「姫様の戯れ」【第一話】 [戻る]


同じ着ぐるみ好きとして懇意にしているAさんが、計画を持ちかけてきたのは前回のオフ会の帰り道でした。計画と言うのは、共通の友人であり、もっぱら撮影する側のNさんにちょっとしたイタズラをしようというものです。そうして今日、準備のためにAさんの家へお邪魔しています。


Aさんはさっそくイタズラの内容を説明しはじめます。


マンションの一室をまるまる使った、洋館風インテリアのレンタルスタジオでの撮影会をセッティングする。当日ふたりはNさんより先にスタジオへ入り、ドレスに身を包んだお姫に扮して奥の部屋で待機する。


スタジオの中の各部屋へ通じるドアにカードを貼っておけば、Nさんはそこに書かれた物語を読み進めながら僕らのいるところまでたどり着くはず。


カードの物語には、お姫様の中身を気持ちよくさせる特別な仕掛けについて書かれている。けど僕らは物語通りの上品なお姫様でい続ける。それを見たNさんはきっと羨ましい気持ちなる。


…とまあこんな具合。「お姫様」というキーワードに心ひかれ、僕は完全に乗り気でした。それではさっそく準備に取り掛かりましょう。手始めに、おとぎ話に出てくるようなヒラヒラのドレスを手に入れます。


せっかくなので、細かくサイズの指定をさせてくれるネット通販のお店で頼むことにします。Aさんの着る娘はスタイルが抜群で、気品がありつつも胸の谷間と肩とが見えるちょっと大人っぽいスタイルが似合いそうです。対して僕の着る方は小柄で少し幼い風。袖がモコモコのパフスリーブになっている可愛いらしいものを選びました。もちろん両方ともふんだんに布を使ったボリュームのあるスカートで、形を綺麗に保つためのパニエも追加してあります。


いよいよ次は、着ぐるみを着ているひとが気持ちよくなるための仕掛けを作ります。その第一段階、肌タイツの股間の所へおちんちんを出すための穴を開けます。女の子の着ぐるみを着たら、女の子になりきる訳ですから普段は絶対にしないことです。しかし今回だけは特別。使い古しの肌タイツの股の部分へ小さな切り込みを入れ、ほつれないよう端を縫っておきます。


第二段階、おちんちんに取り付ける装置を作ります。材料はオナホールとピンクローター。電池ケースから電線で繋がっている3つの振動部を、オナホールの外周に貼り付けます。モーターは強力なものに取り替え、大容量バッテリーを接続するよう改造しました。このローターは無線操作できるタイプで、リモコンが付属しています。


最後はリモコンと、振動と傾きに反応するセンサーとを接続します。クマちゃんとウサギちゃん、ふたつのぬいぐるみを用意して、リモコンを背中から綿の中に埋め込みます。元通り綺麗に縫い直したのでなんの変哲もありません。でも傾けたり振ったりすると、それぞれ対になっている装置のローターが振動するのです。


実のところ、Aさんは何をどう作るかをすっかり決めていたので、僕はただただ関心しながら作業を見ているだけでこの日は解散したのでした。


数週間後、注文したドレスが届いたので試着のために再びAさん宅へ。いつも通りの補正インナーと肌タイツを着たら、その上からコルセット付けます。コルセットとは背中の所で紐を縛らなければいけませんから、お互いに手伝って締め合いました。ドレスを着て面をかぶると、鏡には素敵なお姫様がふたり、こちらに笑いかけていました。これまでこんな豪華でしっかりした衣装を着たことがなかったので、目の前の非現実的な光景に束の間うっとりしてしまいました。


ぴったりのサイズを注文しウエストをしっかり絞ったおかげで、ドレスは身体に吸い付くような素敵な着心地でした。スカートとパニエが脚にまとわりつき、肋骨を抑え込むほど固く絞ったコルセットとあいまってちょっとした身のこなしにも苦労します。そんな状態でも優雅に振る舞うことが、いつもの自分とは全く違うきらびやかなお姫様の中にいることを嫌でも意識させ、とても興奮します。


ひと通り着終わったら、気持ちよくする仕掛けをテストしましょう。細かい作業をしなければならないからと、Aさんは着ぐるみを全部脱いでしまいました。例の装置を用意したら、こちらを向いてかがみ、おもむろに僕のスカートをめくり上げます。肌タイツの股間には穴が開けてありますから、恥ずかしい部分がポロりと出ています。慌てて逃げようとする僕に、Aさんは気取った調子で言います。


「姫さま、これはとても大切な準備です。どうかご無礼をお許し下さいませ」


そんなセリフのせいで、僕は「お付きの人間に何もかもお世話してもらう世間知らずなお姫様」に変身してしまいます。


ローションでひたひたのオナホールを大事なところへ近づけられても、さっきまでの及び腰はどこへやら、『しょうがないわね』なんてツンとした態度です。ああ、けれど、どういう訳か赤黒いそれは膨らみ始めています。Aさんは、脈打つ棒がヒクヒクと持ち上がってきたの見計らって、小さな穴の中へと導きます。オナホールにはゴムひもが取り付けてあって、ベルトのようにぐるっと腰へ回し一周させます。もう一方からはタコ糸がスカートの内側と結びつけられます。


「さあ準備ができました」Aさんがスカートを降ろし、整えてから立ち上がります。布のボリュームがあるので、もうすっかり自己主張しているモノや、装置の存在を外側から知ることは出来ないでしょう。だけど中に入っている人間にとっては全く話がちがいます。体を動かすたびスカートの揺れでオナホールが引っ張られ、腰のゴムひもの力で元の位置へ戻されます。じっとしていない限り、ゆるゆるとした絶妙の加減でナニがしごかれ続けるのです。


「姫、ひとまずあちらのソファーでおくつろぎ下さい」差し出された手をとり、右手は軽くスカートをつまんで優雅に歩きだします。足を踏み出すごとに訪れる刺激につい立ち止まってしまいそうです。ほんの2メートルくらいの距離を、何倍にも感じながらなんとか堪えるけれど、ちゃんと座るまでは油断できません。腰をおろす刹那、肉茎が柔らかな穴の奥までずるりと貫く感覚はとてつもなく甘美で、思わずつないだ手に力が入ってしまいました。

「姫様はもうすっかり"お姫様"になられましたね」意味深な言葉とともに満足げな笑顔のAさん。手をギュッと握り返したせいで、気持ちよくなっているのがバレちゃったかなあ、と心配でなりません。でも僕がいま出来るのは、いつもと変わらない、いや変えることのできない微笑みで見つめ返すことだけです。事情を知らないひとは仲睦まじいようすだと思うでしょう。布とマスクの内側で快楽に震えている人間がいるなんて、想像もできないに違いありません。


さて、という感じでAさんはそばのテーブルにあるものへちらと顔を向けてから、ますます芝居がかった風にたずねます。「お気に入りのお人形、今日はどちらの子になさいますか?」それはリモコンが入った二匹のぬいぐるみ。Aさんの狙いは分かりませんが、このつらい状態に追い打ちをかけることは避けたいものです。僕がいま付けているのと無関係な、Aさんのための装置を動かす方を選ぼうと、ムムっと悩むのでした。


とは言え、いくら迷ったところで答えが出るはずありません。思い切ってクマのぬいぐるみを指さしました。「やはりウサギをご所望ですか!すぐお持ちいたします」(ちがう、そっちじゃないよ!)と伝える間もなくAさんはウサちゃんを持ち上げ、「ブブ…」それからポンと僕のヒザへ置きます。「ブブブ…」敏感なところが振動します。なんの役にも立ちませんでしたが、どうやら…当てずっぽうの選択は…正解だったようです。


さっきよりずっと強い刺激も、やっぱり、ほんの一瞬では足りません。慎重にクマちゃんを選んだ自分はどこへ行ったのか、もっともっと欲しい、イキたいイキたいイキたいイキたい、その考えだけが頭の中を満たしています。ぬいぐるみを揺すれば望みが叶うでしょう。でも、お姫様が大切にしているお人形を乱暴にあつかうなんてできるはずがありません。そっと頭を撫でてあげるのです。そうしてやさしくすれば、やさしく弱々しい波が僕を苦しめ続けるのです。


着飾ったお姫様は、ぬいぐるみをだっこしています。ワタシのお気に入りのウサギさん、頭をナデナデしてあげるとあそこが少しだけ震えて、とっても気持ちいいんです。大好きなウサギさんは気持ちよくて、エッチなお汁をぴゅっぴゅって出したくて、でもウサギさんが可哀想だから、お汁を出したいの。だからおちんちんが気持ちよくて、ワタシはお姫様だからお汁がウサギさんが大好きです。気持ちよくて、ぴゅっぴゅっのお汁が気持ちよくて…


「…さま、…姫さま!」はっと気付いて顔をあげる僕、Aさんがこちらを覗き込んでいます。「やっと我にかえりましたか。装置が上手く動いて安心しましたが、どうやらそろそろ限界のようですね。さあ、お人形をこちらへ」


僕はなんだかボーっとしていて、夢でも見ていたような気分でした。相変わらず切ない状態のまま、力を振り絞ってぬいぐるみを手渡しますが、Aさんが受け取り損ねてしまいました。そして可哀想なウサちゃんが床に落ちた瞬間、これまでとは比較にならない振動、いえ、振動というより、大事なところを鷲掴みでめちゃくちゃにしごかれたような刺激に襲われました。限界まで張り詰めていたものが一気に崩れて、押し出されるようにミルクが溢れていくのを感じます。


誰にも内緒のスカートの奥、そこで精が放たれるたびにガクガクと腰が動くのを止めることが出来ません。きっとAさんの目には、可愛いお姫様が壊れたオモチャのように震えている情景が映っているのでしょう。ボリュームたっぷりのスカートでも隠せないくらい、はっきりと下品に震えている情景が…1分以上快楽の中を漂っていたでしょうか、やっと意識がはっきりしてきて、いそいそと衣装を脱ぎはじめました。ドレスを汚さないようにあらかじめ付けていたゴムは、いやらしい液体でタプタプに満たされていたのは言うまでもないかもしれません。


さて、そんな大変な、でも素敵な体験ののち、Aさんと残りの段取りを相談してその日は解散となりました。いまから決行当日が楽しみでしかたないな、なんてワクワク気分いっぱいで帰宅したのです。


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