人形遊戯(1話) [戻る]
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チーム人形遊戯。そう呼ばれるチームの存在が確認されたのは今から3年ほど前の事でした。
謎の着ぐるみプレイ集団「人形遊戯」は動画サイトにチャンネルを作り、そこに動画を掲載する形で活動をしているチーム。
その存在自体は動画サイト上で誰もが確認できるのですがこのチームに接触する方法は一切公表されていませんでした。
つまり、僕らは彼らの掲載する動画をただただ視聴する事しかできないのでした。
幸いにもほとんどの彼らの動画は無料で楽しめました。
そういう点でも彼らの存在を知るアマチュアの着ぐるみ愛好家は多かったのです。

彼らが投稿する動画に出てくる着ぐるみ達はいわゆる美少女着ぐるみでした。ですがその着ぐるみの構造等は一般的な美少女着ぐるみとは大きく異なっている事が分ります。
初期の頃の動画にはこの着ぐるみの構造等について解説している動画も存在し、その構造はまるで美少女着ぐるみ小説サイトとして昔から存在していたInsideDollというサイトに登場するフィクションの美少女着ぐるみにそっくりだったのです。
難しい理論はよくわかりませんが、快感制御、細胞補正、股間呼吸といった基本的な仕組みはもちろん、長時間の操演を可能にする技術なども導入されていました。
何年か前に細胞の縮小効果がある電磁波の技術が出来たという話はニュースを騒がせていたのですが生物には適用しにくいものだと聞きました。
仮に人間に適用するのであれば宇宙服ような完全に密閉された装具の中で何重にも重なる複雑な波形の電磁波を利用する必要があり、それをしても縮むのはせいぜい3割という話で実用性はほとんどないとの事でした。
一方で無機物については割と適用が簡単で、しかも可逆な事もあり備蓄食料等のスペース確保の為に今も利用されています。
結構革命的技術らしく、世の中が様々に変化をしているのを実感している人は多いでしょう。
ただ、だからと言って生物に適用しにくいという部分から、これを利用して着ぐるみを小柄に変化させるのは難易度が高いと思われていたのですが、どうやらこのチームはその問題点を独自技術で克服し実際に着ぐるみを小型化しているようでした。
とはいえ、実際に彼らの着ぐるみを直接見た人はいないので、動画の中では様々なフェイクが存在する現在その機能を見せている動画も実はフェイク動画じゃないかと疑う人は結構います。
僕の周りの美少女着ぐるみ愛好家の人たちも高確率で疑ってるみたいですね。
本音を言うと、もし実現しているのであれば自分もその着ぐるみが欲しいけれど、今のところ手に入れられる手段が無いので彼らだけがその恩恵を受けているという状況を認めたくないんだろうな、と思っています。

でも僕は違います。
彼らがどういう集団でどうやって彼らが集まっているのか全く知らないですが、可能なら自分もあのような着ぐるみに入ってみたいし、もし彼らが現実に存在する着ぐるみとしてあのパフォーマンスを動画にしているのであれば僕にも入れる可能性はあるという事です。
なので、周りがあんなのは嘘だと言っても自分だけは信じてみていますし信じる事であの動画群はとてつもないオカズになるほどフェティッシュな動画群になっているんです。

着ぐるみの構造解説ではInsideDollに出てくるホビー21製の着ぐるみそのものと言える構造が丁寧に説明されていて、股間パッドの裏側に小型カメラを入れて実際にパッドが動いてる様子なども見せていました。
無数の人工筋肉繊維が微細な動きから激しい動きまで、いわゆるオナホでは考えられないぐらいの複雑な動きをする様子を見せられこれに息子が包まれていたらそれがどれほど気持ちいいのか想像しただけでヌケました。
パッドの中にカメラを仕込んだ状態で全身が稼働するらしいマネキンに着ぐるみを着せ、衣装を着た状態で外から弄ったり動かしたりしてその時のカメラの映像を見せると、まさに小説を読んでいた時に想像していた世界がそのパッドの中に存在していました。
こんな動きをされたらさぞ切ないだろうなという動きそのものです。
また、実際に演者が入る着ぐるみを用意しそのパッドと全く同じ動きをするパッドを外に用意。ここにカメラを突っ込み着ぐるみの操演をしながら中の様子を確認する動画では、時折動作が止まりその瞬間にパッドがぎゅっと閉められる様子が映されています。これは恐らく中の人の寸止め生殺し的な状況なのでしょう。イカせないように締めながら刺激を止める。確かにこれを食らうと実際に中で味わっている人には想像するだけで切ない状態になりそうでした。
もちろんそんな状態でも映像に映る着ぐるみの操演はそれまで通り可愛らしい美少女を維持しています。その事からこの映像が事実であれば本当に中の人は攻められながらも美少女を演じるスキルがあるのだろうと思えました。
衣装の擦れる感じやシワの感じも見ているだけでゾクゾクするほど気持ちよさそうな動きになりパッドに伝わる様子がわかります。
こんなに切ない刺激に耐えながら美少女として存在する。それだけでも中の人が羨ましくて仕方ありませんでした。

それと股間呼吸も動画が上がっていました。これはそんなに複雑ではないのですがロングスカートの美少女やパンツ姿の美少女の下半身にマイクを仕込み呼吸音を聞かせるんです。
基本的には常に苦しそうなストロークの長い呼吸なのですが、時々小刻みになったり止まったりその後に長く深い呼吸が合ったり、という音で中で何かに耐えたり耐えきった後だったり、あるいは限界を迎えた後なのかと想像させたりする音になっているんですよ。もちろんこれも音はそういう音でも美少女の振る舞いはいたって普通。中の人の呼吸の事など全く気にしていないようなごく自然な振る舞いを続けています。
小説でもしょっちゅう書かれていた「布に遮られた空気」の呼吸は音だけでとても苦しそうで、でもそれをずっと続けている中の人が羨ましくて仕方ありませんでした。
黒タイツを履いた女子高生美少女着ぐるみに、ショーツやタイツ越しの呼吸をしている中の人がいる事実に猛烈な嫉妬を感じました。

こういう仕組みの暴露動画は比較的初期の投稿動画に多く、近年はむしろ普通のじゃれ合い動画やロケ動画が上げられています。
ロケ地は様々なのですが、だいたい早朝だったりとても田舎らしき人の少ない場所で実施している様子でそのロケ動画はだいたい長尺で最低でも2時間程度は続いています。
つまり、その2時間はずっと着ぐるみは着ぐるみのままという事を見せられているのです。
逆に綺麗に編集されて20分ぐらいに縮められた動画もありますが、そういう動画は中身の過酷さというよりは本当に動画として綺麗なVLOG風の動画だったりしました。

カメラを回している人も含めサポートしているスタッフはいるようですが、動画に彼らが写りこむことは一切ありません。
光沢のある素材に映り込んだりすれば誰がスタッフなのかが分ると考え、そういう部分を探して映り込みを確認する人もいるようですが事前にAIの力でそういう部分は消しているらしく、数百本存在する動画のどこにも生身の人間の姿も声も出てきていません。

スタジオロケのような動画では、スタジオを特定できれば誰が借りたか分るのではないか? と考えるものも出てきたのですが、どのスタジオも背景などは独自の物らしく一般的なコスプレ写真などからスタジオを特定するのも難しそうでした。

こうして徹底的に集団の内情は伏せられたまま、ただただ中身が羨ましくなる美少女たちの動画が投稿され続けるのです。

友達とのオフ会でもこの人形遊戯が何者の主催するチームなのかあれこれ議論になるのですが核心を突く情報は全く得られません。
ネット上の様々な情報を探っても、そのチームが本当に存在するかどうかすら分らないんですよ。
相当にフェチに通じているであろう人物ですら存在は知らないと言っているのですから。
なので、僕らアマチュアの美少女着ぐるみ愛好家の間でも本当に謎であり実際に存在するのかどうかは真偽が全く不明な存在とされてきました。

それでも彼らの動画が上がるたびに、僕はSNSでその動画の感想を自分の感じているフェチ性のすべてを込めて書くようにしていました。
こまめに感想を書いてるのですが、基本的には中の人たちが羨ましいという感情はどうしても出てしまうらしく、時々オフ会で合う仲間からもそういう指摘はあります。
ですが、実際それらの動画は本当に中の人たちに嫉妬する、自分の美少女着ぐるみフェチの理想が詰められた動画に見えてしまうのですから仕方ありませんよね。
友達の指摘で自分の感想を変える気も無いので、その後もそのまま自分の感情を書き綴るのでした。

そんなある日の事、僕に謎のDMが届きます。
日時と場所だけが記載された、その上で「必ず一人で。他言無用。漏洩が発覚した場合は中止」という文言も書かれていました。
察するに、指定日時に指定場所に僕一人で来い、という事のようでした。
DMの差出人らしい人は、自らの書き込みは一切ない、フォロワーも0な人。
つまり事実上の捨てアカウントと思われるアカウントでした。
怪しいバイトの案内などもあり得ますからすごく警戒して読みましたが、それでも何となく気になるDMだったのは事実です。
発信者に返信を送信したものの、オウム返しのように場所と日時と一人で来いと言う話が繰り返されました。
ただ、その間も特に個人情報にかかわることを聞かれた訳でも無く、そういう意味では仮にそういう怪しいバイトへの誘いだとしても断れるとは思っていました。
それと、なんとなくこのDMがそういう怪しいバイトへの案内という感じではなかったんですよね。
具体的な理由は分りませんでしたが。

色々悩んだ挙句、そのDMに書かれた日時にその場所に行くことにしました。
どこかの密室に案内されたのであれば断っていたのですが、指定された場所は住宅街の公園のようでした。そういう意味では人目に付きやすそうですし万が一には助けも呼べる気がしました。
また、反応が無いDMではありましたが、自分としても予約投稿で今回のDMの事や助けを呼ぶ投稿を設定してある事も相手に伝えました。
つまり自分が何らかの理由で強制的に拉致などをされた場合には、SNSを見た人が自分を探してくれるという話を伝えました。
何事も無さそうだと判断出来たら予約投稿は削除する事も伝えてあります。そのDMにもスルーされましたが、少なくともこちらの意図は伝わっているだろうという推測の元、指定日時に指定場所に向かうのでした。

公共交通では行きにくそうな場所だったので、自分の車を出して公園の近くに移動し公園の駐車場に車を駐車してから指定ポイントへ。
そこそこ大き目の公園ですが来てみて分ったのは、ここは意外と人目につかない場所だという事。
比較的ひらけた場所なのですが、周りが木々で囲まれていてちょっと穴場な空間と言いますか、園内の他の場所と比較すると人がわざわざ来ない気がする場所と言えました。
これだけ人目に付きにくそうな場所ならもうちょっと早い時間帯なら本当に人がいない気がするので、軽いロケぐらいで出来そうだな? などと想像しながら待っていると後ろからポンポンと肩を叩かれます。

ふと振り返るとそこには黒い頭が見えます。背が低い。視線を落とすとそこには可愛らしい美少女が優し微笑みを浮かべて立っていました。
黒髪ロングのサラサラストレートヘア。瞳は紫がかった青で若干つりあがった猫目。スタイルの良さがはっきりわかるタイトな仕立ての冬物学生服。短めのプリーツスカートからは黒いタイツに包まれた細い両足。
冬なら暖かそうな美少女の衣装ですが、今日は8月。真夏です。
汗一つかかない美少女には季節は無関係と言いたげなのですが、彼女は生身の人間ではなくあの動画サイトで見た着ぐるみでした。

僕「あ…」

驚きで言葉にならず、ただなんとなく音を発した僕。
すると彼女は手に持っていたタブレットを僕に見せてきました。

彼女「はじめまして。佳乃と言います。今日は来てくれてありがとう!」

そう書かれていました。
この子は佳乃っていうみたいですね。
いや、動画見てたから知ってるんですけどね。

僕「ど…どうも。…動画見てたので名前は知ってます…」

そう返すと彼女は晒されとタブレットに文章を書いて僕に見せます。

佳乃「名前知っててくれたんですね!嬉しいです!ところで…」
僕「ところで?」
佳乃「ところで…今日は何故来てくれたんですか?あんな怪しいDMじゃ、無視される事、多いんですよね!」
僕「何故って…確かにすごく怪しかったけど、それより興味が勝ったというのが本音ですかね…」
佳乃「興味って?」
僕「わざわざあんなDMが来るのですから、誰かが僕とアポを取りたいと思っていたのかなって」
佳乃「ふーん。じゃあそのアポの主が私だと予想してたって事ですか?」
僕「いや、それは全く無いです…そもそも佳乃達とコンタクトを取りたい人は沢山いるはずなのに誰一人コンタクトを取れている人がいなかったから、多分一生接点は無いと思っていたので」
佳乃「今、こうして会ってますよ?」
僕「はい…なので全く想定外なんです…」

そう。佳乃との会話でも伝えたように、誰かがアポを取ってくるだろうとは思っていましたが、まさか人形遊戯の着ぐるみが来るとは全く想像していなかったんですよ。
あの着ぐるみは絶対に生で見る事は無いと思っていたので。
ですが目の前に佳乃がいます。つい彼女を観察するのですが、女子高生らしい優しい匂いを纏ってていかにも女子高生なんですけど、これって人形が発している匂いであって、きっとこの中には全く異なる匂いが充満してるんだろうな、って想像してしまうんですよ。
冬服だからそもそも露出がほとんどないのですが、首から上を見てても特につなぎ目や隙間は見えません。僕が持っている着ぐるみのような頭の被り口に当たるアゴのラインも当然なく、少なくとも頭の先から首の部分は繋がっている事が分ります。

佳乃「ちなみにタルトさんは私たちに興味はありますか?」
僕「あ、名前知ってたんですね…」

そう。僕はSNSではタルトと名乗って活動していました。事前にSNSでDMをくれているから知っているのでしょうが、このタイミングでその名前が彼女から出てくるとは思ってもみなかったので少し驚きました。

佳乃「タルトさんのSNSはいつも見ていますし、私たちの動画の感想も毎回見せて頂いてますよ! だから興味あるのかなーって」
僕「感想見られてたんだ…」

まさか動画の感想を見られていたとは…
動画がいかにフェティッシュで中の人が羨ましいか、散々語っていたので、本人を目の前にしてとても恥ずかしい気持ちになります。
佳乃の動画も何度も見ましたし、佳乃が香織と絡む動画とか、ほんとに何度もオカズにしたんですよね。特に香織が佳乃の股間を衣装の上からじわじわ弄る部分は、佳乃の仕込まれたマイクから聞こえる切なくて苦しいのを必死にが待っている呼吸音だけで抜けると思っていましたから。

佳乃「もちろん! タルトさんの感想はかなりフェチ心に溢れてて私たちの間でも毎回話題なんですよね。こうして私たちになって感想を読みながら、中の人が気持ちよくなってしまう事は何度もあって、だからみんなとても興味あるんです」
僕「なるほど…」
佳乃「だから興味あるのかなーって」
僕「ま…まぁ興味はありますよね…謎の集団だし見たとこも無い凄い着ぐるみっぽいし…」
佳乃「なので今日は特別に、タルトさんを私たちのアジトに案内しようかなーって」
僕「アジト?」
佳乃「そうそう。場所は極秘なんですけどタルトさんが嫌じゃなければ私たちが連れてってあげますよ。車で」
僕「車? 佳乃が運転するって事?」
佳乃「私も運転したいけど私はちょっと難しいんですよねー。なので運転手が車で待ってるんです。車に乗り込む前に目隠しして貰って耳栓もして貰って、アジトについたら目隠しと耳栓を外してあげます。帰りも同じようにここまで連れてきてあげます」

その提案に驚きます。今まで全く接点が無さそうだった人形遊戯の側から僕にアポを取ってきて、その上でアジトと呼ばれる場所に行こうと誘われているのですから。
とはいえ今まで全く接点も無く存在に対する手がかりも無かった人形遊戯が、場所は秘密だけれどそのアジトという場所に連れて行くというんです。
当然ですが、そこに行けばもう少し着ぐるみについて分るかも知れない、と思った僕はその提案に乗る事にしました。

佳乃「どう?」
僕「…分りました。その提案に乗っかろうと思います。よろしくお願いします」
佳乃「良かったー。断られたらどうしようかと思っちゃった。じゃあ早速行きましょう!」

佳乃に言われて彼女についていくことに決めた僕。
ここから駐車場までの移動も、実はほとんど人目に付くことは無さそうでした。駐車場の場所によっては他の人の目につく可能性はあるのかなと思ったのですが、彼女たちが車を止めていた場所は割と端っこで、かつ先ほどの広場から一番近い場所でもありました。
確かにここからの移動ならほとんど人目につかない気がします。ですが、この一番奥の位置は、公園に近い事もあり埋まるのが早い気がしました。つまりかなり早くからここに来て車を止めていた可能性があると思えました。

車は大きめのワンボックス。リアのガラスはスモークが入ってて中が見えないようでした。運転席には人が存在するようなのですが実は運転士が隠れるように衝立があって外からは運転士の存在は確認できませんでした。
僕の想像ですが運転士は素の人で、その人と僕が会う事を避ける意味でこういう衝立で隠しているんでしょうね。
ワンボックスの横にたどり着くと、佳乃は制服のジャケットの内ポケットからアイマスクを取り出します。
大きな胸によってムチムチに引っ張られているジャケットの内側に手を入れる様子は、それだけで結構エッチに見えました。
そして彼女の構造を理解してしまっている僕にはその行為が中の人にとっても、とてもいやらしい行為である気がしました。
彼女の体温と湿気で温かく少し湿り気も感じるアイマスクを受け取ると、自分の目を隠すように装着します。
着ぐるみの中から放出されている温度と湿度が、本来なら皮膚から発散するはずなのに、彼女のように殆ど露出なく体を布で覆っているせいで熱がこもってしまいジャケットの内ポケットにしまっていたアイマスクがこんなにホカホカでしっとりした物になっていたことに驚きます。
目隠しをした事を彼女も確認したのか、ライトバンのスライドドアが開けられる音がして僕はその中に誘導されるのでした。
左にも誰かが乗るのが分り、その後ドアが閉まった音がします。
空調の効いた車内は快適で、外の蒸し暑さがとても不快だったことが分ります。

真ん中の椅子に座らされると右隣にも人の気配を感じます。シートベルトの装着を手伝ってもらっている時、左隣の人が少し僕に覆いかぶさるようになり、そこで女子高生のいい匂いがしました。
恐らく佳乃なんですが、目隠ししているので正解は分りませんでした。

この状態で耳栓をして移動する、という話でしたからそろそろ耳栓が手渡されるのかなと思っていると、左隣に座った人からトントンと太ももを叩く合図がありその後にアイマスクに手がかかります。

僕「えっ…」

一瞬戸惑うと、アイマスクがズレて、左から目の前にタブレットが差し出されます。
ちらっと左を見ると佳乃が着席している事が分りました。
そのまま目をタブレットに移すと

佳乃「そういえば予約投稿を削除してくれるって話があったけど、削除できますか?」
僕「あ…あぁそうだね…」

散々無視されたDMですが、こちらが送った内容も覚えててくれたようでした。
僕も色々ありすぎてすっかり忘れてましたが、予約投稿を消さないと、僕が拉致されて怪しい仕事に参加させられている事をSNSに発信してしまいます。
慌てて削除し、彼女にも削除したことを知らせました。

ふと冷静になって前を見ると、まだ衝立があってドライバーは隠されているみたいで見えません。
そして人の気配を感じた右をチラッと見ると、そこにはもう一人の着ぐるみ。香織が着席していて、僕に可愛らしく手を振ります。

僕「えっ…」

驚いている様子を楽しんでる二人。動画を見て知っていましたが二人ともかなりのスタイルの良さを誇るキャラクターで、二人はとても仲良しでいつも楽しそうにしています。
見た目は可愛らしくスタイルのいい美少女二人の仲良しシーンなのに、実際にはそれぞれの中に詰め込まれた男性が各々の着ぐるみと衣装が生み出す性的快楽と呼吸の苦しみと着ぐるみの拘束性に耐えている事を想像してしまうんですよ。
見た目の仲良しを演じるために中の人たちが味わっているであろう攻めが、本当に羨ましくて仕方ないんです。
そんな二人が隣にいるんです。
目のやり場にも言葉にも、本当に困る状況と言えました。
ただ、そんな思いもすぐに終わりになります。
佳乃からアイマスクの装着と共に、耳栓を手渡されて耳栓もつけるように促されます。
耳栓と言っても実際にはカナル型イヤフォンで、外の音が全く聞こえないような演奏がずっと続いてる感じの物でした。
視覚と聴覚が奪われた僕はどうする事も出来ないまましばらく待っていると、ようやく車が走り出す感覚がありました。前後左右に揺られながらも視界と聴覚が無いので身体の揺れが自分の予想とは異なる方向になる性でとても疲れる移動でした。
車酔いしやすい人だとこれだけで酔いそうな気がするいどうでしたが、僕の両手はそれぞれ左右の美少女が握り、それぞれ時折何かに耐えるように握る力が加わるのが伝わってきてとても悶々としました。

これは後から知る話なのですが、実はシートベルトは彼女たちにとってはとても性的なもので3点式ベルトの肩から腰に斜めにかかるベルトは所謂パイスラ状態になるらしく、車の揺れで胸への圧力が変化してしまいかなり大変な上に、腰のベルトがちょうど中の人の性器の上にかかるせいで前後左右に身体が揺れると、シートベルトの刺激も伝わり本当に切ないのだそうです。

こうして移動した車ですが、視覚と聴覚を奪われた僕にはものすごい長さに感じた移動時間も、実際には30分程度の移動時間で目的地に着いたようでした。
目的地に着いたらしく車のエンジンが止まるとしばらくして佳乃の手らしき手が僕のアイマスクを外してきます。

僕「あー、出来ます出来ます」

と言って耳栓とアイマスクを外すと自分の辺りを見てみます。
ドライバーは既に座っておらず、両サイドに佳乃と香織が座っているだけでした。
車のドアが開くと、佳乃が降りて可愛らしく手を差し出し誘導します。
ベルトを外すとその手を取って車外に降り辺りを見ると、どうやらどこかの屋内の駐車場でした。
ふとスマホを取り出してみたのですが、どうやら位置情報を見失っているらしく東京湾の真ん中あたりをポイントしているようでした。

僕に続いて香織も下車し、彼女たちに連れられて駐車場から建物の中に移動します。
廊下を通って、廊下の両サイドにいくつかあるドアのうち一つに案内されました。
ドアから中に入るとそこは動画で見たことのある部屋です。

僕「ここって…」
佳乃「ようこそ私の部屋へ!」


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