密室の12時間 [戻る]


「人から聞いた話だから詳しい事はわからないんだけど…」
ゲームメーカーでバイトしているノブユキがそう前置きして言った。
「何でも、あるゲームクリエーターが新作の構想を練っていて、それを手伝ってくれる人を探しているらしい」
「でも何で素人のオレに?」
「あ…。いや…。それは…。あ!そうそう。あれだ。この世界の人間だとアイデアをパクられたりするかもしれないだろ。だからだよ」
「ふーん。で?」
正直オレは興味が無かった。
「興味無いか…。まぁ、聞いてくれよ。拘束時間は12時間。確かに長い。でもな…」
ノブユキは指を一本出した。
「1万?12時間拘束されて?」
「いや。一桁違う。10万だ」
「おい…。それって、変なクスリ運ばされたりしないよな?」
オレは心配になって思わず聞いた。
「そういうのじゃ無いって。心配するなよ。ただ、その人の所に言って指示に従うだけらしいから」
「どういう事?」
意味がわからなかった。
「さぁ?そういう事らしい。まぁさ、興味があるならコレ連絡先な。椎名さんって人らしい」
そう言って、携帯の番号が書かれたメモを渡された。
「あぁ。じゃあ、まぁ、とりあえず、貰っとく」
オレはメモを受け取りポケットに仕舞った。
「じゃあ。そう言う事で。あ。あと、電話して『いきなり来てくれ』って話になるかもしれないらしいから、予定は開けとけよ」
それだけ言って、ノブユキは帰って行った。
正直半信半疑だったものの10万という額もあって、オレは電話をしてみた。
「もしもし」
男性が出た。
「あの…。椎名さん…、ですよね…。友達から聞いたんですが、何か人を探してるとか…」
「え?アルバイトって募集してたっけ?」
相手は小声で何か言っていた。
「いや…。バイトじゃなくて…」
「ん?あ。そっちか。って事は、例の件?」
「え?例の件?たぶん…そうだと思いますが…」
「あー。あー。あぁ。あぁ。あぁ、例の。はいはい。えっと、今から大丈夫?」
ノブユキが言った通りだった。
「え?はい。大丈夫ですけど…」
「そう。じゃあ、夜の7時頃で大丈夫?」
「え?7時頃ですか?えぇ、まぁ…」
「そう。じゃあ、駅ビルの1階にある『木陰』って喫茶店わかる?」
「『木陰』?えーっと、駅ビルって事は西口ですよね。たぶんわかると思いますけど…」
「うん。じゃあ。そこで。店に入って一番奥、大きい絵が掛かってる席に居るから」
「わかりました」
「じゃ。1時間後。何かあったら連絡して。あ。あと、名前は?」
「はい?」
思わず聞き返した。
「いや。一応確認の為にね」
「えっと、川島です」
「川島さんね。わかりました。では、1時間後」
そう言って電話は切れた。
午後7時少し前、オレは駅ビルの1階に居た。
ビルの中は人通りが少なく、古びた店が数軒並んでいた。
「ここか?」
駅ビルの奥に進むと奥の奥でひっそりと営業している喫茶店『木陰』があった。
オレがドアを開けると、カランカランとドアのベルが鳴った。
店内は客が数人程、やる気の無さそうなマスターがカウンターの中に居た。
オレが店内を見回すと店の奥に大きな絵があり、その下にスーツ姿の男性が座っていた。
「あの。椎名さんですか?」
オレが下を向いていたその男性に声をかけた。
男性は顔を上げ、
「はい?あ。川島さんですか?どうも椎名です。さ。どうぞ」
そう言ってオレを向いに座らせた。
オレが席に座ると、マスターが水を持って来た。
「あ。いや。すぐ…」
そこまで言った所で、椎名さんが言った。
「あ。コーヒーでいいです?」
「はぁ…」
「じゃあ。コーヒーで」
マスターは何も言わずすぐに席を離れた。
「あ。あと、何か食べますか?長くなるので食べておいた方がいいですよ」
「あぁ…。じゃぁ、カツカレーを」
壁に貼ったメニューで目についたのがちょうどカツカレーだった。
椎名さんはその場でマスターに声をかけカツカレーを頼んだ。
「えぇっと…」
コーヒーが来た所で、椎名さんはカバンから紙を出した。
「まずは。誓約書をお願いします。大まかな事は聞いてると思いますが、守秘義務というものがありまして…」
「はぁ…」
椎名さんは誓約書の内容を大まかに読み上げ、署名欄に名前を書く様に言った。
「あの?」
椎名さんからボールペンを受け取った所で気になる事があったので聞いてみた。
「この、『怪我および身体への影響が及ぶ事があっても一切の責任を問いません』っていうのは?」
「え?ああ。これはですね。長時間に及ぶので、もし何かあった時の為です。そんなに深く考えないで下さい。一応形式的な物ですから」
「はぁ…」
オレは誓約書に署名した。
「では」
椎名さんはカバンから銀行の封筒を取り出した。
「とりあえず、前金の5万円です。確認して下さい」
オレは封筒を開け、5万円ある事を確認すると二つに折りポケットに仕舞った。
それに合わせたかのように、カツカレーが来た。
「どうぞ。ごゆっくり」
椎名さんはオレにカツカレーを勧めた。
「では。いただきます」
カツカレーを食べ終え、椎名さんが代金を払うと店を出た。
「こちらへどうぞ」
椎名さんが停めていた高級車のドアを開けた。
「はい」
オレが乗り込むとドアを閉めた。
「あの。いきなりですが、これをしてもらえますか?」
運転席に座った椎名さんが、アイマスクとヘッドフォンを差し出した。
「え?」
「念のためです」
オレは言われた通り、アイマスクとヘッドフォンをした。

7曲目が終わった頃、オレは車から降ろされ室内に入った所でヘッドフォンとアイマスクを外された。
「着きました」
椎名さんが言うと、そこは周囲をコンクリートで囲まれ薄暗く窓の無い倉庫の様な場所だった。
「どこですか?」
「言えません。それから、服を全部脱いでコレに着替えて下さい」
椎名さんは『1』と書かれた大きな箱をオレの前に出した。
オレはおそるおそる箱を開けると、補正下着と肌色の全身タイツが入っていた。
「これ…。ですか…」
「はい」
オレは仕方なく服を全部脱ぎ補正下着を着けた。
「ウッ…結構キツイですね」
「まぁ、すぐ慣れますよ」
そう言って胸とお尻にパッドを入れる。
「では。次にコレを足から履いて、そのまま全身に」
「はぁ…」
オレは言われるままに肌色の全身タイツに足を通し、頭まで被るとファスナーを上げた。
「こう…。ですか…」
「はい」
目の前に置かれたか鏡を見ると体形は女性だが、タイツの丸く開いた部分から出ている顔はオレ。何だか不思議な感じだった。
「あ。あとですね。途中トイレに行きたくなったら、股にファスナーがありますから。そこを開けて下さい」
その全身タイツには股の部分にファスナーが付いていた。
「はぁ…」
「では、次」
そう言って、今度は『2』と書かれた箱を出す。
女性用の下着、それに女子校の制服とおぼしき制服一式が入っていた。
「これですか…」
「はい」
言われるままに箱から水色の上下を出し着けた。
「では、これを」
白いシャツ、紺色のスカート、紺色のジャケットの順で着ると、下だけ見れば完全な女子高生だった。
「では。最後にコレを」
今度は『3』と書かれた小さめの箱を出した。
中にはアニメというか漫画というかそんな感じの顔をした黒髪でロングヘアのマスクが入っていた。
「これを被るんですか?」
「そうです」
「はぁ…」
マスクを被り、位置を調整すると完全な女子高生になった。
「出来ました」
「はい。では、あなたは今から女子高生鮎川真琴です。いいですか。これから先、あなたはあなたが思う鮎川真琴を演じて下さい」
椎名さんが耳元で囁いた。
「え?」
真琴は思わず聞き返した。
「それから。あなたは今、鮎川真琴です。女の子です。喋ってはいけません。それから、マスクを脱いだり、このタイツを脱いではいけません。わかりましたか?」
真琴がうなずいた。
「そうです。ではこちらへどうぞ」
そう言って、目の前にあるドアを開けた。
「ここがあなたの部屋です」
ドアの先にはワンルームマンションのような部屋があり、机とイス、ベッド、それに洋服ダンスが二つと様々な小物が置かれ、いかにも女の子の部屋といった感じだった。
「では、簡単に説明をします。この部屋にあるものは自由に使って結構です。本を読んでも、服を着替えても、ベッドで寝ても構いません」
そして、もう一つのドアの前に立った。
「ここはトイレです。あと、向こうにあるあの冷蔵庫。あの中には飲み物が入ってます。冷蔵庫の上にストローがありますのでそれを使って下さい」
部屋の隅にホテルにあるような小さな冷蔵庫があった。
真琴は部屋にあった小さな鏡で自分の口元を見るとストローが入る程の穴が開いていた。
「それから。こちらから指示を出す場合はこの携帯にメールをします。ただし、この携帯から外部へ連絡する事は出来ません」
スーツのポケットからピンクの携帯を取り出し真琴に渡した。
「あ。そうだ。もし緊急事態。例えば、体調が悪くなったとかそういう事があれば、その携帯でメールするかドアの横にある赤いボタンを押して下さい」
入口の横にカバーの付いた赤いボタンがあった。
「あ。あと、着て来た服はロッカーに入れておきますから。これロッカーの鍵です」
椎名さんは真琴にロッカーの鍵を見せると、ジャケットのポケットに入れた。
「では。ワタシはこれで。また12時間後お会いしましょう。」
椎名さんは部屋を出て行った。

真琴は部屋に一人となり、何をすればいいのかわからないまま部屋の中を見回した。
静まり返った部屋にはよく見ると時計が無い。いや、時刻が表示されるものが一切無い。当然指示が送られる携帯の画面にも時刻表時が無い。
そして、天井に監視カメラらしきものがあった。
「やっぱりどこかでこの部屋の様子を監視してるのか…」
真琴は気分転換しようと、カーテンを開けた。しかし、カーテンの先に窓は無く壁だった。
そうだろうとは思ったが、ドアは外側から鍵が掛けられ外に出る事は出来ない。
不安になった真琴はイスに座り、机に向かって頭を抱え考えた。
「12時間…。今から何が起こるのだろう…。こんな格好させられた上に部屋に閉じ込められて…。何でこんな事引き受けたのだろう…」
不安に不安が重なり、絶望感すら感じ始めた。すると、先程まで感じていなかったマスクの息苦しさと視界の狭さを感じさらに辛くなって来た。
「はぁ… はぁ…」
真の息が段々と荒くなり、両手を机についた。真琴がついた右手の先のピンクの大きな手帳のような物があった。
「ん?」
手帳のような物を手に取り、ページを開いた。どうやら日記のようだった。
中身は妙にクセのある丸文字で書かれた、本当に普通の日記だった。
ある日は、携帯を家に忘れて一日不安だったとか、コンビニで買ったプリンアラモードがおいしかったとか、友達が告白されたとか、そんな内容だったが真琴は読みふけった。
日記を読み終え閉じると、ふと思った。
「誰が書いたんだろこの日記…。あ。そうか。オレ…じゃなかった真琴。そう。ワタシだ…」
真琴は立ち上がった。
「そうか。今は女の子なんだ。せっかくだから女の子を楽しもう」
そう思い立った真琴は、タンスの一番上の引き出しを開けた。いかにも女子高生といった感じの服が整然と並んでいた。
二段目。こちらは制服のシャツや体操服、スクール水着が入っていた。
三段目。真琴は唖然とした。
「誰の趣味…」
引き出しの中には、メイド服、バニーガール、チャイナドレスなど、この部屋の本当の持ち主の趣味としか考えられないような服が並んでいた。
「こっちは?」
もう一つのタンスは一番上が開き戸になっていた。開き戸の中は制服の替え、コートなどが入っていた。
下の引き出しは下着や小物類が入っていた。
「着替えようかな」
真琴はタンスから色々と引っぱり出し、今着ている制服を脱いだ。
「あ…」
下着姿になった自分を見て妙な気分になった。
「でも、時間はまだまだあるし、そういう事は後にしよう」
そう思い色々と着て楽しんだが、まだまだ先は長いからと結局ジャージ上下に落ち着いた。
「さて…」
先程息苦しくなったせいなのか、落ち着いたせいなのか喉が渇き始めた。
真琴が冷蔵庫を開けると中には飲み物が6本。ミネラルウォーター、お茶、スポーツドリンクなど色々あった。
真琴はミネラルウォーターを出し、ふたを開け、ストローを差した。
「うーん…。何しようかな…」
真琴は再びイスに座ると、携帯が鳴った。
それは最初の指示だった。
『女の子なんだから、もうちょっと女の子らしい服を着て』
それだけだった。
「何これ?」
とはいえ、指示は指示。仕方なく、イエローのキャミソールにデニムのショートパンツという組み合わせに着替ると監視カメラに向って胸を張って見せた。
「これならいいでしょ」
再び携帯が鳴った。
『OK』
今度はいいらしい。
真琴はミネラルウォーターを飲むと、机の引き出し開けたが特にこれといった物は無かった。
「トイレ…」
最後にトイレのは家を出る前だから結構な時間が経っているはず。
真琴がトイレに入ると天井には部屋と同じ様に監視カメラが付いていた。
「トイレもか…」
真琴は下着を脱ぎ、股のファスナー開け自分の物を出そうとして気がついた。
「やっぱり座ってしないとダメなのかな?」
そう思った真琴は便座に座り用を足す。
用を足し、ふと自分の下半身を見た真琴は不思議な気分になった。
「女の子なのにこんなのが付いてるなんて…」
危うく完全な状態になりかけたが、大きく深呼吸すると落ち着いた。
トイレを出ると特にする事もなく床に座りぼんやりとしていた。
「あぁ…」
そこへ何か行動を促すかのように携帯が鳴った。次の指示が出たようだ。
『もうすぐそこに行くから、少し待ってて』
誰か来るらしい。

それからしばらくして、誰かがドアをノックした。
真琴がドアを見ると、鍵を開ける音がして誰かがドアを開けた。
「真琴ちゃん…」
男性が部屋に入って来た。
「ついに始まるんだ…」
真琴の中のオレはそう思いながらも何があっても鮎川真琴のままで居続ける事を決めた。
「遊びに来たよ」
真琴は両手を振り彼を迎えた。
「遅くなってゴメンネ」
真琴は首を振った。
「そう。ありがと。じゃ。始めようか」
彼はカメラを取り出し真琴に指示を出した。
「えっと。まず、この辺に立って後ろを向いてこっちを振り向く感じで」
真琴は彼の言う通りのポーズを取った。
「そう。そんな感じ」
彼はあれこれと指示を出しながら、シャッターを切り続けた。
「じゃあ。今度はこれに着替えて」
しばらく撮影を続け彼はタンスからメイド服とスクール水着を取り出し、真琴に見せた。
真琴は恥ずかしそうに小さくうなずくと、彼に背向けた。
「ほら。こっち向いて」
彼は背を向けて着替えようとする真琴の肩を持ち、自分の方へくるりと回した。
そして、彼は真琴が服を着替える様子も撮り続け、真琴は恥ずかしそうに着替えた。
「じゃあ。ちょっとスカートを上げてみて」
彼の指示は段々スカレートして行く。
「そう。ゆっくり上げて。そこで一旦ストップ」
スカートの裾からスクール水着が見えるか見えないかという位置でストップをかけた。
恥ずかしそうにうつむく真琴。
「いいよ。その感じ。今度はこっちに背を向けて」
真琴はメイド服を少しだけ脱ぎ、彼の方へ背を向けた。
「そのまま、ゆっくり脱いでみて」
真琴は言われる通りメイド服を脱ぎ、スクール水着姿になった。
「そう。いいよ」
彼はシャッターを切り続けた。
「じゃあ。もう一回着てからベッドに座ろうか」
彼はメイド服をもう一度着せ、真琴をベッドに座らせると横に並んだ。
「さぁ。これからが本番だよ」
彼は真琴の肩に手を回し抱き寄せた。
「真琴ちゃんはえっちな事好き?」
真琴が小さくうなずく。
「そう。じゃあ。えっちな事しようか」
そう言って彼は真琴の胸を服の上から揉みだした。
「真琴ちゃんのおっぱい。おっきくて柔らかいね」
真琴が肩をすくめる。
「ほら見て。真琴ちゃんが映ってるよ」
彼はベッドの向いにある大きな鏡を指差して言った。
真琴はうつむきながら、チラリと鏡の方を向いた。
「恥ずかしいの?」
真琴がうつむいたまま小さくうなずく。
「そう。でも、気持ちいいんでしょ?」
真琴の胸はパッドのはずだが、真琴は胸を揉まれて感じていた。
「気持ちいいんだ」
真琴がもぞもぞとする。
彼はメイド服のエプロンを外しメイド服の上半身だけ脱がせスクール水着の隙間から手を入れると、両胸を揉み始めた。
真琴は身体をくねらせ、首を小さく振る。
「気持ちいいんだ?じゃあ、ここは?」
彼は右手を真琴の下半身に持って行った。
「あれ?これは何?」
彼は真琴の完全な状態に手を当てた。
真琴は大きく首を振り、彼の手を払った。
「何で女の子にこんなのがあるのかな?」
彼はスカートを捲り上げ、スクール水着の上から真琴の完全な状態を触った。
「これも気持ちよくして欲しいんでしょ?」
真琴が顔を逸らす。
「じゃあ…」
彼はスクール水着の肩ひもに手をかけ、ゆっくりと下げ真琴の胸が露となった。
「おっぱい大きいね」
彼はそのままスクール水着をゆっくりと下げ、メイド服と一緒にスクール水着を脱がせると真琴は肌タイツだけの姿となった。
「じゃあ。出してあげようね」
彼は真琴の肌タイツに付いた股ファスナーを下げ、真琴の完全な状態を外に出した。
「こんなに大きくなってるよ」
彼は真琴の完全な状態を握ると、上下に動かした。
「あ…」
真琴は思わず声が出た。
「あれ?どうしたの?感じてるの?」
真琴は恥ずかしそうに首を振る。
「じゃあ、今の何?声が出たでしょ」
彼の手はさらに激しく動く。
「ほら。気持ちいいでしょ」
「あ… は… はぁ… は…」
真琴のマスク越しに声が漏れ、そのまま全部出し切り全身の力が抜けた。
「イッたんだ。女の子なのにこんなにいっぱい出たんだ。恥ずかしいね」
真琴はしばらく肩で息をしていたが、少し落ち着いてから後始末をして股ファスナーを閉めた。
「さ。今度は真琴ちゃんが気持ちよくする番だよ」
そう言って彼はベッドの上で横になった。
真琴は肌タイツだけの姿のまま彼の上に馬乗りになると、彼のシャツをまくり上げマスクを胸の辺りで行き来させ、右手でズボンのファスナーを開け完全な状態を出した。
「上になると大胆だねぇ」
真琴は彼の完全な状態を握り、上下させた。
「いいよ。気持ちいいよ」
今度は、マスクの口元を彼の完全状態に近付けながら、手を上下させた。
「あ… あぁ… イクよ…」
彼は真琴のマスクに全てを放出した。
「はぁ… はぁ… 気持ちよかったよ」
真琴が彼の後始末をすると、彼は真琴のマスクの付いた自分から放出したものを拭き取り、軽くキスをした。
「ありがとう。気持ちよかったよ」
彼は立ち上がると、自分の物を仕舞い服の乱れを直した。
「じゃ。帰るね。バイバイ」
真琴は彼をドアまで見送り、小さく手を振った。

彼が部屋を出て行くと真琴はドッと疲れてが出た。
「寝よう」
いくら肌タイツを着ているとはいえこのまま寝るのはどうかと思い、先ほど着ていたジャージを上から着てベッドに入るとすぐに寝てしまった。
目が覚め室内を見回したが何も変わっていなかった。
この部屋に時計が無い事もありどれくらい寝たのか見当もつかないが、かなり寝たような気がした。
起き上がった真琴はぼんやりと寝る前に起こった事を振り返った。
「あれが、ああなって…、ああなったんだ…」
十分に寝たせいなのか、そんな事を考えたせいなのか真琴の下半身は完全な状態になっていた。
自分でもう一回…。そう思ったがやめた。
「ふわぁー…」
真琴は背伸びをしてベッドから立ち上がると、携帯が鳴った。
『椎名です。お疲れさまでした。もう少しで時間です。最初の服に着替えてお待ち下さい』
「やっとか…」
真琴はマスクの息苦しさと全身の締め付け、それに時間も音も無い部屋から開放されるという気持ちと同時に、この不思議な時間を終える事に名残惜しさを感じ少し考えた末メールを返信した。
『少しだけ時間を下さい』
すぐに返事が返って来た。
『構いませんよ。では、準備が済んだら連絡を下さい』
真琴は椅子の上に乗り、天井の監視カメラを横に向けた。
「これでよし」
真琴は椅子から下り、ジャージを脱ぐと下着を着け鏡の前に座った。
左手で自分の胸を右手で自分の下半身をさするように触る。
「はぁ… はぁ…」
マスク越しに声が漏れ、それに合わせて右手の動きが段々と大きくなる。
我慢し切れなくなった真琴は肌タイツの股ファスナーを下げ、完全な状態を出した。
「は… は…」
右手で完全状態を握り上下に動かす。
「あ… あぁ…」
真琴は全てを出し切り果てた。
「あぁ…」
しばらく放心状態だった真琴は我に返り、後始末を済ませると手早く着替えメールを送った。
『準備が出来ました』
『すぐに行きます』
すぐに返事が返って来て、椎名さんが部屋に来た。
「お疲れさまでした。さ。どうぞ」
椎名さんはドアを開け、再び隣の部屋に戻った。
「では。脱いでいいですよ」
「はぁー」
真琴のマスクを取ったオレは大きく息を吐いた。
「鍵」
オレはジャケットから鍵を出すと、椎名さんがそれを受け取りロッカーの鍵を開けた。
「お疲れでしょうから、ここは」
そう言って椎名さんはオレの服を全部脱がせてくれた。
「どうでした?」
肌タイツのファスナーを下げながら椎名さんが聞いて来た。
「え?まぁ…。何と言うか…」
オレは答えに困った。
「でしょうね。まぁ、長いですからねぇ…。体調の方は?」
「大丈夫です」
「そうですか、それは良かった。じゃ、ちょっとこれも脱ぎましょうね」
椎名さんが肌タイツも脱がせてくれた。
「何から聞けばいいんだろ…。えっと…、アレは何なんですか?友達にはあるゲームクリエーターが新作の構想を練っているって聞いたんですけど…」
椎名さんは少し答えに困った様子だった。
「まぁ…。それも半分…、趣味が半分って所ですかね…」
「はぁ…」
「でも、何で男なんですか?そういう事なら女性の方がいいじゃないですか?」
「まぁ…。色々あるから…」
椎名さん少し困惑した様子だった。
「あぁ…」
補正下着を脱ぐと、締め付けられていた身体が開放された。
「あー。キツかった」
思わず声が出た。
「着て来た服はロッカーにありますから」
オレはロッカーに入っていた服に着替え、最後に靴を履くとオレはオレに戻った。
「では」
椎名さんがドアを開けるとそこは薄暗い裏路地だった。
「ここは…」
オレは周囲を見回した。
「さ。行きましょうか」
椎名さんはスタスタと歩き出した。
「いやー。今日は本当にありがとうございました」
椎名さんは立ち止まり、オレの横に並んだ。
「いえ…。あの、ところでここは?」
「はい。着きました」
椎名さんが目の前にある『非常口』と書かれた鉄のドアを開けると、そこは駅ビルの中だった。
「え?」
そして、目の前には椎名さんと待ち合わせた『木陰』があった。
「あの…」
「はい?昨日から何も食べてないからお腹もすいてるでしょうし、何か食べましょう。話はそれからで」
二人は『木陰』に入った。
時刻は午前9時を少し過ぎた頃。あれから12時間以上経っていた。
開店直後という事もあり、店内に客はおらず昨日と違って中年の女性がカウンターの中に居た。
「モーニング。コーヒーで。何にします?」
椎名さんがオレに聞いた。
「えっと…。カツカレー」
無意識のうちにそう答えていた。
「彼にもコーヒーね。とりあえず、コーヒーだけ先で」
コーヒーが二つすぐに来た。
「しかし、またカツカレーですか?好きですね」
椎名さんが冗談半分に言った。
「え?いや。無意識のうちに…」
「あ。そうだ。これ。残りです」
そう言って、スーツの内ポケットから銀行の封筒を出した。
「あ。どうも」
封筒を受け取ると、オレは最初に貰った分と一緒にして空になった封筒を丸めてテーブルの隅に置いた。
「あの。ところで、椎名さんって何者なんですか?」
「え?ワタシですか?ゲーム業界の端くれに居る者ですよ。何とういか、便利屋というかパシリというか…」
「はぁ…」
「まぁ、ここまで頑張ってもらったし、この際だから明かした方がいいですかね」
椎名さんは自分の名刺を出した。
名刺には大手ゲームメーカーの役員という肩書きがあった。
「え?え?これホントですか?」
「えぇまぁ。古いだけですよ。だから、こんな事やらされてるんですよ。はは…」
そう言って笑った。
「あと、途中に来たあの人が例のアレなんですか?」
「そうです。まぁ何と言うか。困ったもんですよ…」
そこへ椎名さんの頼んだモーニングが来た。
「先どうぞ」
「では。お先に」
椎名さんはトーストを口に運んだ。
「ところで、あれはどこだったんですか?」
「え?場所?この裏です。この裏って倉庫なんですよ。ちょうど空きがあって、それをウチで借りてああしたんです。」
「あぁ…。でも何でわざわざ外に出て、車に乗せたりしたんですか?」
「あれですか?一応、場所がわからない様にする為です」
「なるほど」
「それに、いきなりドア開けてちょっと歩いて『ここです』よりそっちの方がいいじゃないですか」
「ですかねぇ…」
椎名さんがモーニングを半分近く食べた所で、オレのカツカレーが来た。
「いただきます」
オレがカツカレーを数口食べた所で、椎名さんが時計をチラッと見て言った。
「おっと。もうこんな時間だ。そろそろ行かないと。それじゃ、これで。本当にありがとうございました」
椎名さんは伝票を取り立ち上がった。
「いえいえ」
去り際、椎名さんは何かを思い出したように振り返った。
「あの。また、お願いしてもいいですか?」
「え?あ。はい。機会があれば」
「そうですか。その時はまた連絡します」
椎名さんは会計を済ませると足早に店を出て行った。

おわり


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