アイの秘密と嫉妬心(1話) [戻る]



竹原直人と言います。
今日は懐かしい話なんかから始めて見ようかと思います。

僕がはじめて訓練センターに足を踏み入れたのは、今から1年程前の事でした。
ホビー21のキャラクター要員を訓練する為の施設で、ホビー21の社内でもトップシークレットとなっている施設です。
最初はバイトとしてショップの店頭に立ったり荷物の整理をする仕事をしていたのですが、ホビー21に存在する可愛らしい美少女気ぐるみ達の存在が気になって仕方ありませんでした。

いや、実を言うと僕は元々ホビー21の着ぐるみに対して大変な興味があり、その観察も出来ると思ってアルバイトを始めたのです。
はじめてホビー21に買い物に出かけて、着ぐるみを見た時に感じた衝撃は忘れられません。
まだ小学校の頃でしたが、明らかに人が入ってるのに、その痕跡が全く見えないほど完璧に立体的な二次元キャラクターとでも言えばいいのか、あるいは動くフィギュアといえばいいのか、その見た目の可愛らしさはもちろんなのですが、子供でも分かる程の密閉感に何故かモヤモヤした感情を抱くようになったんです。

いや、厳密に言えばもっと前から、着ぐるみに対して特別な感情はあったんだと思います。
スーパーの広場でヒーローショーや魔法ヒロインショーを見ている時も、ストーリーよりも中の人が気になっていました。
あの作られた顔、の何処かから僕らを見て、握手やサインをしてくれる誰かが居る。
当時は、中が暑いとか苦しいと言った感覚は想像できませんでしたが、僕からは見えない誰かが、僕の事を見ている、と言う状況に対して何となく羨ましい感じを持っていました。
子供心に、中の人に向かって年齢いくつ?とかどこに住んでるの?とか聞いてみた事もありますが、もちろん答えは返って来ないですし、せいぜい身振り手振りであっちのほうからやって来たなんて返します。
ウエットスーツで出来たヒーローなんて、空を指差して宇宙から来た、と言うんですから。

いくら僕でも小学校低学年ぐらいの知能があったら、中に入ってる人の自宅がそこには無い事ぐらい分かってます。
でも、彼らは、僕の前では常にヒーローやヒロインだったので、僕の知りたい真実ではなく、見た目の真実しか教えてくれなかったんですよね。

こんな不思議な気持ちは僕ぐらいしか持っていないと思っていました。
そのまま小学校高学年になり、だんだんと、着ぐるみの中は暑い、苦しい、外が見えにくい、動き難い、と言った一般的な「中の環境」を理解できるようになって来ました。
そんなときに、ホビー21で美少女達を見たのです。
この時、僕は、その見た目と、きっと存在するはずの中の人の置かれた環境とのギャップを想像し、ホントにモヤモヤした気持ちになったのを覚えています。
今にして思えば、これは嫉妬と、性的な興奮だったのですが、当時はまだそれが何なのか分かりませんでした。

中学に入ると、性についても徐々に知識と興味が沸き、それと同時に、ホビー21の着ぐるみの中に入っている人、にもなんとも言えない性的興奮を覚えるようになります。
完璧とも言えるフィギュア体型のスタイルと、その中で締め付けられ、蒸され、呼吸を遮られ、多分視界もほとんど効かないような、そんな環境にいながら、お客さんである自分に可愛らしい美少女として接してくれる中の人、に、羨ましさとともに、その中に存在する見えない女性に対して性的に興奮も覚えていました。

同時に、全く関係ないヒーローショーなどのウエットスーツできた着ぐるみに入る人の事も想像してしまいました。
あの中であれば、自分と同じ男性が入ってるはずで、ゴムに密閉される苦しさと締め付けを味わいながら、股間にほのかに膨らんだ男性のシンボルは変化しない事から、もしかしたら中の人が気持ち良くなるのを必死に堪えてるんじゃないか、なんて想像もするようになりました。

もちろん冷静になればそんな事はありえないのですが、あんなに股間周りも窮屈そうなスーツに締め付けられて存在すると、シンボルの締め付けが気になったりするんじゃないか?と妄想したりしたんです。
気になればムズムズしてくるし、そんな状態で動き回って締め付けが絶えず変化すると、まるでマッサージでも受けているかのような状態になったりするんじゃないのか?と。
それでも大きくならないように頑張ってるとしたら、なんかとっても興奮できるし、中でそう言う状態での我慢を強いられている人に何となく羨ましい感覚があったんです。
話を戻してホビー21の美少女達。
中に入ってるのは凄くスタイルのいい女性だとは思うので、股の間に余計なものはついてないから、そこが締め付けられたりする事は無いとは思うのですが、それでも全身をあんなにピッタリ締め付けられたまま動けば、色んな所が突っ張ったり緩んだりを繰り返して、全身をマッサージされているような状態になったりしないのかな?それによって中の女の子が性的に興奮しちゃったりしないのかな?なんて考えるようになりました。
中学ぐらいになれば、友達からひっそり分けてもらったアダルト物の動画なんかを見て、エッチな行為をしているときの女性の様子なんかもイメージできるようになります。
男に比べても、相当エッチな声を出している様子は、もちろんそう言う目的の動画だからと言うのもあるのでしょうが、ある程度そう言う傾向があるのだろうという想像も出来るようになっていました。
とすれば、もしもあの中で感じてしまう事があったとして、そんな状態で美少女でいるとしたら、中の人はそのエッチな声を押し殺して存在している事になります。
呼吸だって荒くなりそうですし、とても蒸し暑そうなそんな場所で、皆からは完全に隠された最小の小部屋の中で1人悶々と快感に耐えている女性。
そう言うのを想像してはオカズにしてました。

中学の頃に受けたもう一つの衝撃は、ウエットスーツ型ヒーローの映画の宣伝の中で、ヒーローの子供時代が出てくるんです。
当然ヒーローが子供ですから小さい。
そのヒーローのスーツはデザインこそ大人の物をベースにしてますが、明らかに幼い感じで、背丈も小さいのがわかります。
つまり、あの中には子供が入ってると直感出来たんです。
実はそのウエットスーツヒーローには幼馴染となる女形のヒロインも登場します。
このヒーローの奥さんと言う設定なのですが、当然子供のヒロインは、幼児体型。スタイルはヒーローのそれと殆ど一緒だったんです。
確実にあの2人のウエットスーツの中に、自分と同じか、それより小さい子供が入ってる。何処の誰だか分からないけど、そんな場所を経験した人間がこの世に2人、確実に存在する。
この事が僕にとっては物凄い衝撃でした。
その上、この映画に関する雑誌類を買い捲って、更に恐るべき事実に辿り着きます。

割と大人向けの特撮好きな人向け雑誌の中で、撮影秘話なんかが出てたんです。
中でも夏場の撮影で大変だったシーンとして、ヒロイン役の女の子が夏バテでダウンして、急遽ヒーロー役の男の子に中に入ってもらった、と言う話がありました。
確かに、夏の野外で少女ヒロインが無くした物を探す為に色んな場所を走り回る、と言うシーンがあるのですが、その場面のヒロインの股間は、言われて見ると確かに少しだけ膨らみがあるようにも見えます。
多分意識しなければ分からないし、実際に僕も言われずに見た時には何の疑問もなく女の子が入ってると思っていたのですが、事実を知ってよーく見ると、男の痕跡があったのです。

このことを知ってしまった僕は、女形のスーツに入る事になった男の子の気持ちを考え、猛烈に羨ましさを覚えました。
確かに子供の体型であれば、大人ほど男女差がありません。
見た目のデザインがヒロインの造形であれば、そのヒロインが女であると誰もが認識するはずです。
でも、その中には男の子が入っていた。真夏に、撮影と言う理由で、女の子の入るスーツに密閉され、走り回る事を強要された男の子がいた。
これが羨ましくて仕方なかった。

それ以来、キャラクターショーや年末歌合戦なんかに出てくる着ぐるみを見ると、中に男性が入ってる可能性、について想像してしまうようになりました。
確かに子供とは言え、男子が女子の姿になっていた。この事実が僕にある可能性を想像させたんです。
スカートなどで腰周りが隠れて、胸周りもウレタンなんかで盛れば、多分外から見て、中の男女の区別はつかなくなるんじゃないか、と。
その頃やっていた女児向けの魔法ヒロインのキャラクターショーでは、あの中にもしも男性が入っていたら、を想像してみるようになりました。
もし本当に中身が男性なら、みんなの前で、作り物とは言え女の子の身体に入って、女の子の着るような衣装に身を包み、女の子のフリをし続ける仕事。
中で興奮しても多分あのヒラヒラしたスカートなら分からないんじゃないか?なんて想像もしてしまいました。

そんな想像をする中学時代を凄し、高校に入ると更にそう言った想像はエスカレートしました。
同級生の女子も、中学に比べ明らかに女になり、僕も性的な興味は更に増していました。
仲のいい女子も出来て、クラスで会話もするようになりましたが、それでも性的な興味の方が強くて、どうしても楽しく会話しながら裏で変な妄想をしてしまうようになったんです。
普通なら、この女子と付き合ってエッチなことしたい、みたいな想像をするのでしょうけど、僕は少し違いました。
いや、そう言う想像ももちろんしたのですが、それ以上に、この女子は、実は特殊な着ぐるみで、密かに開発を依頼された男子が入ってる、と言う設定を想像したのです。
性別によって体格が明らかに異なるようになったので、男子がこの身体でいるのはまず不可能なのですが、何らかの技術で身体をこの中に押し込んでいるとしたら。
今でもスカートの中の股間に隠れた物が窮屈に締め付けられ続けているのかもしれない、なんて想像もするようになります。

夏には制服に透けるブラも見えました。
もしもこの中が男子生徒だとしたら、あのブラはその男子生徒が身につけている物。僕はそれを見てちょっと興奮していると言う事になります。
もしもホントに男子生徒が入ってるとして、その女生徒が僕と付き合う事になったら、その男子は僕に対して女を武器に、僕の気持ちを弄ぶ事が出来る。
そんな羨ましい事を、こんな可愛い女子の中に密閉されて体験している男子を想像して、羨ましくなったのです。
現実には存在するはずのない、そんな男子生徒に羨ましさを覚えるほど、自分の特殊な性癖は加速していました。
同時に、こんな変な施行の持ち主はこの世に自分だけ、と言う絶望感もありました。

この頃もホビー21には通い、趣味の商品を買うフリをして着ぐるみを観察していました。
もちろん何度も通うので店員にも顔を覚えられていますし、仲良くしてくれる店員もいました。
そして、驚いたのは着ぐるみ。
彼女達は僕を覚えてくれていたのです。
会話は出来無いまでも、身振り手振りで歓迎してコミュニケーションを取ってくれるんです。
しかも、前回来た時に起こった出来事も覚えているようです。
これは、この美少女達の中身が、常に同一人物である事を意味していました。
来る日も来る日も、こんな可愛い姿に密閉される役者さんの気持ちを想像して、羨ましくなったのは言うまでもありません。

大学に進学し、が出来るようになると、アルバイト先は迷わずホビー21にしました。
店員さんのバイトは、正直言えば少し相場より安かったのですが、それでもあの美少女着ぐるみ達が気になって気になって、その近くでの仕事をしたいと思ったんです。
給料が安いとは言え、人気のホビーショップですから、結構仕事は大変でしたけど、それでも時々美少女着ぐるみ達は店員ともコミュニケーションを取ってくれるんで、仲良くなった美少女もいます。

近くで観察すればするほど、彼女達の構造は普通の着ぐるみとは全く違うと言う事が想像できました。
まず、不思議なのはその出入り口。
普通は背中にファスナーがあったり、首から上はマスクを被るような仕組みがあったりすると思うのですが、そう言うつなぎ目や隙間が全く無いんですね。
ショー等でビキニの水着になってもその出入り口の痕跡は全く分からないんです。
どうやって中に入るのか全く分からず、もしかして毎回特殊メイクのように身体に、作り物の皮膚を貼り付けるような仕組みなのかも?とも思ったのですが、さすがに毎日そんな事をやるとも思えないので、とても不思議でした。

水着姿でも抜群のスタイルを持っている事から、やはり中の女性は相当にスタイルがいい人なのだとは思うのですが、それにしてもこれだけピッタリした皮膚で隙間無く覆われた美少女の中は、きっと相当に蒸し風呂のような気がしました。

もう一つ。呼吸口が見つからないんです。
ヒーローやヒロインのショーでは、口元にスリットがあったり布が張ってあって、そこから空気が出入りしているのが分かりました。
ですが、ここの着ぐるみ達は、口を閉じているものも、笑っているものも、その構造に隙間らしい物は無く、そこから空気が漏れ出ている様子も無かったんです。
偶然を装って口元近くに手を持っていったりして確認したのですが、手には全く空気の流れを感じませんでした。
中に人が入ってる以上、何処かから呼吸しているはずですが、その箇所が全く分からなかったんです。
もしかして、皮膚全体が通気性を持ってるのかしら?とも思ったのですが、素材の感じから見て呼吸に耐えられるほどの通気が出来るとも思えませんでした。

最後に視界です。
多分目の何処かに、中の人が外を見るための視界があるはずですが、どの着ぐるみも美しく吸い込まれそうな綺麗な瞳を持ちながら、そこに裏側が透けるような部分を見つける事は出来ませんでした。
多分マジックミラーなどの原理だとは思うのですが、どこから外を見ているかが全く分からないその構造はとても不思議でした。

その美少女達の身体や顔のつくりが、自然であればあるほど、中に入っているはずの人の状況を想像しにくく、その事が僕の、中の人への興味、を強くして行きました。
ショーなども含め、3時間以上出ずっぱりのキャラクターもいますから、その時の中の状態は、さぞや苛酷なんだろうなと思いつつも、その動作は最後までキャラクターの態度を崩す事が無いので、やはりプロなんだろうなぁと思っていました。

そんなある日の事でした。
たまたま手伝いで別の販売ブースに出向いたら、そこに1人の女の子の着ぐるみがいたんです。
表情からもスタイルからも、それが女性と言うよりは、女の子と言う方が近いイメージで、着ている服も明らかに小学校高学年か中学に入りたてと言う女の子が着ていそうな服です。
どうやら、この世代の子供をターゲットにした衣類を扱っているブースらしく、そのイメージキャラクターなのだそうです。
確かに大人の女性でも背が低い人はたまにいます。それこそ子供に近い背格好の女性もいます。
ですが、僕が真っ先に思ったのは、このサイズなら小学生の男の子でも入れる可能性がある、と言う事でした。

もちろんホビー21でそんな少年を着ぐるみに入れているとは思えません。
想像通り、小柄な大人の女性が入ってるんでしょう。
でも、あの子供の頃に読んだヒロインスーツに入る男の子の事を思い出してしまったのです。
もし、この中に自分が入ってたら・・・
確かに大人の魅力はありません。凹凸は殆どなく、ブラだってつける必要がないような体型です。
でも、明らかに女の子ですし、女物の衣類を身につけています。
この中に男の子が入ってるとしたら・・・こんな可愛い女の子に密閉され、その上、おおよそ男の子が着るとは思えない可愛い衣類を身に着け、同年代の女の子達のアイドル的に扱われている状況を味わっている男の子がいる、と言う事になります。

事実とは違うはずですが、そう言う妄想が加速し、僕はこの着ぐるみ少女の姿を目で追いながら、居もしないはずの男の子の事が羨ましくて仕方なくなっていました。

こんなように、バイトに行くと、仕事といいながらも着ぐるみ達を観察して悶々とする日々を過ごしていました。

小学生の頃から思っていた着ぐるみに対する特殊な感覚。
こんな変な事を考えているのは自分ぐらいだろう、と言うちょっとした罪悪感。
そう言った感情を抱えて日々を過ごしていたのですが、この頃見つけたインターネットサイトに救われた気持ちになります。
ホビー21の着ぐるみの写真を掲載しているファンサイトは、既にいくつもあるのですが、この日たまたま見つけたサイトは、他のサイトとはちょっと、と言うより相当に視点が異なっていました。
そもそも入り口から18禁となっていて、デザインもグレーや黒、白と言ったモノトーンで構成され、全体的にダークな印象のサイトです。
サイト名は「Inside21」。
サイト中にはホビー21と言う言葉は一切無く、普通の検索では発見することはまず不可能だったのですが、たまたま見つけた匿名掲示板に、隠語的に「中21」と言う言葉が見つかりました。
最初はそれが何を意味する言葉かは分かりませんでしたが、掲示板で何となく文章を追っていくと、それがホビー21の着ぐるみを特集したアダルトサイトだと想像できました。
中21と言うワードを色々変換し、やっと辿り着いたのがInside21だったのです。

発見した時は、宝の山を見つけた気持ちになりました。
サイトの中は、ホビー21の着ぐるみに対する考察が色々書かれています。
写真は殆ど無く、文章とイラストで構成されているのですが、その理由として、ホビー21内で写真を撮り、それを掲載してしまうと、ホビー21側が掲載写真を調べれば、誰がこのサイトをやっているのか分かってしまう可能性が高いので、極力画像はイラストで表現しているとのことでした。
確かに、定期的に更新される画像と、その時、誰が着ぐるみの周りに居たのか、写真を撮っていたのか、を防犯カメラやスタッフの記憶で辿れれば、サイト運営者は分かってしまうでしょうからね。

そして肝心のサイトの内容ですが、ホビー21の着ぐるみが「いかに厳重にその構造や内部に入る人たちを隠しているのか」と言った解説や「呼吸システム、出入り口」についての考察など、様々な仕組みについての文章、そして、あの着ぐるみに密閉されている女性達を想像し、その様子を書いたフィクションストーリーなどがありました。
会員制になってる部分もあり、そこを見たかった僕は迷わずその会員に登録します。
会員制のエリアは、主に掲示板と、より細かい考察が書かれたエリアでした。
その中で、掲示板には、事情通な人たちの考察が沢山書かれていて議論されているのが見えます。
僕もその議論に混じり、日々観察した内容なんかを書き込んだりしていました。

特に、子供のキャラクターの話について、僕の持論みたいな妄想を展開したら、結構ウケが良く、その発想は素晴らしいと喜んでくれる人も居ました。
さすがに中に男性が入ってる説は突拍子も無さすぎて、殆どの人に「それは流石に飛躍してる気がする」と言われましたが、少ないながらも「そう言う感情は昔からあった」とか「自分も出来ることなら入りたい」って思ってる人はいました。
子供の頃から密かに抱いていた特殊な感情は、自分だけが思う、本当に特別なものだと思っていたので、こうしてコミュニティーによって似たような価値観の人がいると知れただけでも嬉しく思いましたしね。

こうしてコミュニティーでの密かなる楽しみと、ホビー21のアルバイトで見る着ぐるみ達に悶々とする日々を過ごししばらくが経過したある日。
自分のいる販売エリアに、新たなアイドルグループのような着ぐるみが登場しました。
女子高生制服系アイドルや、恋愛物のアニメやゲームに出てくるような派手目な衣装としてアレンジされた制服を纏い、7人のグループとして登場したai-Dollと言うグループ。
全員が「アイ」と読める名前を持つキャラクター達(例えば、清澄藍ちゃん、田辺亜衣ちゃん、など)のグループで、清楚系から真面目風、きゃぴきゃぴした元気っ子、スタイルのいいモデル風の子など、みんなの好みにマッチしそうなキャラクターをそろえています。
実際、このアイドルグループは、店内イベント限定とは言え、結構人気でファンサイトも出来てしまうほど。
歌は録音のようですが、ちゃんと歌に合わせて口がパクパクしたり目が瞬きしたり、表情が変わったりと、少なくとも歌っているときは表情がとても豊かでもあります。
ですが、歌は実際に歌っていないとは言え、あの姿で曲の間、結構ダンスも続くので、中の人はかなり大変な気がしました。

基本は僕らのバイトしてる販売エリアがメインステージとなるグループですから、そのキャラクター達目当ての客も増え、その客が落とすお金もあって僕らの販売エリアの売り上げは好調なんですよね。

週に3~4日バイトしてますけど、ほぼ毎日3時間ぐらい出ずっぱりな事が多いですね。
ショーは週末だけみたいですが、日替わりで2~3人がローテーションしつつ、毎日誰かが店内にいるようでした。

僕のお気に入りは、一番清楚なロングストレート金髪美人の「アイ・アップルトン」。スタイルもモデル体型の子よりは若干落ちますが、相当に良く、所謂巨乳。その割りに背が152センチと小柄で可愛いのです。水色の澄んだ瞳がまた美しいんですよね。

彼女達はブレザー制服をアレンジしたアイドル衣装を纏い、制服のデザインとマッチしたデザインタイツを穿いています。足もピッタリしたロングブーツで統一感があり、とても可愛いのですが、夏でも冬服のような衣装で、飾りも多く、布の量も多めなので、明らかに動きにくそう。
スカートはアイドルならではの短さですが、中に柔らかそうなパニエがぎっしりと詰まってるようで、軽くスカートがめくれても中の下着が見えてしまうことは無さそうでした。

仕事中も彼女達の行動を目で追っている自分がいましたし、特にアイちゃんの登場している時間帯は、その清楚な動きと、きっとその中で頑張ってるであろう女の子の事を想像して悶々としてました。
いたずら好きな子供達に揉みくちゃにされながら、胸を悪戯されてるシーンなんかも目撃し、その時は何故か切なそうに腰がヒクヒク反応しているのを見てしまいました。
もちろんその動きは些細なものですし、特にいやらしい感じではなかったのですが、僕にはその光景が、中の人の切ない感じを想像させてしまいました。
まー普通に考えて、女性が胸を子供に悪戯されたからって、不快感はあっても興奮するとは思えないのですが、あんなに密閉された空間にいる人が、その悪戯をどう受け止めるのか想像したら、もしかすると多少なりと興奮してしまう事もあるのではないか?と都合よく解釈して妄想し、ついにトイレに駆け込んで処理してしまった事もあります。
いずれにしても、毎日、目に映る光景は自分にとってとても羨ましくて仕方の無いものであると同時に、それでも可愛いキャラクター達にちょっと女の子に抱くドキドキする感覚を抱きながら過ごしていました。

もちろんその間もInside21ではフェチな妄想の書き込みなども続けていました。

すると、ある日の夜、バイトから帰宅して、半ば日課になりつつあるのですが、今日もai-Doll達の画像を見ながら抜こうかと思ってパソコンを立ち上げた所、不審なメールが届いていました。
スパムには引っかからなかったのですが、フリーのメールアドレスを使った送信だったので、最初は中身も見ないで消そうかと思ったのですが、タイトルが「出入り口の秘密」ってなってて妙に気になったので、ついメールの中身を開いてしまったんです。

送信元のメールアドレスは当然僕の知らないアドレスでしたが、差出人のハンドル名は「匿名希望」となっていました。

『こんにちは。なっちさん』

中身はこんな感じの書き出しでした。なっちと言うのは僕のInside21でのハンドル名なのですが、その名前を使ってるのはInside21だけ。
つまり差出人はあのコミュニティーの中の誰かと言う可能性が高そうでした。



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