魅惑のイベント会場(2章) [戻る]
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「ご・・ごめんなさい」

 佐々木は顔を真っ赤にして謝った。

「い・・いやぁ、申し訳ない」

 高橋もすぐに謝る。

「・・・・・あ・あたし・・どうしよう・・」
「あ、いやぁしばらくほっとけば収まると思うし・・」

 そうは言っても、高橋自身、さっきからずっと我慢していたので、そう簡単に収まらないとは思っていた。

「私が着てても窮屈なのに、高橋さんが着てたら辛いですよね。それなのに、私、無神経に・・」
「そんなこと無いよ。こうなっちゃったのは僕のせいなんだ。」
「えっ!?」
「最初に舞に入ったときから、ずっと気持ちよかったんだ。ただ、君にバレたくないからずっと我慢してた。」
「ずっと・・・気持ちよかったんですか?」
「うん。ホントにゴメン。君のキャラクターなのに・・・締め付けられて、こんなに可愛くなっている自分に興奮してた。こんなに窮屈で暑くて息苦しい空間に閉じこめられて、外から隔離されている自分に興奮していたんだ。」
「・・・私の舞ちゃんの中で、ずっとそんな嫌らしい事考えてたんですか・・」
「ホントに申し訳ない。」
「・・・でも、どうしよう・・・このまんまじゃパンツ脱げないですよね・・」
「あ・・うん・・・もう少し待てば収まると思うから・・」

 高橋は、そう答えてみたものの、心の中では、この股間の締め付けによる気持ちよさは、収まるどころか強くなって言っている事に気づいていた。それでもこの場を取り繕う為に、必死に意識をそらして平常心を保とうとした。

「でも・・もうそんなに時間無いんです。」

 佐々木の言葉に時計を見ると、もうトークショーの開始予定が迫っている。

「ホントだ、もう時間がない。」
「・・・そのまま制服着られますか?」
「こ・・このまま?」
「短いスカートだけど、パンツも短いから多分中は見えないと思うんです。その状態で高橋さんが動ければ、大丈夫だとは思うんですけど・・・」
「・・うん・・しかたないよね」
「じゃあ、パンツはそのままで制服着ちゃいましょう。」

 佐々木さんはそう言って制服を用意した。
 いつもは、佐々木さんの入った舞が着ている制服である。
 ブラウスを着て、スカートを穿く。短いスカートはなんとかショートパンツを隠している。
 そのままベストを着てリボンを襟に巻く。佐々木さんが手伝ってくれるので手際がよいが、着込むにつれて窮屈感が強まっていくのが分かった。制服はほとんどストレッチしないので動きづらいのだ。そのうえ舞の体にかなりフィットするように作られているのだが、今の舞は、本来の舞より少し横幅がある。
 そのためバストもウエストもピッチリとフィットしてた。決して太めではないので、このフィット感が外から見ると妙にエッチだった。
 最後にブレザーを羽織って、紺のハイソックスにローファーである。

 準備が出来たら、いよいよトーク中に、バックで愛想を振りまくマスコットとしての仕事が始まる。
 ステージの上には既に2人ほど、別のキャラクターがスタンバイしている。
 覚悟を決め、ステージに向かって歩くが、大きくなった息子が窮屈なショートパンツの中で行き場を失って大変な事になっていた。早く収まって欲しいのだが、歩く度に扱かれるような刺激を受け、余計に興奮してしまっている。
 高橋自身は気付いていなかったのだが、この快感に耐えるため、自然に内股になってしまい、それが観客を喜ばせていた。
 トーク中はあまり動き回れないのだが、正直な身体の要求に勝てず、高橋はその場でモジモジと動いて自らを刺激していた。その間も愛想は振りまいていたのだ、客席は高橋の事に全く気付かないようだった。もちろん、ステージ上の他のキャラクター達も、トークしている人たちも気付いていない。

 トークは40分の予定が、話の盛り上がりにって、結局1時間近くかかってしまい、その間、高橋はずっと悶々とした気持ちを隠したまま舞を演じきる。

「お疲れ様です。いよいよピアノですけど、時間無いらしくって、すぐ着替えて出て行けます?」
「あ・・うん・・なんとか・・」
「ホントに辛いですよね。私、入ってた人間だからよく分かるんです・・・ホントにごめんなさい。」
「いや、君が謝る事無いよ。これは、事故みたいなもんだし。さっさと着替えてピアノ弾いてくるよ。」
「・・そうですね。わかりました。」

 佐々木さんはそう言うと、衣装を持ってきてくれた。淡いグリーンと白のツートンカラーのドレスはスカートがフワッと膨らむようなデザインで、上品な舞のイメージにピッタリである。
 高橋は、制服を脱ぐ。
 息子は相変わらず元気なので、佐々木さんも恥ずかしそうだが、なるべく気にしないように着替えさせてくれた。
 下着はそのままに真っ白なオーバーニーソックスを穿く。
 さらにパニエだ。柔らかそうな生地で出来たパニエが高橋の腰に巻き付けられ、これでようやく視界からもっこりしたショートパンツが消えた。
 その上でドレスを着る。
 着ぐるみに入るように、背中をぱっくりと開いたドレスに入ると、佐々木さんが袖を通してくれる。
 高橋が袖を通したら、佐々木さんはファスナーを一気に引き上げてドレスを閉鎖してしまう。

「け・・結構苦しいな」

 ウエストから胸まで、かなり締め付けが感じられた。

「そうですよね。私でもいつもちょっとキツイんですから、高橋さんじゃ苦しいですよね。我慢できます?」
「ま、まぁ我慢は出来るけど。」

 高橋はそう言って我慢しているフリをしていたが、実はこの締め付けが、さらに自分の興奮を増していたとは言い出す勇気がなかった。
 鏡を見ると、清楚なドレスで着飾った舞がにっこり笑っている。
 可愛らしい笑顔と清楚なドレス。それに似合わないほどセクシーな身体が、ドレスを破りそうなほどムチムチと主張している。
 これが自分。この子の全ては自分しか知らない。
 高橋はそう思うと堪らなかった。

「出番です」

 根本の呼び出しに覚悟を決める。

「頑張ってくださいね」

 佐々木さんの言葉にコクリと頷いて、ステージ上のピアノへと向かう高橋。

 ステージではピアノの前に置かれた椅子に座り、司会の合図とともに演奏が始まる。
 キーボードをやっていたおかげでここにいられる。
 背が小さかったおかげでここにいられる。
 高橋は自分のこれまでのことに少しだけ感謝して、演奏を続けた。

 マスクの中は自分の呼吸音が響き、狭い視界は楽譜を追いかけるので精一杯で客の反応を追うことは出来なかった。
 でも、客が聞き入っていることは想像できた。
 ステージ上で綺麗なメロディーを奏でる美少女キャラクター。
 高橋はいつもステージ脇からその演奏を見ていた。演奏の優雅さとキャラクターの可愛らしさ、そして衣装の豪華さもあり、とても幻想的で絵になる光景だった。
 だが、高橋は今、その絵になる光景の中心にいる。
 今まで見ていたシーンを自分が演じている。
 お客さんはドレスの中で、ショートパンツを腫れ上がらせている男性が演奏しているとは夢にも思っていないだろう。
 それは高橋にとって、この上ない快感だった。

 やがて演奏が終わり、全てのステージが終了する。

 ステージから楽屋に戻ってきた高橋は、緊張と興奮と、長時間着ぐるみに密閉されていた事で、既にふらふらだった。

「あ、大丈夫ですか?!」

 佐々木さんは心配そうに寄り添う。

「ご、ごめん。さすがにきつくて、ちょっとよろけたよ。」
「じゃあ早く脱ぎましょう。」

 佐々木さんはそう言ってドレスのファスナーを下ろしてくれた。

 圧迫が解け、少し開放感があったが、実は舞の着ぐるみ自体がかなり圧迫している為、その開放感もつかの間といった感じだ。
 ドレスを脱ぎパニエを脱ぐと、今まで以上に腫れ上がった息子が現れる。

「困りましたね。どうしよう。」

 佐々木さんも困っているが、高橋もこの生理現象には困ってしまった。

「しばらく収まるまで待つしか無いよ。」
「でも、このままほっといたら片付けの人が来ますよ?そんな格好で見られたら高橋さんの立場だってなくなっちゃうかもしれないですし・・・」

 こんな状態なのに佐々木さんは高橋の心配をしてくれていた。

「で、でもどうしよう・・・」
「あの。。。」

 高橋が困っていると、佐々木さんが凄く言いにくそうに何かを訴えようとしていた。

「何?」
「あの、誰にも言わないって約束してくれます?」
「な、何を?」

 佐々木の話の意味がよく分からず、聞き返す高橋。

「これから話す話、お願いですからここだけの話にしてくれますか?」
「ここだけの?よく分からないけど、別にいいよ。秘密にしよう。」

 やはり意味を飲み込めない高橋だが、とりあえず何かを訴えたい様子の佐々木さんの話を聞くことにした。

「あの、あのですね。」
「うん。」
「私、実は少しだけ気持ちが分かるんです・・・」
「何の?」
「高橋さんの。」
「は?」

 高橋はよく分からなかった。

「つまり、それです・・・」

 佐々木さんはそう言って高橋の股間を指さす。

「え・・・な、なんで。」

 高橋の質問に真っ赤になる佐々木さん。

「私もなんです。実は、舞に入っていると、だんだん気持ちよくなっちゃうんです。」
「・・・・・・」
「舞に密閉されているととっても暑くて苦しいのに、みんな可愛いって言うんです。ホントは汗だくなのに、息が苦しくて仕方ないのに、みんなには可愛い舞ちゃんにしか見えないんです。そう言う状況になんだか興奮しちゃって・・・」
「ま、マジで?」

 佐々木さんは真っ赤になりながら頷いた。

「で、でも、そんな風には見えなかったよ?」
「だって女の子はそんなに派手に変化しないから」
「ま、まぁそうだけど」
「だから、私も佐々木さんの気持ち、分かるんです。特に男の人じゃ、いろんな所が締め付けられて苦しいんだろうなぁって思うと・・・」
「そんな想像されてたとは・・・」
「でも、高橋さんも私の姿に興奮していたって言ってましたよね?」
「痛いところをつくね」
「おあいこです」
「でも、気持ちを分かられても、これじゃショートパンツが脱げないからなぁ。破るわけにも行かないし・・・」

 そう言って自分の股間を指さす。

「じゃあ、こうしましょう」

 そう言うと佐々木さんは突然正面から高橋に近づき、自らの手を、高橋の腫れた股間にあてがった。

「え・・」
「あ、駄目です。しゃべっちゃ駄目。今は舞ちゃんなんですから。清楚な女の子はそんな声ではしゃべらないでしょ?」

 高橋は驚いた言葉を遮られ黙ってしまう。
 立ったまま、佐々木さんの可愛らしい手が、一生懸命に高橋の息子を刺激する。

「ん・・・」

 高橋は堪らず吐息混じりの声を盛らす。

「駄目です。喋ったら駄目」

 再び佐々木さんに遮られてしまう。
 佐々木さんの手は次第に高橋の核心をとらえ始め、徐々に身体が反応を始める。

「女の子はここを触られてもそんなに感じないんですよ?」

 先ほどまでの照れていた佐々木さんとはうって変わり、少し意地悪っぽく高橋に言う。
 抵抗するのは簡単だったが、高橋は抵抗する気が起きなかった。むしろ今の状況に、佐々木さんの言いなりになっている事を望んでいた。

 ピクピクと身体を反応させながら、佐々木さんの攻撃に耐える高橋は、既に立っているのがやっとという状態になっていた。

 そんなとき、佐々木さんは手を止めてしまう。

 その瞬間、舞は突然の事にビックリして佐々木さんを見る。
 佐々木さんはニヤッと笑う。

「舞ちゃん、どうしちゃったの?何かしてほしいの?」

 舞はへっぴり腰になりながら、その場でお願いするようなポーズをとる。

「もう、しょうがないなぁ。舞ちゃんのお願いだから何とかしてあげるね。」

 佐々木さんはそう言って再び舞の股間に手を持って行く。
 だが、今度は核心は外し周囲を刺激してくる。

 舞はイヤイヤと首を横に振り嘆願する。

「ここ?それともここ?」

 佐々木さんはわざとらしくポイントを外し、そのたびに舞の様子を見て楽しんでいた。

「私の人形をこんな恥ずかしい状態にしたから虐めちゃったけど、そろそろ許してあげよっかな。」

 佐々木さんはそう言うと今度は核心をついて攻撃を再開する。
 さんざん焦らされた高橋は、その攻撃に対してほとんど抵抗も出来ず、あっという間に果ててしまった。

「あれ?ここがピクピクしてる。」

 佐々木さんはそう言うと手を離して舞の様子を眺める。
 果てたことで徐々にしぼむ舞の股間。

「そろそろいいわね。」

 佐々木さんは舞の股間を確認すると、今度は慎重に舞のショートパンツを脱がせにかかった。
 どうやら佐々木さんの攻撃と高橋の息子のおかげで、ショートパンツの引っかかっていた部分はいつの間にか取れ、簡単にボタンを外すことが出来た。

 ようやくショートパンツから解放された舞は、残った衣装も全て脱ぎ捨てる。

「じゃあ、開けるね?」

 舞は頷いて佐々木さんに背中を向けた。
 佐々木さんはファスナーをゆっくりと開けると、中からは汗でぐっしょりの全身タイツの背中が出てくる。そのまま全てのファスナーを開け、マスクから高橋の顔を出してあげる。

「ふう・・・・」
「お疲れ様。」
「う、うん。」
「こうするのが一番手っ取り早く納められると思ったから・・」

 佐々木さんは少しだけ恥ずかしそうに話した。

「で、でも、その割にはノリノリだったような・・」

 高橋は正直な感想を言う。

「違いますよ!私は少しでも高橋さんが興奮してイキやすいように・・」
「ホント?」
「本当よ。」
「じゃあ、焦らさないであのままイカせてくれれば良かったのに・・・」
「そ、それは・・・少しは楽しんでみようかなぁ、なんて。」
「少し?佐々木さん、実はそう言うの好きなんじゃないの?」
「え!?な、何言ってるんですか、そんな分けないじゃないですか!それに高橋さんだって私の言うこと聞いてじっと我慢していたじゃないですか?抵抗する気になればいくらでも出来たはずですよ?」

 佐々木さんを責めたつもりが言い返され、言葉を失う高橋。

「う・・・」
「やっぱり、こういうのに入って虐められるの好きなんだ。」
「ち、違うって。佐々木さんこそ実は自分がそう言うことされたかったんじゃないの?」
「バカ。そんなこと言わないで!」
「結構図星じゃないの?」
「もう、最低!!」

 いつの間にか言い合いになっている2人。

「はいはいはいはい。何けんかしてるんですか?」

 2人の口論に割り込むように、根本が現れる。
 当然黙り込む2人。

「あれ?なんで黙っちゃうの?」
「何でもないよ」
「何でもないのよ」
「ホント?」

 しつこく聞く根本を無視して着替えを始める高橋。
 舞の衣装を片づける佐々木さん。

「なーんか怪しいなぁ」
「怪しくないって。ちょっと反省会してただけだ」

 高橋は根本の詮索に抵抗するように言う。
 根本はそんな高橋の様子を不思議に思いながらも、イベントの撤収作業を始めた。

 結局この日は淡々と片づけが行われ、無事に撤収、解散となった。

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 この後、各地で行われたイベントも、もちろん全員が参加した。
 舞はいつものように他のキャラクター達とともにイベントを盛り上げ、高橋もトークや裏方としてイベントを盛り上げた。
 イベント終了後は地方のホテルで宿泊となるが、その際イベントの荷物をしまってあるトラック類から毎夜、舞のスーツと衣装が持ち出され、高橋と佐々木さんが密会していたことは、誰にも知られていない。
 その密会では、イベントでは絶対に見られない裏の舞が見られるらしいが、その舞を見た者は、ほとんどいない。その日によって、舞の股間が腫れていたり、腫れていなかったりするのは中身が違うからだとの噂だが、もちろんその確認も取れない。


[おしまい]

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