やっぱり、お姉さま「夢のかおり」 [戻る]
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闇。

どことも、知れない空間。

ただ、ぽつんと、浮かびあがっているのは、花びらが半透明の青いバラが、一輪刺してある、花瓶が置いてある、テーブルのみ。
どこか、甘く。どこか、妖艶でもあり、そして、危険な、かおり(香)が漂う不思議な空間。

その虚ろな空間に、こだますのは、男とも、女とも取れる、不思議な、ふたりの声だった。

『ねぇどう?まだいける?あぁ、まだなんとかな。そう、わたしは、限界近いかなぁ。おいおい、俺ひとりだと、ちょっとキツイぜ。そんな事言っても、わたしは、かなり無理してるんだから、誰か違う夢魔を寄越すように、あの方に、伝えられないかなぁ。・・・多分無駄だろうな。・・・・えぇ、わかってはいるのよ、わかっては。だったら、もう少し頼むよ、お前じゃないと、どうも調子狂っちまうんだよ。・・・・・わかったわ、もう少しだけ頑張ってみるわ、でも、もう少しだけよ。すまない。仕方ないわよ、わたしたちの仲だもん。そうだな、それに。そうね、あの方が、目覚めたら・・・。』

《まだ、わたし?俺?が、出ていくわけにはいかないな。あのふたりには、頑張ってもらわないとあいつが、目覚めないから・・》

(・・・・後少しよ、*****さん。後少しで、あなたは・・・。)

・・・・・・先生、どう・・・?・・・・・・まだはっきりした・・・・。そんな!・・・・・・落ち着いて・・・・・・!わたしたちも・・・努力は・・・、後は、・・・・・次第です。もし、・・・・かったら、このまま植物状態に・・・。おい!なんとか・・・・!うちの・・を、見捨てるのか!・・・・・・・・・・・・・・・・・・


もう、うるさいなぁ。疲れてるんだから、静かに寝かせてよ。明日も、早いんだから・・・。


「・・・・・・ん。り・・・。りん。凛!起きなさい!」
(あぁ、うっさい!今日は、日曜なんだからもう、少し寝かせてよ・・・」
わたしは、そう言うと、布団を頭から被った。
「凛!いつまで寝てるの!今日は、エリエとエレンのメンテナンスの日でしょ!それに、僚二君と紗々音ちゃんが、待ってるわよ!早く起きなさい!」
あぁったく、うっさいなぁ、分かりましたよ。起きりゃいいんでしょ!起きりゃ!ホント、うっさいママなんだから。
わたしは、心の中でぶつぶつ文句をたれながら、のっそりと、布団からはいだした。
「・・・・ふぁ~、おふぁひょう」
「おいおい、高校生にもなって、起きぬけに腹掻くなよなぁ、みっともないぞ!おまけにその、かっこう!パジャマぐらい着ろよ」
「・・・・へ?」
わたしは、僚二の指摘で、自分のあられもないかっこうに、気付いた。
「アハハ、ほら昨夜って熱帯夜だった、じゃない?だから、多分脱いだんだと、思うのよ」
わたしは、とりつくろうように、ドアのかげから首を出しながらそう言った。
「本当かな?」
「ホントだってば!」
「はいはい、わかったからさっさと服来てきなさい!」
「はぁ~い」
わたしは、慌てて自分の部屋に駆け込んだ。

「・・・もう、ダメ。・・・・わかった、ゆっくり休んでくれ、後は俺だけでやってみるよ。・・・・ご、ごめ・・。いっちまいやがった。」

《やっぱり、片方だけが頑張っていたのか・・・。あいつには、失敗が許されないシゴトを任せるか・・・。エレン!L③、Z、G、Z、Fを呼んでくれ!》
《わかりました》
《まったく、なんなんだよ!次の仕事の計画中に、呼び出すなよな!》
《すまん、君たちの後を継いでもらうはずだった“モノ”たちが使い物にならなくなってな、それで、集まってもらったんだ》
《・・ったく、しゃぁない。なぁ、とっつあんしばらく、逮捕は待ってくんねぇか?》
《人助けか?》
《そのようでござるな》
《・・・・しょうがない、今度だけだぞ》
《すまねぇな》
《それで、私達は、なにをすればいいわけ?》
《・・・・を目覚めさせる事だ。》
《わかったよ》
《付き合ってやるか》
《承知したでござる》
《わかったわ》
《しゃぁないな》

暗転


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