天使のドレス-美しきドレス編(前編) [戻る]
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ここホビー21は、日本最大の超大型ホビーショップです。

述べ床面積は日本最大のテーマパークを大きく上回るほどの巨大施設で、ホビーと名前がつくありとあらゆる物がテーマ毎に展示、販売されています。
その中の一施設にはアニメや漫画をテーマにしたエリアがあります。
取り扱いアイテム数は、かつて日本のサブカルチャーの聖地とされた秋葉原中で扱っていた総アイテム数の数倍の量を誇り、ここで手に入らないものはない、とされる程に豊富な商品数とレアアイテムを取り扱っていることで有名なのです。

そんなエリアでは、アニメや漫画のキャラクター、あるいはそれに類するアニメ調の容姿を持つ着ぐるみがいます。
この着ぐるみ達は、遊園地やデパートにいる着ぐるみとは異なり、全身つなぎ目らしいものは見当たらないゴムのような特殊な素材で作られた、非常にリアルな着ぐるみでした。
その可愛らしい容姿は、動くフィギュアそのものと言える程で、スタイルも良く、大変魅力的なため、ファンも多くいます。
ただ、そのファンの中の一部には、ちょっと特殊な視点の人達もいるんですね。
特殊な視点とは、着ぐるみの構造と中の人を気にする視点、と言うことです。つまり、表面を布ではなくゴムのような素材で全身を隙間なく覆われながら、可愛らしい女の子を演じる中の人を気にしているのです。
出入り口らしい隙間やつなぎ目、ファスナーの見当たらないその着ぐるみに、いったいどうやって入り、隙間の見えないその顔のどこから呼吸をし、どうやって外を見ているのか。
水着になってもスタイルに破綻のないそのボディーラインから、中にいるであろう女性はきっと相当にスタイルがいいはずだと推測されています。
そんなゴムのような素材に覆われていることから、きっと中は汗だくのはずですし、見た目から見て、相当に呼吸は苦しいはずです。
そういう環境で、全身を覆われながら可愛らしいキャラクターを演じ続ける中の人、に非常に興味を持っている人達ということです。

ただ、そう言うファン達の知らない真実が、この着ぐるみには隠されています。
そう。この着ぐるみの中に入り、演じている演者達の多くは、ごくごく普通の男性達なのです。
一部に女性の操演者もいますが、体力が必要なこの着ぐるみの中には、主に男性が入るのです。また、体力以外にも女性が入りにくいハードルがあります。
実は、この特殊な着ぐるみに入るには、かなり恥ずかしい快感を感じ続けながら、キャラクターを演じる必要があるのです。
この感覚に嫌悪せずに演技を出来る人は、たいてい男性なので、必然的に男性が中に入ることが多くなります。

では、なぜ恥ずかしい快感を感じ続ける必要があるのでしょうか?
実は、この着ぐるみのボディーはゴムに似ているのですが、ゴムではなく特殊な素材で出来ています。この素材は、内部に篭った熱や湿気を表面から外部に放出する機能や、スーツ内に特殊な電磁波を与えることで、中にいる人間の細胞に作用し、細胞の機能をまったく損なうことなく、細胞を狙ったサイズに伸縮することが可能になります。
つまり、この細胞を補正する機能のおかげで、中の人が男性であっても、見事に女性のスタイルに化けられるのです。
ただし、これらの機能を実現するには中の人が興奮状態を維持する必要があるのです。
そこで、股間に設けられたパッドを通して、絶えず中の人間に快感を与え続け、中の人間を、着ぐるみのスーツが持つコンピュータが監視し、イキそうになると刺激を緩め、落ち着くと刺激を強めるように制御して、イク寸前の一番興奮する状態を維持させ続けることになります。
刺激は、着ぐるみの表面に埋められた各種触感センサーからの情報を元に生み出されます。
着ぐるみのボディーの股間、下腹部、ウエスト、胸、首、腕、手首、太もも、ふくらはぎ、足首等に埋められたセンサーは、その各部のゆれ、締め付け、こすれを中に伝えます。
たとえば胸。胸を揉まれるとそのまま中の人の大事なものを揉む感触が伝わります。股間のパッドは、穴の中に物を挿入する仕組み(女性用は逆に女性の穴に棒を挿入)で、その穴の中には非常に細やかに動く人口筋肉繊維が敷き詰められ、ミクロン単位の動作を行うことになります。胸の揺れはそのまま、中の人のものを揺らし、握られればギュッと中のものを握られる感触が伝わり、乳首をいじられると中のものの先端を弄られる。ブラをすれば締め付けが伝わり、しかもその布の素材感までも伝わってきます。
表面の布の感触が伝わる仕組みは、着ぐるみの内部の熱を放熱する仕組みを利用しています。赤外線等により放熱されるのですが、遮る布の反射をボディーが感じ取ることで、内部にその布の種類や厚みを伝えるのですが、反射によって得られる刺激のため、シワ等の動きもかなりはっきりとトレースします。
たとえば小さめのTシャツを着たとき、胸と胸の頂点を結んでピーンとシャツの布が引っ張られ、胸の下や、上、脇に布の引っ張られた結果、シワガが出来るのですが、そのシワが、胸の揺れや腕の動きに合わせて変化すると、中にいる人の物を、まるで筆先がなぞるように、シワの動きとなって刺激します。
放熱する赤外線が届く範囲の布であれば変化をつかめるので、たとえばブラの上からTシャツを着る場合などは、ブラの感触とともにTシャツの感触も伝わりますし、その上からジャケットを羽織ってボタンを留めたら、その羽織ったジャケットが胸を締め付ける感触までもしっかり伝わることになります。身体から遠いほど感覚は緩くなるとは言え、何枚か重ねて着た衣装の、そのほとんどの布の感触は、絶えず中の人に伝わることになります。

こういう感触が胸だけではなく、ウエストや股間をはじめ、センサーの埋められた身体の各所から伝わり、そのとき一番刺激を得やすい部分や、中の人が感じると興奮しやすい部分をコンピュータが選択肢、その都度何箇所かからの感触を伝え続けるのです。
立ってお客さんと握手しているときは腕の動きから胸が揺れて、胸の刺激が強かったとしても、歩き出すと、今度は股間の下着やタイツの布のフィット感が変化し、詩話を作り刺激が強まりますし、同時に歩きながら胸が揺れれば、その揺れも感じたりします。
何処が感じるかは、コンピュータの選択と中の人の興奮しやすい場所なので、一概には言えませんが、そこに着ぐるみがいるとき、ただ座っているだけであっても、ほぼ確実に身体のどこかから刺激を受けて、中の人は興奮しているのです。

ただ、興奮状態を維持するだけでなかなかイカせてはもらえません。中の人が興奮できなくなると着ぐるみの機能を維持できなくなるので、興奮状態を極力保つんです。
果てても30分程度で回復出来るうちはいいのですが、男性の場合、イキ過ぎると回復できなくなりますので、感覚を調整してなかなか出せない仕組みになってます。
それでも、イクことはあります。
その一つが、不可抗力によって予想外の刺激が伝わり、コンピュータの制御が間に合わないケースです。
たとえばプリーツスカート。中の男性は、固くなったものを着ぐるみの中で上向きに固定しています。つまり下腹部に、上に向かってそそり立った状態にあるのです。
細胞補正のおかげで、水着になっても膨らみはまったく見えないのですが、確実にそこには存在し、その上を優しく撫でられただけでもかなり気持ちが良くなります。
なにしろ裏スジ側が表に向いているわけです。そこを優しく撫でられたら相当に気持ちがいいことは創造できますよね?
そんな状態で、プリーツスカートが突然風になびいて、その風が強かったとしたら、急に撫でられる強さが変化してしまうことになります。
変化量が想定の範囲であれば、コンピュータが判断して刺激を弱めるわけですが、そのスピードよりも早く変化した場合、制御が間に合わず、そのまま強まった感覚が伝わり、果ててしまうのです。
こういう突然の刺激の変化に、たまたま興奮がピークというタイミングが重なると、中の人は最後まで果ててしまうことが多々あります。
そして、もう一つのケースは、着ぐるみの身体に対して、実際に女性がされたら興奮するであろう行為をし続けている場合です。
たとえば胸を人為的に揉まれ続ける場合。数秒と言った短時間であれば、制御が働くのですが、連続して長時間揉まれた場合、それはそのキャラクターが感じるはずの行為である、と判断されて、そのまま中の人に刺激を与え続けることになります。つまり気ぐるみがエッチな行為をされているときは、中の人もその感覚をそのまま伝えられる、と言うことです。
また、中の人の大事なものの上を直接触れた場合です。この場合はコンピュータでは制御しようがありませんから、そのまま感覚は伝えられます。
下腹部にそそり立ったものを上から触ると、見た目はふくらみはないのですが、しっかり触れば確実に太くて硬いものが存在します。
これを弄れば、中の人はダイレクトにその感触を感じることになるわけですが、そもそも着ぐるみの中にいるだけでかなり締め付けられているので、その上から触れられると相当に気持ちがいいのです。
中の人が男性だと気づかれない限り、外部から触れられることはありませんが、自分で触れても違和感がない場所(女性はこんな場所に性感帯を持っているわけではないので、おへその下あたりを軽く触れる程度であれば、おかしく思われにくいのです。
手を自然に握ってそのまま下ろしてみると、手の位置はちょうど裏に大事なものがある場所になりますから、人知れずそっと擦ってみたり押してみたり、と言ったことも出来てしまうのです。
もちろん中にいる演者は、イクことを極力我慢しなければいけませんので、仮にそういう場面であっても気持ちよくなりたい衝動と戦い、我慢するのが普通ですが、タイミングによっては、自然に気持ちよくなれるとも言えます。

このように、快感を与えられながら着ぐるみに入り続ける演技ですが、この着ぐるみは見た目に、たとえビキニスタイルの水着になっても、出入り口はわかりません。
この着ぐるみは、2重構造になっていて、まず演者は、白っぽいウエットスーツのような着ぐるみに入ることになります。これは股間に穴が開き、そこに挿入すると大事なものが上向きに固定されます。背中にファスナーがあり、閉じると細胞の補正機能が働き、程なく女性体型に変化します。
背中のファスナーを閉じると、唯一の隙間が、股間にあります。
実はここが着ぐるみの空気穴。中の人は、顔に設けられたチューブから、全身を這う無数のチューブを経由して股間に導かれ、そこから空気を吸うことになります。
ここは通常、下着に覆われるため、外からこのスリットの存在に気づく人はいません。
目はクリアパーツによって形作られています。
こうして、全身をウエットスーツのような素材で覆われた上から、着ぐるみの皮膚に当たる第2のスーツを着ます。
このスーツの出入り口はお尻の割れ目にあります。強く引っ張るとぎゅっと伸びる構造のため、割れ目を開いて中に入りこみ、頭、両手、胸、腰、と着たら、片足ずつぐっと引っ張って履き、最後にお知りの割れ目に出入り口を食い込ませます。
股間には下に着ている白っぽいスーツの呼吸口に合うように、メッシュの布が張られていますが、これも下着を着る外から隠されます。

こうして股間から呼吸しながら快楽を与えられる中で、着ぐるみを操演することになります。
ただ、股間からの呼吸では、どうしても衣装によっては空気が不足することがあります。その場合、着ぐるみの表面にある放熱機能を利用して(放熱、放湿を行う場合、外部から変わりに空気を取り込むことで循環を行う)、酸素を取り込み、不足分を補うことになります。
ただし、基本的には股間からの呼吸で空気の大多数をまかなう設計になっていますので、ほとんどの着ぐるみは、スカートやパンツの中の空気を取り込んでいます。

こういう状態の着ぐるみが、店内をグリーティングしたり、ショーを行ったりしながら、絶えず数体ずつ店内に存在することになります。

この着ぐるみの状態は、ホビー21の内部でもトップシークレットで、関係者の一部と、実際に気ぐるみに入る演者しか事実を知りません。
中の人が絶えず興奮し、イクと言うことから、実はホビー21は風営法にも抵触しないように法的に手続きを行っている事実もあります(風俗関係の趣味、も扱うため、その方面で登録しているので、登録時に着ぐるみの仕組みが表に出ることもありませんでした)。

そんなホビー21に、新たに登場する新キャラクターがいます。
ミリアと名づけられたそのキャラクターは、羽の生えたゴージャスなドレスを纏った天使の姫。
金髪のロングヘアーに、吸い込まれそうな程に青い瞳。優しく微笑むその表情は、まさに可愛い天使のお姫様。
この着ぐるみ自体も可愛いのですが、そのゴージャスな衣装に非常に注目が集まっていました。
真っ白いサテンで出来たそのドレスは、ハイネック、マトンスリーブ、ロンググローブ一体型の袖を持ち、上半身をぴったりとつやつやの布で覆いつくし、スカートは綺麗にふわりとAラインを描き床まで届くロングスカート。
これだけだと、真っ白いウエディングドレスなのですが、背中には大きな羽が4枚生えていて、その羽が稼動する仕組みになっています。羽の大きさは、背中の中心から左右に1メートルほど、高さも50センチほどある立派なもの。
また、胸にもリボンのように羽があり、その羽も稼動するのです。
不思議なのは、この羽の動きでした。
まるで意思でもあるかのように、お客さんの要望にあわせて稼動するのですが、その仕組みが良くわかりませんでした。
リモコンで他の人が操作していると言う説が有力でしたが、場所によっては近くにスタッフらしき人がいない場面でも、お客さんの要求に合わせて羽を動かしているため、着ぐるみの中の人間が、何らかの方法で着ぐるみの中から羽を動かすリモコンを操作していると言う説もありました。
ただ、いろいろな説はあったのですが、ホビー21の中には、電波を吸収してしまうエリアもあり(そういう実験機材を売っていて、その動作確認用に使われるエリアでもある)そういう場所でも羽が稼動していたことから、リモコンによる操作と言う説が正しいかどうかもわかる人はいませんでした。
ただただ不思議なことに、羽はお客さんの要望にあわせ、自由に動いてくれるのです。

よく見ると背中の大きな羽が動くと、その重みでドレスの生地が突っ張り、胸の締め付けが変化している様子がわかります。
つやつやのドレスのシワが変化するので、見ている人からも大分艶かしく見えるようですが、もちろん着ぐるみはそんなことを気にする様子はありません。
ただし、その度にスカートの中に隠れている両足太ももが、切なそうにヒクヒク反応したり、スカートの中にすごく切なそうな吐息が漏れたりしていることは、お客さんたちはまったく知りません。
もちろん胸についた小さな羽もパタパタ動かせば、自身の胸をヒタヒタと刺激します。
着ぐるみの構造を知るものにとっては、その羽はかなり切ない動きを見せているのですが、着ぐるみの様子に変化はなく、可愛らしい天使の姫としてそこに居続けています。

この姫が登場したのは今から1ヶ月程前のことでした。
2~3日に1度の割合で登場するこの姫は、その容姿と不思議なドレスから、瞬く間にみんなの人気者になりました。

そして、遡る事今から2ヶ月程前。
ホビー21の着ぐるみ専用のバックヤードの奥に、研修ルームの1つがあります。ここに、ミリアがやってきました。
ミリアの他に、ホビー21の着ぐるみ総括マネージャとなる鮫島さんや、着ぐるみ設計主任の添田さんの顔も見えます。
研修ルームには、会議用の机なども並べられているのですが、その一角に、鮫島さん、添田さんが座り、ミリアが真っ白いシルクのパンティー、そして真っ白いシルクのブラを着けて立っていました。また、白いヒールは履いていますが、タイツやストッキングは穿いていない様子です。
また、机の上には深さ50センチ、縦横1メートルぐらいの大きさのダンボールが置かれています。

「いよいよだね。添田君。」
「ええ。鮫島さんの要求にこたえるシステムが、ようやく完成しました。内部でのテストは半年以上前から行っていて、僕も被験者として体験したのですが、それはもう凄いの一言でした。」
「添田君がそこまで言うのだから、相当に凄いんだろうね。」

鮫島さんはそう言ってニヤリと笑います。

「テストの段階から、実際にテスターになった彼にも感想を聞いてみたんですが、今までの着ぐるみとはまったく異なる感覚だと言います。」
「添田君もそう思うかね?」
「ええ。正直、いったん入ったら、出たく無くなる衝動に駆られるぐらい凄い感覚です。快感制御も今までの着ぐるみのものよりも数段よく出来ていて、演者の自由度は低くても、非常に興奮できるんです。」
「そうかそうか。それは楽しみだな。」
「で、今日は実際にそのシステムをお披露目するため、こうしてミリアに来てもらいました。」

添田さんがそういうと、鮫島さんはウンウンと嬉しそうに頷きます。
この二人の会話から考えると、このミリアには、今までにない秘密があると言うのでしょうか?

「では早速、天使の羽プロジェクトの成果を見せてもらうかね。」
「ええ。」

鮫島の一言で、添田は机に乗っていたダンボール箱を明け、中から大きなドレスを取り出します。それはミリアがホビー21で着ている、羽の生えたドレスです。

「おー、布が多くて実に苦しそうだ。」
「ええ。ミリアにはこれを着て貰いますから、かなり苦しいはずなので、担当には当店でもトップクラスの演者を選びました。」

ミリアはウンウンと自慢げに頷きながら、腕組みをしています。
もちろん腕が胸を締め付けていることなど気にしないとでも言う様子です。

「おぉ。結構結構。じゃあ早速着てもらうか。ドレスの準備は整っているのか?」

鮫島さんは、添田さんに向かってそういいました。

「ええ。こちらもバッチリですよ。サイズも含めてミリア用に仕立てたドレスですから、着ただけで脱ぎたくなるぐらい苦しくて気持ちいいはずです。」

そういいながら添田さんは、折りたたまれたドレスを広げて見せます。
バサバサカサカサと、サテンの生地がこすれあいながら広がって、添田さんの手で両肩でつるされた状態で見せられます。背中には大きな羽が4枚。胸にもリボンのように羽が生えています。
スカートは凄いボリュームで、どうやら裏にはシフォンのパニエがすでに装備されている様子。
そのまま、背中の羽を机に乗せるようにして、ドレスを机に置くと、シワを伸ばすように手のひらで擦りながら綺麗に広げてあげます。

「こんな感じですね。」
「おぉ。いいね。この状態でももう機能するのか?」
「ええ。大丈夫だと思います。」
「じゃあ、試してみよう。右側の上の羽を動かしてみてくれるか?」

鮫島さんが誰に言うでもなく呟くと、次の瞬間驚くことが起こります。
なんとドレスの羽の右上が、パタパタと羽ばたいたのです。
ドレスの重みもあって、そんなに激しくはなかったのですが、確実に羽は動いています。

「おー、すばらしい。じゃあ、胸の羽を動かしてみようか。ちょっと優しい感じで。」

鮫島さんがそう言うと、今度は胸についた羽が、そーっとふわふわと羽ばたきます。
その光景に、添田さんはウンウンと頷いているのですが、少しだけ驚くような態度をとるのがミリアでした。

「あはは。ミリアも驚いているようだね。このドレスを着て、お客さん達とグリーティングしてもらうのが君の仕事だ。天使のお姫様と言う設定だから、お淑やかにして貰う必要がある。これだけのドレスを纏って、羽を動かしている中で、お淑やかに振舞うのは苦しいと思うが、頑張ってくれよ。」

鮫島さんは、ミリアがこの光景に驚くことを予想していたかのようにいいます。
どうやらミリア自身、どんなドレスを着ることになるのか、この日まで知らされていなかったんでしょうね。
それにしても声に反応するだけではなく、声の意味を理解して羽が動くドレスと言うのは、いったいどういう仕組みなのでしょう。
少なくとも、この研修ルームには、ドレスを操作しているような人はいません。
外からリモコンで操作するにしても、この部屋は防音性も高いので、外で聞いているとしたら、マイク等で拾っていると言うことになりますが、マイクがどこかに存在するとも思えませんでした。

「ミリア。ちょっと驚いただろ。声にあわせて羽が動くドレスだ。」

添田さんがミリアに話しかけると、ミリアはウンと頷きます。

「リモコンで外から操作しているわけではなく、このドレス単体でしっかり意思を判断して動いているんだ。だから単独で動き回っても大丈夫。」

どういう仕組み化はわかりませんが、添田さんはこのドレスが自立して羽を動かせると言っているのです。

「じゃあ、早速だけど着てみようか。」

添田さんはそう言うと、ドレスを手にとって、ミリアに差し出します。
ミリアは、パックリと割れたドレスの背中から、中に入り込むようにして着て行きます。スカートの部分には既にパニエが縫い付けてあるようで、穿く段階からふわふわのパニエが下半身を擦るようになっています。
それと、よく見ると、下着のように、サテンで出来たレオタードの下半身部分が既に縫い付けてあります。そして、その上から白いタイツが覆っているのも見えます。
つまり、ミリアは裸の状態でこのドレスを着るだけで、サテンレオタードの上からタイツを穿いた状態で、ふわふわのパニエをまとい、その上から真っ白いロングスカートによって下半身を覆うことになります。
下着とタイツ一体型のドレス、と言う訳です。
ドレスに縫い付けられているタイツを穿くのは結構大変そうですが、ミリアは、なんとか両足を白いタイツの中に滑り込ませることに成功します。
スカートを上まで引き上げるようにして、両袖を通すと、袖はロンググローブと一体型のストレッチサテン素材なので、ピチピチと引っ張りながら袖を通している様子がとてもセクシーです。
袖を通し終わると、添田さんが、背中に回り、ファスナーを引き上げていくのですが、体型を計って作ったと言うだけあり、ドレスのファスナーが閉まるとともに、ミリアの身体がピッチピチに締め付けられていきます。
サテンの艶々した生地がウエストや胸に締め付ける感触は、当然ですが裏側の人物に伝わります。
こんな艶々のサテンに締め付けられる感覚がどのようなものなのかは、外からはわかりませんが、ミリアはちょっぴり切ないのか、スカートの中に隠れている太ももがヒクヒクと反応しているようでした。
太もも同士を擦り合わせたいと考えても、そうしてしまうと今度は股間あたりにシワが寄り、その部分で感じると言う悪循環が待っているため、じっとこらえるしかないんでしょうね。

しっかりファスナーまで閉められたら、添田さんが指でOKサインを出して、衣装の装着完了です。
靴は最初からヒールを履いているので、そのままみたいですね。

「うん。綺麗綺麗。」

添田さんがウンウンと頷きながらミリアの周りを一周します。
ミリアは恥ずかしそうに手を組んでちょうど下腹部あたりでモジモジしています。
この辺りはスカートのボリュームで既に身体からは離れた位置にありますが、軽く押し当てるようにすれば、裏のパニエが優しく彼女の下腹部を押さえつけて擦るはずです。

「あー、ミリア。この衣装は、そこはあんまり刺激しないでほしいんだ。気持ちいいのはわかるんだけど、衣装の機能にとって、その辺の刺激を強めるのはあまり良くないから」

ミリアの行為に対して添田さんが言いました。


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