天使のドレス-悩ましきドレス編(前編) [戻る]
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僕の名前は栗田庄司。ホビー21と言う総合ホビーショップで働いている役者です。
役者と言っても、着ぐるみの中に入ってそのキャラクターを演じる、スーツアクターなんですけど、このお店の着ぐるみは非常に特殊で、中の人が僕のような男性なのに、見た目は可愛らしい女の子ばかりなんですね。
女の子に変身するのは、凄く興奮するんですけど、それ以上に、このホビー21の着ぐるみは、中に入るととても苦しくて切なくて気持ちよくて、この環境に耐えられる人間にとっては、最高の仕事といえます。
多分皆さんご存じでしょうけど、身体が縮んだり、呼吸や放熱をサポートする代わりに、中の人が絶えず気持ちよくなりながら、股間からの空気を呼吸して演技を続けるんですね。
初めてその真実を知った時には僕もとても驚きましたけど、今では取っても着心地がエッチで苦しい衣装を着こなしながら可愛いキャラクターを演じて、お客さんの前で人知れず興奮し続けて、誰にも分からないようにイクのが大好きです。
綺麗な女性と握手しながらイク時の興奮は、言葉では言い表せない程です。

そんな僕が、今ではミリアという天使のお姫様を演じる立場になりました。
ミリアは今では店内でとても注目される着ぐるみの一つで、演じる僕も、大変な優越感を覚えます。
なにしろ選抜されたのはミリア役に僕一人。その容姿と衣装から、中は苦しいと言うことは、他の役者さん達にも知れていますから、そう言う中を独り占めできるのは、役者として一つの優越感を覚えられるんですね。
特に選ばれた頃は、みんな色々と知りたがっていたのですが、秘密を抱える事もまたここの演者としての楽しみの一つですから、役者仲間の友達には、真実は殆ど隠してちょっとだけ教えてあげる感じを続けていました。

ただ、ある時を境に、その優越感がちょっとだけ減ってしまったんですけどね。
いや、今でも他の役者さん達には優越感を持っているんです。
演技しながら、内心は、他のキャラクター達に、

「ほら、羨ましいでしょ?こんな苦しそうなドレスに身を包んでみたいでしょ?実際ホントにツヤツヤのサテンに遮られて締め付けられて擦られるって、とってもとっても苦しいし気持ちいいんだよ?スカートの中に充満する、パニエやスカートの、タイツや下着の香りがどんなに素敵か知りたいでしょ?でも教えてあげないんだよね。だってほら、僕はミリアというお人形さんで、お人形さんは衣装の着心地とかスカートの中の空気なんて気にならないんだもん。」

なんて思ってるんです。
ただ、その優越感を持てない相手がたった1人いる事に気付いたんです。それ以来、その人が羨ましくて羨ましくて。

あれは、今から3ヶ月以上前の事でした。
ミリアの企画を立ち上げた添田さんと言う人に、6人の役者さんが呼び出されたんですね。
役者さんはベテランが多く、みんな最上級に苦しい着ぐるみを普段着ている人たちばかりでした。
もちろん僕もそんな1人。僕が専属で担当していたのはファッションリーダー的な存在の今風の女の子。ですからいろいろな衣装を着こなす関係で、衣装によっては非常に着心地が苦しい物があるんですけど、それでもかっこよく着こなすのが楽しくて仕方なかったんです。
ピッタリしたホットパンツにタイツの組み合わせとか、最近流行のマキシ丈のワンピースとか、ホントに苦しい衣装が流行る度に、うれし涙を堪えながら籠もった空気を吸い続けて、可愛らしくキャラクターを存在させていました。

そんな僕も含めた6人が呼ばれたのは、色々とテストをするからだと言います。
テストと言っても実際には何かされるわけではなく、着ぐるみに色々計測装備を施して、しばらくモニターすると言うのです。
つまり、演技中に僕らが実際にどういう状況なのかを調べているんでしょうね。
相当気持ちよくて我慢している、とか、意外と感じていない、とか、その辺の感じ方の違いを調べていると言う感じでしょうか。

こう言うテストがしばらく続いて、ある日突然僕が呼ばれ、ミリアに選抜されました。
企画段階で凄く苦しいドレスを着る話をされていたので、ミリアに選ばれた時には、その話を聞いただけで勃ってしまったぐらい興奮しました。
イラストでしか見ていませんでしたが、そのドレスに何度も苦しめられる事を想像しただけで、オカズになると言えましたから。
元々豪華絢爛なドレスと言うのは、役者さんへの負荷が高い衣装の一つでしたし、僕も何度もそう言う衣装を着て演技をした事がありました。
ですから、イラストを見ただけで、この衣装を着続けて演じるミリアの中を想像して、勃ってしまったんですね。
そんな僕を更に興奮させる話がありました。
なんと、このドレスは、羽が自分の意思を持っているかのように自然に動くと言うのです。
ドレスのイラストには、大きな羽が背中に4枚。胸にはリボンのように羽が付いています。この羽が僕の操作ではなく勝手に動くというのですから、きっとドレスにかかる負荷も考えたら、想像するだけで気持ちよくなってしまいそうな装備だと言えました。

添田さんはミリアのデザインコンセプトも色々と話してくれました。
基本的には天使のお姫様と言うことで、美しくて可憐でお淑やかな感じを考えているようです。
つまりあんまり激しく元気に動き回る感じではないのですね。
あんまり激しく動き回れないと言うことは、気持ちよくなってしまってもあんまり誤魔化しの動きが出来ないと言う事でもあります。
僕はミリアの中で、お淑やかで可憐な態度のまま、お客さん達の前で何度もイク事になるわけです。
そう言う妄想がぐるぐるする中で、数日後には既にミリアのボディーは出来上がっていて、試着も済ませる事になります。
ドレスについては添田さんの説明によると、色々準備があって今日には間に合わないらしいのですが、もう少ししたら見せられるとの事で、まずはミリアに入り、普通のドレスを着ての練習を始めました。
ロングスカートのドレスは、ホビー21の店内に何人かいるお姫様の物を使いましたが、そういうドレスを着るキャラクターを演じる役者さんは、相当に苦しい時間に耐えられる人が選ばれています。
僕も何体かそう言うお姫様を担当した事があるのですが、どれもそれぞれ苦しくて、衣装を着る前からその衣装を見ただけで興奮してしまうぐらいにいやらしい物に見えてしまいました。
今回のテストでは、自分のキャラクターではなく、他の人が演じるキャラクターのドレスを選んできたようですが、それはミリアの身体のサイズが近いからとの事でした。
僕自身も気になるキャラクターだったお姫様の着ていた衣装です。
この衣装もまた全身を布が覆うタイプなのですが、凄く気になっていたのは、胸にかかる力です。背中に大きなリボンがあって、そのリボンの一部が、脇の下を通り、胸に付いている飾りを利用して固定されているんです。
よく見ると分かるのですが、背中のリボンが重みで揺れると、その脇の下のリボンを引っぱったり緩めたりして、最後は胸に圧力がかかったり緩んだりするんですね。
凄く着心地が気になっていたのですが、こうして実際に体験する事が出来ました。
そしてその体験は、余りにも素敵でした。
このドレスを着ていつも店内で楽しそうにしている姫を見ると、今後は今まで以上に羨ましく思ってしまいそうなぐらい。
背中のリボンの揺れが、胸に伝わるって、こんなにエッチな感覚なんですね。
背中のリボンの揺れは自分の意思ではコントロール出来ません。歩くだけで揺れますから。
それが胸に伝わって、歩くだけで胸が素敵なマッサージを受ける事になります。もちろん僕の固くなった物にもその感触は絶えず伝わります。
サテンの生地で包まれた上から優しくマッサージされる感覚が、どれほど気持ちいいか想像出来るでしょうか?
思わず背中に手を回して揺れを止めたくなる衝動に駆られるぐらい気持ちがいいのですが、もちろんお姫様がそんな事を気にするわけには行きませんから、僕は必死に快感を押し殺して綺麗で可憐な姫になるんです。
そんな苦しい衣装でしたが、このドレスが選ばれたのには理由がありました。
ミリアが着る事になる天使の羽の生えたドレスは、このドレス以上に胸にかかる負荷が大きかったんです。

何日か後に、ミリアの着る事になるドレスの準備が出来たとの話を聞き、指定されたサテンの下着とブラに、白いヒールを履いて、研修ルームに行きます。
研修ルームでは、添田さんの他に、鮫島さんと言う偉い人も来てて、実は彼らも役者さんでもあるのですが普段は、新規の企画、開発や、マネージメントをこなしていて、たまに着ぐるみの中に入るらしいです。
研修ルームには段ボールの箱もおかれていて、一目見てこの箱にドレスが入っているのが想像出来ました。

実際に、ドレスはその箱に入っていて、箱から取り出されたドレスを着る事になるのですが、今までテストで着ていたドレスが可愛く思える程の重装備。
グローブまで繋がっているドレスと言うのは体験した事がありましたが、タイツまで一体型というのは初めてで、さながら着ぐるみに入り込む感覚で、このドレスを着る事になりました。
ドレスの構造としては、サテンで出来たハイネックレオタードのボディーに、パフスリーブの袖とロンググローブを縫い付けて、ウエストから下にタイツを付けて、その上からふわふわのシフォンパニエを付けて、最後に綺麗なスカートを覆う感じですね。これが一体構造になっています。
もちろん背中には大きな羽が左右に2枚ずつ。合計4枚。胸にも左右に1枚ずつ。合計2枚。全部で6枚の羽が付いていました。
ドレスを着て、背中のファスナーを締め上げると、ミリアの身体は全身をドレスのサテンの生地でピッチピチに締め付けられるようになります。
普通のドレスなら上半身はピッチピチになっても、下半身はフワフワのパニエのせいでそんなに窮屈感はないんですが、サテンで出来たレオタードのボディーのせいで、股間までピッチリ。そのせいもあってなのか、立ったりしゃがんだりするだけで、股間の食い込み感が増したり緩んだりと、ホントに気持ちいいんです。
子供達の相手をするためにしゃがんだりする時は気を抜くと気持ちよくなりすぎてしまいそうなぐらいです。
それと、サテンの下着の上からサテンのレオタードを被せている関係だからなのか、息苦しさはこのタイプのドレスとしては群を抜く物でした。
普通、じわじわと空気がスカートの中に籠もって、そうなったらスカートの中の空気が入れ替わりにくくなって苦しいのですが、一旦空気が入れ替わってからしばらくはスカートの中に充満する空気がある程度新鮮なので、楽な事もあるんです。
ですが、2重のサテンで覆われている股間のせいで、もともと空気が入り込みにくくなってるんで、いつもの倍ぐらいのスピードで苦しくなっている感覚がありました。
もちろんそんなピチピチに布が覆う下半身の上からはフワフワのパニエとスカートが覆っていますから、そのサワサワのパニエの感触が、ピッタリしたレオタードの上を擦る感覚も伝わりますから、スカートの揺れも猛烈に気持ちよく変化するんてすね。
肩もパフスリーブといいながら、そのふわっと膨らんだ袖の内側は普通にタイトな袖なので、腕の動きはドレスを引っぱり胸への圧力を変化させるし、当然大きな羽は、動いていなくても重さで胸やウエストへの締め付け感を変化させてくれます。
こんなに綺麗なのに、こんなにいやらしいドレスが存在してもいいのかと思える程、着ている僕を悩ませる事になるのですが、そんなドレスを着て天使を演じられる事にはゾクゾクしていました。

そしていよいよ羽を動かす事になります。
お客さん達は、羽を僕が動かしていると思っているか、リモコン操作で動かしていると思っているみたいですが、この羽は、本当に自律して動いています。
いわばドレスが人の言葉を理解して動かしている、といえます。
まぁこれにはもちろんタネがあるのですが、そのタネが分かるまでは、僕自身も、どういう仕組みでこの羽が動くのかは分からないまま、でもその羽の余りにも気持ちのいい動きに、涙を浮かべながら演じる事になっていました。
添田さんや鮫島さんの指示で羽が動くと、その動きによって胸にかかるテンションが変化し、本当に胸がマッサージされているかのような錯覚を覚えます。
テストで着たドレスのように重さや慣性によって動きが変化する感じではなく、どんな体勢だろうと指示があれば動くのもまた悩ましく思いました。
胸にピッタリフィットしたドレスの生地がじわじわと締め付けを増したり緩めたりするその感覚の気持ちの良さは、演技をやめたくなる程。
でも僕は天使です。頑張って天使を演じなくちゃ、と、歯を食いしばってミリアを存在させてあげます。

特に苦しかったのは胸の羽。背中の羽は大きくゆっくり締め付け感が変化するのに対して、この胸の羽は、直接胸を擦るように動くため、胸が揺れると同時にサテンの上から羽毛で撫でられる感覚が伝わり、初めて体験した時は、その快感から逃れたくて、思わず手で胸を覆ってしまいました。
その時添田さんは、動きの止まった羽を見てこう言ったんですね。

「そっか。でも大丈夫みたいだから、もう少し頑張ってくれる?」

大丈夫かどうかは僕が決める事なのに、何故か羽を見て決めたんです。
その後も何度か、添田さんや鮫島さんは、僕ではなくドレスを意識してる感じはありましたので不思議には感じたんですが、それでも僕はこのドレスを着こなす事に全力を尽くしました。
こうして努力の結果、この甘くて切なくて苦しいドレスを、天使の姫として着続ける事が出来るようになり、無事にお店でデビューになったんですね。

デビューする前も練習で相当に着こなすのは苦労しましたが、デビューしてからは更に大変でした。
お客さんがおもしろがって羽を動かす指示をするんで、その声に合わせて羽がヒラヒラ動く事になりますから。
もちろん練習で添田さんや鮫島さんの声による羽の動きは何度も繰り返し体験しましたけど、お客さんのランダムな声に対しての反応は、体験して分かった苦しさでした。そんなタイミングでそんな指示出さないでよ、と言いたくなるような苦しい世界。
スカートの中に溜まる蒸した空気も、この手のドレスの倍ぐらい早く苦しくなっていくのを感じます。
苦しくてもスカートをめくったり激しく動いてスカートを揺らして空気を入れ換える事も出来ず、僕の顔のほんの数センチ先に存在するはずの新鮮な空気を吸う事は許されない時間が、演技中はずっと続く事になります。
いたずらする子供が、たまにスカートをめくる行為に及ぶと、本来はスカートをめくられて空気を入れ換えたい衝動にも駆られるのですが、そこはお淑やかにスカートを押さえて子供にダメダメと教えてあげるんです。
内心、そのスカートを押さえる手がどれほどスカートをめくりたがっているかなんて、多分周りのお客さんは気付かないはずですが、そのギャップとも言える状態に更に興奮を覚えてしまいます。

そうそう。
このドレスの不思議な事がもう一つあったんです。
苦しくて気持ちよくて僕自身がどんどん固くなっていくと、股間にフィットしたドレスのボディーになるレオタードの布が食い込むように固くフィットしてくる感じがするんですね。
僕が興奮している為に感じる錯覚だと思っていたんですが、とにかく興奮状態になるとどんどん股間が硬く締め付けられる感じになるんで、さらに気持ちよくなってしまいます。
緩めたくてもスカートの中の事なので手を出すわけにもいかず、股の間に挟まっている布の事ですから、ふとももを擦り合わせるようにして、なんとか股の間の布を緩める努力をするんですが、それをそればする程締め付けが増していく感じに悩む事になりました。

ウエストもピッチピチに締め付けられているので、呼吸の度にシワが変化して、それもまたじわじわと僕を気持ちよくしてくれるのですが、その興奮も股間の布を締め付けている気すらしました。

普通のドレスであれば僕の興奮に連動して締め付けが増すなんてあり得ないと思ったのですが、このドレスは、人の言葉に反応する羽が装備されています。
多分今までに無い素材で作られているので、もしかすると演じている僕の興奮度に反応して生地の締め付けが変化すると言う仕組みもあるのかもしれない、と思っていました。

そう。その時までは、です。

イベントデビューして何週間か経過した日の事。その日の僕は仕事は入っていなかったのですが、ちょっと体調もよかったので、練習でもしようかとホビー21の着ぐるみスタッフ専用のエリアにいました。
本番の日、以外は、事前申請していないとあのドレスは用意されていないのですが、まぁミリアに入ってある程度ボリュームのあるドレスを着て半日過ごすと、それだけでも結構な練習にはなりますので、たまに暇を見つけてミリアに入って練習しているんです。

着ぐるみ専用のエリアで仕事待ちしている知り合いの着ぐるみを見つけては、胸を弄って遊んでみたり、ショートパンツの着ぐるみのお尻の辺りをクイッとつまんで引っぱって、彼女の股間を虐めて遊んでみたりもしましたが、みんな平気な顔で対応するんですよね。
ホントは苦しいはずだし、もしかしたらイッてるかもしれないのですが、そう言う状況にあっても、着ぐるみ達は可愛く優しく元気に、態度の変化無く存在します。
僕もこんな彼女たちに負けないぐらい、着ぐるみに入れば裏を隠し続ける自信があるのですが、素で着ぐるみ相手にこう言う意地悪をすると、むしろ自分の方が羨ましくなってしまうんですよね。
僕のした事が、きっと彼女たちの中を素敵な空間に変えているはずなのに、僕には可愛い女の子のお人形にしか見えない、と言うのは、裏側にいる人にとても嫉妬を覚えるんです。
もちろん僕も気ぐるみの中に入っている状態で、楽屋で素の役者さんと擦れ違う時には、たまにその役者さんに悪戯される事もあります。
特に友達だったりすると悪戯は執拗なんですが、そんな状況で可愛らしく振舞っていると、僕がイクよりも先に、友達のほうが大きくなっちゃうこともしばしば。
僕も気ぐるみの中で必死に出そうなものを我慢してるので、物凄く気持ち良くなってしまっているんですがそれを悟られないように我慢しているのが、さらに興奮するんですよね。
もちろん友達も役者ですから、裏事情をある程度知っているので、そのかわいい僕の動きの裏で、僕がどのぐらい苦しい時間に耐えているかを想像しているはずです。
こういう、周りから想像されてる時間て、ほんとに興奮できるんですけど、逆に知り合いが入ってる友達の頑張ってる姿を見せ付けられると僕も悔しくなってしまうし、僕も早く中に入りたくなってしまうんですよね。

こうして結構広い専用エリアを自分の個室目指して歩いていると、研修ルームに、添田さんと共に入っていく一人の役者さんを見つけました。
その役者さんは、ミリアの役の選抜メンバーの中にいた一人。楠さんと言う方でした。
その時は特に不自然な様子はなくて、まぁ何かの打ち合わせだろうと思ったのですが、楠さんは、僕以上に快感や息苦しさに対する耐性が強いという話を聞いていたので、僕自身もてっきりミリアの役は楠さんになるだろうと思っていた所、僕がミリアに選ばれてちょっとびっくりしたぐらいだったんです。
僕も早々苦しい気ぐるみには入れる自信はありましたし、こうしてミリアに入れる事になったのは嬉しかったのですが、ちょっとだけ楠さんには申し訳ないって気がしていたんですよね。順当なら楠さんがミリアだった気がするんですから。
ただ、こうして添田さんと共に研修ルームに入っていく様子を見ると、もしかすると新しい役を貰った、ということなのかもしれません。
ミリアは最状況に苦しい着ぐるみですが、楠さんが今、こうして添田さんと共に研修ルームに入っていったところを見て、ついつい、もし新しい着ぐるみが登場して、それが楠さんの操演によるものになるのであれば、ミリア以上に苦しそうな着ぐるみになる気がしてなりませんでした。
だから僕は、もし本当に僕の推測が正しいのであれば、この研修ルームの中で行われている会話を聞いてみたくなってしまったんです。

ただ、研修ルームは完全防音構造の部屋で、部屋の中に入らない限り中の声は聞こえませんし、中を覗けるような隙間もありません。
知りたくても知れないんですね。
まるで着ぐるみみたいだなぁ、なんて話を役者たちの中でもよく話しています。

研修ルームに後ろ髪を引かれていると、通路の向こうから新たな着ぐるみがやって来ました。
鈴音という名前の着ぐるみで、女子高校生の4人組アイドルグループとして、今、店で売り出し中なんです。
基本的には学生服ですから、衣装はそんなに苦しくはないのでしょうが、ダンスも歌もこなすし、楽器もできると言うグループで、かなりファンは多いんです。
その中でも鈴音はクールビューティー担当。
黒髪のロングストレートに、青い髪飾りを付けているのがトレードマークで、ちょっと古風な雰囲気を持った美人です。スタイルは4人の中で最もよくて、胸は95センチある巨乳ちゃん。ウエストとの落差も40センチ近くあるので、その胸の窮屈そうな感じと、くびれたウエストを強調するために、当然ですが、衣装は彼女を採寸して作られています。
白い学生服に赤いタイ、黒地に白いラインのプリーツスカート、そして黒いスクールタイツも履いています。
制服はブレザータイプの冬服で、夏でもジャケットとタイツは欠かさないので、その点はかなり蒸し風呂らしいです。
特に彼女はタイツを脱ぐことはほとんどない設定なので相当蒸れるという話を聞きました。
他の3人は、ニーソックスや、普通のソックスなので、股間を塞ぐ物はパンティーだけなのですが、鈴音だけは、タイツも覆うから苦しいんですね。
もちろん中は知り合いの男の子で、プリーツスカートの揺れでヒダヒダが固くなっている物の上を優しく撫でる感覚が相当苦しいって話をして愚痴ってました。
歩くだけでこの手のスカートは揺れますから、ああして、こっちに向かって歩いてくるだけで実は相当に気持ちよくなっているはずなんですね。
そんな鈴音が近づいてきて、僕を発見します。
知り合いに聞いたら結構視界は悪いらしく、しかもこの廊下はそんなに明るくないので、近くまで僕に気づかなかったみたいですね。
でも、そういう不自由な感じがまた、着ぐるみの中にいる人、を想像して羨ましくなってしまうんです。

僕を見つけた鈴音は楽しそうに近づくと、僕の手を掴んでスカートの中へ。
自分の空気がどれほど蒸れているかを僕に見せ付けたかったんでしょうね。
彼女達のグループは、さっきまで激しいダンスをしていたはずですから、今も相当苦しいと思うのですが、この美しい表情からは中の苦しさは全く伝わって来ないんです。
僕も、調子に乗って股間の柔らかい部分を弄ってあげると、すごく切なそうに吐息を漏らすのですが、もちろん彼女の態度は変化しません。
指先でつんつんしてあげたり、つつーーーってなぞってあげたり、もう一方の手でジャケットの上から大きな胸を突いて見たり。
それが中にどう伝わるのかが想像できるだけにとっても切ないのですが、彼女達は今まで頑張り続けていたわけですから、こうして楽屋に戻って、今まで溜まりまくっている分を処理したいという気持ちもわかるので、羨ましいと思いつつ、僕もこうして相手をしてあげるんです。
もちろん、僕が着ぐるみに入っている時に彼女の中の人が素で、こういう状況になら、僕の入る着ぐるみを虐めてくれたりもしますしね。
そのあたりは暗黙の了解と、マナーみたいなものと言う感じですかね。

こうしてしばらくじゃれ付いていたら、後ろのほうでドアの開く音がします。
ふと振り返ると研修ルームから添田さんが出てきているところでした。
添田さんは研修ルームから出ると、廊下の向こう側に向かって急ぐようにツカツカと移動して行きました。
急いでいるようで、割と近くにいたはずの僕らの存在には気づかなかったみたいですね。

ですが、とある疑問が思い浮かびました。
添田さんと共に部屋に入っていったはずの楠さんが出てきません。
急いで添田さんが出てきたところを見ると、何か忘れ物でしょうか?とすると今は部屋の中には楠さんだけという事になりますね。
もし部屋に楠さんだけであれば、楠さんも暇を持て余しているかもしれません。
2人で部屋の中にいるときは、おそらく部屋に鍵をかけていたはずなのですが、今は添田さんが出て行った後ですので、添田さんが戻ってくるまで鍵はかからないでしょう。
つまり、今なら部屋には入れるんですね。
部屋にはもしかしたら新しく楠さんが入る着ぐるみがあるのかもしれませんし、場合によっては楠さんは今、その着ぐるみに入ってて、添田さんは衣装等の忘れ物を取りに行ってるのかもしれません。
と考えると、今部屋に入れば、その新しい着ぐるみをいち早く見ることが出来る可能性があるって事です。
部屋には間違って入った、と言う言い訳をすれば、鍵がかかっていない部屋なら文句は言われないはずです。
そう考えた僕は、鈴音とお別れをして、そっと部屋を覗いて見ることにしました。


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