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XX年○月某日 秋葉原特設イベント会場。
話題のニューゲームの大々的なプロモーションが行われていた。
そのゲームは、これまでの常識を覆すほどの圧倒的データと実在する街を使ったネットワーク恋愛シミュレーションとして、早くからゲーム雑誌などで取り上げられ、話題となっていた。
主人公が、学校生活の中で知り合う女性と恋に落ちる、と言うありふれたゲームだが、ネットワークを使う事で、サーバに蓄えられた大量の情報を元に、リアルな実在するデートスポットなどで遊べる上、ライバルとしてネットワーク上の別の人物も現れると言う、新たな要素も加わっていた。
今一番旬のデザイナーにキャラクターデザインを担当して貰った事もあり、非常に注目の集まったこのゲームは、秋葉原を筆頭に全国の電気街や大型家電ショップなどで、プロモーションイベントを行う事になっていた。
そして、この日は秋葉原でのイベントの3日目であった。
高橋政志は、このゲームの総合プロデューサーであり、イベントのプロデュースも手がけていた。
イベントはゲームの紹介からはじまり、ステージでの制作スタッフの対談、クイズ、オークション、声優さん達のトーク、など盛りだくさんであった。
また、このゲームのヒロイン達を着ぐるみにして、ステージ上でのミニショーや、サイン会、写真撮影会などのコーナーも用意され、マスコットとしてもイベントを盛り上げた。
着ぐるみと聞いて子供だましと思ってはいけない。
高橋は、このイベントのために多額の投資をして、着ぐるみの常識を覆すほどの、大人の鑑賞にも耐える着ぐるみを作り出した。その姿は、等身大フィギュアと呼べる程で、ファン達の間でも話題となっていた。
この着ぐるみのために専用で開発した、薄くて丈夫なラバー素材を使い、表面は特殊メイクの技術を応用して、非常にリアルな肌の質感を出していた。表情はフィギュア人形のように可愛く、人が被っている感じがしない程小さい。実際、この顔を被った役者は、そのままの状態で、Tシャツやセーターの脱ぎ着が出来る程、顔が小さいのだ。
ラバーと言う事で通気性が無く、顔から足の先まで一体形成された着ぐるみのため、隙間もほとんど無い。その為役者は最大でも連続1時間程度しか演技が出来ないという欠点はあったが、それ以上に着ぐるみの造形が魅力的だった。
ヒロイン達の中でも、主役と言える一番攻略の難しい女の子は、桜井舞と言う。
正にお嬢様という感じの美少女で、スタイルも抜群である。髪の毛は栗色でフワっとしたボリューム感が、いかにもお嬢様っぽい。
この舞に入る役者は、厳正なオーディションで、身長を含めたスタイルと、体力、そして、舞がピアノの弾ける女の子と言う設定だったため、実際にピアノの弾ける女性の中から選んだ。
他のキャラクター達も、それぞれ、キャラクター達の特徴に合わせた人選をする事で、よりリアルなキャラクターを作り出した。
結局、舞役はピアノの圧倒的演奏力と、スタイルの良さ、そして、なにより高橋自身の好みもあって佐々木明美さんと言う女性に決まった
高橋から見て、佐々木さんは正に舞と言える程美人に写った。正直言って、着ぐるみでなく素の佐々木さんでもいいと思える程気に入った人選だった。
イベント開始前は、1ヶ月間の集中的な練習により、ミニショーの構成を覚えた。また、役者達がキャラクターに慣れるための期間でもあった。
ゴム素材の着ぐるみという事で、慣れるまではその締め付けと暑さに、倒れる者がいる程だったが、次第に皆、着ぐるみを着こなせるようになっていく。着ぐるみ自体の出来が非常に良く、その為役者達もすすんで入っていたので、その分、慣れるのが早かったのかもしれない。
練習が終わりいよいよ本番イベントが始まると、想像通り、キャラクターへの反響は大きく、テレビや雑誌の取材も受ける程だった。
高橋自身、自分のトークショーが終わると、舞台袖からキャラクターショーや写真撮影会を見入っていた。もちろん楽屋で彼女達が出番を待つ様子も、しっかり目に焼き付けていた。
椅子に座りじっと出番を待つ彼女たちは、一見すると何事もないように笑顔だが、もちろん中は暑さと締め付けに耐えた役者達がいるのだ。可愛い女子高生達や、女子大生、ショップの店員の女性、先生、謎のOL、看護婦、総勢10人以上のキャラクター達は、口元にある小さなスリットからの空気を吸いながら耐える役者を覆い隠している。
高橋は、その事になんとなく興奮を覚えていたが、もちろんそんな不謹慎な事を言うわけにはいかないので、誰にも言ってなかった。
そしてイベント3日目のこの日、ある出来事が起きた。
ゲームのヒロインキャラクターである桜井舞役の佐々木さんがステージの段差で転倒して、手と足首にけがをしてしまったのだ。
ゴム製のキャラクターを長時間着続けてふらふらだったのだから、無理もない話なのだが、今日に限って代役となるはずの女性も、用事があってこのイベントには来ていなかったのである。
他のキャラクター同士なら代役も立てられるのだが、舞に関しては、イベントの中でピアノの生演奏があるので、ピアノを弾けない人が代役をすることは無理なのだ。
「困りましたね・・」
「あぁ、困った・・・」
イベントのサポートをしていた根本と言う人物と高橋は、2人でこの後のイベントをどうするか相談していた。
とりあえずショー自体はなんとか無事に終えたのだが、この後の写真撮影会や、トークショーのマスコット、舞のピアノ演奏がある、写真撮影だけなら他のキャラクターの役者から背丈の近い人を交代で入れさせる方法も可能だか、ピアノの演奏だけはごまかしが利かない。
「ごめんなさい・・私がしっかりしてないからご迷惑かけて」
寝ていた佐々木さんも、何とか起きて来て平謝りしている。
「いや、これは君のせいじゃなく、事故なんだ。リアルさを取ってしまったキャラクターのせいで動きづらいって言うのもあるから、君もそんなに自分を責めるなよ。」
「ホントだよ、気にするなって。」
根本も合いの手を入れる。
「・・すみません・・」
消え入りそうに佐々木が謝る。
「でも、ホントになんかいい方法無いかなぁ・・・」
「あ!?そう言えば」
根本が思い出したように言う。
「な・・なんだ?なんかアイデアか?」
「ええ。ピアノって言えば、確か、高橋さん、昔バンドでキーボードやってたって言ってませんでしたっけ?」
「え?あ、あぁ。アマチュアのバンドでね。」
「じゃあ、今回の曲、高橋さん、弾けるんじゃないですか?」
「は?な・・何言ってるの?」
高橋は意味が飲み込めずいにた。
「ですから、佐々木さんの代わりに高橋さんが弾けばいいじゃないですか。」
と、根本は提案した。
「そりゃ無理だ。ピアノは一台しかないもん。役者にピアノを弾いているフリをさせても、俺の弾くピアノがない。」
「違いますって。高橋さんが、ステージのピアノを弾くんですよ。」
根本はあくまでも高橋がピアノを弾けと言い張る。
「お前、面白い事言うね。俺がノコノコ出て行ってピアノ弾いても、誰も納得なんてしないだろ。」
「も~、分かってないなぁ。ピアノ弾くのは舞ですよ。」
「あのなぁ。俺をからかってるだろ。今、俺が弾くって言ったクセに、なんで舞が弾くに変わるんだよ。どっちかにしてくれよ。」
「だ・か・ら。よ~~く聞いて下さいよ。」
「聞いてるって」
高橋は根本の言っていることの意味を飲み込めずにいた。
「とにかく、もう一回言いますからね。」
「おう。」
「高橋さんがピアノを弾きます。舞ちゃんに入って。」
「・・・・・・え??・・・なんだって???」
高橋は提案をよく聞き取れず、聞き返してしまった。
「高橋さんが舞ちゃんに入るんですよ。それなら舞ちゃんが弾くし、高橋さんも弾く。バッチリだ。」
「バッチリって・・・俺は男だぞ。なんで俺が舞になれるんだよ。」
「着ぐるみだから誰が入ってもわかりゃしませんよ。それに高橋さん、結構身体小さいから・・」
「チビで悪かったな。」
「イヤ、そう言うつもりじゃなくて・・・とにかく、高橋さんが入ればこの場はしのげます。」
「くそぉ。そんなのダメだダメだ。」
そんなやりとりをしていると後ろからささやく声が聞こえる。
「私も、高橋さんなら何とかなると思います・・」
佐々木さんだ。
「え?・・さ・・佐々木さんまで・・」
「ごめんなさい。でも、高橋さんならキャラクターのクセとかにも精通しているし、他の人が入るよりいいんじゃないかと思うんです。」
「そうですよ。他にアイデア無いんですから、我慢しましょうよ。」
「・・・・・」
結局他のアイデアが無く、高橋自身が桜井舞のなることになってしまった。
凄く悔しそうに舌打ちする高橋は、実はちょっとだけ興奮した。密かに憧れていた佐々木さんが、ついさっきまで暑さと息苦しさに耐えて演じていたヒロインキャラクタに自分が入ることになったのだ。
態度は嫌々だが、内心はドキドキしていたのだ。
着替えは、けがをしたとは言え、少しは動ける佐々木さんに手伝って貰う事になった。
高橋は汗を吸わせる全身タイツを着込む。佐々木さんに、タイツのファスナーを閉めて貰うと、いよいよ桜井舞に入る。桜井舞も全身が一体形成の人形なので全身タイツを着込むのと同じように背中のファスナーから入るように着ていく。タイツを着ているおかげで、比較的着やすいがピチピチと音を立てて高橋の体に張り付いていく。
舞を着込んだ部分から順番に、体中を締め付けられる感覚が体を襲ってきた。また、タイツを通して舞の中に充満した湿気がじっとりと高橋に伝わってきた。胸にはタオルを詰め込んで形を作った。
顔を被るのはちょっと力が必要だった。顔と体が繋がっているの上に、ファスナーが襟元までしか開かない構造なので、ムギュッと首を引っ張って、カポッと被る。
「大丈夫ですか?」
佐々木さんが心配そうに声をかける。
高橋は、正直言って股間が窮屈だった。元々佐々木さんより背が高いので、その分、胴も長く、股に挟み込んだ股間の息子がかなり窮屈だったのである。
高橋は恥ずかしかったが、この状態じゃちょっと痛いので、正直にそのことを言った。
「ちょっと股間が窮屈なんだよね・・・これ」
「そっか、男の人だもんね。でも・・・私、どうすればいいか分かんないよ・・」
「多分股に挟むから痛いんだ・・挟まなければ少しマシだと思うんだけど、そうすると股間の膨らみが目立つからねぇ・・」
「それなら大丈夫じゃないかしら?制服着ちゃうと股間は隠れるから」
「そりゃまぁそうだけどね・・」
「あ、でも、その後カジュアルな格好でも出るんですよね。その時は確かショートパンツだったから、それだとちょっと目立つかな・・・」
「でもショートパンツだったら、下着とか水着なわけじゃないから大丈夫なんじゃないのかな」
「無理ですよ。ショートパンツって結構ピッタリフィットするんですから。それに舞用の衣装は私が着ていても窮屈だと思うぐらいピッチリしてるんですから、男の人じゃ無理かもしれないですよ。」
その言葉を聞いて、高橋は舞のショートパンツ姿を想像していた。確かに今までのステージで見た舞の真っ白なショートパンツは、嫌らしいぐらいに舞の下半身に張り付いていた。下着ではなくショートパンツだから余計に嫌らしく感じたのだ。もちろんファンの男の子からもかなり人気の高い衣装であり、今回も外すわけには行かないと思えた。
高橋が無言で黙り込んでいると、佐々木さんが話を続けた。
「考えていても仕方ないから、試しに着てみます?上手くすればごまかし利くかもしれないし。」
高橋も、黙って考え込んでいてもラチがあかないので、試して見ることにした。
手を着ぐるみの中に滑り込ませ、股に挟んでいた息子を楽にする。なんとなく恥ずかしいが、顔が舞のマスクに覆われていて、佐々木さんからは見えないので、ちょっと安心した。
佐々木さんはそのまま背中のファスナーをゆっくりと閉めた。このキャラクター達のファスナーは普通の着ぐるみ等と違い、上から下に閉めるようになっていた。こうすることでうなじ付近のファスナーの金具を隠すことが出来るのだ。
ファスナーが締まると、今まで以上に全身に圧迫感が襲う。決して痛くはないがかなり窮屈である。特にウエストや首の締め付け感はかなりの物で、じっとしていても結構辛い。やはり女性の体型の中に入るというのは結構大変なことのようだった。
そして、なにより窮屈なのが股間である。下腹部に閉まったイチモツがべちゃっと上から押しつぶされていた。
これも痛いわけではないが、もの凄く窮屈で、体を動かしただけで突っ張って、その圧迫感が変化する感じである。歩くだけでムニュムニュと刺激が伝わると言えば想像できるだろうか・・・
ただ、この感覚、高橋にとっては、決して辛い物ではなく、むしろ何となく股間のムズムズ感や窮屈感が、気持ちいいと感じていた。もちろんそんなこと佐々木さんに言うわけにはいかないし、興奮してしまうほどではなかったので、バレることもなかった。
「わぁ、可愛いですねぇ。これなら男の人が入っているなんて誰も思わないですよ。」
「そ・・そうかい?」
「えぇ、下もそんなに目立たないみたいですね。ちょっと出っ張っているけど、これは裸だから判る程度ですよ。」
「俺には全然見えないからなぁ・・」
「あ、鏡見てみます?」
佐々木さんはそう言ってキャスターの付いた大きな鏡を持ってきた。
鏡に映った自分の姿を見た高橋は、その光景に一瞬言葉を失った。目の前に映し出された人物は、紛れもなく桜井舞だったのだ。一糸まとわぬその姿は、非常にセクシーで、胸の大きさも形も申し分ない。腰も綺麗にくびれて、ヒップも綺麗な丸みを見せていた。これだけ全身を締め上げられているのは、まさにこの体型を作り出すためなのだ。
高橋は、これなら絶対女性に見えると確信した。
「す・・すごいなぁ」
「そうでしょ?絶対分かんないですよね。」
「俺もびっくりした・・」
「どうです?舞ちゃんになった感想は?」
佐々木さんは面白そうに訪ねる。
「いやぁ、正直言って言葉もないよ。」
「結構似合ってますよ」
「バカ言うなって」
「あはははっ。でも高橋さんて結構スマートなんですね。足とか腰なんて私が見ても綺麗だと思いますよ。」
「そりゃこんなにギュウギュウに締め上げられれば嫌でも細くなるって。」
「結構きついですか?」
「結構どころじゃないよ。かなり締め付けられているよ。まぁ我慢できる程度だけど。」
「そうですか。じゃあ、取り敢えずショートパンツ穿いてみましょうよ。」
「う・うん」
「はい、パンティー」
佐々木さんはそう言うと、高橋に女物の下着を手渡した。
「え?」
「何驚いてるんです?女の子が女物の下着を付けるのは当たり前じゃないですか?」
「・・まぁ、そうだけど」
高橋は仕方なく手に取ると穿いてみた。下着が思いの外お尻に食い込んだので一瞬腰が引けてしまった。
「どうしたんです?」
「・・いや、ちょっとお尻に食い込んだから驚いて・・」
「あははっ、そりゃあTバックですからね」
「Tバック?」
「そうですよ。ショートパンツはパンティーラインが出ないようにTバックなんです。穿いたこと無いんですか?」
「あるわけ無いよ。」
「ふふふっそれもそうね。」
佐々木さんは楽しそうである。
「なんかこうムズムズして、気持ち悪いなぁ」
「そんなこと無いですよ。慣れると結構快感ですよ?」
「くそぉ楽しんでるなぁ」
「はいはいっ、次はショートパンツも穿いてみて下さい。」
「ちぇっ・・」
高橋はそう言うとショートパンツを手に取った。
足を通し、ボタンを留め、ファスナーを閉めた。
ファスナーを閉めと、高橋は言い様のない圧迫感を感じていた。元々の締め付け感がさらに増した感じで足を動かす度、股間の圧迫感が変化して、かなり股間を刺激していた。
「どうです?」
「これ・・結構きついね。」
「でも、良く似合っていて可愛いですよ。全然下も判らないし・・」
「全然目立たない?」
「自分で鏡見て下さい。ほら」
そう言うと佐々木は鏡を指さした。
高橋は鏡を見た。そこに映し出された舞は、上半身全裸のまま、下半身にはピッタリとした真っ白なホットパンツが張り付き、股間周りに嫌らしいほどのシワを作っていた。シワは足が動く度に一緒に動き、その度にショートパンツが突っ張り、股間を刺激しているのか良く判った。
今、自分の股間には、あんなに嫌らしく布が張り付き、自身を刺激していると判ると、妙な興奮に襲われていた。
こんな状態で股間を膨らませる訳には行かないので、とにかく意識をそらして我慢するしかなかった。
「確かに・・目立たないな。」
「ね!これでパンスト穿いたら絶対目立たなくなりますよ。」
「パンスト?」
「うん、一応ね。足を綺麗に見せるためにもいつも穿くんですよ。」
「・・へぇ・・そうなんだ」
高橋は何となく返事をしたが、舞の中で、この状態の上にパンストを穿くなんて、どれだけ股間が圧迫されるのか、想像しただけでクラクラ来そうだった。
ちょうどその頃、楽屋をノックする音が聞こえた。
コンコン
「はい」
佐々木が返事をする。
「ちょとスケジュールが変わりますのでお知らせに参りました」
スタッフの一人みたいだった。
「どうぞ、お入りになって下さい。」
佐々木の声にドアが開く
ガチャッ
ドアの向こうから現れたのは、高橋とともにこのイベントを仕切る鈴木だった。
「うわっ!」
佐々木は舞を見て驚いたようだった。
「も・もしかして高橋さんが入っているんですか?」
「そうですよ、結構行けてますよね」
「結構なんてもんじゃ無いですよ。バッチリじゃないですか。今度から高橋さんがやったらどうです?」
「バカ言うなって。それにそんなこと言いにここに来た訳じゃないだろ。」
「・・あ、そうだった。」
「え~と、スケジュールが変わりまして、今回はいきなり写真撮影会から行きます。」
「と言うと?」
「ですから、カジュアルな格好で出て貰って、その後で制服に着替えてトークのアシスタントしてもらって、最後にドレス着てピアノを引いて貰います。トークと写真撮影が逆になります。」
「なんで急に?」
「いや、トークの高橋さんの代役がまだ到着しないんです。もうすぐ来るんですけど、ちょっと間に合わないのでずらします。」
「なるほど」
「ではスタンバイお願いします。」
鈴木はそう言うと部屋を出ていった。
「じゃあ、服を着ちゃいましょう」
佐々木はそう言うと衣類を用意した。
「一度ショートパンツを脱いでくれます?」
「うん」
そう言うと高橋はショートパンツを脱いだ。ファスナーを下ろし、ボタンを外す時、股間が思わず感じてしまったが、それは何とか佐々木にはバレなかった。それと同時に股間の締め付けが無くなり、ちょっと残念でもあった。
「じゃあ、これ穿いて下さい。」
佐々木はそう言うとパンストを手渡す。
高橋はそれを手に取ると穿いてみる。慣れないのでなかなか穿くことが出来ないでいると、佐々木が手ほどきしてくれた。
「こうやってつま先から順番に穿くんですよ。」
「あ、ご・・ごめん」
そう言って、パンストを穿き終えるとかなりの圧迫感が実感できた。さらにショートパンツを穿き、ボタンを留め、ファスナーを閉める。再び例えられないほどの圧迫感が股間を襲った。パンストの締め付けも加わり、気を抜くとすぐにでも股間が大きくなりそうなほど気持ちよかった。
「はい、次はブラ」
そう言ってブラを手渡した。
高橋は取り敢えずブラに袖をとおしてみるが、背中のホックがなかなかかけられない。佐々木が手伝って何とか付けると、胸の圧迫感も強くなった。
さらに小さめのTシャツを着て、上からカラーのシャツを羽織りサングラスを頭に乗せる。
衣類をまとった舞の中は、全身を拘束されて非常に動き辛かった。また、股間のムチムチ感が強く、高橋は、なるべく意識をそらしていた。
ふと、何気なく鏡をみると、そこには見事なスタイルと可愛らしい顔の桜井舞が自分に向かって微笑んでいた。ピッチリした衣装のおかげでそのスタイルが強調され、セクシーな容姿の舞に、今自分が入っていると考えただけで、興奮していた。
それでも、この格好で人前に出る今、ここで股間を膨らませるわけには行かないと、高橋は何とか頑張っていた。
その後、10分ぐらいかけて、佐々木に女性っぽい動きを即席で習い、いよいよステージに出ていった。
舞に入って既に15分程たち、舞の中は、その見た目とは裏腹に暑さで蒸れていた。その状態で野外に出て行ったため、高橋は、より強力に蒸されはじめた。
小さなスリットが口元に開いていて、そこから空気は入ってくるが、けっして満足には息を出来ない。
汗とゴムと自分の吐く息で、マスクの中は異様な臭いが充満している。外の音よりマスクの中の呼吸音の方が大きく、外部から隔離されているのが実感出来た。
佐々木に習ったように可愛らしくポーズを取りながら、他のキャラクターたちと写真に収まる。他のキャラクターたちも、もちろん中には役者の女の子たちが入っている。彼女たちも高橋と同様に、キャラクターの中で蒸されて、酸素を奪われ、体中を締め付けられているのだろうか?それなのに、キャラクターたちは可愛らしく動いている。今の高橋はまさに、そんなキャラクターたちの一人なのだ。
ポーズを取る度股間もムズムズ刺激される。カメラマニアの男たちが、作り物とは言え形の良いバストや、ショートパンツがピッタリフィットした高橋の股間にカメラを向けているのがわかる。彼らはここに興奮寸前で何とか耐えている高橋の息子が閉じこめられていることを知らない。そう想像しただけで、高橋の興奮を煽っていた。もちろん、こんな可愛らしい舞の中に、そんな感情を持った人間が入っていることなど、誰も想像していないだろう。
何とか写真撮影を終えると、高橋は急いで楽屋に戻った。速くこのショートパンツを脱いで、ファスナーを開けて貰い楽になりたかったのだ。約30分続いた写真撮影会の間、ずっと炎天下の暑さと、自ら興奮し、高まった体温で、もの凄いサウナ状態だったのだ。
ガチャッ
高橋は楽屋のドアを開けると、佐々木が待っていた。
「お疲れさまぁ。なかなか上手でしたよ」
「・・・あつい・・早く出してくれ」
「あ、わかりました。じゃあ服を脱いでくれます?」
「あぁ、わかった。」
高橋はそう言うと上着とTシャツ、そしてブラを取った。
そのままショートパンツを取ろうとボタンに手をかけたとき、問題が起こった。
なんとボタンが下着の布に食い込んでしまい、さらに糸くずらしき物まで巻き付いていて、取れないのだ。ボタンを取ろうと色々試すと、シュートパンツの裏側にしまい込まれた自らの息子を刺激してしまい、思うように力が入らない。
「どうしました?」
佐々木が聞いた。
「いやぁ、どうもボタンが取れなくて・・」
「じゃあ私がやってあげます。その格好じゃ視界も良くないでしょうから。」
早くボタンを外したかった高橋は、特に考えもせず佐々木に手伝って貰うことにした。
「よいしょっ・・と」
佐々木が高橋の前にしゃがみ、ボタンに手をかけた。その瞬間、高橋は大事なことを思いだした。
そう、ボタンをいじり回すと言うことは、その裏の自身の息子にまで刺激が伝わると言うことなのだ。
でも、せっかく佐々木が手伝ってくれると言うのに、今更断るわけにも行かないし、自分ではボタンを外すのが難しいことも判っていたので、ちょっとの間だけ我慢することにした。
ところが、すぐに外せると思われたボタンはなかなか外れず、佐々木もあれこれ苦心していた。
「あれぇ、本当に食い込んじゃってますねぇ・・どうしよう・・」
そう言いながら前のファスナーを開いてボタンの裏に指を突っ込んでクイクイと動かしたり、ただでさえピッチリフィットしたショートパンツを引っ張ったりして、なんとかボタンを外そうとしていた。
ずっと我慢していた高橋は、その刺激に耐え切れず、時折ぴくぴくと腰が動いてしまう。
「もう、動かないで下さいよ。」
佐々木は、まさか高橋がそんな刺激を受けているとは思っていないので、事務的に作業を続けていた。
高橋の呼吸がずいぶん荒くなっているのに気づくと
「暑いですか?」
と、ごく普通の質問をしてくる。
その状態のまましばらく佐々木は作業を続けたが、一向にボタンが外れる様子はなかった。糸を切る事も考えたが、後で補修するための道具を持ってきていないので無理だった。
何度も自分の息子の裏側を刺激されていた高橋は、ついに我慢の限界を迎え、股間が大きくなりはじめてしまった。
「あっ!」
佐々木はその異変にすぐ気が付いた。そしてその原因が自分の手であることに気が付いた。
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