながら帰宅しました。
その一週間後、再びバス旅行には、僕がサポートするアヤメが乗っていたんです。今度こそ中は北野だと信じたいのですが、当然僕はその真実を知る事無く、辛くて、羨ましいバス旅行に、行くことになりました。
-おしまい-
|
|