梱包試験(3話) [戻る]
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 淡路さんの電話を受けて途方にくれる僕。

 確かに鍵の開け方は想像できます。
 実際ここまでの行程を考えたら、第一弾のロックを外すのは簡単な気がします。
 ですが、それを僕がする。
 そう考えるとものすごく気が進みませんでした。
 だってそうでしょう?
 要するに、トランクの中に、身体を固定されて入っている可愛い女の子のお人形の中にいる、と言うものすごく羨ましい状況にいる見知らぬ男性を、僕が外から2度もイカせないといけないんですから。
 ただでさえ羨ましい状態の人を、僕が更に羨ましい状態にするんです。
 こんな気の乗らない作業はありません。
 ですが、仕事として受けている以上、放棄するわけにも行きません。
 僕は仕方なく、フィギュアを手に取ると、なるべく時間をかけずにスムーズに鍵を開ける事に専念しました。
 まずは器具を使わず、手先で触るようにしてみます。
 そっと胸の膨らみを撫でてみたりつついてみたり、摘んでみたり。その度にモゾモゾとトランクの中から音はするのですが、ロックが外れる気配はありません。
 水着を脇から少し引っ張って、胸の締め付けの圧力を変えてみたり、さすがにフィギュアは加速度は伝えないはずなので、少し振って胸を揺らせてみたりします。
 胸の刺激はそのまま中の人の物に伝わると聞いていますので、その揺れや締め付けの変化を感じているとしたら、それは相当に切ないはずです。
 今まで我慢を続けて来た明日菜の中の人にとって、それは相当に苦しい刺激になっているはずで、簡単にロックは外れると思っていたのですが、トランク内からはモゾモゾと小さな音は聞こえる物の、ロックが外れる気配はありません。
 感じてないのかもしれないと思い、耳をトランク底面の通気口に近づけた状態で胸を責めてみると、ロックは外れないのですが、その瞬間、呼吸は明らかに何かを感じ、何かに耐えている切ない吐息になっています。
 それも、相当苦しそうな切ない切ない吐息。
 そう。明日菜の中の人は、確実に僕の責めを受け止めて感じているんです。
 そして、イッた後ならこんな切ない吐息にはなりませんから、確実に今でも立派な物を刺激されているはずでした。
 つまり、中の人は僕の責めに頑張って耐えている。そう言う状態といえるのです。
 耐久試験のロックを外すと言う事は、つまり試験の終了を意味します。
 ですから、早くイッてしまえば、明日菜も楽になれるはずなんです。
 ここでそんなに頑張る必要が何処にあるのか不思議なのですが、明日菜はずっとずっとイクのを我慢し続けている様子なのでした。

「もう、部屋についたので、試験は終了だから、トランクから出てきて大丈夫ですよ」

 何度かそう問いかけましたが、トランクの中の明日菜は、ひたすら我慢を続けているようでした。
 さっきの淡路さんのテストの時を考えても、気絶でもしていない限り僕の声が聞こえていないはずは無く、つまり僕の説明は無視して耐えているんです。
 いったい何故そんな我慢をするのか、僕にはさっぱり理解出来ませんでしたが、こうして責めても責めてもイク事の無い明日菜を見て、僕の股間の方が爆発寸前まで立派に興奮している状態と言えました。
 あまりにも疼いていたので、まずは自分の物を処理しようかとも思ったのですが、それだと明日菜に負けた気がして悔しかったので、爆発寸前の息子をなだめながら、明日菜のフィギュアに対する攻撃を続けました。
 胸や脇では効果が薄いと思い、いよいよ核心と言える股間付近を攻め始めます。
 指先で割れ目をなぞる様に往復させると、先ほど以上にトランクからのモゾモゾと言う音が増えます。
 この部分は、中の人の物の裏筋と直結しているらしく、ただ歩いているだけの着ぐるみ達も、実は相当に、両足と下着によって擦れて気持ち良くなってしまう部分らしいのですが、そこを直接刺激すると言う事は、同じ男性として、想像しただけでも切なそうな状態です。
 爪を上手に使って窪みを丁寧に丁寧になぞったり、水着を食い込ませてみたり緩めてみたり、と、頑張ってみると、さすがに呼吸音が苦しそうになってきます。
 中の人は、裏筋攻撃には弱いのかもしれませんね。
 気を良くした僕は、もう片方の手で、脇腹や脇胸を責めて見ると、ある瞬間、ガチャリと言う音が、トランクのロック部分から聞こえました。
 一瞬びっくりしたのですが、その音を確認すると、今までロックの色が赤くなっていた部分が、黄色に変化しています。
 多分中のロックが一段外れた音なのでしょう。
 つまり、明日菜の中で男性は、気持ちよさに耐えかねて出してしまった瞬間でもあります。
 トランクの中で小さく丸まりながら笑顔を絶やさない明日菜の中では、中の人の白濁の液体が放出されているはずなんです。
 その原因を作った本人である僕でしたが、なぜか物凄い嫉妬心を覚えていました。
 しばらくの間は回復に時間が必要なはずなので、今責めても殆ど効果は無いし、むしろ中の人にとっては、出した直後にも遠慮なく責められることは相当に苦痛のはず。
 ですが、あまりに羨ましかった僕は、少し意地悪して、明日菜のフィギュアに対する悪戯を続けるのでした。
 出した直後の不快感と息苦しさの中で、襲ってくる責め苦に耐えている明日菜の姿は僕には見えません。
 苦しければさっさと出してしまえば良かったのに、僕の責めにずっと耐え続けるから、意地悪したくなってしまったんです。
 呼吸音とトランクの中から聞こえる振動音、きしみ音、サワサワという音を頼りに、どう責めたら明日菜が苦しむか、想像しながら色々試しました。
 第一弾のロックが外れた後は、より強い刺激を与えるために、器具も使いました。
 筆状の先端を持った電動歯ブラシのような器具は、スイッチを入れると細かく筆先が振動しているのが分かります。
 人差し指で動かせるダイヤルにより、その速度も変化できるようで、始めはゆっくりと振動させながら、胸や脇、首筋辺りを責めてみたりします。
 胸は、筆先の自由度を利用して上手に水着と胸の谷間のデルタ地帯に入れて、谷間の中で筆先を回すようにしてみたり、脇から下胸方向に水着と肌の隙間に滑り込ませてみたり、と想像しただけで切なそうな責めをしてみます。
 漏れ出す吐息も、今までのイッた直後の不快そうな感じでは無く、完全に興奮状態の物に変わってきています。
 あとは明日菜と僕の根気比べですが、立場的には、責めるだけで攻撃されない僕の方が圧倒的に有利なはずなのに、何故か僕の気持ちは、明日菜を責めれば責めるほど、自分が望んでも得られない立場を独り占めする明日菜を羨んでしまっていました。
 電動筆は、当然股の間も執拗に責めてあげます。
 水着を少し浮かせて肌を直接責める時には、まるで自分がそこを攻撃されているような錯覚を覚え、僕自身も疼きまくっていました。
 そして、僕が知っている着ぐるみの弱点を責め始めます。
 着ぐるみの中身が男性の場合にしか通じないのですが、男性の物が上向きに格納されているおへその下から、股の間までの下腹部。
 ここは見た目はスッキリしているのですが、実際に着ぐるみを丁寧に触ると、固い物の存在が分かる部分で、中の人に取っても防御の出来ない最も弱い場所の一部です。
 なにしろ、他の部分はセンサー経由で与えられる刺激ですが、ここだけは実際に固くなった物を着ぐるみの皮膚越しに刺激されているんですから。
 もしフィギュアのセンサーの連動がリアルな物であるなら、ここを刺激する事は中の人には相当に大変なはずです。
 股の間に出来る隙間を上手に使って筆先を滑り込ませてぐりぐりと回転させたりすると、トランクの中のガサゴソ音がより激しくなってきます。
 トランクの中で何が起こっているのかは分かりませんが、その音を聞いているだけで、羨ましくなってしまい、悪戯しているはずの僕の息子の方が、疼いて疼いて仕方がありませんでした。
 何度も自分の空いた方の手先を、自らの股間に持って行くのですが、そのまましてしまうと何だか何もされていないのに、明日菜に負けてしまった気がする悔しさから、ギリギリの所で我慢していました。
 そのおかげで両手が使えることになりますので、早く明日菜をトランクから出す為にも、僕は両方の手を駆使する事にしました。
 筆先の器具から、丸い先端の器具に持ち替えてスイッチを入れると、これはもはや小型のバイブレータそのものといえました。
 胸の脇ぐらいから、触れるか触れないかぐらいの微妙な感じを維持したままツツーッと胸の先端方向に移動したり、胸の下側をすくうように動かしたり、脇腹を撫でたり、と言った行為を続けたまま、やがてその振動する丸い先端を、フィギュアの股間部分に。
 そっと当てて撫でるように移動を始め、時々不意に強く押し付けたり、緩めたり、完全に離してしまったりを繰り返します。
 同じ場所ばかりだと慣れてしまって構えてしまうでしょうから、タイミングを外してみたり、急に責める位置を変えてみたり。
 身動き取れない上に真っ暗で視界も全く無いはずのトランクの中で、どのタイミングで何処をどんな風に弄られるのか分からないまま、僕の悪戯を受け入れ続ける明日菜。
 いくら耐久試験だとは言っても、普通ならこんな過酷そうな明日菜の中の人に対して、同情でもしてしまいそうな気もするのですが、実際に悪戯している僕は、そんな明日菜の中の人に嫉妬心しか抱けませんでした。
 こんなに羨ましく思える状況を、明日菜という可愛らしいお人形さんの中で体験している、見知らぬ誰かがいるんです。
 これを羨ましく思わない人なんて、いないんじゃないの?と思うぐらいでした。

 こうして責める事、15分ぐらい。
 やはり着ぐるみの中に入れる役者さん達と言うのは、想像以上に快感耐性が高いんですね。
 バイブで責められて10分以上耐え続けるなんて、普通じゃ考えられません。
 来る日も来る日も、美少女の中で我慢を続ける仕事ですから、自然と頑張る方法を身につけているのでしょう。
 さすがに僕も疲れてきたので、一旦ピタリと弄るのを止めてしまいます。
 すると、刺激が止まったはずのトランクの中からは、切なそうな長いストロークの呼吸音と共に、未だにガサゴソと、身動きが取れない何かが、それでも必死に動いている音が聞こえてきます。
 散々感じまくり、我慢を続けたのに、ある時から一切刺激がこなくなる。
 想像しただけで切なそうな状況が、今、このトランクの中にあるんです。
 扇風機の風が全く当たらないトランクの中は、恐らく相当な灼熱地獄になっているはずで、トランク下から漏れ出す空気も、熱気と言って良いほど。
 そんな中で、明日菜は笑顔のまま、中にいる誰かの切ない感覚を包み隠してモゾモゾ動いているんですよね。
 本当は明日菜の中の人に対して、相当に意地の悪い行為なはずなのに、そんな行為をした僕自身が、明日菜の状態を想像し、猛烈な嫉妬心に襲われてしまいました。
 責めても止めても羨ましい状況が目の前に存在し、自分は外から想像することしか許されていない、と言う立場の差を見せ付けられているんですから。
 こんな事なら実情なんて知らなきゃ良かったのに、何故か僕が仕事を頑張れば頑張る程、上司達は、徐々に秘密を見せて来ました。
 極秘事項だからと念書まで書かされて、ついつい裏を知りたい興味からここまで来てしまったんです。
 でも、もし過去に戻れるなら、こんな羨ましい思いばっかりするこの仕事を受けず、店内で荷物の整理とかしてた方がよっぽど楽だった気がします。
 ここまで知ってしまうと、正直なところ着ぐるみの中に入れる立場になる方法を知りたい、と思えるのですが、その方法だけは誰に聞いても知らぬ存ぜぬの一点張り。
 どこかでスカウトされると言う噂も聞きましたが、何処で、どんなタイミングなのかもさっぱり分からない、そのスカウトを、こうして羨ましい世界を見せ付けられながら待つのは健康的にも良くない気がするし。
 スカウトだったら、こんな裏方より、店内で頑張ってるほうが目に付きそうだし。
 と、なんかこうネガティブな事ばかり考えてしまう程に羨ましくなってしまうんですよね。
 ただ、今はこうして仕事として試験の手伝いをしている訳ですから、ここで放棄することも出来ません。
 渋々ですが、僕は再びフィギュアを手にして、明日菜への悪戯を開始しました。
 多分、時間にして3分ぐらい休憩してやっと落ち着いた頃の再開だったので、明日菜にも相当に厳しいはずですが、相変わらずロックは外せません。
 これだけ責められてもイカないなんて、やはりプロなんだなぁと思いつつ、早く出てきて欲しい気持ちが強くなっていた為、2種類の器具を同時に両手で使うことにしました。
 フィギュアを寝かせるような状態で床に置いて、両方の器具を使っての責めとなります。
 いくらイライラしているとは言え、力任せに押し付けても、多分それ程効果はありません。
 僕は、悔しいけど、自分がこうされたら多分堪らないだろうな、と言う想像を働かせながら責めました。

 すると、そこから3分後ぐらいに、ついにトランクのロックからカチャリと言う音がしたんです。
 僕は音の聞き間違いかと思ったのですが、チラッと見たらしっかりロックの爪が外れているのが見えました。
 すぐにその場で器具の動作を止め、フィギュアをテーブルに上げると、トランクの蓋をゆっくりと開けました。
 ピリピリとビニールの音がし、スポンジにめり込んだ明日菜が徐々に視界に入ってきます。
 身体を丸めて小さくうずくまる様な姿勢で、こんな小さなトランクに詰め込まれていた明日菜が、ようやくその姿を見せ始めました。
 スポンジの開いた隙間からは、猛烈な熱気が漏れ出しているようです。
 ただ、湿気についてはそれ程感じなかったのは意外でした。でもその理由はすぐに分かりました。
 ビニールが明かりに照らされて、その内側に湿気が含まれているのが良く分かったんです。
 明らかに結露して曇っているんですね。
 熱は漏れても水分はビニールがさえぎっているので、呼吸口付近の水分以外は全て中に留まり、明日菜を包むビニールは、不快指数が相当に高いレベルにあると思えました。
 身体の殆どがトランクから出てきた明日菜は、ゆっくりと動き始めます。
 僕は背中にあるビニールのジッパーを、ゆっくりと開いてあげると、想像した通り、中はサウナのような熱気と湿気が溜まっていて、それが漏れ出して来たんです。
 さっきまで明日菜がいた過酷な空気です。
 こんな苛酷そうな環境にいたのに、既に明日菜は可愛らしく動き始めているんです。
 固定された腕を器用にビニールから引っ張り出すと、そこからは完全に自力でビニール外に出て来ました。
 髪型は、まるで風呂上りのように湿ってぺったりしています。
 水着も水分を吸って色が濃くなっているようです。
 ですが、彼女は深呼吸するわけでもなく、全く平然と、可愛らしく動いています。
 その様子を見た僕は、あの明日菜の中で行われていた真実を全て隠して行動する役者さんに、心底嫉妬しました。
 そんな明日菜は、振り向くと、スタスタと僕に近づきます。
 物凄く至近距離に彼女の顔があり、その可愛い表情にグッと来ながらも、澄んだ瞳の中にある表情を想像してしまいます。
 彼女の中からは僕が丸見えなのに、僕からは彼女は見えても、彼女の中は全く見えないんですよね。
 背の高さから、明日菜は下から見上げるように僕を見つめながら、一方の手をそっと僕の股間に持っていきました。
 あまりに唐突な出来事にびっくりして、思わず腰を引くと、逃がさないように彼女は僕に迫って来ます。
 直ぐに壁際に追いやられ、しっかりと明日菜の手が僕の息子を触って来ました。

「ち・・ちょっと・・・」

 僕が抑止するように言うと、次の瞬間手を離して、ウンウンと頷いています。
 そして、そのまま椅子に腰掛け、テーブルに向かうと、備え付けのメモ帳に何かをサラサラと書いて、僕に手渡してきました。

『何度か出した?』

 そう書かれていました。
 僕は、正直に答えます。

「い・・いや・・したかったけど、したら負けた気がして我慢してた・・・」

 明日菜は僕の返事に再び頷いて、またメモを書いて渡します。

『よしよし。偉い偉い。今もしっかり固いみたいだし、ずっと固いままだったのね?』

 メモを見て、悔しかったけど頷く僕。
 それを見て再びメモを渡す明日菜。

『じゃあ、もう試験は終わりだから、私がしてあげようか?』

「え・・・いや・・さすがにそれは・・・・」

『羨ましくて嫉妬しちゃう?』

「う・・・うん」

『正直でよろしい。じゃあやっぱり私が何とかしてあげるね』

 明日菜はそう言うと席を立ち、僕の目の前でストレッチを始めます。
 ホンの直前まで、ビニールに包まれて、トランクに梱包されていたとは思えないぐらい自然に動いています。
 身体を反らしたりひねったり。
 その度に水着が伸縮し、窮屈そうに突っ張ったり、イヤらしいシワを作っているのが分かります。
 胸の突っ張ってる感じは、そのまま裏への締め付けを想像させますし、腰を回す行為も、隠された物の締め付けが変化している事を想像させます。
 こう言う物を見せつけられているだけで、僕の固さは更に増すばかりでした。
 しばらくストレッチした明日菜は、水着姿のまま、僕ににじり寄り、その手で僕の息子を確認するように触れます。
 僕はベッドに押し倒されるように倒れ込むと、明日菜は積極的にベッドの上に乗り、その手先で僕の息子を弄り始めました。

「く・・・・っ」

 抵抗しようと思ったのですが、その手先が余りにも気持ち良く、頭で抵抗しようとしながらも身体が言う事を利きません。
 散々我慢していた僕には、彼女の手の動きは魔法のような快感を生むんですね。
 ですが、当たり前ですよね。
 明日菜は、実は男性ですから、男のツボは誰よりも分かっているはずです。
 しかも、僕が彼女を見て羨ましく思っている事も想像出来ているはずですから、その容姿を存分に使って僕を誘惑しつつ、責める事で、僕の興奮は何倍にも増してしまうんです。
 手先が巧みに動き、何度か寸止めされながらも、ついに僕は彼女の手で果ててしまうことになりました。

「はぁ、はぁ、はぁ」

 イッた直後の息を整えている僕に、彼女は再びメモを手渡します。

『そのぐらいで息が上がっちゃダメだぞ?私なんて、君のせいでトランクの中で何度も出しちゃってるんだから。あんな狭い場所で何度もイクの、相当苦しいって想像出来るでしょ?』

「い・・・いや、だってそりゃ、明日菜の中に入ってる人は、僕よりずっと耐えられる人なんだし・・・僕はとても無理だし・・」

 メモによる会話は続きます。

『ふーん。じゃあ君は、私たちみたいになってみたくないの?』

「そりゃ・・・なれる物ならなりたいけど、僕にはどうやってなったらいいか分からないし・・・どうせなら裏事情なんて知らなきゃ良かったって思うぐらいだもん・・・」

『そんなこと言っちゃうと後悔しちゃうよ?せっかく裏の世界を知れてるんだよ?』

「知ってる、って言っても中に入ってる人の知っている事と、僕が知ってる事は違うし」

『そう。確かに違うわね。中はね。多分君が想像するよりも、何倍も素敵よ? 今でもホントは疼いて疼いて仕方が無いの。でも全身ピッタリ明日菜が覆って逃がしてくれないから、耐えるしか無いの。水着に締め付けられて感じる経験、してみたいと思うでしょ?』

「だから、出来るんならしてみたいけど、無理だって言ってるじゃん!」

 少し強く言い返す僕。
 その時、部屋のドアが開きました。

「無理って誰が言ったんだ?」

 ドアの方から声がして、振り向くと、部屋に入り込んで来たのは淡路さんでした。

「あ・・淡路さん・・・・」
「だから、誰が無理って言ったんだ?」
「え・・・誰って・・・・」
「誰も無理とは言ってないよな?」
「確かに・・・」
「ちなみに、今日はどういう目的か分かるか?」
「耐久試験・・・ですよね?」
「誰の?」
「あ・・明日菜の・・・」
「誰がそんなことを言ったんだ?」
「だ・・だって明日菜がトランクの中で耐えられる試験じゃ・・・」
「君は試験の趣旨を勘違いしているようだな」

 明日菜は横でウンウンと頷いている。

「え?勘違い??」
「明日菜は既に店で人気者のキャラクターだ。中に入っている人間も、今更この手の耐久試験を受ける必要は無い。実際体力に余裕を残してるのは見て分かるだろ?そもそも最初の段階で、君の目の前でトランクのロックを外して見せただろ?あんなに短時間に二回も連続でイケる訳が無い事に気付かなかったのか??」
「あっ・・・・・・・確かに・・・」

 言われてみれば確かにそうだ。
 あんなに短時間にロックを外したのに、今回提示されたロック解除のルールを不思議に思わなかった自分に驚く。
 恐らく目の前でこんな状況を見せつけられて、冷静な思考が出来なくなっていたのだ。

「でも、じゃあ誰の試験なんですか・・・」
「まだ分かんないのか?君だよ」
「え?ぼ・・僕?」
「そうだ。君がトランクを運んでここで解錠するまでの様子はずっとモニターしていた。途中で放棄したり、我慢出来ずに自慰行為に走るようなら不合格。だが君は、目の前に梱包された明日菜に羨ましさを覚えつつ、最後まで仕事を全うした」

 再び頷いている明日菜。

「やったら負けだと思ったから・・・」
「そうそう。そう言う負けん気は大事だ。それと我慢する行為も必要になる」
「我慢する行為が必要?」
「そうだ。今後はもっとイキたくてもイケ無い時間を過ごす事になるからな」
「そ・・それはどういう意味?」
「察しが悪いな。この試験は君の頑張りを見る試験だったんだ。そして、君は合格だ。数日以内に正式に案内が来るはずだが、君は明日以降、部署が変わる」
「部署・・・どの部署でしょうか?」
「決まってるだろ。君は今後、みんなの前ではその姿でいる事は無い。君は異なる性別を表現する人材になるんだ」
「そ・・それって・・・」
「そう言う事だ。君には役者を目指して最終段階となる訓練センターに通って貰う。そして、しかるべき訓練をパスして、店内でキャラクター演者として働いて貰う事になる。嫌なら断れるが、一旦断ると、次のチャンスはなかなか回ってこない。何しろ君同様、中に憧れる人は多いからな」

 明日菜は、いつの間にか書いてあったメモを手渡す。

『そうそう。君も早く私たちのようになりなよ。水着越しの空気、吸ってみたいと思うでしょ?とっても興奮する素敵な香りなのよ?』

 そのメモを見てチラリと水着の股間に目線を送る。
 確かに水着に覆われている場所から、明日菜の中の人は呼吸を続けているんです。
 僕が明日菜の股間の香りを嗅いだら、それこそタダの変態です。
 ですが、明日菜の中の人は、その状況をずっと体験し続けているんです。そんな羨ましい世界を、自分でも体験できるかも知れないと言うのです。
 しばし言葉を失いながらも、僕はその状況を受け入れ、淡路さんに承諾の返事をしていました。

 その数日後。僕の元に、訓練センター長から連絡が入りました。
 結果は合格です。翌日以降、僕の勤務地は訓練センターになるとの事でした。

 そしてそれから約1年が経過しました。
 今の僕は、研修センターにいて、実はスクール水着を着た美少女「セシル」の中にいます。
 金髪美人で、グラマラスな女の子。可愛いので不思議の国のアリスの衣装なんかも似合うのですが、そのスタイルの良さを利用してタイトなスーツなんかも好んで着ます。
 既にショップ内では人気のキャラクターの1人になっていて、毎日違った衣装を纏って何度もセシルの中に出しながら演技してます。
 そして、今着ているスクール水着のサイズは、身体より小さめでピチピチしてて、セシルの身体の上から纏うと相当に締め付けが気持ちいいんです。
 では、なんでスクール水着なのか。
 実は僕、これからビニールに入れられて、トランクに梱包されるんです。
 丁度1年ぐらい前に、僕が体験した、あの耐久試験を、実は僕の後輩の倉田君が受けるんです。
 倉田君も、僕がセシルだとは知りませんが、セシルの水着姿に既に目が泳いじゃってます。
 そうそう。
 後から知った事実ですが、ロックの解除装置は、実はマスクの中にあり、口の先で操作出来るんです。
 あの時、僕はすっかり騙されていたんですが、明日菜は別にイク必要も無く、トランクから出たければ中の人の口先の操作で簡単にロック解除出来たんだそうです。
 つまり、僕の悪戯をトランクの中で楽しむだけ楽しんで、僕を疼かせて楽しんでいただけだったんです。
 今ではすっかり仲良しな明日菜の中の人に、あの時の事を聞いたら、相当気持ち良かったからもう一回出すまでトランクから出てくるのやめようかと思ったぐらいだったそうです。
 ただ、僕が意地になってるのが分かったらしく、可愛そうだったので2度目で出て来たとの事でした。
 ちなみにあの日は、トランクに詰め込まれて出てくるまでに、5回も出してたそうですが、それでもトランクから出てきた時にはカッチカチだったそうで、もう一度楽屋で楽しんだそうです。
 と言う訳でマスクの中にはしっかりロック解除センサーも装備したので、トランクの中からはいつでも出られる安心感もありますし、むしろあの時の明日菜の頑張りを見てますので、明日菜以上に頑張って、倉田君が興奮して嫉妬する様子を楽しむつもりでいます。
 倉田君にはせいぜい僕のセシルを苛めて、僕のことを気持ち良くして貰いましょうね。
 と、無駄な考え事をしていたら、マネージャーさんに呼ばれました。
 ここからは僕はセシルです。
 いよいよ出番ですから行って来ますね。
 皆さんはトランクの外から眺めて、中を想像してて下さいね。
 中の様子は、気が向いたら教えてあげようかと思いますが、しばらくは僕だけの秘密にしたいと思います。
 ではでは。


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